LAN接続ハードディスク「HDL-XR」導入事例【金沢大学附属病院様】

LAN接続ハードディスク「HDL-XR」導入事例【金沢大学附属病院様】

われわれの想定どおりに使えるようになりました。これだとちゃんとスペック通りの速度が出てるなと。本当にありがたいです

取材日:2010年3月10日

金沢大学付属病院の放射線科では、かねてより読影データの保存先としてLAN接続ハードディスクを活用してきた。しかしギガビット環境への移行をきっかけに新しく導入した製品は、大量の読影データの転送負荷に耐えきれず、エラーを頻発する結果に。だが、代わって導入されたアイ・オーのLAN接続ハードディスク「HDL-XR」の高パフォーマンスは、まさに眼を見張るものだった。

読影データの保存先に、以前からLAN接続ハードディスクを活用

冨田勝郎氏


北陸地方の中核都市である石川県金沢市。市内の名所の一つである兼六園の間近に施設を構えるのが、金沢大学附属病院だ。その歴史は古く、江戸時代にあたる1862年の加賀藩種痘所の開設にまでさかのぼるという。

特定機能病院として最先端の医療施設を誇る同院で、今回アイ・オーのLAN接続ハードディスク「HDL-XR」を導入したのは、放射線を用いた診断や治療を専門とする放射線科だ。「LAN接続ハードディスクを最初に導入したのはもう7~8年前、初期のアダプタータイプの製品の頃です。容量がいっぱいになるごとに、より速くて大きいものに取り換えてきました」と語るのは、放射線科の川井恵一先生だ。

放射線科では日頃から、読影とよばれる作業を行っている。CTやMRIで得られた医用画像を詳細に解析して診断に結びつく所見を見つけ出し、レポートを作成するという、治療方針決定のための重要な作業である。現在はレントゲンのような二次元と異なり、専用のビューアを用いて角度やコントラストを自由に変えての三次元での解析が行なえるのが特徴だ。

「現在使用しているビューアーでは、画像がどういう状態になっていたか、どの絵をどのくらいの拡大率で置いてあったかというダイジェストのデータを保存することができます。ある患者さんの、ここが大事な絵ですよというところを総集編みたいにダイジェストを作り、皆で見れるようにするわけです」。

このダイジェスト=読影データは、担当医同士の打ち合わせや患者への説明など、院内のあらゆる場所で、見たい時にすばやく呼び出せる必要がある。また、単体のデータはキロバイト単位と比較的軽量だが、そこから数百枚以上の医用画像をまとめて読み出すため、トラフィックにはかなりの負荷がかかる。これに耐えられるネットワーク環境も必須になる。

「それぞれのPCに読影データを保存すると、別の場所での作業ができなくなってしまいます。また機械の進化につれて1回の検査で出力されるデータの量も増え、多くの容量が要求されるようになりました。この症例はいずれ学会で発表をするから保存しなくてはいけないという場合もあるので、大量のファイルが保存でき、高速で、かつどこのPCからでもアクセスできる放射線科共有のデータ置き場が必要でした。その解として、LAN接続ハードディスクが使われるようになったというわけです」。

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同時アクセス数の多さに耐えられなかった他社製品

冨田勝郎氏


かつて同院内のネットワーク回線は100BASEだったため、大量のトラフィックが発生する読影データをLAN接続ハードディスクから直接開くことができず、データをいったんデスクトップ上にコピーして開いていた。およそ1年前に院内のネットワーク環境が100BASEから1000BASEに切り替わったのをきっかけに、LAN接続ハードディスクもギガビット対応製品に切り替え、利便性を向上させようとした。

ところが、その時導入されたギガビット対応のLAN接続ハードディスクは、意に反してまったく使い物にならなかったという。その理由は、小容量のファイルを同時に多数開くという使い方に耐えられなかったことにある。

「われわれの作業では、同時アクセス数が重要になります。CT室やMRIの部屋、医局、読影専門の部屋など院内のさまざまな場所から数人が同時にアクセスして、それぞれが500KBぐらいのファイルを500枚や1000枚一気に転送するので、負荷がかかった場合にはしょっちゅうタイムアウトしてしまっていました(川井氏)」。ネットワークが100BASEの頃は回線がボトルネックになっていたために問題にならなかったLAN接続ハードディスクのパフォーマンスが、ギガビット化でボトルネックが解消された途端に一気に顕在化した格好だ。

「せっかくギガ対応製品を導入したのに、試してみたら思ったほどではなくて。ベンチマークでは速いのに、ちょっと負荷かかると全然だめなんですよ。大きなファイル1個であればちゃんとコピーするのですが、500KB台では書き込みは大丈夫なのに読み出しだけすさまじく遅いという変なことが起こりまして。キャッシュの使い方がおかしいのかと思ったんですが、そもそもの使い方に無理があったんじゃないかと一時思ってたんですよね」と、半ばあきらめかけていた状況だった。

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同じLANにつながってるとは思えないぐらいの速度に改善

そこに代替製品として導入されたのが、アイオーのLAN接続ハードディスク「HDL-XR」だ。この製品をエラーが多発していた他社製品と置き換えたところ、これまで起こっていた症状は、まるでそれが最初からなかったかのように解消されたという。

「実際に使ってみたら、同じLANにつながってるとは思えないぐらいの速度が出まして。しばらく固まるといった極端なことは起こらなくなって、われわれの想定どおりに使えるようになりました。これだとちゃんとスペック通りの速度が出てるなと。本当にありがたいです」。

「接続が安定したことで、業務効率は劇的に改善されたという。具体的な改善の成果として川井先生が挙げるのは、多人数が参加してのカンファレンスで読影データを見るというシチュエーションだ。

「関係者が院内で定期的に集まって、このような患者さんがいたんですが皆さんどう思いますか、といったカンファレンスを行うのですが、その席で読影データを呼び出そうとした際に、これまではエラーを出して途中で止まることがしょっちゅうありました。多くの人を待たせているわけですし、限られた時間内でいくつもの症例をチェックしなければいけない中でのエラーは非常につらかったですね。それがなくなったことは非常に大きいです」。

HDL-XRの導入で恩恵を被ったのは、リアルタイムの読み出しだけではない。これまで週1回、丸一晩かかっていた外部ストレージ(USBおよびeSATA接続の外付ハードディスク)へのバックアップが、接続の安定と時間の短縮によりスムーズにこなせるようになった。

「以前は夜中に始めたバックアップが翌日の昼までかかる状態だったので、休みの日の夜中にしか作業が行えませんでした。いまでは数時間でちゃんと終わってくれるようになり、翌朝の仕事を邪魔することもなくなりましたので、1週間に2回、水曜と日曜の夜中にバックアップするようになり、以前に比べ安心感が上がっています」

ちなみにHDL-XRのバックアップは「履歴差分バックアップ」と呼ばれる方式を採用している。データを時系列でバックアップするので、任意の日のフォルダやファイルの構造を、そのままの状態で参照できるのが特徴だ。アップル社のTime Machineに近い機能と言えば分かりやすいかもしれない。この機能を川井先生は高く評価する。

「世代バックアップなのに1個のファイルしか見えないのがすごくいいですね。いっぱいフォルダーができないし容量も増えてない、あれいいです。2回目以降のバックアップも速いですしね」。書き出し先の外部ストレージの容量が少なくて済む点も好評だ。

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ユーティリティのインストール不要で導入作業が簡単

放射線科が利用するLAN接続ハードディスクは、今回のHDL-XRが5代目に相当する。これまで多くのLAN接続ハードディスクの導入および運用にあたってきた川井先生は、HDL-XRを使った際に感じたメリットとして、セットアップの容易さを挙げる。

「最初のセットアップの時、ノートPCに直接つないで見つけ出すのが意外と楽でしたね。一般的なユーティリティだとDHCPがオンの状態でないと見つからないことが多いのですが、ここはみんなIPアドレス決め打ちで使ってるので、一般的なユーティリティは使えないことが多いのです。今回のHDL-XRのユーティリティは、CDから立ち上がっていきなり検索しに行って設定できました。あれはすごく楽でしたね」

川井先生が指摘するユーティリティとは「Magical Finder(マジカルファインダー)」。HDL-XRに添付される、Windows用の設定ユーティリティだ。

「設定ユーティリティというのは、作業が終わったらもう使わなくなっちゃうものなので、自分のPCにいちいちインストールしたくないんです。その点以前使っていた製品はインストールが必須ですごく面倒くさかったんです。今回の製品は、ノートPCから病院全体用のIPアドレスに書き換えたあと、つなぐだけで作業を完了できたので、非常に楽でしたね」

また川井先生は、導入および運用の容易さという点で、HDL-XRがカートリッジ方式を採用していること、またバックアップのスケジュール機能を高く評価する。

「いつも自分で交換作業ができるわけじゃないので、何かあって作業を人に頼む時でも、カートリッジを入れ替えるだけであれば、割とやってもらいやすいですし。うちは人間の出入りが多いですし、僕もいつ別のところに行くことになるか分かりませんので、あまり複雑なものはメンテしきれないんです。そういう意味でカートリッジ式であることや、バックアップのスケジュール設定が組めることはかなり大きいと思います。逆にそういうことができない製品だと、ちょっと怖くて使ってられないですね」

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辞書ファイルの共有やマニュアル置き場、データベースの保存先としても活躍

同院のネットワークはインターネットにつながらないクローズドなシステムであり、またActive Directoryも導入されていないなど、ネットワークの構成はやや独特だ。そうした制約の中、さまざまなアイデアをもとに業務の効率化が図られており、HDL-XRもその一翼を担っている。そのひとつとして、個人ごとの辞書ファイルをHDL-XRに置いていることが挙げられる。

「院内ではみなオリジナルの単語や決まり文句を辞書に登録をして使っているので、たまに他人がよく座る席で作業をしようとすると予想外の変換が出てきて、自分の打ちたい文章が打てなくなるんです。なので今は個人別の辞書ファイルをHDL-XR上に置いて、利用するマシンから読み込むことで、自分の辞書をどこからでも使えるようにしています。Active Directryであれば自動でできるんでしょうけれども、そこまでいってないので、HDL-XRを有効活用しています」。

このほか、情報共有用のWikiから参照するマニュアル等の置き場所としても使われている。

「特定の部屋でやるべき作業や、こういうことが起こった場合にはどうしますかとかいうWikiを運用しているのですが、そこから参照されるファイル類を全部HDL-XRに置いています。こうすれば面白い論文にみんなリンクを付けることができます」。症例事典をWikiに構築し、その参照先となる過去の論文などをHDL-XR上に起くことにより、院内どこからでも参照できるという使い方だ。Wikiを構築しているサーバにデータをまるごと置くのではなく、大容量のHDL-XRのディスクスペースを有効活用しているというわけだ。

さらに、Accessで管理している治験データベースも、HDL-XRに置かれているとのこと。「患者さんの治験データをAccessのデータベースで管理しているのですが、このデータファイルをHDL-XRに置いています。これまでネットワーク回線が遅いときはちょっとそれやってられなかったんですけど、速いデータベースに置いてHDL-XRでつないでみると実用的でしたので」。ローカルPCではなくLAN接続ハードディスクに置くことで、個人PCからの情報漏えいの防止にも効果を発揮しているとのことだ。

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HDL-XRの活用により、臨床・教育・研究のさらなる追求を

今回のHDL-XRの導入により、充実したネットワーク環境をフルに生かした、安定性の高い環境の構築に成功した同院。今後の展望として、マニュアル類の整備と、学生にフィードバックするためのデータ類の充実を挙げてくれた。この背景には、大学病院ならではの事情がある。

「大学病院は人の入れ替わりが激しいので、新しく入ってきた人たちは、独自の決まりごとにどうしても戸惑いがちです。こうした人たちがすぐにシステムを使えるようになるためには、やはりしっかりしたマニュアルを用意して、仕事しながらそれがすぐ見れる状態になっていることが重要です。HDL-XRのディスクスペースをうまく利用して、Wikiと併せてわかりやすいマニュアルをどんどん作っていくべきだと考えています」

また、学生がデータを活用してくれることも期待しているとのこと。

「うちは学生さんが見学に来てレポートを書いていったりするんです。そういう時に、過去の典型的な読影データをたくさん例にしてHDL-XRに保存しておけば、過去のいい例を学生さんが簡単に見つけ出せるようになります。いまも大枠はできているのですが、これをさらに推し進めて、学生の教育に直にフィードバックできるようにしていきたいですね」

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導入企業概要

金沢大学付属病院 | 外観

150年もの歴史を持ち、いまでは国の特定機能病院にも指定される金沢大学付属病院は、先進治療の発信地として高度先端医療に対応する施設を備え、北陸地域において高い信頼を勝ち得ている。平成21年には新外来診療棟が完成したことにより、ますますの利便性の向上が見込まれている。
[企業名] 金沢大学付属病院
[代表] 病院長
富田勝郎
[職員数] 1,562人(2008年時点)
[所在地] 石川県金沢市宝町13-1
http://web.hosp.kanazawa-u.ac.jp/

川井恵一先生

放射線科
川井恵一 先生

「数年前のLAN接続ハードディスクは画像などの大量転送に耐えられなかったので、自宅では仕方なく自分でWindowsのサーバーを組んだのですが、今回の製品があれば、わざわざそんなことをしなくても済んだのにと思いますね」

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