LAN接続ハードディスク「LANDISK Z」導入事例 【紀本電子工業様】

LAN接続ハードディスク「LANDISK Z」導入事例 【紀本電子工業様】

「Windows Serverですから、非常に簡単ですね。ActiveDirectoryに組み込むのは一瞬で終わりました」

取材日:2010年11月15日

既存のWindowsサーバー環境にNAS製品を導入する場合、アクセス権限の設定がネックになりがちだ。ActiveDirectoryのユーザ情報をそのまま利用できればよいが、読み書きなどの細かい設定を行うには設定手順が煩雑になってしまう場合も少なくない。Windows Storage Server 2008を採用したアイ・オーのNAS「LAN DISK Z」の導入でこの問題を解決した、紀本電子工業株式会社 技術部次長の森田和夫氏と技術部技術課の植田正人氏に話を聞いた。

負荷分散を狙って、部門サーバーの導入を検討

森田和夫氏


紀本電子工業株式会社では、WindowsServer2008をサーバーOSとして使用し、SQLサーバー、ファイルサーバー、 ActiveDirectoryといったサーバー群が構成されている。各営業所のクライアントPCはVPNを経由し、 そこに接続しに行く形だ。

これまで同社の技術課では、製品の試作研究にともなって発生する実験データや開発用の資料を、このメインサーバー上に保存してきた。セキュリティの観点から、データの書き込みは課員のみ、読み込みは管理職や他部署も行えるよう、ActiveDirectoryで権限設定を行っている。

しかし前述のように、複数のサーバーが基幹サーバー上で稼働していること、さらに個々の実験データが肥大化してきたことから、負荷分散および容量不足の解消を狙って部門サーバーの導入を検討するようになった。。

「ファイルサーバーをHyper-V上で運用しているので、容量の制限もあってなんでもかんでも入れるわけにいきません。社内全体のサーバーに入れるには容量が大きすぎるデータを入れるための部門サーバーを探していました」と語るのは、同社技術部次長の森田和夫氏だ

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「全社に公開、担当部門のみ読み書き可能」というシンプルな権限設定が困難

当初部門サーバーとして導入したのはLinuxベースのNAS製品だったが、常時利用するところまで行かなかった。ActiveDirectory権限が思ったように継承されなかったためだ。

「ドメインユーザ全体が読み出しが可で、特定の人だけが書き込みできるという設定ができないんですよね。排他制御しようとするとそれ用のグループを新たに作らなければならず、本格利用には至りませんでした(森田氏)」。

技術部が持っている製品の詳細な検査データは、同社のほかの部署、製造部や営業部が参照する機会も多い。したがって共有の設定は欠かせないわけだが、書き込みの権限を与えることでデータが書き換えられたり、万一失われるようなことがあれば大問題だ。

「機密性というよりも、誤操作、つまり誤って消してしまうことへの対策がメインですね。誤って消さないようにはしてあるから気にしないで使っていいよという、そうした運用をしたかったわけです(森田氏)」。

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「LAN DISK Z」なら、ActiveDirectoryのグループやユーザーがそのまま利用できる

そこで新たに部門用ファイルサーバーの候補に上がったのが、アイ・オーのNAS「LAN DISK Z」

Windows Storage Server 2008を採用したこの製品は、ActiveDirectoryの権限設定に悩む必要はない。ドメインに参加させるだけで既存のActiveDirectoryのグループやユーザーがそのまま利用でき、ファイルやフォルダ単位の細かな権限設定も可能だ。

導入について、森田氏は「(LAN DISK Zは)Windows Serverですから、非常に簡単ですね。ActiveDirectoryに組み込むのは一瞬で終わりました」と語る。従来製品のように権限設定に時間を取られることはまったくなく、「一カ所でやれば全部反映されるのが理想」としていたスタイルを実現できているという。

LAN DISK Z導入後のシステム構成図

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「体感的にはUSBの外付HDDと遜色ない」パフォーマンス。SMB2.0にも対応

もうひとつ、森田氏が従来製品と大きく異なるポイントとして挙げるのが速度面の違いだ。

HDL-Z4WS


「以前導入したLinuxベースのNAS製品は公称値が約30Mbpsとなっていたのですが、実際に転送を行うと徐々に速度が遅くなってきて、最終的には数Mbpsくらいしか出ませんでした。そのため、複数アクセスにはとても耐えられませんでした」。

同社では、開発に利用しているVMware仮想マシンのイメージデータをバックアップする先として、部門サーバーを利用している。そのためひとつのファイルのサイズが、一般的なオフィスファイルなどと比べると非常に大きい。

「小さなファイルをちょこちょこアップロードしたり、読み出すには十分我慢できるのですが、大きなものを入れようとすると、速度的にとても耐えられませんでした。マシン自体はだいたい20GBくらいの容量なのですが、遅い環境でそれをバックアップしようとすると、一晩かかってしまうというわけです」。

その点、デュアルコアAtomを搭載した「LAN DISK Z」であれば、これまで一晩かかっていたイメージデータのバックアップが、わずか1時間ほどで完了するという。

「自作のバックアップツールで二つの履歴を残せるようにしてあり、毎回古いほうを消してからコピーを行っています。帰宅前にバックアップを開始して終わったらシャットダウンするという使い方をしているのですが、体感的にはUSBの外付HDDと遜色ないくらいの速度です。その点については非常に満足しています」。

また、この「LAN DISK Z」はファイル共有プロトコルとしてSMB2.0をサポートしており、Windows 7のクライアントと高速な通信が行えることが特徴だ。現在徐々にWindows 7マシンの導入を増やしているという同社でも、SMB2.0のメリットを実感しているとのこと。森田氏は、以前の製品と比べて「桁違いに速い」ことに加え、「とくに最初から最後まで転送速度の低下がないのがいいですね」と、「LAN DISK Z」のパフォーマンスの高さを評価する。

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高いコストパフォーマンス。UPSの自由度の高さもメリット

植田正人氏


これまでLinuxベースのNASからアップルのXserveまでさまざまなサーバー製品を試してきたという森田氏は、本製品のもうひとつのメリットとして、費用面のメリットを挙げる。

「導入にあたって重要なのは、いかに費用を抑えるかということです。お金を出せばスピードが高いモノはいくらでもありますが、本格的に見積もると桁が違ってきてしまいます。たとえデメリットがあってもそれを理解したうえで、セットアップも自分たちでするので、最小限の費用で最大限のパフォーマンスを得たいわけです。その点この製品は、このコストでこの性能ですから、非常にコストパフォーマンスが高いと言えるのではないでしょうか」。

いっぽう同社技術部の植田氏は、Windows Storage Server 2008ベースのNASを実際に使って感じたメリットとして、UPSの選定のしやすさを挙げる。

「LinuxベースのNASだと動作保証をされているUPSしか利用できませんし、さらにバックアップ時間が変えられなかったり設定の幅に制限があります。それに対してこの製品であれば、WindowsですからUPSメーカー付属のソフトが使えるので、自由度が高いのがいいですね(植田氏)」。

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台数の追加も容易なため、将来的には各部門ごとのサーバも視野に

現在「LAN DISK Z」は、ファイルサーバーとしておよそ200~400GBほどの容量を利用しているとのこと。同社では今後、各部門ごとのファイルサーバーとして、さらなる台数の追加を検討していきたいという。

「それぞれの部門で管理者を選んでサーバー管理の権限を与えるか、その部門だけ書き込みできるボリュームをこちらで作って管理を任せるか、まだどうするかは決めていませんが、いずれにせよどこからでも読みにはいけるようにはしたいと思っています」と語る森田氏。ActiveDirectoryのユーザー情報をそのまま利用する「LAN DISK Z」であれば、複数台を導入した際も各々にユーザ情報を登録する必要がないので、台数の追加も容易というわけだ。

「性能はもちろん、速度と、あとActiveDirectory連携もじゅうぶんに満足が行く製品でした」と語る森田氏。高い技術力と信頼性で世界中に知られる同社の自動計測装置の開発を、今後もアイ・オーの「LAN DISK Z」が陰からサポートしていくことになりそうだ。

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導入企業概要

紀本電子工業株式会社 | 大気自動計測システム 紀本電子工業株式会社 | 出荷前の測定器チェック

昭和28年に大阪で創業した紀本電子工業は、国内で唯一の環境計測機器の専業メーカーだ。大気自動計測システムや水質自動計測システムをはじめ、地球環境全般にわたって汚染物質の変動を捉えるための連続自動測定器の数々は、国内はもとより海外でも高い評価を得ている。
[企業名] 紀本電子工業
[設立] 1953年(昭和28年)11月12日
[代表取締役社長] 紀本岳志
[従業員数] 80名(2007年4月20日現在)
[事業内容] 大気自動計測システム、水質自動計測システム、海洋測定装置、その他環境計測機器、各種サンプラーの製造、販売
http://www.kimoto-electric.co.jp/

技術部次長 森田和夫 様
技術部次長 森田和夫 様

技術部技術課 植田正人 様
技術部技術課 植田正人 様

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