ラックマウントNAS「HDL-Z4WL12CR2」導入事例【株式会社渡辺機械製作所】

ラックマウントNAS「HDL-Z4WL12CR2」導入事例【株式会社渡辺機械製作所】

社内に点在していたいくつものファイルサーバーを新たに集約し、効率的かつ安全・安心なデータ管理体制を実現

取材日:2015年1月16日

愛知県を拠点とする歴史ある工作機械メーカー、渡辺機械製作所様。自動車を中心に、鉄鋼、電機など、様々な業界向けの生産設備を製造販売されており、特に自動化装置には強みをお持ちです。日本の製造業の躍進を長年支えてきた同社ですが、現在では販路も拠点も日本国内に留まらず、中国、タイ、米国など広く展開されています。
このほど同社の毎日の業務で使われているファイルサーバーが刷新のタイミングを迎え、同社とお取引のあるOA機器販売店の株式会社日高堂様のご提案により、新たにアイ・オー・データ機器のNAS「HDL-Z4WL12CR2」が導入されました。そこで、ITの黎明期より同社の情報システムを統括されてきた執行役員の稲垣正宏氏に、選定の背景やポイントなどを伺いました。

OSの違う様々なファイルサーバーが乱立、老朽化、容量のひっ迫が問題に

watanabekikai_19.jpg
ファイルサーバー刷新について語る
稲垣正宏氏

――ファイルサーバー刷新に至った経緯について教えてください。

稲垣氏≫
 長年使用していたファイルサーバーが老朽化したこと、また容量がひっ迫してきたという2つの理由が導入の直接的な動機です。生産設備メーカーという業種柄、CADなどの設計データや、仕上がり検証/保存用の製品写真など、保管するべきデータは膨大。さらに近年になってますますデータ量が増えているというのが現実です。特に、カメラの精度が向上した結果、写真の画素数が一気に増えて容量を圧迫するようになりました。

 また、社内には過去の様々な時期に導入してきたファイルサーバーが点在していました。これらはニーズに応じて都度導入されてきたために、メーカーやOSがバラバラ。なんとか集約して管理を楽にしたいという希望もありました。

――別の選択肢としてクラウドサービスも検討されたとか。

稲垣氏≫
 クラウドストレージについては、コスト試算をしたところ費用対効果が思ったほど出ないと感じました。現在保有しているデータ量はすでに膨大、これをすべてクラウド上に保管し、さらに今後増え続ける容量に対して従量課金し続けていくのは現実的とは言い難いですね。経営方針上、固定費を増やしたくないという思惑もあり、やはりクラウドサービスはありえないという結論に達したのです。

――ちなみに、サーバーはすべて稲垣様が管理されていたそうですが、どのようにバックアップをされていたのでしょうか。

稲垣氏≫
 データの重要度に応じて、様々な手法を駆使していました。バックアップツール「Arcserve」や、Windowsの機能であるシャドウコピーの3時間ごとの適用、場合によっては手動での他媒体へのコピーなど。しかしデータ量が増え、時間内にバックアップが取りきれないという心配もでてきましたし、私が多忙となり従来のようにサーバーをメンテナンスする時間がなくなってしまい、早急な対策をと考えていました。

ページの先頭へ

「故障しないこと」よりも「万が一の際にいかに対応するのか」に注目

watanabekikai_38.jpg
設営・設定中のLAN DISK Z

――HDL-Z4WL12CR2選定の際に重視したポイントや、バックアップを考え2台構成で導入された経緯などをお聞かせください。

稲垣氏≫
 一度導入した機器はできる限り長く使いたいというのが当社の方針ですが、残念ながら将来のOSのサポート切れなどの要因を考えると、今後NASのような機器をそう長く使うことは難しいかもしれません。そうなると、多大なコストをかけて極限まで信頼性を高めるというような選択肢は選べません。しかも、そこまでしてもハードディスクは壊れる時には壊れてしまいます。そんな中、コストと信頼性、使用年数を考えた時、ちょうどいい着地点にあったのがHDL-Z4WL12CR2です。

 また、新体制では社内のファイルサーバーを集約するつもりでしたが、集約したデータが破損してしまっては大変なことになる。対策として2台での冗長化を行ったわけです。手ごろな価格のHDL-Z4WL12CR2なら、複数台の導入も可能でした。
 この2つのHDL-Z4WL12CR2は、アイ・オー・データ機器がLAN DISK Zユーザ向けに無償で提供しているバックアップツール「Sync with Business Edition」で日時の定期バックアップをとっています。万が一メイン機が故障しても、バックアップ機に切り替えればすぐに運用を再開できる仕組みです。ハードディスクが故障する確率をゼロに近づけるのではなく、故障があった場合にいかに業務への影響を少なく、素早く復旧するのかという方向で考えました。

ページの先頭へ

遠隔監視、オンサイト保守、データ復旧特約...、様々な「安心」を重ねて

――遠隔でNASの状態管理を行うクラウドサービス「NarSuS」、また有償のオンサイト保守サービス「アイオー・セーフティ・サービス」もをご利用いただいていますが、いかがでしょうか。

稲垣氏≫
 比較的過酷な環境で利用しているためRAIDを組んで運用していますが、従来だとこのうちのハードディスクが1本壊れてもなかなかすぐに気付けないものです。全社のデータが集約された今、気付かないまま全損などということがあってはなりませんので、NarSuSのような早期の対策につながる仕組みは歓迎しています。
 また、アイオー・セーフティ・サービスは、いつでも安心してサポートに電話できる有線電話サービスが有り難いですね。

――NAS2台によるレプリケーション、NarSus登録、オンサイト保守加入、UPS導入、バックアップ取得という条件をすべてクリアされましたので、万が一の事態にデータ復旧のコストをアイ・オー・データ機器が担保するという「データ復旧特約」の対象となっています。

稲垣氏≫
 実は自社が対象になっていると存じていませんでした(笑)。これだけ対策を行っていますので、データ復旧サービスのお世話になるような事態はなかなか起こらないでしょうが、万が一の時には安心ですね。データの一元化で管理はぐっと楽になりますし、これで私も情報システムの統括という大役を、安心して若手に譲ることができそうです。
 今後は海外拠点とのデータ共有、リモートアクセスなども視野に入れています。セキュリティの制約など課題は多いですが、ぜひ実現していきたいですね。

導入企業概要

[企業名] 株式会社渡辺機械製作所
[会社概要] 生産設備機械、自動搬送機械、リークテスターなどの製造販売を行う。創業は古く、戦前、戦後、そして現代に至る長い歴史の中で、その 時々に世に求められた設備、機械を柔軟に提供し続けてきた。現在は生産設備の自動化装置に注力。
[所在地] 愛知県知立市
[設立] 1935年10月
[担当者名] 株式会社渡辺機械製作所 執行役員 稲垣 正宏 氏
http://www.wmm.co.jp/

ページの先頭へ

このページのトップへ
PC版を表示