取材日:2017年8月2日
播磨中は全校生徒約600名。1学年約200名/5クラスで、1クラス35名前後です。学年毎に配置のモニターはなく、特別教室のみで使われています。今回、「てれたっち」を、数学教室に一台設置しました。専用の数学ソフトを使って、普通の黒板では難しい内容をわかりやすく解説し、生徒の数学に対する興味を刺激したようです。実際に使われた感想や、IT機器と教育現場との関わり方についてお話を伺いました。
※先生のご紹介、学校での設置状況などは取材当時のものです。
「てれたっち」の設置についていかがでしたか?
林先生私は、播磨中学に赴任する前は小学校の教員でした。その時は、学年に1台プロジェクターもしくは電子黒板があり、教科担任制になっていた6年生はその電子黒板を使っていました。しかし、教室間を移動させるのはたいへんで、短い休み時間での準備に負担を感じていました。「てれたっち」は、このような手間をかけずに、各教室のテレビに簡単に取り付けて日常的に活用できるのが便利だと思います。
林先生今は、モニター画面が50インチしかありません。小学校の授業に比べ、中学になると黒板に書かなければならない情報量が一気に増えて、もう少し大きなモニターが必要になります。もちろん、普通の黒板と併せて使いますが、「てれたっち」は最大で80インチのモニターまで対応可能なので、買い替えた時にも使えるのが便利だと思いました。これは、他の教科の先生も同じ意見です。
実際の授業ではどのように活用されていますか?
林先生分数や小数を含む連立方程式の問題を、整数に直してから解く授業で「てれたっち」を使いました。連立方程式は教科書をスキャンして映し出し、そこにまず私自身が書き込んで、生徒たちに解き方の模範を示します。拡大投影だけならば書画カメラを使ってもできますが、「てれたっち」では、書き込みながらその理論を解説できますので、生徒にとっては理解しやすいと思います。
林先生その後、一次関数の授業では、GeoGebraという幾何、代数、解析を一つに結びつけた動的数学ソフトを使い、グラフの授業を行いました。このソフトは、Y=2Xと書けばグラフを引いてくれるような便利な機能があります。例えば、「グラフの平行移動」と言っても言葉だけではなかなか理解できないものです。取り込んだ画像をてれたっちで表示し、「平行移動」の動きが目視できると、「なるほど、こういうことですか」と納得の声が出ました。
林先生仮に「てれたっち」を使わないで理解させようとすれば、方眼の黒板を使って説明することになりますね。「この線はこの線の平行移動という」と説明するのですが、結果を見ると確かに平行になっていても、移動したという感覚まではなかなか伝わらないでしょう。モニターで動かして見せることで、上に平行なのか、あるいは下にも横にも…ということを理論的に解説できます。GeoGebraは、「てれたっち」と相性も抜群で、やりたいことをパワーポイントで作成するよりもスムーズでした。
新しい展望や今後の活用についていかがですか?
林先生今の中学生は、キーボードに不慣れです。スマートフォンが急速に普及した時代にいるので、タッチパネルばかりです。パソコン授業も何回か行いましたが、キーボードを叩けない生徒が多いです。ですから、「てれたっち」の専用ペンを持たせても、モニターがタッチパネルでもないのに、最初は指でタッチしてしまいました。もしかすると、タブレット端末を配り、「てれたっち」と連動させると効果的かもしれません。その場合は、教師がもう少しITスキルを身につけることも必要です。
林先生生徒の側からすれば、「てれたっち」のようなIT機器を使った授業は新鮮で、数学に対する興味関心も高まったように感じました。中学は小学校とは違い、教科ごとに専任の先生が授業を行うので先生によって指導の方法は様々ですが、今までとは違ったスタイルの授業を実践できることは確かだと思います。少しだけ授業にメリハリをつけてみようか、ホームルームで使ってみようかなど、教師が柔軟に考えることも必要だと思います。私は、教室の席替えの時にも「てれたっち」を使ってみました。教科だけでなく、係を決める時や校外学習のしおりの説明など、ホームルームなどでも活用の場が広がりますね。