「てれたっち」DA-TOUCH/WB導入事例
【三重県三重郡朝日町立朝日小学校】

導入事例TOPへ戻る

てれたっち導入事例【三重県三重郡朝日町立朝日小学校】

取材日:2018年02月23日

PDFダウンロード

時代に沿った「つけるべき力」を子どもたちに。
町の教育への理解に支えられ、「てれたっち」を全教室に導入。

林 政男先生(3年生担任)/池村 和真先生(6年生担任)
林 政男先生(3年生担任)/池村 和真先生(6年生担任)

「こんにちは!」。すれ違う児童たちの元気なあいさつと重要文化財の円形校舎に迎えられ、三重県は朝日町の朝日小学校を訪ねました。朝日小学校では、すべての教室に1台ずつ大画面液晶テレビが備え付けられている環境を活かし、平成29年度から特別教室を含め全教室に「てれたっち」が導入されています。児童が画面にタッチして、クラスの仲間に考えを発表する。そんな積極性あふれる授業の様子をはじめ、導入への想いとその効果、今後の展望についてお話を伺ってきました。

取材にご協力いただいた先生

橋本 憲幸先生(朝日町教育委員会 教育課 係長 兼 指導主事)/荻田 直樹先生(教頭)/林 政男先生(3年生担任)/池村 和真先生(6年生担任)

既存の液晶テレビを活用して、低コストで電子黒板化できるから、全教室への導入が実現。

「てれたっち」を導入された経緯をお聞かせください。

荻田教頭先生
荻田教頭先生

荻田先生本校は若い職員が多く、ICTに取り組みやすい。落ち着いた学習環境も整っていますが、大画面液晶テレビを使って目から入る情報というのはさらに効果的だと考えました。朝日町全体の取り組みとして、教育委員会と本校の二人三脚で相談しながら「てれたっち」を導入しました。

橋本先生もともと大画面液晶テレビが各教室に設置されていて、コンピューター教室で以前使っていたものですが、パソコンも整備されていました。ただ、先生がパソコンを見ながら操作すると、児童に背を向けて操作することになり流れが止まる。それが嫌で、大画面テレビを電子黒板化したかったのです。ユニット型のものならコストも抑えることができ、全教室に導入できると考えました。

橋本先生他社製品も含めてデモ機をお借りして、実際に先生方に試用してもらいました。全教室に配置するので取り外しの必要がないし、小学校という環境下で何年も使う点からも、安定感が重要。操作性に加えて、そこが決め手になって「てれたっち」を選びました。

これだけの予算を組んで教育に力を入れる、町の支えは大きいですね。

授業の様子
授業の様子

荻田先生一町一校の良さといいますか、何十も小学校のある大きな市だとなかなか整備が追いつかない。特別教室を含めて全教室に設置している小学校は、私の知る限り近隣にはないです。朝日町ならではの充実した環境はありがたいですね。

橋本先生朝日町の教育長は常々、「時代の流れに沿った、子どもにつけるべき力を」と申しています。その方針をバックアップしていだける町全体の理解があってこそ、この環境が実現したと思います。朝日町の中学校にも、全教室導入されています。

橋本先生町に発信もしています。導入してから2週間以内に、議員の方々に授業参観していただきました。こちらはドキドキでしたが(笑)、「ほんとにいいね」と感想をいただきました。もともと児童たちが持っているポテンシャルもありますが、一生懸命学びに向かっている姿は本物だと思いますね。

児童が、自分の考えをクラスの仲間に伝えるツールに。

今日拝見した授業がとても楽しそうで、教室の一体感が素晴らしいと感じました。

橋本指導主事
橋本指導主事

橋本先生ICTは先生にとってはICTを使って授業をより深いものにし、児童にとっては自分の考えを仲間に発表できるツールだと思うんです。人前で自分の思いを伝えることが得意でなかったり、順序立てて伝えることを苦手とする児童は多いです。だからこそ学んでほしい。言葉だけでなく視覚上の情報も提示しながら、「これを見て、ここがこうだから、私はこう思うんだよ」と仲間たちに伝えていければいいなと思います。

荻田先生「てれたっち」を導入してから、授業への反応が全然違いますね。さらに、自然に児童たちがつながるといいますか。みんなが発表した考え方や想いについて隣の子や班の子が一緒に考えたりして、お互いに考えを深めあったり、学び合ったりする姿勢が高まっていると思います。

授業を進める立場から、導入されて一番良かったと思うところは何ですか

6年生の授業の様子
池村 和真先生(6年生担任)
6年生の授業の様子
6年生の授業の様子

池村先生授業への姿勢や積極性が変わりましたね。やはり資料を見せて、みんなで共有できるのがメリットだと思います。テレビと書画カメラでも大きく映すことはできますが、「てれたっち」が入ったことで「ここに注目!」と資料に直接書き込むことができます。今日の社会科の授業でも地図の比較をさせましたが、2つの地図で共通しているのはどこか?と質問して、児童にマーキングさせることもできます。

林先生映したものを見せるだけなら、こちらからの発信ばかりです。でも書けることになったので、児童たちが参加でき、自然と顔が上がるんですよね。双方向で授業が進むのが大きいです。「てれたっち」を使うと、みんなすごく手を挙げるようになります。ゲーム感覚に慣れている子たちなので、やりたくて仕方がない。

先ほどの授業でも、積極的に手を挙げていましたね。

積極的な授業風景
積極的な授業風景
タッチペンで発表する児童
タッチペンで発表する児童

池村先生例えば、文章の一部を隠すだけで、クイズ形式で発問できる教材をパソコンなら事前に簡単に作っておくことができます。それを授業のときに大画面に映し出し、「世界に何人でしょう?」と聞くと、児童たちから口々に答えが返ってきます。その答えを画面上に書き込んでいくことで、参加意欲も集中力もさらに高まります。黒板と大画面テレビとうまく使い分けながら授業をすすめられる点もいいですね。

林先生児童の発表の場が増えるのもいい。画面に向かってそのまましゃべる子もいたので、「しゃべる時はみんなのほうを向いて」と促すようにしました。ただ話すだけでなく、画面に映したものをマークしながら話すことで、他の子にも伝わりやすくなり、児童たちもだんだん発表がうまくなってきました。実は、「てれたっち」が入る前はデジタル教科書を使う機会は少なかったんです。マウスでしか操作できなかったので。例えば、今日の算数の授業の場合、天秤におもりをドラッグして載せる動きは低学年の子には難しい。でも、タッチペンなら簡単です。

印刷も不要になるから、先生の負担を軽減。その分より授業を深いものにできる。

資料づくりの負担軽減にも役立っていますか。

3年生の授業の様子
3年生の授業の様子
3年生の授業の様子

林先生今日のような授業を紙でやろうと思えば、天秤やおもりの絵を描いた教材をつくるしかない。もしくは、理科室から天秤を持ってくるかもしれませんね。でも、広い教室で教卓の上で「釣り合ったね」とやったところで、後ろの子は見えないでしょう。

池村先生印刷しても大きくてA3サイズ。それ以上だと貼り合わせるしかないですし、黒板に貼ると書くスペースがなくなります。「てれたっち」導入後は、資料をパワーポイントで作って、大画面に映せばみんなで見られます。デジタルデータなので、紙と違ってゴミも出ませんし。特に社会科などでは大画面で資料をいろいろと見せることができるので、便利です。

林先生紙だと移動にかさばりますが、CD-ROM1枚で済みます。デジタルデータは蓄積もできますし、必要ならば印刷することもできます。

池村先生僕たちの仕事って、1年単位で学年が変わったら、今年使った教材が翌年は使えない。でもデジタルデータに残しておけばこの先も使えますし、パワーポイントを学校のネットワークのデータフォルダーに入れておけば同じ授業を他のクラスでもできます。

「てれたっち」なら印刷の手間も省けますし、大きく映し出せるのがいいですね。

池村 和真先生(6年生担任)
池村 和真先生(6年生担任)

池村先生文章の一部を隠したクイズ形式の教材など僕が作ったものは、他のクラスでもお使いくださいと公開しています。教師も勤務時間の削減が問われていますので、手分けできるのがいいですね。

荻田先生学年に担任が5~6人いるんですが、放課後にモニターの前に集まって、自分たちがつくり出した指導教材の共有をしてくれています。みんなが1/5ずつ手分けして考えれば1つのものができ上がる。逆に1つずつ作れば5つものものができる。それがいいところだと思います。

池村先生昨日も、授業の内容を学年の主任の先生と自分が作った資料を見ながら考えました。この場面では何と発問すればいいかな、もう一つ、発問を加えてみようなど。パワーポイントならすぐ文言を入れられますし、印刷など手間が減るぶん教材を深め、より興味深いものにすることができます。

全教室にあるから、いつでも使えますね。

林 政男先生(3年生担任)
林 政男先生(3年生担任)

林先生もうない時代には戻れません。体育でも跳び箱の跳び方とか、家庭の玉止めの方法とか、動画を自分で録って流している先生もいらっしゃいます。電子機器が苦手な先生でも、児童にやらせるといい。子どもは慣れるのが早く、こちらの知らない使い方を教えてくれることもあるので、とりあえず触らせてみたらなんとかなる。始めるのは簡単です、「てれたっち」は全教室にありますので。

荻田先生職員にも得手不得手はありますし。ベテランの先生の指導のノウハウを活かしながら、ICTが得意な先生の資料を共有できたりするような。いいとこ取りをしながら、全員がICTを活用してより効果的な指導ができるようになる。それが我々に求められることですし、補い合ってもらえていると思います。

橋本先生来年度、Wi-Fiの整備を普通教室まで広げる予定です。タブレットも追加導入し、「てれたっち」との連携なども考えていきたいです。学びのためのインフラをしっかり整える、これが教育委員会の仕事。そのあとはぜひ、先生方全員に触れていただき、子どもたちの反応の違いを実感していただきたい。そして先生が教材を提示するためだけでなく、子どもたちが主体となって使う身近な道具として活用し尽くしていただきたい。そう願っています。

PDFダウンロード

導入学校概要

明治35年(1902年)を創立年とする歴史ある小学校。現在、1年生6クラス、2~6年生5クラス、ひまわり学級6クラスで、計1,000名近い児童が学んでいます。特徴ある円形校舎は昭和37年竣工で、国の登録有形文化財にも指定。全国から円形校舎が減少していく中、朝日町唯一の小学校であり、町出身の多くの方の学び舎であることから、町のシンボルとして大切にされているとのこと。これも、教育への理解が深い町である理由かもしれません。

朝日町立朝日小学校
学校
朝日町立朝日小学校
所在地
三重県三重郡朝日町
創立
明治35年(1902)年
取材にご協力いただいた先生
橋本 憲幸先生(朝日町教育委員会 教育課 係長 兼 指導主事)/荻田 直樹先生(教頭)/林 政男先生(3年生担任)/池村 和真先生(6年生担任)

出展:http://www.town.asahi.mie.jp/asahi-primary/htdocs/

このページのトップへ
PC版を表示