「てれたっち」DA-TOUCH/WB導入事例
【上田市立おさ小学校】

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「てれたっち」DA-TOUCH/WB導入事例【上田市立長小学校】

取材日:2018年1月29日

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意欲を高め、集中力を引き出す「てれたっち」。
「自分で書ける」ことが授業への積極参加を促します。

左から小林健先生(3年生担任)、髙瀬亜弥先生(2年生担任)。

長野県上田市は教育の情報化に力を入れる自治体として知られています。上田市立長小学校でも、全クラスに大型ディスプレイを導入し、さらに「てれたっち」の導入も開始しました。そこで、積極的に「てれたっち」の活用を進める小林健先生(3年生担任)、髙瀬亜弥先生(2年生担任)、また、上田市教育委員会学校教育課でICT導入による授業改善を推進される小池心吾指導主事にお話を伺いました。

「低学年の授業では画面に書き込みできる視覚的なツールがあると意欲がまったく違います」

小林健先生

「てれたっち」導入前後の環境についてお聞かせください。

小林先生 今年度から全クラスに大型ディスプレイが導入されました。以前は数クラスで共有している状況で、動画やパワーポイントで作った資料、デジタルカメラで撮影した画像を見せたり、また、書画カメラで児童のノートを表示したりといった使い方をしていました。しかし、自分のクラス専用の機材というわけではありませんでしたから、なかなか積極的に手が出ず、活用が進んでいたとはいえない状況でした。

髙瀬先生今年度になって、やっと視覚的な授業に対する取り組みが進んだと感じます。私は2年生を担任していますが、やはり低学年の授業では、視覚的なツールがあると意欲がまったく違います。大型ディスプレイの全クラス導入と併せて、今年度からは「てれたっち」の活用も始まって、さらに進化した授業ができるようになりました。

小林先生 例えば社会の授業では、資料や写真を画面に表示して、大事なポイントを探させるといったことをしています。児童にタッチペンを渡して、「ここだ!」と思うポイントを丸で囲ませたりします。画面に書き込みできるという点は授業への積極参加を促し、意欲にもつながります。ただ見るだけでなく、自分ではっきりと指し示したり、書いてみることで、大切な箇所が明確になっていきますね。

児童の皆さんの反応はいかがですか?

小林先生何よりよく手が挙がるようになりました。以前は手元の教科書やノートに向かってうつむきがちだった児童の顔が、「自分もタッチペンで画面に書きたい!」と一様に上がります。例えば、社会科見学で訪問した店舗の写真を表示して、「お店が工夫していたのはどんなところ?」などと質問すれば、我先にと手を上げて、画面に書き込みしながら自分の意見を発表します。いわゆるどこにでもある教材ではなくて、身近な素材を容易に教材にでき、また、それに能動的に書き込めるという感覚も臨場感がありますね。

従来の黒板と電子黒板を使い分けて、児童たちにベストな環境を

髙瀬亜弥先生

髙瀬先生は黒板と「てれたっち」の使い分けに工夫されているとか。

髙瀬先生教室の構造上、大型ディスプレイを設置すると黒板が3分の1ほど隠れてしまうのですが、これを活かした使い方をしています。黒板を縦に3分割し、真ん中は従来どおりの黒板として、また片側の3分の1は「てれたっち」の設置スペース、反対側の3分の1はサブの黒板として使い分けています。メインの黒板には板書用に学習課題やヒントなどを書いています。また、サブ黒板には授業のまとめや練習問題を書きます。「てれたっち」では、例えば算数だったら九九表を表示して、書き込んだり、保存したりといったことを行います。前回の授業で書き込んだ内容を表示して、振り返りに使うこともありますね。昔ながらの黒板にも、カラフルで様々な機能が使える電子黒板にも、それぞれ長所はありますので、どちらも活かせるような使い分けを考えています。

小林先生私も写真などを見せる時はテンポよく次々と表示していますが、その中でわかったことは必ず黒板に書き出していって、最終的に授業の軌跡をたどれるようにしておきます。持ち帰ることのできるプリントももちろん必要ですし、黒板も大事。様々なツールを組み合わせて、子どもたちのためにベストな環境で授業をしていきたいですね。

小池指導主事一般に子どもは先生の話をじっと聞くことが苦手ですが、「てれたっち」があれば板書時間が削減でき、児童の待ち時間をなくせます。授業のテンポを上げることで、集中力を引き出す効果がありますね。一方では、子どもたちには聞く力を養うことも求められます。このように従来の黒板と電子黒板をうまく使い分けることで、様々な力を養ってくれることを期待しています。

掲示物の作成、拡大コピーなどの手間をなくし、よりよい授業に注力できるようになりました

授業の準備など、先生方の業務に変化はありましたか。

髙瀬先生授業準備のために時間がかかることは、これまでも課題でした。従来は、例えば算数ならば九九表や教科書などをスキャナーで取り込み、それを拡大コピーして貼り合わせ、黒板に掲示する資料にしていました。同じような九九表を何枚も作るなどする必要があり、こういった掲示物作成の作業には多くの時間がかかっていました。しかも、紙ベースの教材は書き込んでしまえばそれで終わりなので、再利用もできません。

「てれたっち」では、それがどのように変わりましたか。

髙瀬先生九九表ならば、1回取り込んで保存すればあとはいつでも再利用できます。タッチペンで書き込みをしても、消すのも簡単ですし、書き込み内容を保存して次の時間に復習として使うことも。コピーや切り貼りのような煩雑な作業を減らせたことで余裕ができ、本来の仕事により注力できるようになりました。

コストの観点ではいかがでしょうか。

髙瀬先生印刷コストはだいぶ削減できたのではないでしょうか。高精度のプリンターやカラーコピーは1回あたりのコストがかさみますので、これまで意識して使わないようにしていました。しかし「てれたっち」が導入されてからは、様々な資料や教材をカラフルな画面でいくらでも見せられるようになりましたね。

わかりやすさの面でもずば抜けて優れている「てれたっち」

そのほかに効果がありましたら教えてください。

小林先生強調したい箇所をすぐに示せて、記憶に定着させることのできる「てれたっち」は、わかりやすさという面でずば抜けて優れたツールです。この特長は、様々なハンディキャップを持つ児童にとっても有効ですね。例えば、視覚で文章を追うのが苦手な児童もいます。中には、集中力が途切れがちな子、耳で聞くより目で見たほうがわかりやすいという子、伝えたいという気持ちの大きい子──、いろいろな個性の子どもたちがいる中で、1つの教え方だけが正解というわけではありません。黒板だけでは理解しにくいけれど、「てれたっち」があればすぐにわかるという児童もいるのです。様々な教え方があり、それぞれに適したツールがあるのはよいことです。「てれたっち」はこうしたシーンでも学びのサポート役として活躍すると思います。

小池心吾指導主事

今後の展望を教えてください。

小林先生導入して1年、今はノウハウがたまり始めてきたという段階ですね。「てれたっち」で作成した資料や問題、効果のあった教材など、こういったものが教員の間で共有されて、そのナレッジが蓄積されれば、今度はメリットが横に広がっていきます。共有の仕組みが整えば相乗効果で活用はさらに進み、児童の学力向上にもつながると期待しています。

小池指導主事先生方が児童たちのために真剣に、また自身も楽しみながらICT活用に取り組んでくれていることを、頼もしく感じています。「てれたっち」による授業の効率化の可能性も感じ取れました。「先生方の働き方改革」については以前から重視してきましたが、こうしたICT機器の活用を通して実現できればと考えています。

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導入学校概要

青森市立造道中学校
学校
上田市立おさ小学校
所在地
長野県上田市
開校
1873年
取材にご協力
いただいた先生
上田市立長小学校 小林健先生
上田市立長小学校 髙瀬亜弥先生
上田市教育委員会 学校教育課 小池心吾指導主事
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