「てれたっち」DA-TOUCH/WB導入事例
【中津川市立神坂みさか中学校】

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「てれたっち」DA-TOUCH/WB導入事例【中津川市立神坂中学校】

取材日:2018年3月12日

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タブレットと「てれたっち」を使ったプログラミング授業。
意見交換を通じ、修正・実行を繰り返すことで、「伝えきる力」を育みます。

左から安江辰司先生、山内雅浩指導主事

中仙道の名高い宿場町、馬籠宿ほど近くに立地する中津川市立神坂中学校は、ほぼ全クラスの生徒数が10名以下という小規模校です。少人数ならではの丁寧な指導を実践する同校は、中津川市のICT支援により、充実した教育環境を実現されています。
同校で教鞭をとる安江辰司先生(技術課担当)と、中津川市教育委員会・学校教育課の山内雅浩指導主事にお話を伺いました。安江先生はICT教育の黎明期から25年にわたってプログラミングを授業に取り入れてきたという大ベテランです。

自分の意見を相手に伝えきる力を──。そこで活躍するのが「てれたっち」です

安江辰司先生

どのような環境で「てれたっち」を活用されているのかお教えください。

安江先生当校では生徒1人に1台ずつ行き渡る数のタブレットが導入されており、これらを使って、エクセルのマクロを使用したプログラミングを指導しています。「てれたっち」はパソコン室の大型ディスプレイに設置し、生徒が書いたプログラムを表示させ、皆で共有するために使っています。ネットワークの制約上、画面転送のような連携は行っていませんが、生徒が作成したプログラムを共有サーバー上に保存して閲覧し合っています。管理には学習活動ソフトウェア「SKYMENU」を利用しています。

プログラミングを積極的に授業に取り入れるのには、理由があるのでしょうか。

安江先生「説明をきちんとする」「相手にわからせる」「最後まで伝えきる」という3つの力を生徒につけさせることを重視していますが、プログラミングはそのために非常に適した題材と考えています。当校は少人数でアットホームな校風ですから、生徒も教師も以心伝心です。もちろんそれは素晴らしいことなのですが、逆に「自分の意見を相手に伝えきる」という面では弱みになることもあるため、たくましさを育みたいと考えています。正しくプログラムを動かすために試行錯誤すること、どう工夫したのかを説明すること、うまくいかない生徒がいたら一緒に考えること──、プログラミング学習におけるこうした過程は、我々が目指している教育のスタイルに合致しています。

プログラミングが苦手という生徒からも、「そこか!」という声

授業では、エクセル上に打ち込んだ数字の和によって、異なるテキストメッセージを返すプログラムを作成されていましたね。

安江先生ある処理条件を私から生徒に与え、各自がこれまでに学んだコードを組み合わせてプログラミングしていきます。うまく動かないという生徒がいたら、そのファイルを「てれたっち」の画面上に表示して、皆でどこが問題なのか意見を出し合います。うまくできた生徒のプログラムと比較することもありますね。さらに、皆で考えた修正案をプログラムに反映し、実行してどうなるかを検証します。意見交換の中でよい意見が出たら、タッチペンで画面上に書き込んだり、その場で直したり、試したりできるので、臨場感や即時性のある授業ができていると感じています。

非常に能動的でわかりやすい授業という印象でした。

安江先生発表する時に「てれたっち」があると、どこに注目すべきかパッと画面上を指し示すことができますから、生徒も伝えやすいようです。ほかの生徒から意見が出たら、その場で直して確認できるのでスムーズです。「てれたっち」を使うことで、より伝えやすい環境が整い、皆が自分の考えを堂々と言えるようになっていきます。

「てれたっち」があるのとないのでは、授業にどんな違いがあるのでしょうか。

安江先生以前は生徒が書いたプログラムを共有するのに、皆で1つの端末に集まって覗き込んだりしていましたが、やはり見にくかったです。プリントアウトして配布したり、黒板に書き写したりすると時間も手間もかかります。こういう一手間で授業のリズムが崩れ、生徒の気持ちを削いでしまうこともありました。しかし、「てれたっち」を使えば、生徒が書いたプログラムそのものを即座に大きな画面に表示して、拡大したり、線を引いたりできますから、非常にわかりやすいですね。

生徒の皆さんの反応はいかがですか。

安江先生スマホやタブレットを使い慣れている世代ですから、「てれたっち」のことは「大きなタブレットのようなもの」だと思えばいいと教えました。全員があっという間に理解しましたね。「てれたっち」を使うと非常にわかりやすくなるようで、普段プログラミングを苦手にしている生徒から、「そこか!」という声が漏れたのが印象的でした。ポイントがどこなのかがわかるようになったんです。手ごたえを感じますね。

活発な発表・意見交換を後押しする「てれたっち」は、プログラミングの授業に最適

山内雅浩指導主事

過去に別の電子黒板をお使いになった経験があるそうですが、「てれたっち」と従来の製品の違いはどこにあると感じられましたか。

安江先生当校での経験ではありませんが、モニター一体型の電子黒板が1台だけ導入されたことがありました。しかし、個人的には積極的な活用に至りませんでした。当時、コンテンツ面で今より充実していなかったこともあり、何をすればいいのかピンと来なくて……。具体的に、「普段の授業の中でどう使えるか」がイメージできないと、教師の意欲は高まらないのではと感じます。

山内指導主事従来の電子黒板は移動が大変で、使い方も難しく、使う側にもそれなりの修練が求められるものでした。高額のため、皆に行き渡るほど導入できなかったのも残念でした。また、立ち上げに時間がかかるという印象を持っています。限りある時間の中でよりよい授業をするために、現場の教員は寸暇を惜しんで教えていますから、小さな時間のロスでも見過ごせません。

つまり、操作が難しかったり、準備に手間がかかったりすると、活用が進みにくいということですね。

安江先生その点、「てれたっち」は手軽です。使用感はパソコンと同じで、コンテンツにもほぼ制約がありません。エクセルなどの普段使っているソフトウェアがそのまま利用できますし、特殊なソフトウェアを覚える必要もありません。活発な発表・意見交換を後押ししてくれる「てれたっち」は、プログラミングの授業でまさに私が必要と感じていたものを満たしてくれるツールでした。

まずは先駆者となる先生方がノウハウを蓄積し、徐々に周りの先生方へ

今後の活用について、ヴィジョンなどがございましたらお聞かせください。

安江先生まだアイデアを模索している段階ですが、どんな教科で活用できるかは常に考えています。理科とは親和性が高いと思います。白板ソフトのグリッドを使ってグラフを書いたり、書画カメラと連携したりできますよね。いずれにせよ、自分の考えをきちんと伝える、また、わからない時にはあきらめない、そういうたくましさを育むのに、「説明すること」が極めて重要です。「てれたっち」は、こうした力の育成を力強く支援してくれるツールですから、ぜひほかの先生方にも効果を伝え、広めていきたいと考えています。

山内指導主事教育現場におけるICT機器の必要性は広く認識されていますが、コストの制約で十分な導入がしきれないという面も少なからずあります。私としては、少しでも値段が安くて性能のよいものを、皆に行き渡るように導入したいと考えています。こうした観点でも、「てれたっち」は評価できますね。今の段階では、安江先生のような先端的な授業に取り組まれる先生方がノウハウを蓄積してくれています。ICTについては、まずはこうした先駆者となる先生方に技術を高めてもらい、そこから周りに広げ浸透させていくのが現実的と考えています。現場の先生方には引き続き大いに期待しています。

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導入学校概要

中津川市立神坂中学校
学校
中津川市立神坂みさか中学校
所在地
岐阜県中津川市
開校
2005年
取材にご協力
いただいた先生
中津川市立神坂中学校 安江辰司先生
中津川市教育委員会 学校教育課 山内雅浩指導主事
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