お知らせ 2016年

2016年4月14日 16-NR042

身代金要求型不正プログラム「ランサムウェア」に関する注意喚起
~データをバックアップしてランサムウェアに備える~

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昨今、ニュースでも取り沙汰されておりますマルウェアの一種「ランサムウェア」について、今後も被害の拡大が懸念されております。
当社のお客様におかれましても、パソコンがランサムウェアに感染したことで、パソコンのデータやNASに保存してあるデータが暗号化されてアクセスできなくなってしまったというご相談をいただいておりますが、定期的にデータをバックアップしていたことにより、過去の履歴から暗号化されてしまったファイルを取り戻せた事例もございます。
こうした状況を受け、当社では重要なファイルの置き場となるHDDやNASがランサムウェアに感染したパソコンから被害を受けた場合でもすぐに修復できるよう、バックアップを改めてご提案させていただきます。

<更新履歴>

2016年4月19日 「HDL-CE(S)シリーズ」の設定方法を追加しました。

ランサムウェアとは

マルウェアの一種で、感染したパソコンやそのパソコンに接続したUSBハードディスク、同一ネットワーク上の共有フォルダー(NASやファイルサーバー)内のデータを暗号化など様々な方法で使用不能にし、その復帰と引き換えに「身代金」を要求する不正プログラムです。
感染経路はメール添付やウェブ閲覧など多岐に渡り、新種や亜種が数多く出回っているためウイルス対策ソフトでも完全に防ぐことはできません。Windowsの履歴管理機能であるボリュームシャドーコピーを破壊する(過去履歴に戻れなくする)などの活動を行う高度なタイプも確認されています。

※ 請求料金を支払っても暗号化が解除される保証はありません。請求に応じることのないようご注意ください。

画面キャプチャ
ランサムウェアが表示する日本語による身代金要求メッセージ例
(出典元:セキュリティ情報 脅威と対策|「ランサムウェア」概要 トレンドマイクロ株式会社)
http://www.trendmicro.co.jp/jp/security-intelligence/threat-solution/ransomware/index.html

「ランサムウェア」への対策

パソコンを感染させない

  • 不審なメールの添付ファイルやリンクを開かない。
    ※ 一見正常なメールに見えても心当たりのない添付ファイルは開かない、あるいは送信者に確認する。
  • パソコンへのウイルス対策ソフト導入や最新パターンファイルの適用。
    ※ PCのウイルス対策に関する詳細はこちら(外部リンク:トレンドマイクロ株式会社 「ランサムウェア」ページ)
  • Windows UpdateなどOSを最新状態に保つ。
  • WEBブラウザ、JavaやFlash等のブラウザプラグインを更新し最新状態に保つ。

ランサムウェアによるデータの暗号化に備える

  • パソコンはこまめにバックアップを取り、そのバックアップファイルにパソコンが直接アクセスできないようにする。

ランサムウェアの被害は、ファイルが暗号化され開けなくなってしまうことです。暗号化されてしまったファイルの復元は困難なことから、重要なファイルについてはいつでも復元できるよう、定期的なバックアップを行うことが対策となります。
参照:IPA 独立行政法人情報処理推進機構 2016 年1月5日第16-01-345号 今月の呼びかけ

IPAでは、パソコンがランサムウェアに感染して暗号化された際の備えとして、外付けHDDに都度バックアップし、バックアップが完了したら外付けHDDを取り外す運用を提案しています。
詳しくはこちら(外部リンク:IPA 独立行政法人情報処理推進機構)
※ データをより確実に守る方法として、外付けHDDに加えDVD-RやBD-Rへ二重でバックアップを行う方法も非常に有効です。データの重要度に応じてDVD-RやBD-Rの併用もご検討ください。


ファイル共有目的のNASにおいても、ランサムウェアに感染したパソコンによって共有フォルダー内のデータを暗号化されてしまう恐れがありますので、NAS自身のバックアップが必要となります。 実際に、当社へお問い合わせいただいたお客様において、NASに接続した外付けHDDへのバックアップから暗号化される前のデータを復旧できたという報告も多数いただいております。

※ ランサムウェアが直接NASに感染するのではないため、当社「HDL2-H/TMシリーズ」などに使用されているNASのウイルス対策機能では防ぐことができません。(NASに保存されたファイルにランサムウェアが含まれていた場合は検出可能です。)

「ランサムウェア」対策に有効なNASのバックアップ方法

ランサムウェアは、感染したパソコンから読み書きできるドライブ(内蔵HDD、パソコンに接続した外付けHDD、共有されたNAS)などのファイルの暗号化処理を試みます。
しかし、バックアップ先のドライブを読み書きできないようにしておくことで、バックアップデータをランサムウェアによる被害から守ることが可能です。
そのためファイル共有用途のNASやファイルサーバーのデータを、パソコンから読み書きできないドライブにバックアップしていただくことで、ランサムウェアの被害を最小限に抑えることができます。

イメージ

アイ・オーNAS商品における推奨バックアップ方法

当社では、ランサムウェアに備えたNASのデータのバックアップ方法として、外付けHDDへの変更した部分の履歴を残すことができる「履歴差分バックアップ」を推奨しております。バックアップに履歴を残しておくことで、暗号化されてしまったファイルのひとつ前の世代(暗号化される前のファイル)を取り出すことが可能です。
※ ただし、履歴保存世代数にも上限がありますので、気付いたらすぐにバックアップからデータを取り出すようにしてください。

<バックアップ設定時のポイント>

NASに接続したバックアップ先の外付けHDDのネットワーク共有を「無効」にし、共有できない状態になっていることを確認してください。これにより、感染パソコンからのアクセスは不可となるため、ランサムウェアからバックアップ先の外付けHDD内のファイルを守ることが可能です。

※ NAS でバックアップ設定を行うと、バックアップ先共有フォルダーは読み込み専用となりますが、管理者権限のある PC からは読み書き可能となるため、必要な時以外共有設定を無効にすることで確実に保護します。


当社NASの外付けHDDへの各種バックアップ方法と、ネットワーク共有の設定は以下の通りです。
※ バックアップの設定については各商品マニュアルをご確認ください。

  • LAN DISK Zシリーズ (利用するバックアップ方法:Windows Server バックアップ)
    ネットワーク共有サービス【出荷時設定:無効】
    外付けHDDがエクスプローラから見えないことを確認してください。▼確認方法はこちら

  • LAN DISK Hシリーズ (利用するバックアップ方法:履歴差分バックアップ)
    ネットワーク共有サービス【出荷時設定:有効】
    設定を無効に変更してください。▼設定変更方法はこちら

  • LAN DISK XR/XVシリーズ (利用するバックアップ方法:履歴差分バックアップ)
    ネットワーク共有サービス【出荷時設定:有効】
    設定を無効に変更してください。▼設定変更方法はこちら

  • LAN DISK Aシリーズ (利用するバックアップ方法:バックアップ履歴モード)
    ネットワーク共有サービス【出荷時設定:有効】
    設定を変更してください。▼設定変更方法はこちら

  • HDL-CE(S)シリーズ (利用するバックアップ方法:バックアップ※履歴管理はできません。)
    ネットワーク共有サービス【出荷時設定:無効(変更不可)】
    ▼バックアップ設定方法および注意事項はこちら


今後もランサムウェアの被害拡大が予想されています。社内への周知徹底とともに、データのバックアップの整備や設定のご確認をお願いいたします。また、ランサムウェアに限らずマルウェア等に備えてセキュリティ強化を意識した環境整備を推奨いたします。

本件に関するお問い合わせ

ご不明な点はサポートセンターまでお問い合わせください。

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