開発者の目から見たネットワークカメラQwatch(クウォッチ)。

Qwatch誕生より今まで、開発に携わってきた商品企画の北川氏。Qwatchに対する思いを熱く語ってくれた。

はじめに

今回は、ネットワークカメラQwatch(クウォッチ)誕生から10年開発に携わってきた商品企画の北川典明氏とこの7月から担当となった井村一仁氏に取材を試みました。

10年前に製品化されたQwatch

Qwatchの誕生は2004年に遡ります。I-O DATA社は当時すでにNAS(ネットワークアタッチストレージ)などで、ネットワークの技術を強みとしていました。その技術をもとに、カメラ市場にも新たな提案をしていこうというのがきっかけでした。

その頃は、まだ高価な業務用の監視カメラが主流の時代。現在のように家庭用のネットワークカメラを開発・製造している所は皆無でした。そのような中で、I-ODATAは、いち早く、他社に先駆け、家の中でも利用してもらえるデザイン、機能を備え、低価格のネットワークカメラを開発したのです。

販売に至っては工夫が必要でした。家庭用ネットワークカメラ市場がないということは、その使い方も想像できない、何に使って良いのかわからない状況です。そのため、当時より「ペットの様子を外から携帯電話で見る」など、利用するシーンを想像して用途提案をし、家庭用ネットワークカメラの関心を高めるよう努めました。

ただ、携帯電話は今のようなスマートフォンではなく、ガラケーでのモニタリングなので、画面が小さく、遠くのものを拡大して見ることができません。また、データ通信定額制もなく、使えば使うほど通信料も必要な従量課金制の時代です。いま、振り返れば、まだまだ見る側の環境が整っていなかったのです。

10年以上前に発売された初代Qwatch

パソコンや携帯電話で画像をモニターできるLANカメラ。映像に動きがあったときにメールで通知する機能や、画像をサーバーに保存することもできた。Qwatchの礎を築いたモデル。


スマートフォン利用者増加+データ通信料定額制を追い風に。
2012年 満を持してQwatch新製品誕生。

日本でも2008年のiPhoneの販売を皮切りに年々スマートフォンの利用者が増えてきました。2011年には3割近くがスマートフォンを使い、ほとんどの方がデータ通信料定額制で利用していました。

これらの背景がQwatchの再評価につながっていきます。デバイスの進化にともなう、通信料定額制やデータ転送速度の向上が利用者の見る環境を整えてくれたのです。

その背景を追い風に、満を持して2012年の暮れにQwatch(TS-WLCAM)を発表しました。TS-WLCAMは、スマートフォンからカメラの映像を離れた場所で見ることができます。また130万画素、1280×960HD画質に対応しており高解像度で映像のモニタリングを可能にしました。そして何よりも当時、画期的だったのは、QRコードを読み取るだけで、かんたんに接続できることでした。今では当たり前になってきたこの仕組みも、当社が最初に実装したものです。

スマートフォンで利用するということは、極端に言えば、パソコン未経験者、その知識がない利用者でもQwatchを使えるようにしないといけないということです。「Qwatch、いいな」と思っても、従来のような複雑な登録・設定が難しければ、そこで挫折してしまいます。

最初の設定をかんたんにすること。すぐにつながるようにすること。これは、スマホを利用した家庭用のネットワークカメラを考える上で、とても重要なことです。私たち開発は、そのハードルを下げることにこだわりました。そうして生まれたのが、先のQRコードを使ったかんたん接続だったのです。

2012年12月に発売されたTS-WLCAM

新たに有線LAN端子のほかIEEE802.11n/g/bの無線LANを内蔵。LANケーブルが届かない場所への設置を容易にした。QRコードを読みとるだけでカメラ接続情報の登録が完了する「QRコネクト+」に対応。ネットワークの知識がない方でもかんたんにカメラ映像が見られる。
130万画素CMOSセンサーを搭載。
後継機種(TS-WLCE


利用者の立場に立った用途提案をし続けてきたからこそ
一般の人まで徐々に利用者が広がってきた。

スマートフォンの利用者が増えるにつれて、家庭用のネットワークカメラの需要はさらに高まってきました。10年前は当社しか販売していない状況だったのが、競合他社も増えて参りました。その中でも、おかげさまで、当社が一番のシェアを獲得しています。

その理由としては、Qwatchを発表して以来、単にハードを売ってきたのではなく、利用者が想像しやすいようなイメージをもとにシーン訴求し、提案し続けてきたからです。特に2012年以降、様々なシーンでの利用を促してきましたし、その内容がわかりやすいとの評価を得て、利用者が増えていきました。

例えば、Qwatchを利用して、子どもの様子がわかるという訴求。0歳、5歳、10歳と子どもの年齢にフォーカスをあて、お父さんやお母さんの心理を汲み取り、それぞれの用途に応じた訴求をしています。(会話もできるマイク・スピーカー付 TS-WLC2

昨年2014年においては、内閣府が定める、家族の日、家族の週間と連動した企画で、小学生のお子様をもつ500名のママに育児調査をし、その心情をくんだ動画も制作し、20万回以上の再生があるなど、大変好評を得ました。

また、ペットの見守りに最適と特集を組み、暗視機能、録画機能の使い方も訴求をしています。ここ数年は特に、ペット需要が高まってきています。販売チャネルは、従来の家電量販店、ECサイトだけでなく、一部のペットショップでも購入できるように拡販しました。要望が高かったペット専用Qwatchも販売。ペット市場においてQwatchは非常に期待が高く、その市場と期待はこれからも拡大するものと予測しています。

振り返れば、私たちはQwatchを通じて、ネットワークカメラを単なる監視カメラとしてではなく、大事なお子さんや、ペットを守る「見守りカメラ」としての価値を提案してきたのです。それが、生活するみなさんに共感を得て利用者も増えてきたのだと感じています。

I-O DATA独自技術で、さらに、かんたん接続。
リモートリンク3搭載Qwatch
マンションモデル TS-WRLC

QRコード読み取りによる、かんたん接続に加えて、みなさまにより安心してもらえるよう、ペイバック保証、土日もサポートなどもI-O DATA独自のサービスとして提供して参りました。

その一方で、一軒家ではなく、マンションでの利用も増えてきました。その際、ネットワーク接続に関わる問題があります。それは、複数ルーター環境(多段ルーター環境、二重ルーター環境)です。(※複数ルーター環境についての詳細はこちら

ルーターの多段状態が外出先からのアクセスを遮断してしまい、自宅につながらない状況になります。これでは、Qwatchを設置しても、外出先からスマートフォンで様子を見ることはできません。通常であれば、この問題を解消するには、ネットワークの知識と設定変更が必要になります。

そんな難しい設定は、考えるだけで嫌になりますよね。それを何も考えずにかんたんに設置できるようにした、その技術が「リモートリンク3機能」です。

このリモートリンク3を搭載したQwatchが新発売されたTS-WRLCです。これであれば、ネットワークの専門知識や複雑な設定は不要、複数ルーターでも設定変更なく、外出先からアクセスできます。

このように利用者の不便をなくしていく、ネットワーク=難しいをかんたんにしていくことに限りはありません。技術を進化させてハードに実装したり、アプリ開発をしていけば、さらに快適に使っていただけるはずです。我々、開発スタッフは、そのためにさらに知恵を絞り、技術を向上させていきたいと考えています。

さらなる進化を求めて。
ネットワークカメラQwatchの未来。

後任の井村氏(画面右)はI-O DATAで働きながら、兼業農家を継ぐ。「父や母の世代で設置、使えるQwatchを」と意気込む。

Qwatchは、今後、さらに利用者の立場に立った、かゆい所に手が届くものにしていきたいと考えています。例えば、ペット利用では、ケージに取り付けが簡単にできるようにすることは必要でしょう。また、留守宅でのペットの状況を把握する上で、音声検知機能を利用し、吠えたり、泣いたりした状況の変化を知らせるようにする、加えて、温度や湿度センサーを実装し、その異変を知らせるなど、より飼い主さんの気持ちを考えた商品にしていこうと考えています。

子どもの見守りカメラとしても、評価が高まっています。Qwatchがあったことで、離れた部屋から子どもを見守れる、そのことで1日のプライベートな時間が持てているお母さんも増えていると聞いています。今後も家族の声を直接聞いて、商品開発に役立てていきたいと思います。

これらの用途の広がり、利用者が広がるにつれ、女性でも高齢者でも、誰でも、さらにかんたんにQwatchが設置できる、利用できることが求められます。利便性を高めることにゴールはありません。常に技術の向上と革新が大事なのです。

Qwatchは、今後も進化していきます。例えば、これもでのネットワークの概念を超え、単に置くだけでネットカメラとして機能する、そんな未来も近いと思います。まだまだありますが、これ以上、話すと今後の楽しみが減りますので、この辺りで留めておきますね(笑)。これからのQwatchをさらに期待いただければと思います。

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