NASによるファイル共有・保存 - HDL-GTR 【小山イーストクリニック 様】

NASによるファイル共有・保存 - HDL-GTR 【小山イーストクリニック 様】

「障害が発生した際に、自力ですぐ直せるレベルの機器であることがなによりのポイントになります」

取材日:2009年10月1日

電子カルテの普及などIT化が著しい医療業界。日々訪れる患者の診療を安定的に行うにあたり、これら診療データの冗長化は重要な命題である。このような中、アイ・オーのNAS「HDL-GTR」をデータバックアップのツールとして活用する、医療法人小山イーストクリニックの大橋博理事長に、冗長性を確保したシステムを構築するポイントを聞いた。

電子カルテシステムをいち早く導入して診療に活用

サーバー室にて
サーバー室にて



栃木県は小山市、JR小山駅の東に位置する小山イーストクリニックは、糖尿病科を中心に内科、小児科などを併設する医療法人である。糖尿病治療の権威である大橋理事長を中心とした同クリニックの専門性の高さには定評があり、評判を聞いて遠方から訪れる患者も少なくない。

同クリニックでは、診療に使われるカルテはすべて電子化されている。厚生労働省のバックアップのもとで医療現場への導入が進められている電子カルテシステムだが、現時点での普及率は決して高いとは言えず、紙カルテとの混在によりむしろ効率を落としているケースも多い。同クリニックでは院内すべてのPCがネットワークに接続され、どのPCからも電子カルテが参照できる先進的な環境が構築されている。

「もともと紙カルテの量が多かったこともあり、当初はスペースセービングを目的に導入しました。紙カルテとの併用を1年ほど続け、リダンダンシ(注:冗長性)を整えたうえで、電子カルテのみの運用に切り替えてから丸4年ほどになります」とこれまでを振り返るのは、電子カルテシステムの選定と導入を担当し、今は自らシステムの運用保守もこなす大橋理事長だ。

同クリニックの電子カルテシステムにおいて核となるデータベースは、Windows2003サーバに格納されている。このサーバはRAID10で冗長化されており、やはりRAID10構成の別のサーバに定期的にバックアップされる構成になっている。

このサーバには、各種検査で得られたデータが、ネットワークを介して転送され、電子カルテに自動的に紐付けられる仕組みになっている。例えばレントゲンであれば、イメージングプレートと呼ばれる機器を使ってレントゲン画像をスキャニングし、デジタルデータにIDをつけてレントゲン室のPCからサーバに転送する。超音波検査や心電図、さらには身長体重や血圧といった各種検査についても同様で、検査データは自動的にサーバが転送され、リンクが張られる。

つまり、患者が処置室での検査を終えて診察室に戻ってくると、いま行われたばかりの検査データがすべて電子カルテからリンクされ、診察室のPCの画面上で参照できるようになっているのである。患者の要望に応じてプリントアウトやグラフ表示などにも対応するこの電子カルテシステムは、同クリニックの根幹を支える存在となっている。

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「障害発生時に自力ですぐ直せる」ハードウェアであることが重要

クライアントPCのバックアップ先として活用
クライアントPCのバックアップ先として活用
診察室にて
診察室にて



電子カルテシステム構成のポイントとして大橋氏が挙げるのは「リダンダントなシステム」、つまり冗長性が確保されたシステムの構築だ。「我々の業務では、データが飛んでしまったら終わりですから、なによりも信頼性が要求されるわけです(大橋氏)」。そのために同クリニック内では、システムを安定運用するためのさまざまな策が講じられている。

具体的には、RAID10で構成された前出のWindows2003サーバはもちろん、それぞれのサーバやPCのミラー化、複数の予備機の確保、eSATAハードディスクへの定期的なデータバックアップ、各サーバごとのUPS(無停電電源装置)の導入など、策は多岐に渡っている。また、各クライアントPCが使用する業務データについても、ローカルドライブ内には置かずにサーバ内のフォルダに保管したうえで、定期的に別のPCにコピーして冗長性の確保に努めている。「データは常時バックアップを取っておいて、障害が発生したらすぐに差し替えられるようにしています(大橋氏)」。

ユニークなのは、非常に高度にみえるこれらのシステムが、特定のベンダのソリューションを一括採用しているわけではなく、SOHOレベルの機材の組み合わせで運用されているということだ。もっともこれは、高価なハードウェアやシステムへの投資を惜しんだためにこうなったわけではない。

「背伸びをして難易度が高い製品を導入すると、いざという時に使い方を間違ってデータを消失してしまうといった可能性があります。私共の業務では、そうした事故がいちばん怖いわけです。従って、障害が発生した際に自力ですぐ直せるレベルの機器であることがなによりのポイントになります。そのつど業者に依頼し、復旧に半日も待たなくてはいけないような機器では、もうお手上げなわけです」と、大橋氏はその理由を語る。

そのため同クリニックでは、日頃からさまざまなハードウェアをふるいにかけ、有用だと判断されたものだけを本番のシステムに組み込んで運用する形を取っている。テストをパスして本番環境に採用される機器の割合は、大橋氏曰く「全体の2割程度」とのことだ。

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システムをまるごとイメージ化してHDL-GTRにバックアップ

こうした中、同クリニックに導入されたアイ・オーのNAS「HDL-GTR2.0」が担っているのは、受付や処置室などに置かれた計10数台のクライアントPCのバックアップ先としての役割だ。それまではWindowsサーバにバックアップされていたのが、現在ではすべてこのHDL-GTRにバックアップされる格好になっている。

バックアップの対象となるのは個別の業務データではなく、各クライアントPCにインストールされているアプリケーションそのものだ。医療機器を制御するためのこれらのアプリケーションを、ラネクシー社のバックアップソフト「Acronis True Image」を用いてハードディスクごとイメージ化し、バックアップするという仕組みである。

これにより、日々の業務の中で各クライアントPCに障害が発生した場合、別のクライアントPCからブートディスクを起動し、NAS上のイメージデータを指定することにより、アプリケーションを含めたシステムをまるごと復元できるというわけだ。

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PCを用いたサーバに比べ発熱量が少ないというメリット

大橋氏がこのHDL-GTRに興味を持ったのは、意外にも「ハードウェアの発熱の問題」がきっかけだったという。

「これまではNASではなくサーバOSを使ったり、XPを搭載したPCをファイルサーバとして使うことが多かったのですが、その結果、サーバを置いている部屋の室温が夏場には40度を超えるようになってしまいました。そこで現在は、そこそこの転送速度を維持しつつ、熱がなるべく出ないハードウェアを選定するよう心掛けています(大橋氏)」

つまり、バックアップデータの保存先をそれまでのWindowsサーバからHDL-GTRに変え、Windowsサーバの常時運転を見直すことにより、発熱量や消費電力を落とすという考え方だ。「転送速度こそWindows2003サーバに比べると控えめですが、手で触ってみても熱くなっている様子はありませんし、ハードディスクも熱くなっていません。OSの管理がいらず、手軽に扱える点もよいと思います(大橋氏)」

テラバイト級の大容量もひとつのポイントだ。「個々のPCのハードディスクも数百GBになってきていますので、容量は大きいに越したことはありません。これだけの容量があれば、ある程度の年数は耐え切れるでしょう(大橋氏)」。

大橋氏は、今後はクライアントPCのイメージデータだけではなく、現在別のサーバにバックアップされているレントゲン画像など大容量の生データについても、HDL-GTRにバックアップする考えだという。「心電計などのデータはたいした量ではありませんが、画像データはどうしても大容量になります。特にレントゲンデータの場合、圧縮をかけるとオリジナルのデータとしては認められなくなってしまいますので、生データをそのまま保管する必要があるのです(大橋氏)」。大容量のディスクを持ち、かつWindowsサーバに比べて省エネでコンパクトなHDL-GTRにかかる期待は大きい。

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導入企業概要

小山イーストクリニック | 外観トップ 小山イーストクリニック | 外観1

JR小山駅近くに開業して20年を迎える小山イーストクリニックは、糖尿病科を中心に内科、小児科、循環器科、内分泌代謝科を併設している。各分野における専門性の高さはもちろんのこと、インターネットによる自動予約システムといった利便性の高さもあり、地元からの信頼は厚い。
[企業名] 医療法人
小山イーストクリニック
[設立] 1989年
[代表] 理事長 大橋 博
[従業員数] 11名
[診療科目] 内科 小児科 循環器科
内分泌代謝科 糖尿病科
http://www2.odn.ne.jp/oec/

医療法人 小山イーストクリニック 理事長 大橋 博氏

医療法人
小山イーストクリニック
理事長 大橋 博氏

「アイ・オーのNASはこれまでも何台か使っていますが、この製品はバックアップ完了などのメール通知機能も細かく設定できますし、省電力というファクターについてもいいんじゃないかと思います。Windowsサーバに比べてサイズがコンパクトなのもよいですね」

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