LAN接続ハードディスク&レプリケーションソフト&UPS導入事例 【株式会社リテールコム様】

LAN接続ハードディスク&レプリケーションソフト&UPS導入事例 【株式会社リテールコム様】

DR(災害復旧)対策をかねてレプリカを作っておくと、万一私が不在の場合でも、運用を続けることが可能です

取材日:2010年12月22日

社内ネットワークの運用をはじめ、メールやグループウェアの維持管理まで社内のインフラ周りを少人数で運用する情報システム部門にとって、データのバックアップにかかる手間はなるべく省力化したいところだ。株式会社ゲオのグループ会社である株式会社リテールコムは、日本CAのレプリケーションソフト「CA ARCserve Replication(以下ARCserve Replication)」と、アイ・オーのNAS「LANDISK Z」、APCの無停電電源装置(UPS)「Smart-UPS SUA500JB / PowerChute Business Edition SSPCBEW1575J」によるレプリケーション環境の構築により、冗長性の向上とあわせて、運用の大幅な省力化に成功した。

池袋本社と愛知オフィスの間でサーバーのレプリケーション環境を構築

渡辺 聡氏


株式会社ゲオのグループ会社である株式会社リテールコムは、インターネット通販事業、コンテンツビジネス事業やプロモーション・広告事業を行なう企業だ。最近ではゴルフクラブの買取・販売サイト「GOLF ACE(ゴルフエース)」の運営など、EC事業に力を入れている。

同社では日々の業務データを、本社内に設置されたラックマウントサーバーに保管している。同社には管理系のスタッフ以外に、エンジニア、さらにコンテンツビジネス関連に従事するスタッフも所属することから、保管されるデータはオフィス関連ファイルだけでなく、HTMLやCGIファイル、さらにPhotoshopやIllustratorのファイルまで多岐にわたる。現時点でファイルサーバーに保管されているデータの容量は約1.2TBほど、ファイル総数は100万個はくだらないというから、約60人という本社のスタッフ数を考えるとかなりのボリュームだ。

同社ではこれまで、バックアップをはじめとするデータ保全の対策を講じておらず、過去にはファイルサーバーのデータが消失する事故が発生したこともあったという。現在同社の情報システム部門を一人で担う管理部の渡辺聡氏は「私が担当してまだ1年半なのですが、それまで専任の情報システム担当者がいませんでした。過去のデータ消失事故のこともあり、データ保全の対策はどんどん提案してほしいと経営層からも言われていました。」と語る。

そんな同社では今回、渡辺氏の主導のもと、ファイルサーバーのレプリケーション環境を構築することになった。導入されたのはレプリケーションソフトである日本CAの「ARCserve Replication」と、レプリカサーバーとなるアイ・オーのNAS「LANDISK Z(HDL-Z4WS2.0)」、およびAPCのUPS「Smart-UPS SUA500JB / PowerChute Business Edition SSPCBEW1575J」のセットだ。レプリカサーバーは池袋にある本社オフィス内ではなく、親会社であるGEOの愛知本社内にあるオフィスに設置され、VPNを経由してレプリケーションを行っているという図式だ。

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レプリケーションなら担当者が不在でも運用が続けられる

レプリケーションとは、稼働中のサーバーのレプリカ(複製)をリアルタイムに作成することにより、サーバーになんらかの障害が発生した場合でも、接続先をレプリカサーバーに切り替えて運用を継続できる仕組みだ。いわばバックアップの一種だが、単純にデータの保全というだけなら、同じ事業所内に置かれたテープ装置などに定期的にバックアップを取るという選択肢もあったはずだ。敢えてレプリケーションを選択した意図を、渡辺氏はこう語る。

「テープ装置でのバックアップだと、自分が不在の場合、エンドユーザーがファイルをリストアする方法がなくなってしまいます。いま情報システム部門に所属しているのは私だけですので、最初からDR(災害復旧)対策をかねてレプリカを作っておいたほうが、万一私が不在の場合でも運用を続けることが可能なことから、一足飛びにレプリケーションを選びました。」

レプリケーションであれば、レプリカサーバーのドライブ割り当てを行っておくことで、いざという時にそのサーバーに直接アクセスしてデータを取り出せるため、ユーザーメリットは高い。さらに、Windows Storage Server 搭載のLANDISK Zは共有フォルダのシャドウコピーにも対応しているため、利用者個人が複数世代のデータを選択して取り出すことも容易だ。

「データのバックアップを取る意義というのは、何らかの原因でオリジナルデータにアクセスできない場合にエンドユーザーが1秒でも早くそのデータを入手できることにあると考えています。その点、レプリケーションはダウンタイムを極小化するという意味で非常に有効だと思っています。」と、渡辺氏はレプリケーションである必要性を強調する。テープ装置と違って交換などの必要もないため、担当者の手間も大幅に軽減される。社内ネットワークの運用をはじめ、メールやグループウェアの維持管理まで社内のインフラ周りをひとりで担当する渡辺氏にとっては、このメリットは大きい。

また、レプリカサーバーを遠隔地に設置していることから、DR(災害復旧)対策としても機能する。これは一般的なバックアップにはないメリットだ。「災害はもちろん停電などの事故でサーバーが落ちてしまっても、愛知県のオフィスにつなげられれば、そちらからデータを取り出せます。バックアップに比べてロケーションに依存しないのはメリットだと思っています。」

さらにバックアップに比べると、費用面でのメリットも大きかったという。「以前バックアップシステムの見積を取った際、テープ装置やオートチェンジャーで50万以上の見積が上がってきまして、そこにソフトウェアのライセンスを追加することを考えると、導入は厳しいという判断になりました。今回のシステムはコスト的なインパクトは非常に大きく、導入を社内に働きかけるには敷居が低かったですね。運用中においても、テープ搬送などの方法と比較すると、かかるコストの差は歴然です。」

今回レプリケーション環境の構築にあたって導入されたのは、レプリケーションソフトである「ARCserve Replication」が本社側と愛知のオフィスにそれぞれ1本ずつ、それにレプリカサーバーである「LANDISK Z」、そして無停電電源装置(UPS)「Smart-UPS SUA500JB / PowerChute Business Edition SSPCBEW1575J」でトータルで30万円前後で構築できてしまう。後付けで導入できるため、既存のファイルサーバーをリプレースする費用なども発生しない。こうした点も追い風になり、レプリケーション環境の導入が決定されたという。

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ほぼリアルタイムでレプリケーション。トラフィックも問題なし

レプリケーションを導入する際にもっとも気がかりなのは、常時トラフィックが発生することによる、ネットワーク帯域の圧迫だ。同社では池袋本社とレプリカサーバーが設置された愛知県のオフィスにそれぞれBフレッツを導入し、インターネットVPNを構築している。ギガビットイーサで接続された社内ネットワークに比べると、どうしても帯域は限られるが、トラフィックについての不安は無かったのだろうか。

「もちろん懸念はしていましたが、ARCserve Replication側でもQoSの設定ができますし、いざとなればルータ側でもQoSの設定もできますので、問題があればいくらでも対応できるだろうと考えていました。QoSでも難しい場合は、例えば9時から20時の間は止めておいて夜間にレプリケーションを行うといったスケジュール設定で乗り切るつもりでした」。

だが、結果的にこれらの懸念は無用だった。レプリケーション環境、および通常のインターネットアクセスについても、極めて順調に運用されており、なんら問題は発生していないという。

「愛知県のオフィスにもスタッフは常駐していますが、そちらからもクレームはまったく上がっていません。VPNを経由してだいたい20Mbpsほどの速度が出ているのですが、それでレプリケーションと、あと愛知県のスタッフが業務で用いるメールやウェブアクセス、ファイルサーバーへのアクセスで遅延が生じるといったことはとくに上がってきていない状況ですね。」 結局、QoSで帯域を確保したり、スケジュール設定を行う必要はなかったという。

また渡辺氏は、レプリカサーバーとして導入された、アイ・オーのWindows Storage Server 2008搭載NAS「LANDISK Z」についても高く評価する。

「NASを愛知県に送る前に、試しに64bitのWindows 7を入れたPCとNAS間でデータの転送速度を測ったところ、ギガビットのスイッチングハブを経由して80MB/secほどのスピードが出ていました。20~30名規模の環境でそこまで大きいデータを扱わないのであれば、今回のNASをひとつ入れるだけで、高価なサーバーやラックマウントのNAS専用機を入れるよりは安価に済み、パフォーマンスも得られていいと思いました。」 Windows Storage Server 2008を搭載していることからActiveDirectory環境に馴染みやすく、さらにデュアルCPUの搭載でパフォーマンスの高い「LANDISK Z」の実力が評価されている格好だ。

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日本CAのハンズオンセミナーで習得したノウハウで、スムーズな導入を実現

渡辺 聡氏


ARCserve Replicationを用いて、遠隔地とのレプリケーション環境の構築に成功した同社だが、担当者である渡辺氏はNASを設置するにあたって愛知県のオフィスに足を運んでおらず、いまだ稼働中のNASを目にしていないのだという。

「まずこちらで初回のレプリケーションを済ませたのち、現地のIPアドレスに変更してシャットダウンし、向こうに送ります。届いたら開封して繋いでもらい、電話で報告を受けたらPINGを飛ばし、確認できたところでレプリケーションを再開するという手順です。なので、現地で動いているモノはいまだに見ていません(笑)。レプリケーションのソフトが動いてるから、間違いなくあるんだろうという状態ですね。」

同社のファイルサーバーは約1.2TBほどのデータがあるため、一からVPN経由でレプリケーションを始めるのは非効率的だ。そこで事前に同一LAN上でレプリケーションを実行し、それを一度停止してから発送するというわけだ。この方法なら差分データの更新から再開できるため、VPN経由での転送量を最小限に抑えることができる。

このようにノウハウを熟知したうえでレプリケーション環境の導入にあたった渡辺氏だが、実は同氏がレプリケーション環境を実際に構築するのは、今回が初めてだという。同氏はスムーズな導入が行えた理由として、日本CAが実施している無償のハンズオンセミナーの存在が大きかったという。

「CAさんが催されているハンズオンセミナーに参加したのですが、ソフトの実際の動きのほか、取れているログの詳細など、情報システム部門の運営の視点としても非常に優れていることが分かりました。また、事前に同一セグメント内でレプリケーションしておいて、一旦停止した状態で遠隔地に送ってから再開する方法は、このハンズオンで聞いたものでして、もし知識のない状態でやっていれば、時間もかかるうえにスプール容量などの問題も起こっていたはずです。無償でノウハウを教えていただいたCAさんには本当に感謝ですね。」

レプリケーション環境が運用されはじめておよそ1ヶ月。渡辺氏の選択と導入および運用の手法の数々は、情報システム部門のスタッフ数に余裕がなく、データ復旧などの対応を最小限に抑えつつデータの保全性を限りなく高めたい企業や団体にとって、非常に参考になる事例だと言えそうだ。

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導入企業概要

株式会社ゲオのグループ会社である株式会社リテールコムは、インターネット通販事業、コンテンツビジネス事業やプロモーション・広告事業を行なう企業だ。最近ではゴルフクラブの買取・販売サイト「GOLF ACE(ゴルフエース)」の運営など、EC事業に力を入れている。
[企業名] 株式会社リテールコム
[創業] 2001年8月8日
[代表取締役社長] 明石 耕作
[事業内容] EC構築ソリューション事業・EC企画・運営事業、ライツビジネス事業
http://www.retailcomm.co.jp/

管理部 渡辺 聡様

管理部
渡辺 聡様

最近だと個人向けに容量無制限のオンラインストレージサービスも始まっていますし、iPadなどのデバイスを使ってクラウド経由で複数の端末から同じデータを利用するケースもあります。今後そういうデータ同期のソリューションは、企業だけじゃなく個人レベルにも広がっていくのではないかと思いますね。

レプリケーションソフト「CA ARCserve Replication」

レプリケーションソフト
「CA ARCserve Replication」

日本CA株式会社
http://www.ca.com/jp/

無停電電源装置(UPS)「Smart-UPS SUA500JB / PowerChute Business Edition
SSPCBEW1575J」

無停電電源装置(UPS)
「Smart-UPS SUA500JB / PowerChute Business Edition SSPCBEW1575J」

株式会社エーピーシージャパン
http://www.apc.com/

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