LAN接続ハードディスク&レプリケーションソフト導入事例【エス・ケイ様】

LAN接続ハードディスク&レプリケーションソフト導入事例【エス・ケイ様】

レプリケーションなら、リアルタイムで東京にも岐阜にもデータを残せる点が魅力でした。

取材日:2011年10月6日

株式会社エス・ケイでは、これまで東京と岐阜、それぞれの拠点でデータのバックアップを行なっていた。しかし1日1回のバックアップでは復旧時に最大で1日前の状態に戻ってしまう問題、災害時にバックアップ先もろともデータが失われる危険性など、複数の問題点を抱えていた。そこで両拠点間のNASのデータを交互に、かつリアルタイムでバックアップする「クロスレプリケーション」環境を構築し、この問題を解決した。

障害からの復旧時、データが最大で1日前の状態に戻ることを問題視



株式会社エス・ケイは、主に法人をターゲットとしたウェブサービスおよびモバイルアプリケーションの企画・提案・受託開発を行なう企業だ。4分野(モバイル・ソフトウェア・デザイン・ネットワーク)を連携させた提案力と技術力は、業界内での評価も高く、クライアントからの信頼も厚い。また、個人ユーザも対象にしたスマートフォン向けのアプリの開発と提供、さらにはウェブサイトの制作に至るまで、事業展開は広範囲にわたっている。

東京と岐阜に拠点を持つ同社では、それぞれのオフィスにシングルドライブのNASを設置し、ファイルサーバーとして運用していた。データのバックアップは1日単位で、オフィス内に設置された別のNASに全データをバックアップするという、擬似ミラーリングとでも呼ぶべき環境を構築していた。しかし、利用開始から2年ほど経った頃から、NASの故障が多発するようになったことで、業務に支障をきたし始めたという。

「東京と岐阜それぞれに同じNASを2台ずつ設置していたのですが、ある時期からコンデンサの異常で次々と壊れるようになりました。一台が故障すると、代替機が届くまでの間はバックアップがストップしてしまいます。これでは心もとないので、バックアップ環境を見直す機会を探っていました。」と説明してくれたのは、同社サーバー事業部/品質管理部部長の宇野利広氏だ。

また同社では、これらハードウェアの問題とは別に、障害からデータを復旧した際に、最大で1日も前の状態に戻ってしまうということが、長らく問題視されていた。

「受託開発が多く、お客様ごとにプログラムのソースや仕様書などのファイルが日々書き足されています。そのため、一日分のファイルが書き戻ってしまうという事は多大なロスなのです。」(宇野氏)

こうしたことから同社では、共有ファイルサーバーのバックアップについて、抜本的な見直しを検討することになった。

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両拠点で相互かつリアルタイムにバックアップ

宇野利広氏

これまでの仕組みに代わるバックアップソリューションとして同社が注目したのは、過去に販社としてクライアントへ販売したこともある日本CAの「ARCserve Replication for File Server」だった。複数のバックアップソリューションをラインナップする「ARCserve」シリーズの中から「ARCserve Replication」を選んだのは、リアルタイムで、しかも遠隔地にバックアップが行えるというレプリケーションならではの特性を評価したためだ。

東京と岐阜、それぞれに拠点を持つ同社であれば、両拠点に設置したNASに「ARCserve Replication」を追加すれば、一方の拠点でデータに加えられた変更が、すぐさまもう一方の拠点のNAS上のデータに反映される環境を構築できる。これには、2011年3月に発生した、東日本大震災での教訓も生かされている。

「東京の事務所は文京区にあるのですが、東日本大震災ではかなり揺れたことから、いろいろなハードウェアが落下して破損してしまいました。もちろん拠点内でバックアップは行っていますが、バックアップ先まで壊れることは想定していなかったので、災害対策として拠点間を超えたバックアップ対策が必要であることを痛感しました。その点、レプリケーションであれば、リアルタイムで東京にも岐阜にもデータを残すことができます。」(宇野氏)

こうしたことから、まずは両拠点にRAID対応のNASを導入したうえで、「ARCserve Replication」をそれぞれ導入。東京で用いるデータのバックアップを岐阜に、岐阜で用いるデータのバックアップを東京に送る、いわゆる「クロスレプリケーション」の仕組みを確立させることにした。

クロスレプリケーションであれば、お互いのNASの領域にバックアップを取ることから、ハードウェアの台数をいたずらに増やさなくて済むというメリットもある。また、東京の事務所には専任の管理者がいないため、岐阜に常駐する宇野氏の側で両拠点のデータをコントロールできる点も、導入に至る大きなポイントだったという。

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事前にローカルでのレプリケーションを実行し、作業完了までの時間を大幅短縮

今回レプリケーションの対象となった業務データは、岐阜側が約600GB、東京側が約100GB。これを交互にレプリケーションするため、それぞれのオフィスに設置されたNASのうち約700GBが、データの占める容量となる。

実際に宇野氏が行ったレプリケーション構築の手順は次の通り。まずは岐阜側で使っていた約600GB分のデータを、古いNASから新しいNASに移動させる。つづいてもう一台のNASとの間でのレプリケーションをローカルで実施する。この時点ではWAN上ではなく、ローカルで行なっておくのがポイントだ。完了したらレプリケーション先のNASを取り外し、東京に送付。東京に到着して設置が完了したらVPN経由でレプリケーションを再開し、NASの送付から設置までの間に更新のあった差分データの同期をWAN経由で行うというものだ。

時間のかかる初回のレプリケーションをあらかじめローカルで行なっておき、設置後に差分データのみWANで同期するようにすれば、レプリケーションを完了させるまでの時間は大幅に短縮できる。ちなみに今回、約600GBのデータにはオフィス文書やプログラムのソースコード、画像などおよそ100万個ものファイルが含まれていたにもかかわらず、あらかじめローカルでレプリケーションを行なっておいたことにより、設置後に行った差分データの同期はわずか1時間程度で完了したという。

いっぽう、東京側のデータは岐阜側のデータに比べると容量も少ないため、すべてVPNを経由したWAN上のレプリケーションで行った。これにより、日常の業務に影響を与えないよう、最小限の時間で、また東京の事務所にわざわざ足を運ぶこともなく、クロスレプリケーションの環境を構築できたという。

全社のデータを新たなNASに移動させた上で、さらにクロスレプリケーション環境を構築するという一大作業だが、これらを実施するにあたり、作業上の不安はなかったのだろうか。宇野氏は、日本CAが開催しているハンズオントレーニングへ参加してノウハウを習得できたことで、特に不安はなかったと語る。

「以前、日本CAさんのハンズオンセミナーに参加させてもらい、その時に非常に簡単に導入できると感じたのが、今回ARCserve Replicationに決めたきっかけです。ローカルであらかじめレプリケーションをしておいてから機材を発送し、シナリオを一部変えて同期するというのも、セミナーで得られた情報です。」(宇野氏)

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使って実感したWindows Storage Server R2搭載NAS「HDL-Z4WSA」のメリット

HDL-Z4WSA

このクロスレプリケーション環境をサポートするNASは、RAID 5に対応したアイ・オーのWindows Storage Server R2搭載NAS「HDL-Z4WSA」シリーズだ。LinuxモデルではなくWindows Storage Server R2搭載モデルを選んだのは、レプリケーションソフト「ARCserve Replication」に対応するためというのが理由だが、実際に利用してみたところ、Linuxモデルにはないさまざまなメリットを実感したという。

「弊社からお客様にハードウェアを販売する際、値段が安いものを求められることが多く、これまではLinuxベースのNASを中心に提案してきました。しかしLinuxのNASではファイルシステムによってはタイムスタンプが維持されないといった細かな問題があります。今回のWindowsベースの製品はそのような問題も見受けられませんし、インターフェイスがWindowsということで、使いやすさを実感しました。」(宇野氏)

さらに速度面や使い勝手についても、宇野氏は高く評価する。「古いサーバーからデータを移動させる時も、PCを経由せずにStorage Serverに入れたソフトでコピーができたので楽でしたね。ファイルアクセスも以前に比べて大幅に早くなりました。」CPUにIntel Atom デュアルコアプロセッサを採用し、Windows環境との親和性の高さを追求した「HDL-Z4WSA」シリーズの特徴が、評価された格好だ。

今回はさらにUPSとして、「ソフトの操作に慣れていて、自社で販売もしている」(宇野氏)という「APC Smart-UPS SUA500JB」を導入し、停電時の保護対策も講じている。NASの入れ替え、UPSの設置、クロスレプリケーション環境の構築という3つの柱が、今回のDR対策のポイントということになる。

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シャドウコピー機能を組み合わせることで、個別ファイルの復元にも対応

トラブルなく導入に至り、その後も順調に稼動しているというクロスレプリケーション環境だが、宇野氏は実際にレプリケーションを行なってみて初めて気づいた点として、作業ミスまでリアルタイムで反映されてしまう点を挙げる。

「完全にリアルタイムで同期されますので、うっかりミスで消してしまった内容も、そのまま相手方のNASに反映されてしまうわけです。これでは困る場合もありますので、別のバックアップを組み合わせる必要があると痛感しました。」(宇野氏)

従来は1日1回のバックアップだったため、たとえ操作ミスをしても、1日前の状態に戻ってしまうことを問題視しなければ、書き戻しは容易だった。しかしリアルタイムで同期されてしまうレプリケーションではそうはいかない。そこで宇野氏は、Windows Serverの機能の一つであるシャドウコピー機能を利用し、個別のファイルの書き戻しに対応させることにした。

シャドウコピーとは、ファイルシステムのスナップショットを定期的に作成しておくことで、任意の時点における個別のファイルを書き戻せる機能だ。更新前のファイルはもちろん、誤って消してしまったファイルも個別に書き戻せるため、レプリケーションと組み合わせることで、リアルタイムでバックアップを行いつつ、個別のファイルを任意の時点にさかのぼって復元することが可能になる。今回導入したNAS「HDL-Z4WSA」シリーズが、シャドウコピー機能が使えるWindows Storage Server R2搭載モデルだからこそできる芸当だ。

NASの入れ替え、UPSの設置、クロスレプリケーション環境の構築という3つの作業を通じて、災害やディスク障害、さらには操作ミスにおけるデータ消失の心配をすることなく、従業員が安心してデータを扱えるようになった。宇野氏は今回の作業で得られたノウハウをクライアントへの提案にも生かしていきたいと語る一方、自社が運営しているデータセンターのサーバーについても、将来的にはレプリケーションの仕組みを導入したいと意欲を見せる。

「弊社が提供しているウェブサービスのサーバーは、すべてデータセンターに設置されています。将来的には これらデータセンターのサーバーとのレプリケーションも行い、社内のデータも含めてそちらに全部移行できるのが理想だと考えています。」と語る宇野氏。障害や災害に強いシステムを通じてお客様に安定したサービスを提供すべく、同社のチャレンジはこれからも続いていくことになりそうだ。

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導入企業概要

株式会社エス・ケイ
東京と岐阜に拠点を持つ株式会社エス・ケイは、主に法人をターゲットとしたウェブサービスおよびモバイルアプリケーションの企画・提案・受託開発を行なう企業だ。モバイル・ソフトウェア・デザイン・ネットワークの4分野を連携させた提案力と技術力は、業界内での評価も高く、クライアントからの信頼も厚い。また、個人ユーザも対象にしたスマートフォン向けのアプリの開発と提供、さらにはウェブサイトの制作に至るまで、事業展開は広範囲に及んでいる。
[企業名] 株式会社エス・ケイ
[設立] 1999年11月1日
[代表取締役] 代表取締役社長
森 博
[社員数] 15名(2011年10月現在)
[事業内容] ソフトウェア・情報処理・SI
http://www.esukei.jp/

サーバー事業部/品質管理部 部長 宇野 利広 様

サーバー事業部/品質管理部
部長 宇野 利広 様

前回使っていたNASは、1日1回深夜にバックアップを取っていましたが、万一壊れてしまった際には、その間のデータが元に戻ってしまいます。それでは不十分だと思っていました。リアルタイムに、しかも異なった拠点にデータが残せるのは魅力的だと感じていました。

レプリケーションソフト「CA ARCserve Replication」

レプリケーションソフト
「CA ARCserve Replication」

日本CA株式会社
http://www.ca.com/jp/

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