取材日:2018年1月11日
インフラなど様々な制約がある中での「てれたっち」の導入となりましたが、その効果を実感したという青森市立浜館小学校の皆さん。同校では「Hi, friends!」をはじめとする電子教材を、「てれたっち」で効果的に活用されています。教務主任の奥崎健二先生、5年2組担任の林るみ子先生、5・6年生の理科と算数を担当される松田祥子先生にお話を伺いました。
松田先生ディスプレイに私がタッチペンで書き込めば、「ほかにはどんな色がある?」と、また、線を引けば、「太さは変えられる?」などと興味津々で質問してきますね。ただコンテンツを視聴するのとは違い、タッチペンで操作できることが興味喚起につながるのだと思います。授業の中で、問題の答えや自分の考えを「発表したい人?」と問いかけても、あまり反応がよくない時もあります。しかし、「『てれたっち』を使って説明してみたい人?」という聞き方にすると、児童たちの手は一斉に挙がります。普段は消極的で、人前に立ちたくないという児童でも、「てれたっち」ならば「使ってみたい」と前に出てくるので驚きでした。
林先生最初は「動く」「音が出る」「色がつく」というだけのことでも児童は興奮しますね。注意を引くという点では非常に優れたツールです。もう集中しすぎるくらいでして、黒板に集中させたい時は、あえてディスプレイの電源をオフにするようにしています。モチベーションアップには確実につながっていると思います。
松田先生インフラやセキュリティポリシーの制約があり、なかなか自由に活用できないという現状がありますが、アイデアは多々あります。すぐに実現できそうなものとしては、書画カメラと「てれたっち」の連携ですね。以前もスマホ等と大型ディスプレイをつないで児童に画像を見せるといったことはしていましたが、このセットを使えば、より便利に使えそうですよね。
林先生できることはたくさんあると思います。体育で撮影した動画を元に動きを分析したり、音楽だったら楽譜の音符と実際の音の相関がわかるような表示をしたり、いろいろアイデアはあります。こういうことを考えるのは、小学校の教員の得意分野ですね。ただ、松田先生も仰っていたように、環境に制約があるのも事実なんです。今まではそれが当たり前だと思っていた面もあり、「てれたっち」を使うまで課題にすら感じていませんでしたが、今回の導入を契機にICTの取り組みについて考えることもありました。とにかく環境整備あってこそのICTですから、学校側にはぜひそこから取り組んでいただきたいと期待しています。
林先生「てれたっち」はフロアに1台しかないために、ほかのクラスと譲り合いながら利用しています。また、大型ディスプレイは教室間の移動が非常に手間で、さらにセットして、立ち上げてとやっていると、時間がかかってしまいます。こうしたツールは思い立った時にすぐに使いたいものです。やはり1教室1台ずつ「てれたっち」や大型ディスプレイが設置されるのが理想です。それが実現したら、今度はタブレットとの連携などもいいですね。夢は広がります。
奥崎先生現場の先生方からは活用アイデアをどんどん出してほしいと思っています。現状では様々な制約もありながら、先生方が工夫して取り組んでくれています。できることからにはなりますが、環境整備にも前向きに取り組んでいきたいと考えています。