【国際モダンホスピタルショウ2023】医療現場の力をICTでサポートする

（写真）I-O DATAのブース

（記事公開日：2023年7月28日）

2023年7月12日～14日の3日間、東京ビッグサイトにおいて、医療分野の展示会「国際モダンホスピタルショウ2023」が開催されました。

この展示会は、「病院をはじめ、保健・医療・福祉分野における質の向上、充実に役立つ機器、製品、システム、サービスなどを幅広く展示し、最新情報の発信および情報交流の場を提供することにより、健康福祉社会の発展に寄与する」ことを目的としています。

（写真）国際モダンホスピタルショウ2023の会場（東京ビッグサイト）

アイ・オー・データ機器のブースでは、サイバーセキュリティ対策のためのバックアップソリューション、医用画像参照用ディスプレイを始め、オンライン資格確認端末など、医療現場のICT化をサポートする商品を展示しました。

また、最終日7月14日には、日本医師会ORCA管理機構株式会社様、東京海上日動株式会社様と共にサイバーセキュリティ対策に関するトークセッションを行いました。

MAGAZINE編集部も会場へ行ってきましたので、その様子を皆さんにご報告したいと思います。

サイバーセキュリティ対策のためのバックアップ

（写真）BCSP-XAUTNシリーズ

近年、医療機関を狙うサイバー攻撃が増えています。なかでもランサムウェア攻撃によって診療ができなくなった事例がいくつも発生しています。医療現場のさまざまなデジタルデータを守り、万が一のときにも医療サービスが停止しないような対策が求められています。

（図）ランサムウェア感染のイメージ

アイ・オー・データ機器では、ランサムウェアに備えて、より迅速に復旧するためのバックアップが可能な「BCSP-XAUTNシリーズ」を提案しています。

「BCSP-XAUTNシリーズ」は、法人向けNAS「ランディスク」と法人向けUSB HDD「BizDAS（ビズダス）」によるバックアップスターターパックです。必要な機器がそろっているため、サイバーセキュリティ対策のためのバックアップがすぐに始められます。

また、複数世代を残すオフラインバックアップが簡単にでき、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に沿った運用を実現できます。

（写真）関心度の高いサイバーセキュリティのコーナー

サイバーセキュリティ対策のコーナーは、多くの来場者がスタッフに熱心に質問するなど、関心度の高さが伝わってきます。なかでもバックアップデータの容量や実施のタイミング、保持しておく世代数など、実際に運用する場合の詳細な質問が盛んにおこなわれていました。ランサムウェア被害は医療機関にとって早急に対応が求められる重要インシデントですから、今後もホットなトピックになっていくでしょう。

注目度の高かったサイバーセキュリティ対策に
関するトークセッション

（写真）満席のトークセッション会場

最終日に開催されたサイバーセキュリティ対策に関するトークセッションには、たくさんの参加をいただきました。「脅威はすぐそこ　今すぐ始めるサイバーセキュリティ対策 ～医療機関のサイバーセキュリティを考える～」という注目度の高いテーマであり、みなさん、とても熱心に聞かれていました。

（写真）テーマ「脅威はすぐそこ　今すぐ始めるサイバーセキュリティ対策 ～医療機関のサイバーセキュリティを考える～」

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  日本医師会ORCA管理機構（株）
  取締役副社長　上野 智明　氏

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  東京海上日動火災保険（株）
  火災・企業新種業務部サイバー室
  専門次長　教学 大介　氏

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  （株）アイ・オー・データ機器
  上席執行役員　企画開発部
  部長　加藤 光兼

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  【モデレーター】
  （株）アイ・オー・データ機器
  コーポレート営業部
  専任部長　内藤 基夫

日本医師会ORCA管理機構（株）様は、ORCA（Online Receipt Computer Advantage）プロジェクトにおいて、日本医師会のIT戦略の一環を支援されています。現在、医療機関における15,000台以上のオンプレミス型のレセプトコンピュータ、3,000台以上のクラウド型のレセプトコンピュータを提供されています。

東京海上日動火災保険（株）様は、国内初としてサイバー保険を開発されました。教学様は開発された本人であり、現在、最もこの保険を検討されている業界は医療業界ということです。

第1セッションでは、「サイバーセキュリティ被害の現状と医療機関への影響」をテーマにお話がありました。

（写真）医療機関のランサムウェア被害について話される上野様

上野様からランサムウェア被害の実例についてお話がありました。被害を受けた医療機関での対応で特徴的であったのは、「バックアップをとっていたけれども、それも含めて暗号化されてしまった」「本番環境にリストアするときに大変な労力と時間がかかった」など、対策の実施状況だけではわからない現場の実態について言及され、来場者へ注意喚起をされていました。

（図）バックアップするHDDは攻撃者からは見えないので安全

なお、先述の「BCSP-XAUTNシリーズ」では、出荷時よりBizDASを論理的にネットワークから分割する設定を採用し、日本医師会ORCA管理機構よりサイバーセキュリティ対策バックアップストレージとして推奨を受けています。

（写真）医療機関がサイバー攻撃を受ける理由

教学様からは、「医療機関の方が使われているシステムには、安全神話みたいなものがあるのではないか」という提言がありました。

例えば、保守ベンダーがリモートメンテナンスする際のVPN接続の脆弱性や、USB経由での感染のリスクが存在しており、大事な患者データはインターネットとは完全に切り離されていないことを認識する必要があるということでした。

加藤氏からは、過去にランサムウェアによって世界的な被害がもたらされた歴史など、これまで一般企業向けにサイバーセキュリティ対策に取り組んできた経験を踏まえた見解の共有がありました。

（写真）医療機関へのサイバー攻撃について話される教学様

（写真）医療業界が直面するサイバー環境

（写真）「サイバー保険」とは

（写真）「サイバー保険」の有事機能（緊急時ホットラインサービス）

このあと、第2セッションでは「バックアップ戦略の実践とトレーニング」について、上野様から、カルテをはじめとした患者データは、特別に気を遣わなければならないデータなので、システムの感染予防や、万が一、感染したときのリカバリィ対策など、今からでもすぐに始めてもらいたいというお話がありました。

教学様からは、「サイバー保険」では、システムベンダーでは対応しきれないインシデントの初動から再発防止まで、サイバー分野の専門家を事案ごとに専任担当者も支援されるとのことでした。

医療機関において、サイバーセキュリティの専門家を雇用するのも難しいと思いますので、リスク回避として保険会社との契約も大切なことの1つです。

今回のトークセッションは、ランサムウェア対策に強い「BCSP-XAUTNシリーズ」と、「サイバー保険」を組み合わせて、より安心・安全なサイバーセキュリティ対策を考えていただく、良い機会になったと思います。

医用画像に適した色階調特性で表示ができる
モニター「MediCrysta」

（写真）広視野角ADSパネル採用 3.6MP医用画像参照用27型ワイド液晶モニター「MediCrysta」

MediCrysta「LCD-MCQ271EDB」は、高輝度400cd/㎡で、広視野角ADSパネルを採用し、見える位置や角度による色やコントラストの変化が少なく、どこから見ても映像を鮮明に映し出します。明るい診察室内においても、とても見やすいので、医用画像参照モニターに最適です。

（写真）「MediCrysta」の説明を聞く来場者

医療従事者の方が熱心に説明を聞かれていました。照明の当たる明るいブースでもきれいに表示されるのを見て関心されていました。一般にモニターは、輝度の均一性に個体差がありますが、MediCrystaは、生産時に個体ごとに補正し、均一に表示できる機能を実装し、画面全体のムラが少ない状態にできます。

また、医用画像の階調特性の基準となるDICOM Part14にて定められたガンマカーブに対応しており、DICOM形式のデータを最適な状態で閲覧可能です。

スクエアモデルも人気！病院内の一般モニター

（写真）一般モニターラインアップ

タッチパネルモニター、フリースタイルスタンドモニター、スクエアモニターなど、病院内で利用される一般的なモニターの商品ラインアップです。

タッチパネルモニターは、キーボードやマウスに不慣れなスタッフでも、直感的なシステム操作が可能です。フリースタイルスタンドモニターは、簡単に縦横自在に向きを変えられ、見たいものを、見たい方向で、わかりやすく表示できます。

（写真）モニターの説明を聞く来場者

スクエアモデルは、最近では作っているメーカーも少なくなりました。病院内では、設置スペースの関係もあり、まだまだ利用したいといったご要望にお応えしています。

窓口業務の負担軽減！HPKIカードの読み取りや
オンライン資格確認

（写真）医療機関・薬局向け オンライン資格確認端末「APX2-MEDICAL/QCA」

「APX2-MEDICAL/QCA」は医療機関・薬局向けオンライン資格確認専用端末です。厚生労働省が定める「資格確認端末において満たすべき要件」に準拠し、さらに日本医師会ORCA管理機構より唯一オンライン資格確認専用端末メーカーとして推奨を受けています。

（写真）医療機関・薬局向け オンライン資格確認端末（miniPC）「MPC-LVZ3P/QC」

診療所・薬局等、設置スペースのとれない受付の設置には、手のひらサイズのコンパクト端末「MPC-LVZ3P/QC」が最適です。

どちらのオンライン資格確認端末も、導入手順短縮のため、設置・設定に必須のアプリケーションをインストールして提供されます。また、各社顔認証付きカードリーダーの動作確認済みです。

（写真）ICカードリーダーライター「USB-NFC4S」

ICカードリーダーライター「USB-NFC4S」は、電子処方箋導入時のHPKIカード（医師資格証と薬剤師資格証）読み取り・電子署名時に使用できます。

オンライン資格確認等システムを基盤として電子処方箋管理サービスを通して医師、歯科医師、薬剤師間で処方せんをやり取りする「電子処方箋」の仕組みは、今後ますます普及が進むと思われます。

電子処方箋を導入することで、直近の患者さんの情報を踏まえた診察や処方、重複投薬等のチェックを行うことができ、薬局でも同様に直近の患者情報を踏まえた調剤や服薬指導を行うことができます。

ITベンダー様のサポート利用に最適！
かんたんビデオ通話ができる「PlatPhone」

（写真）かんたんビデオ通話ができる「PlatPhone」

かんたんビデオ通話ができる「PlatPhone（プラットフォン）」は、面倒なアプリのインストールやアカウントの登録が不要で、かんたんにビデオ通話ができるサービスです。

例えば、医療現場で使われている機器の接続などについてスタッフが分からない場合、QRコードを読み取るだけで、ITベンダー様とすぐにビデオ通話が始められます。

ITベンダー様は、現場の機器の状態を映像で見ることができるので、正しい接続方法や設定などをお教えすることができます。早期に問題解決ができる優れたサービスです。

（写真）「PlatPhone」のデモ通話

写真は、「PlatPhone」を使ってビデオ通話のデモをしている様子です。左側のパソコンがITベンダー様の管理画面、右側のスマホを持っているのが病院側となります。スマホの映像を、パソコンで確認しながら通話ができます。

アイ・オー・データ機器では、医療現場のICT化をサポートできるソリューションを今後も提案して参りたいと思います。よろしくお願いします。

◎関連リンク

・日本医師会ORCA管理機構推奨 サイバーセキュリティ対策バックアップスターターパック
「BCSP-XAUTNシリーズ」
（商品ページ）（購入ページ）

・広視野角ADSパネル採用 3.6MP医用画像参照用27型ワイド液晶ディスプレイ（MediCrysta）
「LCD-MCQ271EDB」
（商品ページ）（購入ページ）

・法人・文教向けモニター（ワイドモデル）ラインアップ
・法人・文教向けモニター（スクエアモデル）ラインアップ

・ICカードリーダーライター
「USB-NFC4S」
（商品ページ）（購入ページ）

・医療機関・薬局向け　オンライン資格確認端末
「APX2-MEDICAL/QCA」
（商品ページ）（購入ページ）

・医療機関・薬局向け　オンライン資格確認端末（miniPC）
「MPC-LVZ3P/QC」
（商品ページ）

・かんたんビデオ通話サービス「PlatPhone（プラットフォン）」

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