はじめてWindowsNASのバックアップに挑戦

WindowsNAS「HDL2-Z22WATBシリーズ」(左)とバックアップ用外付けHDD「HDJA-UTNBシリーズ」(右)

(写真)WindowsNAS「HDL2-Z22WATBシリーズ」(左)とバックアップ用外付けHDD「HDJA-UTNBシリーズ」(右)

(記事公開日:2024年3月4日)

前回のI-O DATA Magazine「はじめてのWindowsNAS!コンパクトで設置場所を選ばない」では、Windows NASをはじめて導入する方に、「HDL2-Z22WATBシリーズ」の設置からファイル共有までのステップをご紹介しました。

今回は、WindowsNASと一緒に使っていただきたい、バックアップ用外付けHDD「HDJA-UTNBシリーズ」をご紹介します。NASの急な故障やデータ紛失に備え、バックアップ環境を整えておくと安心です。実際にバックアップと復元にも挑戦しましたので、その設定方法なども一緒にご紹介します。

NASのデータをバックアップする重要性とは

NASから外付けHDDへバックアップ

(イメージ)NASから外付けHDDへバックアップ

外付けHDDにNASのデータをバックアップすることにはいくつかの重要な理由があります。

1つ目はデータ消失リスクを減らせることです。外付けHDDにデータをバックアップすることで、本体のNASが故障した場合や、データが誤って削除された場合でも、重要なデータを安全に保つことができます。

2つ目は猛威を振るうランサムウェアによるサイバー攻撃被害の有効な対策になることです。バックアップされた外付けHDDをウイルスが読み書きできないようにしておくことで、データをランサムウェアから守ることができます。
(参考記事)猛威を振るうランサムウェア NAS+HDDで業務継続のためのデータを守る

ランサムウェア対策

(イメージ)ランサムウェア対策

3つ目はファイルの履歴管理ができることです。複数世代のバックアップは、異なる時点でのデータの履歴を提供します。誤って編集されたファイルや以前のバージョンが必要な場合、バックアップからそれらのデータを復元できます。

4つ目はプライバシーとコントロールを保つことができることです。データを外部のクラウドサービスにバックアップする代わりに、外付けHDDに保存することで、データのプライバシーとコントロールを保つことができます。特に個人情報などセンシティブな情報を含む場合、外付けHDDに保存することで直接管理できます。

外付けHDDにNASのデータをバックアップすることは、データのセキュリティと業務の可用性を高めるための重要な手段です。

外付けHDD「HDJA-UTNBシリーズ」

「HDJA-UTNBシリーズ」のパッケージ(左)と本体(右) 「HDJA-UTNBシリーズ」のパッケージ(左)と本体(右)

(写真)「HDJA-UTNBシリーズ」のパッケージ(左)と本体(右)

「HDJA-UTNBシリーズ」は、USB 5Gbps(USB 3.2 Gen1)対応の外付けハードディスクです。高信頼のNAS用ハードディスクを搭載し、長期5年保証付きです。

容量は1/2/3/4/6/8/12/16/20TBの大容量モデルまで豊富にラインアップされ、ご利用のNAS容量に合わせてお選びいただけます。容量の目安としては、複数世代のバックアップが必要であることからNASの2倍以上の容量を推奨します。

NASとセットで24時間連続稼働を想定し、独自のヒートシンク構造と冷却用ファンの両方でしっかり冷却するため、ハードディスクの温度上昇を抑え、故障リスクを低減しています。

ヒートシンク構造&ファン搭載でしっかり冷却

(写真)ヒートシンク構造&ファン搭載でしっかり冷却

また、本体サイズは約45(W)×216(D)×155(H)mm (突起部分を除く)で、縦置き・横置きどちらでも設置できるので、ご利用環境にあわせた設置スタイルが選べます。さらに、電源内蔵タイプでACアダプターがないので、コンセント周りもすっきり配線できます。

縦置き・横置き両対応

(写真)縦置き・横置き両対応

電源内蔵なのでコンセント周りがスッキリ

(写真)電源内蔵なのでコンセント周りがスッキリ

バックアップに挑戦。バックアップのスケジュール設定をする

NAS(左)から外付けHDD(右)へバックアップする

(写真)NAS(左)から外付けHDD(右)へバックアップする

実際にバックアップ設定をしてみました。Windows標準の「Windows Serverバックアップ機能」を利用した方法をご紹介します。手順がウィザード形式で進められるので設定に迷うこともありません。

今回はNASには「LAN DISK(HDL2-Z22WATBシリーズ)」、バックアップ用外付けHDDには「HDJA-UTNBシリーズ」を使います。
ランディスク バックアップ・増設用ハードディスク対応一覧

バックアップする前に、あらかじめNASに外付けHDDをUSB接続しておきます。接続した外付けHDDはWindowsNASに外部ストレージとして認識されます。

NASに外付けHDDをUSB接続する

(写真)NASに外付けHDDをUSB接続する

WindowsNASと外付けHDDのドライブ

(キャプチャー)WindowsNASと外付けHDDのドライブ

WindowsNASのサーバー管理ツール「サーバーマネージャー」を開き、[ツール]→[Windows Serverバックアップ]→[ローカルバックアップ]をクリックします。

WindowsNASのサーバー管理ツール「サーバーマネージャー」

(写真)WindowsNASのサーバー管理ツール「サーバーマネージャー」

Windows Serverバックアップ

(キャプチャー)Windows Serverバックアップ

画面右側に表示される操作メニューから[バックアップスケジュール]をクリックします。

バックアップスケジュール

(キャプチャー)バックアップスケジュール

[はじめに]画面が表示されるので[次へ]をクリックします。

バックアップの構成の選択

(キャプチャー)バックアップの構成の選択

[バックアップの構成の選択]画面からバックアップ構成を選び、[次へ]をクリックします。
※[サーバー全体]を選んだ場合は、バックアップする項目の確認画面へお進みください。

バックアップの構成の選択

(キャプチャー)バックアップの構成の選択

[項目の追加]をクリックします。

項目の追加

(キャプチャー)項目の追加

[項目の選択]画面でバックアップ項目から次の項目を任意で選んだあと、[OK]をクリックします。
[ベアメタル回復][システム状態][EFIシステムパーティション][ローカルディスクC][ローカルディスクD](バックアップするフォルダーのみ)

今回の例では、[ベアメタル回復] にチェックを入れます。ベアメタル回復は、高速に安全にバックアップデータから、OSやシステム、データまでのすべてを復旧する方法です。ベアメタル回復にチェックを入れると、ベアメタルバックアップに必要な項目にも自動的にチェックが入ります。

項目の選択

(キャプチャー)項目の選択

内容を確認のうえ、[次へ]をクリックします。

項目の確認

(キャプチャー)項目の確認

バックアップ時刻と頻度を設定し、[次へ]をクリックします。時間帯は、業務時間外などの社員の利用がほとんどなく、NASに負荷のかからない時間帯が良いでしょう。

バックアップ時刻と頻度の設定

(キャプチャー)バックアップ時刻と頻度の設定

バックアップの保存先の種類で[バックアップ専用のハードディスクにバックアップする(推奨)]を選び、[次へ]をクリックします。

バックアップの保存先の種類

(キャプチャー)バックアップの保存先の種類

バックアップの保存先として、NASに接続されている外付けHDD「HDJA-UTNBシリーズ」が表示されているので、これを選び、[次へ]をクリックします。
※ バックアップ先のHDDはフォーマットされます。必要なデータは、事前にバックアップしてください。

バックアップの保存先の選択

(キャプチャー)バックアップの保存先の選択

内容を確認し、[はい]をクリックします。USB接続されている外付けHDDはバックアップの保存専用となり、エクスプローラーには表示されなくなります。

選択したディスクを使用する確認画面

(キャプチャー)選択したディスクを使用する確認画面

外付けHDDは見えなくなる

(キャプチャー)外付けHDDは見えなくなる

内容を確認し、[完了]をクリックします。バックアップ先の外付けHDDがフォーマットされ、バックアップスケジュールが作成されます。

バックアップスケジュールウィザードの完了

(キャプチャー)バックアップスケジュールウィザードの完了

以上で設定は完了です。設定されたスケジュールによりNASのデータは外付けHDDにバックアップされます。

深夜に自動バックアップする

(写真)深夜に自動バックアップする

バックアップデータから復元する

外付けHDD(右)からNAS(左)へ復元する

(写真)外付けHDD(右)からNAS(左)へ復元する

ここでは、バックアップデータからファイルやフォルダーを選択して、復元する方法をご紹介します。

[サーバーマネージャー]を開き、[ツール]→[Windows Serverバックアップ]→[ローカルバックアップ]をクリックします。

Windows Serverバックアップ

(キャプチャー)Windows Serverバックアップ

画面右側に表示される操作メニューから[回復]をクリックします。

[ローカルバックアップ]の[回復]

(キャプチャー)[ローカルバックアップ]の[回復]

[はじめに]画面で[別の場所に保存されているバックアップ]を選び、[次へ]をクリックします。

バックアップデータの場所

(キャプチャー)バックアップデータの場所

[バックアップ場所の種類指定]画面で[ローカルドライブ]を選び、[次へ]をクリックします。

バックアップ場所の種類指定

(キャプチャー)バックアップ場所の種類指定

続いて[バックアップの場所]に表示されているNASに接続された外部ディスク一覧からを選び、[次へ]をクリックします。

バックアップの場所の選択

(キャプチャー)バックアップの場所の選択

[サーバーの選択]画面で、復元するサーバー名を選び、[次へ]をクリックします。

復元するサーバー名の選択

(キャプチャー)復元するサーバー名の選択

[バックアップの日付の選択]画面で、回復に使うバックアップデータの日付と時刻を選び、[次へ]をクリックします。

バックアップの日付の選択

(キャプチャー)バックアップの日付の選択

[回復の種類の選択]画面で、バックアップの保存先の種類を選び、[次へ]をクリックします。

回復の種類の選択

(キャプチャー)回復の種類の選択

[回復する項目の選択]画面で、回復項目を選び、[次へ]をクリックします。

回復する項目の選択

(キャプチャー)回復する項目の選択

[回復オプションの指定]画面で、オプションを選択し、[次へ]をクリックします。

回復オプションの指定

(キャプチャー)回復オプションの指定

内容を確認し、[回復]をクリックすると、データの回復を開始します。完了すると、ウィザード内の[状態]へ完了のメッセージが表示されます。[閉じる]をクリックし、復元されたファイルまたはフォルダーを確認してください。

確認画面

(キャプチャー)確認画面

「NAS」+「バックアップ用外付けHDD」

(写真)「NAS」+「バックアップ用外付けHDD」

今回、はじめてWindowsNASのバックアップに挑戦しましたが、ウィザード形式でとても簡単でした。「NAS」+「バックアップ用外付けHDD」で、重要なデータをしっかり守りましょう。

[コラム]5年でリプレイスの見直し。
NASの引っ越しに便利なツールが無料で使える

NASの引っ越しに便利なツール「データコピー for Windows」

(イメージ)NASの引っ越しに便利なツール「データコピー for Windows」

急にNASが起動しなくなったり、共有フォルダーにアクセスできなくなったりなど、万が一、こういったトラブルが起こった場合、ビジネスがストップする可能性があります。ご利用のNASが5年近く経っていたら、そろそろリプレイスを検討する時期です。

「HDL2-Z22WATBシリーズ」では、稼働中の古いNASのリプレイス時に便利なLAN DISK Zシリーズ専用データコピーツール「データコピー for Windows」が利用できます。

ツールを使えば、コピー元の共有フォルダーからLAN DISK Zシリーズに、データをコピーすることが可能です。稼働中の古いNASに操作を加えることなく、そのまま新しいLAN DISK Zシリーズへデータを移行できるため、NASの入れ替え時のデータ移行に便利です。

「データコピー for Windows」の設定画面

(キャプチャー)「データコピー for Windows」の設定画面

Linux NAS(他社製NASやアイ・オーオリジナルOS搭載NAS)であっても、新しいLAN DISK Zシリーズへのスムーズな引っ越しができます。「データコピー for Windows」は対象商品をご購入いただいた方への総合窓口「IOPortal」からダウンロードすることができます。
IOPortalはこちら

◎関連リンク
・Windows Server IoT 2022 for Storage Workgroup搭載 2ドライブ法人向けNAS
「LAN DISK(HDL2-Z22WATBシリーズ)」
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「HDJA-UTNBシリーズ」
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