デジタルサイネージはどのように活用する?仕組みと主な運用方法を紹介

(記事公開日:2023年12月22日)

デジタルサイネージはどのように活用する?仕組みと主な運用方法を紹介

#サイネージ #選び方 搭乗順のご案内を表示するデジタルサイネージ

近年、屋外にある電子看板や店頭のディスプレイ、公共の空間、レジャー施設といった多くの場所でデジタルサイネージを見かけます。いまや商品・サービスの宣伝や企業のブランディングに欠かせない媒体といえるでしょう。

しかし、これからデジタルサイネージを導入する企業は、何をどのような場所で配信すればよいか分からないケースも多いのではないでしょうか。

本記事では、デジタルサイネージを導入するメリット・デメリットに加えて、種類や選び方を詳しく解説します。デジタルサイネージの展開に必要な事柄や実際の活用事例も紹介するので、参考にしてみてください。

デジタルサイネージの概要と主な用途

街頭にある無数のデジタルサイネージ

デジタルサイネージは、看板や掲示板のようにさまざまなコンテンツを配信するディスプレイです。商業施設をはじめ、駅や公共施設で多くの企業や組織が情報を発信しています。まずは、デジタルサイネージの代表的な設置場所や主な目的を確認しましょう。

店舗内での広告・宣伝

デジタルサイネージは、店舗で顧客向けに商品を広告・宣伝するために設置するケースが多くあります。

実際、店頭や特定のコーナーで、新商品のプロモーション映像を配信する店舗は珍しくありません。大型の店舗の場合、エレベーターの内部や乗り場にもディスプレイを設置し、さまざまな広告を表示しています。

また、広告だけでなく、飲食店で限定メニューを紹介する映像を配信するといった使い方も可能です。特に近年は、回転ずしの店舗でデジタルサイネージを活用した注文システムを設置するという例もあります。

公共施設での情報提供

学校や市役所、図書館といった公共施設で、施設案内や災害時の情報提供にデジタルサイネージを利用する場合があります。地元の企業・団体の動向や報告など、地域に密着した情報を公共施設で提供するケースも増えました。

地域を訪れた観光客向けに、観光案内を提供する事例もあります。最近は再び外国人観光客が増えており、多言語に対応した情報を発信するため、デジタルサイネージを導入するところも少なくありません。

イベント会場でのエンタメ提供

イベント会場でエンタメを提供する目的で、デジタルサイネージを活用する場面も増えています。

たとえば、コンサート会場でアーティストの映像を配信するのは、一般的なプロモーションの手法として有名です。展示会で自社の商品・サービスを説明するコンテンツのほか、来場者の目を引きつける映像を配信する企業もあります。

近年はイベントの来場者が参加できるデジタルサイネージが増えており、ディスプレイの前に立つと変化が起きたり自分の分身を映像上で作り出せたりするエンタメサイネージも人気です。

デジタルサイネージを導入するメリット

空港内の情報を発信するデジタルサイネージ

デジタルサイネージは、任意のタイミングで表示情報を変更でき、視覚や聴覚に訴えられる点がメリットです。

大規模なシステムでも効率的な運用が可能で、一度に多くの人の目に留まりやすいため、さまざまな企業や団体が活用しています。ここでは、デジタルサイネージを導入するメリットを見てみましょう。

表示する情報をフレキシブルに変更できる

デジタルサイネージは、配信するコンテンツをリアルタイムで更新でき、曜日や時間帯に応じてフレキシブルに変えられるのがメリットです。特定の時間帯のみ異なるメニューを配信したり、キャンペーンの有無に応じて内容を変更したりできます。

たとえば、街頭にあるデジタルサイネージの場合、平日の昼間はオフィスワーカーに役立つ情報を発信し、休日はファミリー向けのコンテンツを発信するといった活用が可能です。

特定の視聴者に対してタイムセールの案内を表示するなど、ターゲットの属性やニーズに応じて柔軟に配信内容を調整できます。

動画と音声で視覚・聴覚の両方に訴えられる

一般的な看板広告は表示内容が静止画とテキストに限られますが、デジタルサイネージは動画や音声を使って効果的に情報を伝達できるのもメリットです。

特に動画は多くの情報を効率的に発信でき、通行人や観客、顧客に対して商品の魅力やコンセプトを効果的に伝えられます。綿密に構成した質の高いコンテンツであれば、多くの人の目に留まるでしょう。

視聴者が参加できる双方向性のあるコンテンツは、商品やサービスを知らなかった人にも興味を持ってもらえる可能性があります。

大規模なシステムを効率的に運営できる

大規模な配信システムを効率的に運営できるのも、デジタルサイネージのメリットのひとつです。看板やポスターのように交換や張り替えの手間が不要で、店舗や施設の規模にかかわらず、さまざまな用途に活用できます。

コンテンツの作成には手間と費用がかかるものの、基本的に印刷コストは発生しません。ネットワークを通じて、離れた場所に設置したディスプレイをコントロールできるシステムを導入すれば、内容の変更や調整にかかる時間も大幅に短縮できます。

多くの人の目に留まりやすい

デジタルサイネージは、市街地や人が集まるエリアで目立ちやすく、多くの人に注目してもらえるのが強みです。商品やサービスの宣伝・広告を目的とした場合、大きなアドバンテージとなるでしょう。

最近はLEDビジョンをはじめとして、繊細で美しい映像を配信できるディスプレイが増えています。ブランドイメージを高める精度の高い映像を配信し、多くの人の注目を集めることで認知度を上げるのも有効なマーケティング戦略です。

デジタルサイネージを導入するデメリット

施設についてのインフォメーションを表示するデジタルサイネージ

多くの人の目に留まる映像を効率的に配信できるデジタルサイネージは、さまざまな業界・業種の企業が活用しています。

一方、導入の際はイニシャルコストやランニングコストはもちろん、ディスプレイの故障や通信障害のリスクも考慮しなければなりません。デジタルサイネージのデメリットや注意点を押さえておきましょう。

イニシャルコスト・ランニングコストが発生する

デジタルサイネージの導入に当たって、表示用のディスプレイや配信用のネットワークといった環境の構築にコストがかかります。特にイニシャルコストは、一般的な看板広告やポスターのような媒体以上に多くの資金が必要です。

システムの運用や保守にも費用がかかるため、導入前にはランニングコストも十分に確認しなければなりません。配信するコンテンツを自社で作成できない場合、コンテンツの外注費用も発生します。

障害のリスクがある

故障や通信障害のリスクがある点も、デジタルサイネージの運用で注意したい点のひとつです。ディスプレイの故障だけでなく、ネットワークの問題でコンテンツが表示できなくなるおそれがあります。

不可抗力によるシステム上のトラブルが発生するリスクがあるのに加えて、一般的な看板とは異なり、対応が難しいケースが少なくありません。

特にディスプレイやネットワーク機器の設置を外注している場合、自社のリソースでは応急処置ができないケースが多く、復旧に時間を要するのがデメリットです。

効果を確約するものではない

デジタルサイネージは魅力的なコンテンツを配信できる媒体ですが、導入したからといって確実に効果が出るとはかぎりません。他の広告・宣伝用の媒体と同様、きちんとリサーチした上で、効果が出そうな場所・方法で展開することが大事です。

人が多い場所に設置しても、他のデジタルサイネージに埋もれてしまい、想定どおりの成果が上がらないケースは珍しくありません。

たくさんの人を振り向かせるには、しっかりとターゲットを設定した上でニーズに合った情報をタイミングよく提示する必要があります。定期的に配信の効果を測定し、設置場所とともに、コンテンツの内容やメッセージも改善し続けることが重要です。

デジタルサイネージの種類と選び方

病院で診察案内を表示するデジタルサイネージ

デジタルサイネージは、スタンドアロン型とネットワーク型に大別できます。それぞれの特徴や選び方について解説するので、導入の参考にしてみてください。単体で使用する場合はスタンドアロン型、大規模に展開する場合はネットワーク型を選ぶのが基本です。

【スタンドアロン型】単体で使用したい場合におすすめ

スタンドアロン型のデジタルサイネージは、表示する内容を格納したメディアを利用するため、ネットワークと切り離して運用します。USBフラッシュメモリーやSDカードをディスプレイと接続し、コンテンツを配信するのが一般的です。

他の機器やリソースに依存せず、システムが単独で機能することから、同じコンテンツを長期間にわたって配信する場合に適しています。システム構成がシンプルかつ低コストで済むため、小型の店舗やイベントで1台のみ展開したい場合にもおすすめです。

【ネットワーク型】大規模に展開したい場合におすすめ

ネットワーク型のデジタルサイネージは、インターネットをはじめとしたネットワークに接続し、主に遠隔操作でコンテンツの配信・変更をします。複数のディスプレイをまとめて制御するなど、比較的大規模に展開する場合、ネットワーク型の導入が前提です。

LANやクラウド環境で動作するものもあるため、用途や導入規模に応じてシステムを選択しましょう。スタンドアロン型に比べて費用はかかるものの、ディスプレイの台数の変更や時間帯によるコンテンツの調整など、柔軟に対応できます。

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デジタルサイネージの展開に必要なもの

新たにデジタルサイネージを導入・展開するには、主に以下の機器が必要です。

  • 映像を配信するディスプレイ
  • STB(セットトップボックス)もしくは、パソコン
  • 配信用のコンテンツ
  • その他の周辺機器やケーブル

まずは、コンテンツを配信するディスプレイを用意します。種類や設置場所によっては、スタンドや天つり用の器具も必要です。屋内用・屋外用があるため、環境に合った商品を導入しましょう。

ディスプレイに映像を映すには、STBもしくは、パソコンが必要です。クラウド運用をする場合、専用のソフトウェアをインストールして使用します。

また、配信用のコンテンツや電源周りの機器も忘れてはいけません。配信環境の整備には手間とコストがかかります。必要なものを洗い出して、計画的に準備を進めましょう。

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デジタルサイネージをさらに活用する方法の例

病院の受付で順番待ちの番号が表示されるデジタルサイネージ

デジタルサイネージに関する技術は進歩し続けており、IoT機器やAI機器と連携する新たな試みも始まっています。ビジネスシーンだけでなく、社会問題の解決や教育分野への活用で一定の成果を挙げている企業・団体は少なくありません。

ここでは、収集したデータを分析してマーケティングに活用する事例や広告枠として販売する事例を紹介します。

集めたデータを分析してマーケティングに活かす

IoT機器やAI機器とデジタルサイネージを連携し、収集したデータを分析してマーケティングに活かす取り組みは多く見られます。

たとえば、店舗の各所にカメラを設置し、デジタルサイネージを眺める人の数や目線を計測することで、ディスプレイの設置場所やコンテンツの内容の改善が可能です。

また、AIを搭載したカメラやセンサーを使って周囲の状況を把握し、環境の変化に応じて配信するコンテンツを変える事例も増えました。IoT機器やAI機器を活用すれば、多様な情報を収集・分析し、さまざまな施策を実行できます。

広告枠として販売して収益源にする

自社の商品・サービスのプロモーションやブランディングにデジタルサイネージを活かすだけでなく、広告枠として販売する事例も増えています。デジタルサイネージは時間帯によって内容を差し替えられるため、複数のクライアントの広告を配信可能です。

スーパーマーケットにデジタルサイネージを設置し、取引のあるメーカーを広告主として定期的にコンテンツを配信する企業もあります。

多くの人が注目する場所にディスプレイを設置すれば、広告枠としての価値も高くなり、安定した収益を得られるでしょう。

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新たにデジタルサイネージを導入するならアイ・オー・データへ!

フロアガイドを表示するデジタルサイネージ

アイ・オー・データは、デジタルサイネージに必要なディスプレイやSTBといった機材の他、周辺機器も取りそろえています。

これからデジタルサイネージを導入するのであれば、ぜひアイ・オー・データの商品をご検討ください。アイ・オー・データは必要なデバイスに加えて、システムを効率的に運用できるソフトウェアも提供しています。

デジタルサイネージに必要なデバイス・周辺機器を取り扱い

アイ・オー・データでは、4K対応の商品をはじめ多くのディスプレイを取り扱っており、スタンドのようなオプションも豊富です。店頭やカウンターに置けるタイプなど、ラインアップが充実しており、多くの企業や店舗のニーズに応えます。

4K解像度のコンテンツの出力に対応したSTBに加えて、複数の場所でデジタルサイネージを運用できる小型パソコンも導入可能です。周辺機器も取りそろえており、必要な機器をまとめて調達できるメリットがあります。

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効率的に運用するためのソフトウェアも提供

アイ・オー・データは配信用の機材だけでなく、デジタルサイネージの管理に役立つソフトウェアも提供しています。

たとえば、Windowsパソコンから簡単にデジタルサイネージを構築できる「時間割看板」は、設定した曜日・時間に応じて動画や静止画を配信可能です。

サイネージアプリ「時間割看板」 サイネージアプリ「時間割看板2」

複数のPC関連機器をまとめてクラウド管理できるIDM(I-O DATA Device Management)を導入すれば、複数の媒体でデジタルサイネージを実現できます。管理業務がスムーズになるので、ぜひ導入をご検討ください。

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まとめ

渋谷駅西口の3Dデジタルサイネージ

デジタルサイネージは、店舗での広告・宣伝や公共施設での情報提供といった、さまざまな場面で利用できます。マーケティングへの活用や広告枠の提供も盛んで、今後さらに多くの企業や店舗が積極的に導入するでしょう。

これからデジタルサイネージを始めるのであれば、メリット・デメリットを理解した上で目的やニーズに合った配信環境を構築する必要があります。

アイ・オー・データで取り扱うデジタルサイネージの関連機器は、高品質で設置も簡単なため、業界・業種を問わずスムーズに導入が可能です。必要な機材がすべてそろうので、まずは詳細についてお問い合わせください。

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