障害発生の対策に!リレーNASを実際に試してみた

「HDL2-Z10ATBシリーズ」2台構成のリレーNAS

(写真)「HDL2-Z10ATBシリーズ」2台構成のリレーNAS

(記事公開日:2024年4月5日)

業務効率化が求められる昨今、情報共有の手段としてのNASは非常に重要な役割を果たしています。それに伴い、共有された業務データはいつでも使えることが求められます。

万が一、NASに障害が発生した場合でも、いかに復旧までの時間(ダウンタイム)を最小化することが大切になってきます。ダウンタイムの最小化には、適切なシステムの設計、冗長性の確保、バックアップシステムの導入、定期的なメンテナンスや監視が重要となります。

NASの障害や災害などはいつ起こるか分かりません。障害や災害が発生したとき、ダウンタイムが長期化すると大きなビジネスリスクに直結します。今回、その予防措置の1つとして「リレーNAS」を通じて、その課題にお応えします。

リレーNASとは

リレーNASとは リレーNASとは

(イメージ)リレーNASとは

「リレーNAS」はプライマリー・セカンダリーの2台のNAS構成で、プライマリーにトラブルが発生しても、セカンダリーに切り替えを行うことで、利用ユーザーに影響を与えることなくビジネスを継続できるバックアップ構成になります。

NASが故障してしまった時、バックアップをとっていればデータは保全されますが、新しいNASを用意したり、故障したNASの情報を新しいNASに再設定したり、バックアップからデータを戻すのに時間がかかり、その間業務が止まってしまい、復旧に要する負担は非常に大きくなります。

「リレーNAS」なら、ダウンタイムを最小化できるだけでなく、復旧にかかる手間も大幅に削減できます。

故障から復旧までの時間の違い 故障から復旧までの時間の違い

(イメージ)故障から復旧までの時間の違い

リレーNASの構成

HDL2-Z10ATBシリーズ×2台の構成

(写真)HDL2-Z10ATBシリーズ×2台の構成

リレーNASでは、同系統のNAS2台を使用して、プライマリー・セカンダリー構成をとります。今回は「HDL2-Z10ATBシリーズ」を2台使用します。このNASは、Windows 10 IoT Enterprise LTSCを搭載したNASであり、安定動作、高いセキュリティ機能、長期サポートなど、信頼性の高いNASで、使い慣れたWindows 10の操作により共有と管理ができるNASです。

(参考記事)使い慣れた操作画面で簡単に共有フォルダ―を作成できるWindows 10 IoT搭載NAS

「HDL2-Z10ATBシリーズ」には、あらかじめリレーNASを設定できる「クローン for Windows」が添付されており、すぐに設定を始められます。

HDL2-Z10ATBシリーズに添付されている「クローン for Windows」

(キャプチャー)HDL2-Z10ATBシリーズに添付されている「クローン for Windows」

クローン for Windowsの特長

【1】設定情報やユーザー情報もバックアップでき、故障時もすぐに復旧できる。

【2】サポート終了を迎えたWindows Server OSを搭載したサーバーからのデータ移行にも最適。

【3】クラウドストレージサービスへのバックアップ対応で災害対策もできる。

「クローン for Windows」は、【1】プライマリーからセカンダリーへのスケジュールでの同期が可能となります。そのほか、【2】NASの買い替え時の移行、【3】Microsoft Azureなどのクラウドストレージへのバックアップにも対応しており、災害対策としてもご活用いただけます。

今回は、【1】のプライマリーからセカンダリーへの同期について設定してみます。

通常運用時はデータと設定情報を常に同期

通常運用時

(イメージ)通常運用時

通常運用時は、プライマリーに保存された共有フォルダー内のファイルだけでなく、設定情報もセカンダリーに同期することで、万が一、プライマリーが故障した場合でも、手間をかけることなく、短いダウンタイムで復旧できます。

UPS(無停電電源装置)で停電にも備える

UPSで停電に備える

(イメージ)UPSで停電に備える

NASも電源があってこそ稼働できる機器です。大切なデータを何重にもバックアップしても、いざ停電になってしまったらストップしてしまいます。停電の場合、いきなり電源が切れてしまうので、NASのHDDにダメージを与え、データ損傷や消失の可能性も高くなります。

そこで、停電時でも安全に自動シャットダウンして、NASのデータを守るために、UPSと組み合わせて利用するのがおすすめです。

(参考記事)【防災の日】NASへの大切なデータ保存!UPS(無停電電源装置)で停電に備える

UPS(OMRON BW55T)とNAS(HDL4-XA4)の例

(写真)UPS(OMRON BW55T)とNAS(HDL4-XA4)の例

障害時はセカンダリーに切り替えて業務を継続

プライマリー故障時

(イメージ)プライマリー故障時

プライマリーにトラブルが発生した場合は、あらかじめ同期しておいた設定情報をもとに、セカンダリーがプライマリーに昇格し、業務を継続できます。もちろん、利用ユーザーのPCも旧プライマリーの情報のまま利用できるので、ユーザーがトラブルによる影響を感じることはありません。

「クローン for Windows」でリレーNASの同期設定

リレーNASの設定

(写真)リレーNASの設定

それでは、「クローン for Windows」を使って、リレーNASの同期設定を進めます。プライマリーとセカンダリーのそれぞれに設定します。はじめにプライマリーの設定をします。

プライマリーとセカンダリーのNAS

(キャプチャー)プライマリーとセカンダリーのNAS

プライマリーにリモートデスクトップで管理者ログインします。
※操作キャプチャー画面におきまして、マスターはプライマリー、スレーブはセカンダリーのことを表します。

マスター機用インストーラー

(キャプチャー)マスター機用インストーラー

「マスター機用インストーラー」をクリックして、画面の指示に従ってインストールします。

クローンを起動

(キャプチャー)クローンを起動

インストールされたクローンを起動します。

メール設定

(キャプチャー)メール設定

[メール設定]では、クローンが同期に失敗した時など、メールで通知することができます。[メール設定]メニューを開き、[メール通知機能を有効にする]をチェックのうえ、メールに関する設定を入力します。

[テストメール送信]をクリックし、メールが届くことを確認して、[適用]をクリックします。

同期・サービス設定

(キャプチャー)同期・サービス設定

[同期・サービス設定]メニューを開き、[自動アップデート設定]をクリックします。
※必要に応じて[プロキシ設定]をします。

自動アップデート設定

(キャプチャー)自動アップデート設定

[自動アップデート有効]をチェックし、[曜日][時間]を設定して[設定する]をクリックし、[同期・サービス設定]の[適用]をクリック後、[閉じる]をクリックします。

これで自動アップデートの設定は完了です。プライマリーが自動アップデート設定されていれば、セカンダリーも自動アップデートされます。

続いて、プライマリーとセカンダリー間の同期を行います。同期設定はプライマリーのクローンで操作します

同期設定

(キャプチャー)同期設定

プライマリーのクローンを起動し、[NAS同期]-[同期設定]メニューを開き、[新規ジョブ作成]をクリックします。

ジョブ設定

(キャプチャー)ジョブ設定

[ジョブ名]を入力、[VSSを利用する(※)]をチェック、[参照]をクリックし、同期するフォルダーを選び、[同期先コンピューター名(ここではセカンダリーのNAS名であるROOM2)]を入力し、[同期先ドライブレター]を選択します。
(※)VSSとは、ボリューム・シャドウコピー・サービスのことで、通常ロックされている(編集中など)のファイルをコピーできませんが、VSS機能を利用すると、その「スナップショット(現在の状態)」を作成し、ロック中のファイルも含めてコピーを完了することができます。

最後にプライマリーとセカンダリーを同期するスケジュールを設定したら、[保存]をクリックします。

ジョブ設定の完了後、今すぐ同期処理を行う

(キャプチャー)ジョブ設定の完了後、今すぐ同期処理を行う

同期ジョブが登録されましたので、[今すぐ同期処理を行う]をクリックして、同期します。

今すぐ同期処理を開始

(キャプチャー)今すぐ同期処理を開始

同期処理が始まります。ファイル数や細部などによってかかる時間は変わりますが、データ転送の目安として、10GB(ファイル数50,000)のデータで約90分程度かかります。

プライマリーの故障を想定して切り替えテスト

プライマリー・セカンダリーの切り替えテスト

(写真)プライマリー・セカンダリーの切り替えテスト

実際にプライマリーの障害を想定し、セカンダリーでデータ共有が継続できるかをテストしてみました。

プライマリーの障害を想定し電源を落とす

(写真)プライマリーの障害を想定し電源を落とす

プライマリーの電源を切り、ネットワークから取り外します。これで、社内ネットワークにおいてプライマリーへアクセスできない状態を作り出しました。ここからセカンダリーの操作になります。

[切替]-[マスターに昇格]

(キャプチャー)[切替]-[マスターに昇格]

プライマリー同様に、セカンダリーにインストールしたクローンを起動し、[切替][マスターに昇格]メニューを開きます。プライマリーに設定されている情報が表示されるので、設定情報を確認後[マスターに昇格]をクリックします。

[マスターに昇格]の実行

(キャプチャー)[マスターに昇格]の実行

[マスターに昇格]実行の確認画面が表示されるので[はい]をクリックします。

設定の切り替えが完了

(キャプチャー)設定の切り替えが完了

セカンダリーからプライマリーへの切り替えが完了したので、再起動のため[OK]をクリックします。

プライマリーへ昇格したセカンダリーが表示される

(キャプチャー)プライマリーへ昇格したセカンダリーが表示される

通常運用時、2つ見えていたNASは、プライマリーに昇格したセカンダリーだけとなります。この同期されたNASの共有フォルダーにアクセスできることが確認できました。

プライマリーへ昇格したセカンダリー内の共有フォルダー

(キャプチャー)プライマリーへ昇格したセカンダリー内の共有フォルダー

プライマリー・セカンダリーの同期スケジュールはアクセスが少ない、業務終了後の深夜帯に設定すると良いでしょう。

プライマリー・セカンダリーの同期は深夜にスケジュール

(写真)プライマリー・セカンダリーの同期は深夜にスケジュール

故障したプライマリーもすぐに対処して復旧作業

NarSuS(ナーサス)

(イメージ)NarSuS(ナーサス)

セカンダリーをプライマリーに昇格させて業務を継続している間に、プライマリーの修理・復旧も必要です。プライマリーの稼働状態は、NASの状態管理サービス「NarSuS(ナーサス)」によって管理者にメールで通知されます。NarSuS上では障害の内容と対処方法が分かりやすくイラスト付きで表示されるため、迅速にトラブルに対処できます。
NarSuSの詳細はこちら

有償保守「リレーNASプラン」 有償保守「リレーNASプラン」

(イメージ)有償保守「リレーNASプラン」

対処方法が分からないとき、有償保守「アイオー・セーフティ・サービス」の「リレーNASプラン」へご加入いただいていれば、専門スタッフが訪問してスピーディーに対応いたします。NAS本体や部品の交換など最短翌営業日での対応が可能です。
リレーNASプランの詳細はこちら

プライマリーの修理が完了したら、切り替えた旧セカンダリーをプライマリーとし、修理が完了し復旧した旧プライマリー(または新しいNAS)をセカンダリーとして再びリレーNAS構成を構築します。

障害発生の対策に有効なリレーNAS

(写真)障害発生の対策に有効なリレーNAS

リレーNASを構成することにより、NASの故障によるトラブルに悩まされることなく業務に注力できるので、ぜひご検討ください。

◎関連リンク
Windows搭載 小規模利用法人向けNAS
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