


電子帳簿保存法の改正により、データで受け取った請求書や領収書などを、データで保存する義務が2024年から生じます。タイムスタンプなどを使わずに、最小限の処理をする場合には、事務処理規程の他、ファイルの検索体制を作る必要があります。
法改正に合わせて作られた「命名くん」を使い、この検索を簡単にする方法をまとめてみます。
命名くんの基本的な使い方が分かるという方は、3の複雑検索だけでも読んでください。
まずは、ダウンロードページへ移動しましょう。
移動後、「命名くん体験版ダウンロード」をクリックします。
「命名くん体験版」の提供は終了しました。新しくなった「命名くん無料版」をご使用ください。(ダウンロードページに変更ありません)
移動した先で、「命名くんダウンロード」をクリックしましょう。
使っているパソコンのOSを選ぶ画面が出ます。
OSを選んだ上で「ダウンロード」をクリックします。
なお、下記の画面はWindows 11を選択した場合で進めています。
「Meimeikun_101.exe」など、ファイルがダウンロードされます。
このファイルをクリックした後、もう一度「はい」を選択します。
「インストール」を選択しましょう。
「利用規約」を読むと、「同意する」を選択できますので、クリックしましょう。
IDをお持ちの方は、入力して緑の「サインイン」へ進みます。
ない方は、IDの「新規登録」をします。
IDを登録しましょう。
「めいめいID」は使用されていなければ好きなものを入力可能です。
「メールアドレスへ確認コードを送信する」をクリックして進みましょう。
メールに確認コードが届きますので、メモをします。
インストールへ戻って、確認コードを入力しましょう。
利用する企業名を入力します。
企業名がない方などは直接入力やスキップでもかまいません。
また、会社名を一部入れると、候補を挙げてくれます。
以上、で登録完了です。
戻って、作成したIDでサインインを完了しておきましょう。
下準備ができました。
さて、命名くんを開いて、名前を付けてみましょう。
必要なファイルを選択し、あとは、日付・書類種別・相手先・金額・保存先フォルダーを選べば完了です。
簡単ですよね。
なお、名称変更前のファイルは、同階層に「名称変更元ファイル」というように保管がされますので、元のファイルが分からなくなることはありません。
名づけは、手作業でいいのではという疑問もあるかもしれません。
でも、こういったシステムは、引継ぎが必ず発生します。
パソコン名づけを自分でした方が早い達人がいたとしても、定常的に処理をするなら、命名くんのようなソフトがあるととてもスムーズです。
社名登録は、ひとつひとつ検索して入力することが可能です。
「取引先」の左上の…をクリックすると入力画面に移動できます。
部分一致などで検索して入力可能です。
取引先の社名を一括登録したい場合は、発注システムなどから取引先リストを抜き出しましょう。
請求書や領収書などを登録することが多いと考えれば、営業担当者が使っている取引先管理システムなども抜き出すことも選択肢です。
インポート用のひな型CSV
・会計ソフトなどからデータを抜き出して、「表示名称」と「読みがな」に貼り付けましょう。
・「読みがな」はカタカナです。
・「所在地」「代表者名」「法人番号」は空白でも大丈夫です。
50社を一括登録してみます。
「取引先」の左上の…をクリックし、上に並んでいる中から「インポート」を選択しましょう。
そして、インポート用に作成したファイルを選択します。
これで完了です。
命名くんは、社名のゆれをなくすために、国税庁のシステムから社名取得が可能です。
一括登録にこだわらず、ひとつひとつ登録していっても、素早く処理ができます。
なお、ファイル名はあまり長くならないように注意しましょう。
Windowsにおいて、パス名(フォルダ名+ファイル名)の長さが最長で244~255文字くらいが限界です。
日付8文字・アンダーバー3 ・書類区分6-8文字(全角のため)・金額8(1000万円として)で、残りが217字。
全角で100字くらいの社名であっても問題がない計算です。
あまり文字数制限の意識はいらないと考えます。
なお、ファイル名にするときにエラーになる文字はこちらですので、一式をユーザー禁止文字に入れておいてもいいです。
命名くん左上にある「設定」>「ユーザー禁止文字」に上記をコピペして入れておきます。
なお、金額にカンマをつけるかは、お好みで大丈夫です。
また、項目の並び順は、こだわりがなければ初期設定のままで問題ございません。
保存した電子データは、複合検索できることを求められます。
上記を満たさない場合には、税務調査官にデータのダウンロードを求められてしまいます。
これは電子帳簿保存法施行規則5条5項1号ハという、施行規則で求められている内容です。
税務調査官が、恣意的に求めている内容ではないため、名づけをしていても、その気になれば、ダウンロードを求められることになります。
名前に社名・日付・金額が入っていても、Windowsの基本機能だけで、この複合検索・範囲検索ができません。
これを回避するために、年度末にファイル名をExcelに書き出しておくとよいです。
まずは、ファイル名一式を取得します。
取得したいファイルを全部選択した上で右クリックをし、「パスのコピー」を選びましょう。
Excelを開き、貼り付けをします。
そのまま、「データ」>「区切り位置」をクリックします。
「コンマやタブなどの区切り文字によってフィールドごとに区切られたデータ」を選択した上で、「次へ」をクリックします。
「その他」に「¥」を入力して次へをクリックします。
このような形に出来上がります。
不要なA-F列を削除します。
ファイル名だけが取得できました。
A列をB列にコピーしましょう。
もう一度「区切り位置」に進み、「その他」で「_ 」によって分けます。
最後の列だけを全選択し、「.pdf」が余計ですので、Ctrl+Fで、置換。
「検索する文字列」を「.pdf 」。
「置換後の文字列」を「 」空白にします。
後は、見出しを「ファイル名、日付、書類種別、社名、日付」とつければ、税法上求める範囲検索と複合検索が可能な表が完成です。
フィルターを付ければ、このように数値で検索可能です。
年度末の資料整理時の作業に入れ込むとよいです。
なお、今回ご紹介した表作成は、文字のゆれがないことが前提に必要です。
命名くんで、表示のゆれをなくしておきましょう。