1984年 IOバンク方式で業界標準を宣言 快適メモリー環境が時代を変えた

【増設メモリーボード/IOS-10】開発:1984年/86年

IOバンク方式で業界標準を宣言 快適メモリー環境が時代を変えた

業界標準「IOバンク方式」誕生

技術支援部品質管理課 森 章 (当時ハードウェア開発担当)1984年当時、技術開発部でハードウェア開発を担当した森章は、PC-9800シリーズ用増設メモリーボード開発中に「限られたアドレス空間で大量のメモリーを扱うテクニック」として「IOバンク方式」を考案した。


IOバンク方式とは、メインメモリー640KBのうち最後部の128KBを“窓口”としてその奥に広がるメモリーにアクセスできるようにする仕組みである。 グラフィック系などの大容量のアプリケーションが動くようになり、大きなデータも扱いやすいIOバンク方式は、業界での地位を確立した。そして1984年、当社はIOバンク方式を業界標準宣言し、情報公開をした。

きっかけは社長の一言

PC-9800シリーズ用増設メモリーボード当時、新たな発想のメモリー活用法として「RAMディスク」が注目されていた。 画像処理でフロッピーディスク(FD)を使っていた社長の細野が、『こんなにアクセスが頻繁ではストレスがたまる。データをRAMに移して処理させよう』と言い出した。当時ソフト部門を担当していた東崎俊久は、『電源を切ったらデータが消えてしまう。データ媒体には不向きだ』と半信半疑だった。

市場開拓部企画課  東崎 俊久 (当時ソフトウェア開発担当) その後の検討会で「2MBの増設メモリーで512KBをメインメモリーに使い、残りをデータ領域にすればいい。容量的にもFDに似ている」と製品化の概略がまとまった。 製品化してマイコンショーに出展した際にもRAMディスクには半信半疑だった東崎は来場者に『電源を切るとデータが消える』と説明したが、『それでもいい、売って欲しい』と当時20万円以上もする製品を買いに来るお客様がいた。世間のニーズの高さを目の当たりにし、東崎は目を見張った。
こうしてIOバンク方式を活用した「RAMディスク」によって飛躍的にパソコンの使い勝手が良くなった。

増設メモリーの活用の範囲を広げたユーティリティ「IOS-10」(アイオス・テン)

「IOS-10」とRAMディスクRAMディスクの普及には、ユーティリティソフト「IOS-10」(1986年)も一役買った。RAMディスクやディスクキャッシュ機能の設定、自動で市販ワープロソフトの辞書を読み込ませる/書き戻せる、プリントサーバー機能を設定する…など、増設メモリーの活用の範囲を拡げ、使いやすさを飛躍的に向上させた。


当時ワープロとして人気があった一太郎(ジャストシステム)や松(管理工学研究所)などの種々のアプリケーションは、そのままでは頻繁にフロッピーディスクへのアクセスが発生するために大変遅く入力速度に比べると辞書のアクセスに待たされることも多くスムーズな入力ができなかった。これらの不満を解消したのが、IOバンク方式のメモリーとそれを活用するための「IOS-10」であった。

更なる可能性を求めて

「PIO-9834L」シリーズ RAMディスクは、電源が切れるとデータが消えてしまうため終了前に必要に応じてデータを書き戻す必要がある。この書き戻しの不便さを解消したSRAMメモリーボード(PIO-9834Lシリーズ/1988年発表)では、倍速アクセスを実現する高速データチェック機能なども追加することで、メモリーは一層高速化し、利便性を高めた。また、1989年には、「IOS-10」を大幅に機能追加した「IOS-10II」を発表し、より一層メモリーの機能向上を実現し、飛躍的に活用の幅を向上させた。

〜1984年の出来事〜
・ロサンゼルスオリンピック開催(冬季オリンピックは、ユーゴスラビアのサラエボ)。
・東京証券取引所のダウ平均株価が1万円を突破。
・日本銀行が15年ぶりに新札を発行した(1万円、5千円、千円札の3種)。
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