「てれたっち」DA-TOUCH/WB導入事例
【 橋本市立学文路かむろ小学校】

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「てれたっち」DA-TOUCH/WB導入事例【橋本市立学文路小学校】

取材日:2018年3月28日

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デジタルの世界と自分の体験が結び付く瞬間!
「楽しい」が「わかった」に変わる「てれたっち」の授業

左から畑清史先生、夏目孝夫校長先生、川原一真主任指導主事

和歌山県の橋本市立学文路小学校は、「てれたっち」を効果的に活用し、児童参加型のわかりやすい授業を実践されています。「てれたっち」や実際に組み立てできる立体ブロックを使い、デジタルの世界と自分の体験を結び付けるという、「気付き」を体感できる授業です。畑清史先生(4年生担任)と夏目孝夫校長先生、また、橋本市教育委員会事務局学校教育課・川原一真主任指導主事にお話を伺いました。

念願の電子黒板導入! ディスプレイ2台と黒板も合わせて「3面使い」も

畑清史先生

「てれたっち」導入前の環境について教えてください。

畑先生電子黒板は2台導入済みだったのですが、準備の手間のかかるものだったので、活用は進んでいませんでした。いずれもプロジェクター型で、黒板にシートを貼ったり、ペンに電池が必要だったりと、何かと手間のかかる旧型のものでした。使い方を覚えるのも大変ですし、また、これらは数クラスでシェアしていましたから、ほかの先生とのスケジュール調整が負担になることもあり、なかなか手が出ませんでした。

積極的に活用されるようになったのは今回が初めてなんですね。

畑先生電子黒板には以前から興味がありましたが、とにかくもっと気軽に使いたかったですね。それで、既存の環境になんとか工夫をこらして、「それっぽい」使い方をしてみたこともあります。教室の大型ディスプレイの液晶ガラス面に、ホワイトボードマーカーで書き込んでみたり。今回、「てれたっち」の導入を知って、やっと自分が求めていた電子黒板が使えるようになり、うれしかったですね。

大型ディスプレイ2台と黒板を使った「3枚使い」

授業では、具体的にどのように「てれたっち」を活用されていますか。

畑先生「てれたっち」を搭載したディスプレイと、書画カメラを接続したディスプレイの2台を並べて使うこともあります。黒板も合わせての「3面使い」ですね。「てれたっち」は資料を見せるために使うことが多く、もう1つのディスプレイは児童のノートなど、現物を拡大して共有します。また、黒板はその日の授業のめあて、まとめなどを板書するために使っています。基本的にはノート取りをなるべく少なくし、次々に情報を与えるような運用を心がけています。

算数では、実際に組み立てられる立体ブロックを使った、非常にわかりやすく、また盛り上がる授業をされていましたね。

畑先生立方体画像と展開図を載せたパワーポイントの資料を準備し、「てれたっち」付属の白板ソフトの透明モードで表示します。児童にはプラスチック製の展開ブロックを配布し、ディスプレイに表示した立方体と同じものを作らせています。さらに、資料で「辺A-B」「頂点」などとポイントを示し、立体にした際に重なる点や辺を答えさせ、直接「てれたっち」の画面に書き込ませるといったこともしています。また、白板ソフトで多数の展開図を表示し、立方体にできるもの、できないものをグループで議論することも。児童の作った展開ブロックは、書画カメラで既存のディスプレイ側に表示します。

川原指導主事以前は先生が時間をかけて黒板に展開図を一つひとつ描いていました。それが「てれたっち」上で次々に見せることができるようになりましたね。

「楽しい」が「わかった」につながる、「てれたっち」ならではの授業

算数のほかには、どのような授業で「てれたっち」を使っていますか。

畑先生理科、社会で使うことが多いですね。ビジュアルをしっかり見せたい時です。社会は白地図やインターネット上の地図サービスも活用しています。理科ではプラネタリウムのように星空の動きを見せることもあります。「てれたっち」は、空間や時間の経過、動きを可視化するのに非常に適しています。画面に書き込みできるので、それらの軌跡をよりわかりやすく表示することができますね。ディスプレイ上に書き込みすると、子どもたちは「テレビ番組で、こういう画面に書き込む説明をよく見るね!」と言って盛り上がります。エンターテイメント性があるのでしょうね。面白い、楽しいと盛り上がって、それが理解につながっています。

「てれたっち」で授業をする上でコツのようなものはありますか。

畑先生児童には最初から教科書を見せないようにしています。まずは「てれたっち」でその日の学習に関する資料などを見せて児童にイメージを持たせ、それから本題に入ります。教科書には答えが載っていますから、まずは閉じたままで話をして、これから学ぶことに対するワクワク感を高めてもらいます。

児童の皆さんの反応はいかがですか。

畑先生楽しみながら、テンポよく授業を進められるおかげで、モチベーションが上がっています。時間効率もよくなりました。あくまで体感ですが、今までの1.5時間程度の内容を、1時間の授業に凝縮できているように感じます。これまで時間をかけて黒板に書き込んでいた図などは、ほぼ「てれたっち」で素早く表示できるようになりましたから、その分、授業を先に進めることもできています。板書の待ち時間が少なくなり、子どもたちも集中力を維持しやすくなっています。

夏目孝夫校長先生

夏目校長先生電子黒板の良いところは思考の流れができることだと考えています。今までは先生が板書をする時間で児童が考えていたことが途切れてしまい、ロスが発生していました。途切れてしまった思考を元に戻すのは大変でしたが、電子黒板の活用で児童の思考が連結できるようになりました。

ほかに学習効果はありますか。

畑先生どんな教科にも苦手意識や抵抗感を持つ児童は必ずいますが、「てれたっち」は、そういう児童を授業に巻き込みやすいツールです。「楽しい」「面白そう」という気持ちが先にくれば、まずは苦手意識を置いて近づいてきてくれるんです。また、発表時に黒板や紙だと消極的になる子どもたちが、「てれたっち」ではのびのびと書き込むのも印象的です。アナログの環境だと、きれいに書いたり、消したりできないことを気にするんですね。そういう意味でも、「てれたっち」は積極的な学びを後押しするツールになっています。

学びの目標である、「思いを出してぶつけ合うこと」を実現するために

これから「てれたっち」でやってみたいことはありますか。

畑先生本校は、「話すこと」「聞くこと」を通じ、「自分の考えをわかりやすく表現し、伝えあい、意欲的に活動する児童の育成」を研究課題にしています。自分の思いはあるものの、うまく表明できないという児童の気持ちを引き出し、意見を伝えられる人間の育成を目指しています。積極性を高め、発表をサポートしてくれる「てれたっち」の導入により、課題の達成に近づいていると感じています。

従来の環境では、実現するのは難しかったのでしょうか。

畑先生「てれたっち」と比較すると、できないことも多いですね。書画カメラとディスプレイの組み合わせがあれば、たしかにプレゼンテーションのように授業はできます。しかし、それだと私からの「投げかけ」ばかりです。児童たちが私の伝えたものを受け取って、自分なりに理解したものを画面に書いていくことは、「思いを出してぶつけ合う」ために重要なプロセスです。それは「てれたっち」があったほうが実現しやすいのですよね。間違いを恐れずに書き、間違えていたら友達に指摘してもらい、共に答えを考えます。そういった学びを通じ、記憶や理解をより定着できるようになってきました。

夏目校長先生まだ表現することに慣れていない児童が、「てれたっち」を使って自分の考え方をうまく伝えられるようになればいいと考えています。もちろん、電子黒板のみに頼るのではなく、実物との併用がより効果が大きいとも感じています。画面上にデジタルで表示されるものと実物がつながる、あちらの世界とこちらの世界がつながるという実感をともなった体験が重要です。

ICT導入に関する将来のビジョンなどをお聞かせください。

夏目校長先生当地でも「てれたっち」の普及推進をもっと進めてほしいと思います。一定数以上の普及がないと先生どうしの切磋琢磨や、教える技術の向上もありません。得意な先生も苦手な先生も一緒に使えるようになるとよいですし、むしろ苦手な先生の発想が大事と考えています。

川原一真主任指導主事

川原指導主事教育現場におけるICT機器の導入は、効果が数値で測定しにくい面もあり、何をどう普及させていくかが考えどころです。これはほとんどの自治体に共通する課題だと思いますが、導入は予算との兼ね合いです。こうした中で、既存資産を活かしつつ安価に導入できる「てれたっち」は、様々な課題に対する一つの回答になるかと期待しています。

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導入学校概要

橋本市立学文路小学校
学校
橋本市立学文路かむろ小学校
所在地
和歌山県橋本市
開校
1876年
取材にご協力
いただいた先生
橋本市立学文路小学校 夏目孝夫校長先生
橋本市立学文路小学校 畑清史先生
橋本市教育委員会事務局 学校教育課 川原一真主任指導主事
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