オフィス向けデジタルサイネージ「デジサインキューブ」導入事例(ホンダ太陽様)

オフィス向けデジタルサイネージ「デジサインキューブ」導入事例(ホンダ太陽様)

工場玄関にデジタルサイネージを設置し、見学者の歓迎メッセージ表示や従業員への連絡などに活用

取材日:2013年4月25日

障がい者雇用のモデルケースとして全国的に知られるホンダ太陽株式会社の日出工場には、日々さまざまな団体や個人からの見学希望が寄せられる。そんな同社の玄関で、見学希望者への歓迎メッセージの表示から、従業員に対する連絡事項の表示、さらには会社案内ムービーの配信に至るまで多方面にわたって活躍するのが、アイ・オーのデジタルサイネージシステム「デジサインキューブ」だ。

玄関に設置した大画面ディスプレイで情報の掲示や共有を実施

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別府湾を目前に臨む大分県速見郡に本社を構えるホンダ太陽株式会社は、社会福祉法人 太陽の家の障がい者雇用支援に共感した本田技研工業などの出資によって設立された、Hondaの特例子会社だ。従業員の多くが何らかの障がいをもつ方が働いており、日出工場(本社)と別府工場の2工場がある。主に二輪車・四輪車・汎用製品の部品製造を行っている。

車椅子を考慮した通路や、医務室を完備した施設など、障がい者雇用のモデルケースとして全国的に知られる同社の日出工場には、日々さまざまな団体や個人からの見学希望が寄せられる。月に一回や週に一回といったペースでなく、一日に何組もの団体が訪れることも珍しくないのだそうだ。

「事前にご予約いただければ、アテンド付きで工場内の全部をご覧いただけます。取引先様の視察はもちろん、個人で社会科見学に来たいという方もいらっしゃいます。修学旅行も多いですし、外国の方もお見えになる場合もあります」と語るのは、同社生産管理課の上田賢憲氏だ。

この日出工場の玄関では、47インチの大画面ディスプレイを用い、見学者に対する歓迎メッセージから従業員向けの案内まで、さまざまな情報の掲示や共有を行っている。これを支えているのが、アイ・オーのデジタルサイネージシステム「デジサインキューブ」だ。

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来客の歓迎メッセージから従業員への連絡まで、幅広い情報を配信

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この同社玄関のデジタルサイネージは、総務課によって運用されている。「サイネージに表示する内容は時間帯ごとに切り替えています。朝は『おはようございます』という挨拶のほか、その日の食堂のメニューを写真入りで紹介しています。見学のお客様がいらっしゃる時間帯は『歓迎 ○○様』といったお名前入りのメッセージや弊社のロゴマークを表示し、退勤の時間帯には『おつかれさまでした』などのメッセージを流すようにしています」(総務課・志手氏)

この仕組みを支える「デジサインキューブ」は、配信用のNASと、受信用のSTBから構成されている。具体的な手順としては、配信用NASにログインし、素材とテンプレートをもとに番組データを作成。登録を実行すると、大画面ディスプレイに接続された受信用STBに番組データがコピーされ、大画面ディスプレイに映し出されるという流れになる。スケジュールの設定も行えるので、指定した内容を決まった日時に表示するといった、前述のような仕組みもかんたんに実現できるわけだ。

このデジタルサイネージを導入するまでは、玄関に置かれている大画面ディスプレイにPCを直接つなぎ、PowerPointのスライドショーで情報を表示していたのだという。「当時は大画面ディスプレイとPCを映像ケーブルでつなげて、単純にPowerPointを映し出していました。しかしそれだと、Windowsのデスクトップなど関係ない画面が映ってしまうこともしょっちゅうで、なにより表示される内容を一回一回変えなくてはいけなかったりと大変でした」。

デジタルサイネージシステムの導入にあたっては、こうした問題点をクリアすべく、機種の選定がすすめられた。「お客さんが来たときにこういうふうにメッセージを見せたい、メニューをこんなふうに表示したいといった複数の要望があり、それを具現化できるものを探していて、今回の製品に行き着きました。他にも探してはみたのですが、これだけいろいろな設定ができる製品は、僕の知る限り他社では見つけられなかったですね」(上田氏)

また、ディスプレイについては、すでに導入済みの大画面ディスプレイがそのまま使えることがひとつの条件だった。「デジサインキューブ」の場合、HDMIやDVIなど、入力端子の形状さえ合えばどんなディスプレイでも使用できるので、手持ちのディスプレイをそのまま活かすことができるほか、STBと一体化している製品と異なり、将来的な機材の買い替えにも容易に対応できる利点がある。

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自動配信が可能なことで、作業工数の削減に大きな効果を発揮

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「デジサインキューブ」の導入により、デジタルサイネージに表示するさまざまな情報は、総務課のPCから配信用NASにアップロードしておくだけで済むようになった。この先1週間分の配信内容を指定しておけるので、見学者の来訪予定や献立のメニューなど、すでに決まっている内容からどんどん入力していける。もし担当者が急に欠勤した場合でも、配信内容がすでに登録されていれば、あらためて手を加える必要はない。

「総務のスタッフも仕事がこれ一つというわけではなく、さまざまな仕事を抱えています。なので、設定したあとはきちんと動いてくれて、あとは画像を差し替えたりするだけで済む機能をもった製品を、選ぶ必要があったというわけです」(上田氏)。データの登録が容易で、自動配信が可能な「デジサインキューブ」は、これら登録・配信業務に割く時間をなるべく減らしたいスタッフにとって、心強い味方というわけだ。

こうしてデジタルサイネージの自動配信環境を構築した同社だが、なかでもこれまで紙に出力して貼り出していた訪問者への歓迎メッセージを、デジタルサイネージ上で表示できるようになったことは、日々の作業工数の削減に劇的な効果を発揮したという。

「弊社は韓国の方がお見えになるケースが多く、これまでは韓国語を紙にプリントして、入口のところに掲示していたんですね。何枚も重ね貼りしなくてはいけないことから、正直かなり大変な作業でした」(志手氏)。デジタルサイネージの導入により、紙への出力が不要となり、直前になって訪問者に追加や変更が出ても、すぐに書き替えられるようになった。もし、訪問スケジュールが変更になった場合でも、取り下げて再び貼り直すといった必要もなく、スケジュール設定の変更だけですばやく対応できる。紙の時代には考えられなかった、デジタルサイネージならではのメリットだ。

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前日の夕方に登録しておけば、当日は何もしなくてもいい

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「デジサインキューブ」は、単純な静止画ベースのメッセージだけにとどまらず、動画の配信にも対応しているのが大きな利点だ。静止画の表示時間を設定しておき、その合間は動画を流す、といったことができる。現在は、訪問者の歓迎メッセージを表示する合間に、会社案内のDVDや、日出工場が建った当時を記録したDVD、さらには障がい者マラソンの様子を記録した動画などを放映しているという。「せっかくのディスプレイにウェルカムボードだけっていうともったいないですからね」と上田氏は笑う。

データの入力も簡単だ。ブログなどを更新するのと同じ感覚で素材をアップロードし、ブラウザ上でかんたんに編集作業が行える。用途ごとにさまざまなテンプレートが用意されているので、初心者でも見栄えのする番組が容易に作成できる。さらに動画についても、手持ちのムービーデータをアップロードすれば、スケジュールに沿って繰り返し再生が行われる。

これら編集作業は、同一LAN上の端末からであればIDとパスワードさえあればログインできるので、わざわざ編集用の端末を用意したり、あるいはNASが設置されているサーバールームに作業のつど足を運ぶといった必要もなく、自分の席からすべて行える。「ウェブアプリなので簡単なのがいいですね。登録作業を担当するスタッフには設定画面のURLをお気に入りに入れてもらっていて、パスワードを入れれば接続できるようにしてもらっています」(上田氏)

スケジュールの設定は直近1週間分を登録しておけるが、いまは1日1回と時間を決めて登録作業を行なっているのだという。「毎日夕方に翌日のメニューを入力しておき、朝から映し出せるようにするというサイクルです。翌日に来客がある際は、それも前日の夕方に登録しています。当日は何もしなくてもいいので、すごく助かっていますね」(志手氏)

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今後は難聴者に対する、タブレットを使った情報配信も

こうして同社の玄関を飾るデジタルサイネージは、見学で同社を訪れる訪問者にはとくに好評なのだという。「海外の方からはとくに喜ばれる傾向がありますね。以前韓国からお客様が来られた際、韓国語で歓迎メッセージを画面に映し出していたところたいへん喜んでいただき、ディスプレイの前でみなさん一緒に記念撮影をなさったこともありました」(志手氏)

導入からまだ2ヶ月、早くもフル活用されている「デジサインキューブ」だが、今後はタブレットと組み合わせた活用も検討しているという。その目的は、見学に訪れた人に対し、タブレットを使った情報配信を行うことだという。

「見学者の中には難聴の方もいらっしゃいますので、ライン見学の際、字幕が出る映像を用意してそれを見ていただくという使い方を検討しています」。音声による案内だと難聴の見学者は聞き取りができないが、それをタブレットの字幕で補完するというわけだ。あらかじめiPadに転送しておいたコンテンツを自由に選んで見てもらえる「アーカイブモード」を活用すれば、こうした使い方が実現できる。これが実現すれば、障がい者雇用のモデルケースとして知られる同工場において、ひとつの目玉となることは間違いない。

また、同社のもう一つの拠点である別府工場にも、これらデジタルサイネージを導入する構想もあるという。「今は日出工場の入口にしか設置されていませんが、ゆくゆくは別府(工場)に設置するという話も出て来るのではないかと思います。同じネットワークに接続されていますので、こちらの総務からでもウェブブラウザ経由でログインして対応できますね」(上田氏)

「いま月に一回ほど勉強会をやっていまして、これからどんな情報を入れていけばよいか、どういう内容を表示すればみんなの交流の場になれるかを話し合っています」。デジタルサイネージを通じたコミュニケーションの発展にあたり、アイ・オーの「デジサインキューブ」が果たす役割は、これからますます大きくなっていきそうだ。

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導入企業概要

ホンダ太陽株式会社
ホンダ太陽株式会社

大分県速見郡に本社を構えるホンダ太陽株式会社は、社会福祉法人 太陽の家の障がい者雇用支援に共感した本田技研工業などの出資によって設立された、Hondaの特例子会社だ。本社に隣接する日出工場と別府工場の2工場で、二輪車・四輪車・汎用製品の部品製造を行っており、障がい者雇用のモデルケースとして全国的に高い知名度を誇る。
[企業名] ホンダ太陽株式会社
[設立] 1981(昭和56)年9月25日
[代表者 社長] 簗田 准
[社員数] 227名
内 障がい 102名
他 訓練生9名受入(2013年5月1日現在)
[事業内容] 二輪車・四輪車・汎用製品の部品製造
http://www.honda-sun.co.jp/

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担当者名左

上田 賢憲様

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担当者名右

志手 渚様

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