取材日:2016年10月4日
高齢者住宅や福祉施設、子育て支援施設に特化した建築設計と介護事業コンサルティングなどを行っているシスケア様。15年間保管義務のある建築設計図書などをファイルサーバーで保管してきましたが、1台の機器がファイルサーバーとドメインコントローラーを兼ねているというハードウェア的な課題と、ほかの業務と兼任のIT管理者に大きな負担が掛かるという課題を抱えていました。これらの課題を解決するために導入したのが、アイ・オー・データ機器のNAS「LAN DISK Hシリーズ」。それにより課題を解決するだけでなく、不要なデータの責任の所在がわかるといった導入メリットを得ることができました。具体的な「LAN DISK Hシリーズ」の導入効果などについて、ご担当者にお話を伺いました。
播野氏もともとはホテルやリゾート施設の設計を行う会社でしたが、現在は高齢者住宅や福祉施設、子育て支援施設に特化した建築設計だけでなく、介護事業コンサルティングなども行っています。高齢者住宅や福祉施設、幼児保育施設をスタートさせたい事業者に対してワンストップでサービスを提供できるのが当社の強みです。また、環境問題に対しては、建築設計のノウハウを活かして、住宅性能評価やBELS取得のサポートを行っています。2014年には学研ココファングループに参画し、事業の幅をより大きく広げています。
播野氏15年間保管義務のある建築設計図書などをファイルサーバーで保管してきましたが、1台の機器がファイルサーバーとドメインコントローラーを兼ねているというハードウェア的な課題を抱えていました。コンピューターに問題が生じると、ファイルサーバーとドメインコントローラーの両方が利用できなくなってしまうのです。
また、ファイルサーバーについては、専用のソフトを使ってシングルサーバーレプリケーション機能を持たせました。1台のサーバー内でマスター用のディスクとスレーブ用のディスクに分けてレプリケーションするものです。
ところがレプリケーションが機能していないことがありました。幸いマスターに問題がなかったため事なきを得たのですが、シングルサーバーレプリケーションを続けていくことに不安を感じるようになりました。
播野氏社員数が30人ほどの企業のため、社内に情報システム部門はなく、コンピューターの知識がある私がIT管理者も兼ねています。管理者権限は他の社員に与えられていませんので、何か問題が生じるとすべて私が対応しなければならないという課題もありました。例えばサーバーがダウンしたとき、管理者権限を持つ社長か私がいないと誰も復旧できないのです。
播野氏ファイルサーバーのOSにはWindows Serverを利用しているのですが、運用するには少し知識が必要です。しかし、NASならばWindows Serverよりも簡単に立ち上げることができるため、社長と私以外の社員でも対応可能だと考えました。特にアイ・オー・データ機器のNAS「LAN DISK Hシリーズ」はインターフェースがとてもわかりやすく設計されているため、そうした面でも好適でした。「HDL2-H2」という機種を2台導入し、リレーNASを構築しています。
播野氏現在は一部のファイルをファイルサーバーからNASに移動させています。ドライブが変わるとリンクが機能しなくなるため、その対策を済ませてからすべてのファイルを移動させたいと思っています。また、運用上、すべての社員にきちんと説明してからでないと混乱が生じるので、その課題をクリアしなければならないと考えています。
このほか、制限をかけるという意味ではなく、責任を持たせるという意味で、部署単位である程度アクセス権を絞る必要があるとも考えています。誰が作成したのかわからず、消すに消せないファイルを減らすためでもあります。その点、「HDL2-H2」はActive Directoryと連携が取れるため、とても助かっています。
播野氏まず、不要なデータを誰に確認すれば削除できるのかがはっきりしました。全社員に確認しなくても、アクセス権のあるグループの社員だけに確認すればいいのです。どこに誰がファイルを保存したのかがわからなくなってしまうことも避けられます。
また、設定したアクセス権に対して容量をきちんと決めておけば、社員はその容量内で必要なファイルを保存したり削除したりすると思うので、今後、取り組んでいきたいと考えています。
播野氏ファイルサーバーにレプリケーション機能を持たせてバックアップを取っていましたが、機能がストップしてしまうことがありました。しかし、リレーNASを導入することで4重のバックアップが取れるようになったのです。
当社の仕事は“データに残っているものがすべて”になるので、データが消えてしまうと話にならないのです。もともとそれを避けるためにレプリケーション機能を持たせておいたのですが、リレーNASの導入によってより安心できるようになりました。今後は別拠点にリレーNASのうちの1台を設置することも、考えていきたいと思っています。
播野氏1ヶ月に一度、定期的にレポートメールが届くので、とても安心できます。また、今のところトラブルがまったく生じていませんが、もし生じたときにはトラブル通知メールが送られてくるということなので、その点も高く評価しています。
播野氏第一に作業の負担が減ったことがうれしいですね。私のように兼務でIT管理者になっている人は、中小規模の企業では数多くいると思いますが、「HDL2-H2」によるリレーNASを構築することで、機器に任せられるのは大きなメリットだと思います。
また、トータルコストを考えると、人件費よりもIT機器の導入コストのほうが安いはずです。例えば、「今、10万円でIT機器を購入すれば、将来の100万円の損をなくせる」といった主旨で、IT管理者自身が経営層へアピールしてもいいのではないでしょうか。
播野氏「HDL2-H2」は、いい意味でアイ・オー・データ機器のお世話にならなくても使える商品です。また、導入時にActive Directoryとの連携などについてわかりやすい資料を担当者が持ってきてくれるなど、親切に対応していただけたので、サポートもしっかりした会社だというイメージがあります。
播野氏データを不正に暗号化するなどの方法で使用不能にし、その復元と引き換えに身代金を要求する「ランサムウェア」が流行っているので、その対策を検討していきたいと考えています。
「LAN DISK Hシリーズ」には、ランサムウェア対策に有効な「履歴差分バックアップ機能」が搭載されており、それを使用することでNASに外付けハードディスクに変更した履歴を残すことができます。また、バックアップの履歴を残しておくことで、万が一、暗号化されてしまっても、それ以前のデータを取り出して復元できるようなので、導入を前向きに検討したいと思っています。
また、アイ・オー・データ機器はNarSuSをはじめとしてさまざまなソリューションを提供し、NASの活用方法を提案してくれるので助かっています。そうしたソリューションや提案を理解して、うまく活用していきたいと考えています。