HDMI/アナログキャプチャー GV-HDREC 導入事例
【学校法人 大手前学園 大手前大学】

導入事例TOPへ戻る

HDMI/アナログキャプチャー GV-HDREC 導入事例【学校法人 大手前学園 大手前大学】

取材日:2018年12月14日

PDFダウンロード

コストと人的負担。映像コンテンツ制作の2大課題を解決!
動画制作のハードルを下げた「HDMIキャプチャー」

西尾信大様と辻井美奈様

インターネットを用いた「通信制大学」を展開していることもあり、2008年からeラーニングを授業に導入している学校法人 大手前学園 大手前大学様。近年、科目数の増加などを背景とし、いかに手軽に、かつコストを抑えて映像コンテンツを制作するかが課題になっていました。その解決のために導入されたのが、PCで制作したスライドをフルHDでキャプチャー保存し、音声も同時に録音できるGV-HDRECです。導入の経緯と効果、今後の展望について、大手前学園の西尾信大様と辻井美奈様にお話を伺いました。

eラーニングの映像コンテンツ制作を低コスト・省力化するために、本機を導入。

そもそもeラーニングを始められたのはどのような経緯だったのでしょうか。

辻井様本学では、建学の精神として「STUDY FOR LIFE〜生涯にわたる、人生のための学び〜」を長く掲げてきました。この流れの中で、具体的な大学の取り組みとして通信教育部をつくることになりました。何歳になっても学べるという生涯学習こそが建学の精神の現れであり、その先に通信教育があると捉えたからです。

情報メディアセンター課長 西尾 信大 様
情報メディアセンター課長 西尾 信大 様

西尾様通信教育といっても、教科書をドンと送ってレポートを書いてもらって、添削を送り返して、という手法は時代にそぐわない。やるからにはインターネットを使おうと考え、デジタル教材によるeラーニングを始めました。2008年にはeラーニングの運営や教材の制作を子会社に任せる体制をとり、学内にも専門のスタジオを設けました。

辻井様多くの大学のeラーニングは、授業を休んだ学生用であったりなど、補助的な活用方法が一般的です。本学はeラーニングだけで単位を出すところまで踏み込んで、まずは2008年4月に大学の既存の授業5科目で先行して始めたのです。

西尾様本学のeラーニングはパソコン上で完結するので、学生は教室に一度も出て来ない。それでもしっかり学習ができ成績もつけられるということを確認したうえで、2010年から正式に通信教育部をスタートさせました。はじめは教科書とデジタル教材を併用していましたが、4年目からはいよいよインターネットがメインとなり、さらにたくさんの教材が必要になってきました。このことがやがて複数の課題へとつながっていきます。

課題とは、具体的にどのようなものが出てきたのでしょうか。

情報メディアセンター 辻井 美奈 様
情報メディアセンター 辻井 美奈 様

辻井様初期のころは、たとえばニュース番組で見られるような、教員の背景に動画を合成する方式をとっていました。しかし制作するのに1年は掛かる。またCGを描いたり画面合成する専門スタッフも必要となり、人件費もかさむ。1科目あたり数百万円になることもあります。通信教育部には150科目ほど必要なので、相当なコストになってしまいます。

西尾様それでも経営判断としては、一度つくれば長く使える、10年使えば1年あたりのコストは10分の1であると。ところがあるとき、地球環境系の教材を制作し、あとは授業開始を待つばかりという際に、時勢の影響で内容をコロッと変える必要が発生しました。語学や哲学など変化の少ないものはいいのですが、環境やIT系など世相によって変化するようなテーマについてコストを掛け過ぎるのは現実的ではない、という話になってきたのです。

コストの掛かるメンテナンスが頻繁になってしまうのは、大きな負担ですね。

西尾様もう一点、教員の手間をいかに下げるかも大きな課題になっていました。凝ったものをつくろうとすると、先生をスタジオに何日間か拘束して撮り直しを重ねることになり、精神的にも肉体的にもだんだんと負担が大きくなってくる。なるべく手をかけないで、先生が自分のスキルや知識を使って自身のペースで授業をつくれる仕組みはないかという要望が強くなってきました。いろんな機材を探していた時に、この商品は使える!と発見したのがビデオキャプチャー「GV-HDREC」です。

西尾様がWebで見付けられたことが本機導入のきっかけと伺いました。

西尾様がWebで見付けられたことが本機導入のきっかけ

西尾様実は、アイ・オー・データさんの直販サイト、アイオープラザのセールで見付けました(笑)。私自身、IT系の仕事で、個人的にも趣味で映像を撮っているため普段からよく利用していました。そのなかで本機を見つけて興味を惹かれ調べてみると、パソコンの画面だけでなく、HDMI出力であればSDカードに動画で保存することができると分かり、「これだ!」と。

西尾様それまでビデオカメラの映像を、1台数十万円もする業務用の録画機で動画にすることもありましたが、最近はパワーポイントのスライドをベースとした授業も多く、スライドに音声を付けて動画にすることでeラーニングの映像コンテンツを手軽に制作できるのではないかと発想しました。専用スタジオを使った本格的な映像コンテンツまでは不要な授業であれば、大幅にコストカットができる。

西尾様実際に本機を試してみると問題なく動画がつくれました。HDなので画質が悪くなることもない。しかも安価。これなら買っちゃえ!と、3台ほど一気に導入しました(笑)。

自宅でコンテンツ制作できるほど簡易化!先生の負担を徹底軽減。

実際に「GV-HDREC」を使ってどのように映像コンテンツを制作されているのですか。

実際の機材構成
実際の機材構成

西尾様ITが得意ではない先生も多いので、本機だけでなく、SDカード・HDMIケーブル・確認用の小型モニター・録音用のヘッドセットをパッケージ化(図1)してお渡しするのですが、接続も間違わないように、ケーブルと端子口に同じ色の印を付けています。

西尾様がWebで見付けられたことが本機導入のきっかけ

青は青、緑は緑、黄色は黄色に入れてくださいと。制作の最初には、教育工学に基づいた授業設計やスライド作りを専門スタッフがアドバイスしますが、あとは先生に「数か月預けるから自分のやりやすいものをつくってきてください」と依頼するだけです。

<図1> GV-HDRECの接続図

西尾様先生はあらかじめパワーポイントで資料をつくっておき、自分のパソコンと本機をつなげて、資料をスライドさせながら自身の声で説明音声を付ける(図2)。それがSDカードに動画で保存される、という仕組みです。保存した動画は再生ボタンを押すとすぐに小型モニターで確認できますので、ミスがあれば録り直しも容易です。また、時勢の変化によってメンテナンスが必要な場合も、スライドを作り直すだけで済みます。

<図2> 資料に説明音声を付ける

先ほど課題に挙げられた、先生の負担軽減にはつながりましたか。

送付するための専用ケースを自作
送付するための専用ケースを自作

西尾様大学は非常勤の先生も多く、遠方にお住まいの方も多い。この仕組みによって大学のスタジオまでお越しいただく必要もなくなり、長時間の拘束もなくなりました。ご自宅で自身の好きなペースでコンテンツ制作が可能となり、圧倒的に負担が軽減されましたね。機材を送るにあたっては、工具ケースを転用した専用ケースも自作しました。内部がウレタンになっていて、機材のカタチに合わせてウレタンをくり抜いて収納するようにしています。これで紛失や返し忘れも防げるわけです。本機の小型軽量なところが効果的でした。

先生がご自宅で、お一人で使われる際に、使えなかったということはなかったですか。

パワポをスライドさせながら解説音声をつける
パワポをスライドさせながら解説音声をつける

辻井様いろんな先生に送っていますが、これまでのところ使えなかったという方はいませんでした。実は私も、HDMIとRGBの区別が付かないくらいだったのですが(笑)、そんな私でも自分で試してみて簡単だなと思いました。ボタンは全部日本語で書いてあるし、開始・停止のボタンを押せば録れる。確認するための再生方法もすぐに分かりました。まるで、押せば電話が掛けられるキッズ向け・シニア向けの電話みたいな。機能が多過ぎないのがいいんです。

西尾様私が構成したセットにしても、トータルで3万円以内で収まります。東京在住の非常勤の先生に送ったら、「すごくいいので自分でも買うよ」と。他大学でも授業をされているので、そこでも使えるかもしれないし、投資としては安価すぎる、と言ってくださいました。私たちは紹介しただけで、あとは自身で勝手に使えるくらいの簡単さだったということですよね。

最少の手間で最大の効果を発揮! もっと多様な映像コンテンツの活用へ。

制作されたコンテンツの仕上がりと反響はいかがですか。

情報メディアセンター課長 西尾 信大 様

西尾様あたかもニュース番組のような本格的な映像の方が向いている授業もありますが、そうではないものもあるわけです。先ほども言いましたが、最近はスライドベースでの授業も多く、文字が正しく見えて音がきちんと聞こえていれば、eラーニングの教材としては充分のはずです。その点「GV-HDREC」で制作した動画はスムーズに画面のスライドが進んでいきますし、画質も全く問題ない。説明音声も付いている。学生からの反応も変わりなく、何の機材で録っても教育効果は変わらないという時点で我々の狙いは成功です。

制作の手間を下げても、学習には影響を及ぼさなかったことは大切なポイントですね。

情報メディアセンター 辻井 美奈 様

辻井様ほかにも、近隣の大学との連携で勉強会を時々行っているのですが、本学がどのようにして教材をつくっているかお話しする際に、本機を軸とした3万円コースから専用スタジオを活用した数百万円コースまで録画機材を並べたんです。高価なものは「すごいね」と言われるだけであまり興味を持たれない。皆さんの関心を惹くのはやはり本機のセットです。「これいくら」「どこで売ってるの」「まず試しに入れてみたい」「これが一番参考になります」との質問や意見がありました。動画の教材をつくるハードルが、本機によって大きく下がったと感じた瞬間でした。

本機を使って今後もっとこうしたいなどの展望がありましたら、お聞かせください。

西尾様このシステムを、休講時の補講に対する解決策としても考えています。2018年は関西に地震や台風などの災害も多く、補講の日程を確保することがたいへんでした。補講を動画にすることで解決できるのではないかという考えは学校側も持っていたのですが、ではどうやって収録するのか?教室にビデオカメラを置いて録っても板書が読めない。パソコンの画面をビデオカメラで録ると白飛びして読めない。それが、本機を使うことで解消するのではないかと。

eラーニングに限らない、映像コンテンツの多用途化が期待できますね。

西尾 信大 様/辻井 美奈 様

辻井様先生のご意見を伺っていると、パワポのスライドだけではなく、やはり授業では「書きながら説明したい」という方もおられるんですね。先生は黒板に書くのに慣れておられるので、画面に大きく手書きできるのがいいと思い、アイ・オー・データさんの「てれたっち」も試してみるつもりです。

西尾様スティック型PCと組み合わせても面白い。出力がRGBしかないパソコンをお使いの先生のために使ってみたい。ノートパソコンよりも手軽にお送りできますし、スティック型PCであれば、自身のパソコンでつくったスライドをmicroSDでコピーして使っていただけるわけなので。

そういった展開を支えるのも、「GV-HDREC」による動画制作の手軽さというわけですね。

カメラやスイッチャ―と組み合わせて、ワイプ入り動画にすることも可能。
カメラやスイッチャ―と組み合わせて、
ワイプ入り動画にすることも可能。

西尾様たとえば、動画をつくるうえでもう少しだけ凝りたい場合には、画角の広いカメラとスイッチャーをつないで、スライドと先生の顔を切り替えたコンテンツにすることもできます。もちろん先生の顔をワイプにすることも可能です。こうした編集作業にパソコンが不要なのも本機のメリットですね。

西尾様本当は、箱が送られてきてフタを開けたらすぐ使える、くらいまでできないかと(笑)。もっと簡単に、当たり前のように映像コンテンツをつくってもらえるような仕掛けを、これからも追求していきたいですね。

PDFダウンロード

導入法人概要

学校法人 大手前学園
法人名
学校法人 大手前学園
https://www.otemae.ac.jp/
法人概要
大手前大学に「総合文化学部」「メディア・芸術学部」「現代社会学部」「健康栄養学部」を擁し、2019年度からは日本初の「国際看護学部」を設置。「現代社会学部 現代社会学科」には通信教育部を設ける。その他、短大、専門学校も展開し、多様な学びの要望に応えている。
所在地
〒662-8552 兵庫県西宮市御茶家所町6-42
設立
1946年4月
ご担当者名
情報メディアセンター課長 西尾 信大 様/情報メディアセンター 辻井 美奈 様
このページのトップへ
PC版を表示