取材日:2021年9月28日
札幌どうぶつ専門学校は、札幌市で30年以上に渡りペットにかかわる人材育成を行ってきた教育機関です。ペット用品の総合商社を母体とする専門学校として、業界のリアルなニーズや最新情報に触れることのできる環境が人気を集めています。
同校でもコロナ禍への対応は急務でした。「密の回避」「登校人数の制限」という感染対策の方針は、実習などの「体験」を重視する専門学校にとって深刻な問題です。解決策としてオンライン授業を開始しましたが、トリミングやアニマルセラピーなどの動きのある講義を行う際、パソコンのカメラ映像だけでは細部を伝えられず限界を感じていました。
そこで学びの質を保つために活躍しているのがGV-LSBOXです。同校で広報を担当する越後 寧々様、動物臨床栄養学や動物飼養管理学などを担当し、実際にGV-LSBOXを活用した授業配信を行っている池田 麻美様にお話を伺いました。
越後様緊急事態宣言の発令を受けて、オンライン授業は避けて通れないものになりました。安全のためにも、学生にはなるべく自宅から授業を受けてほしいと考えていますが、一方で実習の授業などは実際に学校で体験してほしく、悩ましいところです。
池田様 専門学校の授業は座学だけでなく、実習も重要です。しかし、トリミングなどは2、3人のチームで行わなければならず、どうしても密になってしまいます。
そこで現状では、オンラインで教員が「やって見せる」という形式をとっています。今後は、対面とオンラインのハイブリッドで進めていきたいと考えています。実習は実践しないと身につきにくいものなので、密にならない配慮を行いながら徐々に登校を再開し、今までオンラインで見てきたことを実践してもらいます。
池田様座学だけならMicrosoft Teamsで行えますが、実習となるとそれだけでは物足りませんでした。その場で教員がどう動くかということを、ビデオカメラを使ってしっかり撮影して伝える必要がありました。
たとえば、シャンプーの場合はシンクの中まで映したいですし、爪切り、耳掃除といった細かい作業は、至近距離で撮影しないと伝わりません。
越後様 動物介在療法(アニマルセラピー)の授業は、従来行ってきた介護施設への訪問を取りやめ、Microsoft Teamsを使ってリモートで行っています。施設の方々には、ディスプレイ越しにセラピードッグとコミュニケーションをとっていただくのですが、このような時もビデオカメラでしっかり撮影しないと臨場感がでません。
当初はノートパソコンに搭載されたWebカメラやスマートフォンなども使って試行錯誤を重ねていましたが、やはりハンディでしっかり撮影できるビデオカメラがベストです。GV-LSBOXがあれば複数台のビデオカメラとMicrosoft Teamsを接続して、自在に画面を切り替えることもできるので、それが決め手となりました。
越後様授業の目的に応じて使い分けています。単に画面に資料を表示したいという場合なら、Microsoft Teamsの基本機能で十分です。それに加えて、資料に書き込みたいとか、もっと細かく説明したいという場合には、「てれたっち」を使うとより効果的です。
ディスプレイの画面に直接書き込みできる電子黒板は、イラストや図解の多い資料を説明するのに適していて、そのままオンラインで配信できます。
電子黒板の映像をGV-LSBOXの入力映像のひとつとすることで、ビデオカメラとの画面の切り替えや分割も簡単に行えるため、より質の高い授業が実現しています。
池田様ほかにメリットといえば、デジタル化の推進ですね。授業中、急に必要となった資料をパソコンからすぐ呼び出せたり、学生にデータで渡せたりと、資料の取り回し自体がぐっと簡単になりました。
また、学生たちにとっては、リモートに慣れるという面での「学び」があるのではと感じています。今後、動物病院などの就職先の現場では、リモート業務も当たり前になってくるはずですから、この機会に体験して慣れておくのもよいと考えます。
池田様授業中は全員のカメラをオンにしてもらい、私からも様子が見えるようにしています。一生懸命メモを取って参加している学生の姿も見受けられますので、今までの対面の授業での雰囲気と大差ありません。
反対に言えばオンライン化で懸念した意欲の低下はほぼなかったようで、まずは安心しています。
越後様オンラインで開催したオープンキャンパスが大変好評でした。緊急事態宣言により、当校を志望する高校生を招くことができず、代替策として実施したものです。
この時もビデオカメラで犬の訓練やトリミングなどを撮影し、実習でどんなことを学ぶのか、具体的に見学してもらいました。この方法なら、インターネットに接続できさえすれば、どこからでも気軽に参加してもらえます。
越後様広報部としては、コロナ禍が収束した後も、様々なシーンで活用できると見ています。例えば当校には海外在住の講師もいますが、オンライン授業ならば来校してもらう必要もありませんし、気軽に授業を担当していただけます。
池田様世界中の素晴らしい先生に、どこからでも教えてもらえる時代になってきました。これまでは外部から優秀な講師に来てもらいたいと思っても、遠地の方なら交通費などのコストもかかり、なかなか実現しませんでした。そういった面での制約は、どんどん無くなりつつありますね。
越後様事務長をはじめ、職員、関係者の皆で集まって、メリットやデメリットを挙げながら検討しています。しかし、一番大きなポイントになっているのは、アイ・オー・データさんの提案力とサポートですね。当校の職員はそれほどITに強いとは言い難く、悩むことも多いのですが、担当営業の方がしっかり相談に乗ってくれるので非常に助かっています。サポート窓口も質問しやすくて、困った時にはすぐに対応してくれますから、大きなトラブルもなく、無事に運用することができています。