取材日:2024年7月26日
「建設業の古臭いイメージから脱却し、若い世代が『働きたい!』と思える職場にしたい」、そんな思いから始まった横山興業株式会社のDX。普段の業務からオフィス環境、情報発信など、会社全体の「デジタル化」を図る取り組みの中で、アイオーのデジタルサイネージが導入されました。
55型ディスプレイとminiPC、サイネージアプリ『時間割看板2』を組み合わせることで、高品質なサイネージが簡単に実現します。今回の導入を統括した常務取締役の神大輔様、製品選定や運用方針の策定を行った経営管理部・品質保証部次長の岩間玉美様のお二人に、詳しくお話を伺いました。
神様業界特有の古臭いイメージから脱却したかったという思いがあります。建設業の現場といえば、安全啓発のポスターがべたべたと貼ってあったり、派手な色ののぼりが立っているイメージがあると思います。また、オフィスには昔ながらのスチールの事務机が並ぶ、いかにも「昭和」なスタイルですね。それを一新したいと考え、様々な取り組みを行ってきました。
神様人材不足が背景にあります。建設業そのもののイメージが残念ながらよいとは言えず、若者の就職先として敬遠されています。これは業界全体の課題ですが、当社でも従来のイメージを払しょくするために、できる限りのことをやっていくつもりです。業務のDXはもちろん進めていますが、それと並行して、「働きたくなるようなオフィス作り」も重視しています。
岩間様国土交通省などが提供している業界向けの啓発ポスターやお知らせですね。安全確保や働き方改革、ICT促進など様々なものがあります。また、社内広報を目的とした各部署の業務紹介。これは以前はA3の用紙にそれぞれまとめて掲示していましたが、今は電子版の社内報『YOKOYAMA PRESS』に掲載し、サイネージにも表示させています。そのほか社内でアナウンスしたいことなどがあれば都度取り上げます。常時10個程度のコンテンツを繰り返し表示させており、掲示物のペーパーレスは大きく進みました。
岩間様基本的に自動で稼働していますので、毎日行うようなことはないんです。導入時にサイネージアプリ『時間割看板2』でスケジュール設定を行ってしまえば、あとは作ったコンテンツをNASの所定のフォルダに格納するだけです。フォルダから削除すれば、それもすぐに反映されます。電源オン/オフ、アプリの立ち上げはBIOSの設定で行っていますので、始業と同時に電源を入れる必要もありません。
神様USBメモリにコンテンツを保存して、スタンドアロンで運用する方法もありますが、やはりネットワーク内のフォルダから読み込んだほうがスマートですよね。いちいちUSBメモリを抜き差しせずにすみ、すべて自席からコントロールできます。また、各現場(拠点)と本社はVPNでつながっていますから、同じディスプレイとminiPCのセットをそれぞれの現場に設置すれば、本社・現場で同じ内容を表示させることもできます。これは将来的に検討したいアイデアです。
神様導入しやすさは重要です。低コストで構成できるからこそ、「これならやってみよう」とチャレンジすることができました。サイネージは様々なオフィス改革の取り組みの中で一番始めに手を付けたものなんですが、これをきっかけにほかの取り組みもどんどん進めようという空気が醸成されています。
岩間様例えば啓発ポスターなら各官庁が提供している素材をダウンロードし、サイズがサイネージに合わない場合にはCanvaなどのツールを使って調整します。お知らせなどを1から作ることもあります。今は専門知識がなくても使えるビジュアルアプリがいろいろとありますから、コンテンツ制作は事務方の女性社員2名が担当しています。どうしても男性中心になりがちな業界なので、できるだけ女性の感性を取り入れたいんですよね。2人ともいろいろなアイデアを反映させて、時には動画も使ってセンスよく仕上げてくれるので大好評です。経営層も効果を実感しているようで、社内に周知したいことがあれば、すぐに2人に声をかけていますよ。
岩間様とにかくオフィスが明るくきれいになりました。サイネージというとサービス業ではよく見かけますが、社内向けに設置するというイメージは実はもっていなかったんですよね。今回、思い切って挑戦してみて本当によかったです。社員からは好評ですし、来客の反応もいいですね。同業の方は、皆さん「うちも真似しよう」と仰います。
神様エントランスに設置されているので、受付の待ち時間によく見ていただいているようです。
岩間様お客様が来社する時間に合わせて、ウェルカムボードのようなビジュアルを表示させることができたらいいですね。『時間割看板2』を使えば簡単にスケジュールできますよね。今後やってみたいことの1つです。
神様若い世代の社員は紙よりも電子化されたコンテンツのほうが伝わりやすいようで、サイネージは非常に馴染みがよいですね。一方で上の世代は変えることに抵抗があったようですが、実際に運用を始めてみたら、皆あっさり「うん、こっちのほうがいいね」と納得していました(笑)
神様応募者の年代が下がってきていることは実感しています。Webサイト、オフィスの内装など、ほかにも様々な取り組みを行っており、サイネージもその一端を担っています。多角的な取り組みが功を奏し、成果につながったと考えています。
神様 社内での情報共有だけでなく、社外への発信にも力を入れていきたいです。建設業界にはオープンな文化があるとは言い難く、今まで自分たちの仕事を外部にアピールする必要性も感じていませんでした。しかし、時代は変わっています。まずは私たちから、どんな仕事をしているのか積極的に発信することで業界理解を促進し、最終的には人材不足の解消に貢献できればと思っています。今回、ビジュアルの力を改めて実感しました。サイネージに関してはさらにコンテンツを増強し、幅広く活用していきたいと考えています。
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