(写真手前)新設計NASのHDL-AAシリーズ。
I-O DATAが満を持して発表したHDL-AAシリーズは、I-O DATAがこれまで培ってきた技術を惜しげもなく詰め込んだ新設計NAS(ネットワークハードディスク)です。発表後すぐに、多くのネットニュースでも取り上げられ、SNSでも話題になり、非常に多くの方に注目されています。
それほど何に注目が集まったかと言えば、やはり超高速転送。「書き込み・読み込み、どちらも速い」のコピーにふさわしい転送速度。特出すべきは、従来機(HDL-A2.0RT)と比較して2倍の速さということ。テスト段階でも「えっ、こんなに速いの?」と開発技術スタッフが驚くほどでした。
CrystalDiskMarkでの測定結果
最近PCで取り扱うデータは4K動画、高解像度、高画質な写真などますます大容量となっています。そういった意味では、読み込み速度は言うまでもなく、書き込みの転送速度が速いことは、これからのNASに不可欠な要素です。
また、複数のPCやスマホからの同時アクセス時の転送速度低下を抑える必要があります。今回発表したHDL-AAシリーズは、その環境を踏まえた上で開発された新設計のNASなのです。
(写真左)デュアルコアCPUと高速RAM (写真右)WD社製ドライブの特性を理解した固定方法を設計
とはいえ、計測値はあくまでも特定のテスト環境で出た数値で、必ずしも全ての動作環境で同様の結果が得られるものではありません。念のため自宅環境でも計測してみました。
先に示した計測データは、出荷時設定状態ですが、自宅での測定ではHDL-AAの初期設定を済ませ、700GB/2TB程度利用している状態です。また使用PCもOS: Windows 7 Home Premium、メモリー4GB、CPU:Core i5 3210M 2.50GHzと先の環境とは違う形で測定しました。
自宅PCとOSの環境
結果、読み込み(Read)は、少し遅くなって表示されたものの110MB/s以上をキープ、書き込み(Write)は、118.3MB/sと測定値よりも、速い計測値でした。
自宅環境でのCrystalDiskMarkでの測定結果
実際、1.96GBの動画を書き込み転送してみましたが、最大転送速度130MB/sが表示され、転送時間も20秒程度、今までのNASでは体感できない転送速度を体験できました。
最大書き込み転送速度130MB/sが表示
この転送速度の実現は、データ保存や書き出しなど、作業効率を今より確実に高められるものだと思います。今までのように、遅くてイライラしなくても良さそうです。
HDL-AAの特長は高速転送だけではありません。データコピー機能も充実しています。これは何が嬉しいかと言えば、例えば古いNASからの大容量データ移行が簡単なのです。また、最初の設定はPCが必要ですが、PCの電源を切ってもNAS本体のみでデータコピーは継続されます。
さらに、フォルダーからコピー先の共有フォルダーへ、構成を維持してコピーすることが可能です。(アクセス権や隠しファイル属性などファイル属性はコピー不可)。古いNASからそのままHDL-AAシリーズへ移行できるので便利です。
ここからは、まったく個人的な話です。実は、私の自宅のNAS(HDL2-A)ですが、購入して5年目に突入しています(2011年に購入)。使い出して3年目で落雷が近くであり、停電。その際にHDDが故障し、交換しましたが、その後は順調に、今も現役で活躍しています。
(写真)自宅で5年間使っているNAS
とはいえ、読み込み速度も、特に書き込みの転送速度がもっと速くなったらいいなあと思っていました。
5年間使っているNASの転送速度
また、5年間、毎日使ってきたのと、容量もいっぱいになってきたので、そろそろ買い替えたいとも感じていました。そんな時にタイミングよく発表されたのが今回のHDL-AAシリーズ。データ移行も簡単だというので、早速試してみました。
旧NASからHDL-AAへデータ移行
HDL-AAの管理画面を開いてみました。管理画面は、わかりやすいUIで一目瞭然。早速、旧NAS→HDL-AAへのデータ移行のための設定をしました。
今回、試してみた旧NASはI-O DATA製ですが、もちろん他社のNAS→HDL-AAでも同様にデータ移行ができます。
HDL-AAの管理画面。わかりやすいUI
①「データバックアップ」→②「データコピー」→③「追加」を選択すると設定項目が表示されます。
「データコピー」の設定項目
今回は、設定後すぐに、旧NAS→HDL-AAへデータ移行しますので、スケジュール設定は入力の必要がいりません。「ジョブ名」だけ記入してください。
「ジョブ名」を入力
次に「データコピー元」と「データコピー先」の情報を入力します。その際、「データコピー元」と「データコピー先」のリストが自動に取得されます。
「データコピー元」と「データコピー先」のリストを取得中
下の図のようにリストが表示されます。そこから今回データ移行したいフォルダーの「データコピー元」と「データコピー先」をそれぞれ選択してください。その際、NASの「ユーザー名」、「パスワード」をそれぞれ入力してください。
「データコピー元」と「データコピー先」のリスト表示
「データコピー元」と「データコピー先」の「ユーザー名」、「パスワード」入力
追加を選択し、一覧を見れば、今、登録したデータコピーが設定されていることがわかります。「データコピー開始」を選択すれば、旧NAS→新NAS(HDL-AA)へデータコピーが始まります。
「データコピー開始」を選択
ここでPCは電源を切り、近くのお店へ早い昼食へ出かけました。※1回目は235GBのフォルダを移行してみました。戻ってきて管理画面を開くと、終了していました。全くエラーは出ていませんでした。
235GBのデータコピー完了
これなら安心と、続けて旧NASのメインフォルダーを新NAS(HDL-AA)へ移行しました。※2回目は564GBのフォルダを移行してみました。
564GBのデータコピー完了
こちらもエラーなしです。何よりもPCの電源を切ってもNAS同士でデータ移行ができるので、気がつけば終わっているという感じです。これは本当に便利な機能です。
今回、試しませんでしたが、例えば、「日曜日の0時~データコピーを行う」など、予約してデータ移行することもできます。この機能を使えば、寝ている間にデータ移行できますね。次回はこの予約機能を試してみたいです。
また、HDL-AAは、データコピーだけではなく、データバックアップも非常に多様なので、こちらも試したいです。
HDL-AA。期待ができる高性能NASです。今後も楽しみです!
◎関連リンク
デュアルコアCPU搭載 ネットワーク接続ハードディスク(NAS)「HDL-AAシリーズ」(商品ページ)
デュアルコアCPU搭載 ネットワーク接続ハードディスク(NAS)「HDL-AAシリーズ」(特集ページ)
デュアルコアCPU搭載 ネットワーク接続ハードディスク(NAS)「HDL-AAシリーズ」(購入ページ)
HDL-AAの接続はいたって簡単です。ルーターのLANケーブルをつなぎ電源を入れるだけ。しばらくすると「ピー」っと音が鳴り、設定が完了していました。これなら、NASを初めて使う方でも迷うことがありませんね。
(写真)HDL-AA(右)とLANポート(左)をLANケーブルでつなぐだけ
(写真)しばらくすると「ピー」っと音がなり、設定完了(緑ランプ点灯)
※設定画面を開くためのソフトウェアのインストールや管理者パスワードや初期設定の方法は、HDL-AAシリーズの取扱説明書をご参考ください。