取材日:2021年10月11日
石川県の金沢市立大徳中学校・吹奏楽部にて、GV-LSBOXを活用した定期演奏会のオンライン配信が行われました。コロナ禍により部活動や学校行事の開催が制限される状況は、吹奏楽部の活動にも影響を与えていました。3年生の生徒たちにとって、これまでの集大成となる卒業公演の開催が危ぶまれていたのです。今回、このような状況で、保護者の皆様の「なんとか子ども達に思い出を」という強い思いが形になりました。
同校吹奏楽部顧問の大内正義先生にお話を伺うとともに、保護者の皆様にも感想をいただきました。
大内先生例年、金沢市の市民ホールで定期演奏会を開催していたのですが、昨年度は市のコロナ対策の方針に則って、当校の体育館でミニ演奏会を行いました。来場者をできるだけ減らし、さらに上演時間を極力短くするなど、工夫しながらの開催です。今年はどのような形になるのか、無観客を含め様々な方法を検討しながら悩んでいましたが、アイ・オー・データのライブストリーミング機器を使うことで、オンライン演奏会が実現しました。
大内先生会場は体育館で、現場に集まったのは実際に演奏する吹奏楽部員と、配信のお手伝いをしていただく数名の保護者さんです。部員たちの演奏をビデオカメラ担当の保護者さんが撮影し、またほかの保護者さんがGV-LSBOXを操作してYouTubeで配信しました。観客となる保護者の皆さんには、事前に限定公開のURLをお知らせし、ご自宅からオンラインで視聴していただくスタイルでの配信です。
大内先生やはり多くの人に視聴していただけるのはそれなりに緊張感もあり、また励みになるようで、生徒たちからは好評でした。皆、満足した顔をしていましたね。オンラインですから、URLさえ知っていればどこからでも視聴できます。おかげで、普段はなかなか会えないような県外の祖父母や親戚など、むしろ従来よりも幅広くたくさんの方に演奏を聴いていただけました。
大内先生当日はトラブルもなくスムーズでしたよ。撮影にはカメラ3台を使い、1台は引いた位置から全景を三脚で固定して撮影し、もう2台は両サイドに三脚で設置して生徒のアップを追いました。カメラの切り替えはGV-LSBOXで行います。配信をお手伝いしていただいた数名の保護者さんは、どなたもITに通じた方ではなくて、最初は不安もあったようですが、すぐに使いこなすことができました。特に事前のレクチャーなどは受けずに、当日生徒たちとリハーサルをしながら少し触ってみた程度です。その後すぐに本番に入りましたが、まったく問題ありませんでした。
大内先生十分、求めていたレベルの画質で配信できたと思います。また、見せ方の面では、画面の切り替わりにフェードのエフェクトが使えるのがよかったですね。操作を担当した保護者さんからは、「スイッチングに慣れていなくて上手にできませんでしたが、フェードで画面が切り替わることでごまかしが効き、助かりました」とのコメントも。とにかく素人の仕事とは思えないレベルの仕上がりになっていました。
大内先生生徒の顔をそれぞれアップで配信できた点が好評でした。オンライン配信でしたので、画面が小さくてしっかり映らないのではと心配する方が多かったようです。そこは複数台のカメラを使ってアップも撮りましたので、ご満足いただけましたね。
大内先生リハーサルでは生徒たちも保護者と一緒になって、一生懸命考えましたね。特に音に関しては、こだわってしっかりチェックしていました。今回は初めてのオンラインの取り組みでしたので、皆で一緒に作り上げたという達成感は大きかったですね。
大内先生離れた場所と場所とをつなぐという意味で、ITがしっかりと役にたってくれることを実感しました。こうした仕組みを活かせば、海外の提携校など、コロナ禍で疎遠になってしまった様々な人々とのコミュニケーションも再開できそうですね。アフターコロナの日常が戻っても、きっと活躍すると思います。
大内先生吹奏楽だけでなく、中学校の部活動というのは、スキルだけ磨けばよいというものではありません。やはり顧問としては、皆で集まって作り上げていくという面を大切にしたいです。それがこのコロナ禍で様々な「制限」がでてしまい、大きな打撃を受けています。今回、このGV-LSBOXを使ってオンライン演奏会が実現しましたが、今後の取り組みとしてもつなげていければと考えています。
「『今年の定期演奏会は無観客で』と告げられた時の、子ども達の気持ちを思うといたたまれなく……。とはいえ親としてなす術もなく、もどかしく思っていました。結果としてとても意味のある演奏会を行うことができたと思います」
「過去の定期演奏会には類のない形でしたが、単なる無観客とは違い、子ども達は有観客同様の緊張感を持って演奏できたと思います。思わぬところで貴重な体験になり、おそらく想い出として心に深く刻み込まれたと思います。本当にありがとうございました」
「無観客ではありましたが、子ども達の発表する場、形に残るものができたのは本当によかったと思います。『頑張ってもどうせ中止になるんだし』というような、あきらめの気持ちが芽生えつつある中で、『動けばできる方法はある!』という体験ができました。おかげで、気持ちを前向きに持つきっかけになったと思います。ありがとうございました」
「最後の演奏会は見られないとあきらめていた京都の祖母が、思いがけない生配信に感動し、涙を流してよろこんでくれました!」
「県外にいる祖父母たちが、ライブ配信にとてもよろこんでいました! 本当にありがとうございました」
「祖父母のために卒業式も配信してもらえたら……。コロナに関係なく祖父母は卒業式に参加する機会があまりないと思いますので、配信で見ることができたらきっとよろこぶはずです!」
「今後はぜひ授業参観の配信を。中学生にもなると、恥ずかしいのか面倒いのか、子どもに『来んでいい!誰の親も来てない!』なんて言われてしまいます。配信ならば保護者もわざわざ会社を早退する等の必要もなく、我が子の授業を見学できます。難しいかもしれませんが、実現すれば素晴らしいと思います」