女性建築家からみたインテリアHDD

西村幸希(にしむらゆき)さん
西村幸希建築設計 一級建築士
http://www.nishimura.co/

イエのある家詩的な家など、テレビや雑誌などのメディアにも多く取り上げられ、いま、注目されている女性建築家の西村幸希さんに、インタビューをこころみました。

「インテリアから建築を考える」

最近は、インテリアから建築を考える施主が増えています。その範囲は、ソファーや家具にとどまらず、電化商品にも及びます。いまや、電化商品は住宅とは切ってもきれない存在です。建築そのものが格好良くても、家電の置き方でその空間のイメージを台無しにすることもあるくらい、その影響を受けます。例えば、竣工したての建物がどんなに素敵でも、物を置き、生活をし始めて、この空間は考えていたのと違うということもあるのではないでしょうか。

このような背景の中、私は、いかに生活をする人に合った住まい方として、日々良く暮らせるように計画できるのかを重点的に考えるようにしています。そのために、現在その家族が住んでいる家に出向き、その生活ぶりを知ることで、言葉の真の意味や住まいに対しての考え方を理解します。

例えば「明るい家が欲しい」「スッキリした家に住みたい」と言葉にしても、現在がそうだからそうしたいのか、そうでないからそう言っているのかでは、大きく意味が違います。それを目で確認し、相手と対話をしながら、真の意味を紐解いていく。このようなコミュニケーションを繰り返し重ね、一緒になって考えていくことで、初めて相手が求める、隅々まで気持ちの良い建物を実現できるのだと感じています。

「インテリアHDDのこと」

家電の世界も単なる機能面ではなく、デザインで選択することが増えてきていますよね。ただ、冷蔵庫や電子レンジ、炊飯器や、掃除機・洗濯機など女性が使うものはお洒落なものも増えてきていますが、テレビやレコーダーなどはまだまだ、男性主体に考えられている商品が多い印象です。

そのような中、情報を残すハードディスクの世界で「インテリア」視点で考えた商品が出てきたことは興味深いことです。通常こういったハードディスクは、隠すこと、目立たなくさせることを考えがちですが、I-O DATA社のインテリアHDDはカラフルで、雑貨のように、見える場所に置いても良いものです。

また部屋全体との調和を考えても面白いでしょう。例えば、オレンジはお洒落色なので、様々な組み合わせが考えられます。それは、大画面テレビとオリジナルのテレビ棚など高級感のある組み合わせであったり、さらにはテレビ周りだけでない、壁や床、その部屋を構成するソファーやテーブルなど、空間全体という視点でも合わせることができます。さらには、ほこりがつきにくい、目立たないデザインも女性には、喜ばれるのではないでしょうか。配置する面によって質感が異なるデザインなど、その配慮も施されているように感じます。

私は建築家ですから、どうしてもその商品本体のデザイン性だけではなく、配線のことまで気にします。いや、建築家でなくても女性はみんな気になるのではないででしょうか。そもそも家電商品は、商品自体のデザインと、配線部分のデザインとが分かれている気がします。折角良い商品デザインでも、配線部分は不格好というか。例えば、コンセントプレートまでこだわって素敵なものを選んだのに、そこに電源アダプターがつくと、おしゃれ感がまったく台無しになることさえあります。確かに、電気部分は供給電力量の問題などがあってデザインを先行させられないことも多くあるのでしょう。将来的には解決されるのかもしれませんが、現時点でこのデザインを変更するのは難しいのかもしれません。

ただ、それを単に放っておくのではなく、商品自体でカバーできることはないのかインテリアHDDはそのことも考えられているように感じました。カクぴた®機能や、従来よりケーブルが細く、柔らかくなっているのは、まさにその象徴ではないでしょうか?

カクぴた® 鏡面仕上げのさりげないデザインの縁取り。また従来よりケーブルが細く柔らかいため壁際や、AVラックのような奥行きに限りある場所にもスッキリ設置できる。

そもそもハードディスクというのは単体で存在するものではなく、例えばテレビを録画するために存在するのですから、この場合、テレビとセットでどのように収めるのかを考えるのが普通です。私の場合、テレビを置く場所はちょっとした収納とセットで考えることが多いです。

テレビは床に直には置きません。そのためにテレビ台やローチェストといった収納の上に置かれたり、本棚の中に組み込んで設置したりします。そういう意味で本棚とテレビというのは相性の良い組み合わせです。そうした場合、例えば、インテリアHDDが本の中にあるのは悪くない。逆にしっくりきますし、単体でモノがあるより、違った存在感、おしゃれ感がでてきます。

これはモノを隠すと言う意味合いでなく、溶けこませるという考え方です。モノがあることを前提に、どのように見せるのかという発想。この場合、色はとても大事です。建築家は色自体を相当シビアに扱います。どのように空間に溶け込ませていくのか?溶け込ますことで、違ったものに見せて存在感を出す。そう言った視点で空間全体、インテリアを考えていくことも建築家の役目だと考えています。

もちろん、このような提案は、熱の問題やハード機器の課題をクリアしないといけませんし、メーカーが推奨する設置の仕方ではないかもしれません。扱いには注意が必要ですが、ただ建築家として考えれば、モノとしての存在感、カクぴた®機能や配線への配慮があるからこそ、こういった提案をしたいと思います。今後のカラーバリエーションやスタイリッシュさも含めさらなる進化が楽しみですね。

本記事の内容については、サポートのお問い合わせ対象外となります。予めご了承ください。

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