ネットワークオーディオNASのfidataが音を変える

数万円のアンプ+スピーカーにfidataをつなげてみた

ハイエンドオーディオNAS「fidata」

(写真)中央 ハイエンドオーディオNAS「fidata」

試聴会で出合ってしまったハイエンドオーディオNASの「fidata」。あの素晴らしい音がずっと記憶から離れないまま幾日を過ごしていました。そして様々な買わない言い訳を自分にしていました。その言い訳とは試聴会のオーディオ構成と自宅の構成とはあまりにも差がありすぎるということです。

自宅にあるのは数万円のネットワークオーディオアンプ(2015年製)と10年前に友人からもらったスピーカー(1978年製)。スピーカーは経年劣化もあり現在中古市場では数万円。それらは試聴会のときのハイエンドオーディオシステムとは明らかに違います。オーディオNASだけをハイエンドにした所で音が変わるのかという疑問もありました。

自宅のアンプ、スピーカー、無線LAN、RockDisk for Audio

(写真)自宅のアンプ、スピーカー、無線LANとオーディオNAS「RockDisk for Audio」

この環境であるならfidataを購入する前にアンプやネットワークプレイヤー、そしてスピーカーを新調すべきでしょう。常識から考えても、数万円のローエンドオーディオに30数万円のオーディオNASを買う人は恐らくいないと思います。

でもここで逆説的に考えてみました。それはfidataだけで私のオーディオの音が劇的に変わるなら効率的なのではないかということです。本来のようにアンプ、ネットワークプレイヤー、スピーカーと全てをハイエンドに変えてしまうにはあまりにも多くの費用が必要です。またその中の1つだけ変更するだけでも費用はかかるのです。

実はスピーカーを先に変えようかとかとも考えましたが、私が欲しいスピーカーは1本でもfidataより高い価格でした。であるなら「先にfidataを購入しよう」。そう思いました。こう書くと打算的に聞こえてしまうかもしれません。でもこれは購入に至るまでの正直な気持ちです。

あと、何よりもfidataに惹かれたのは素晴らしい音でしたが、あの「モノ」としての存在感にも心を揺さぶられました。筐体、表示装置まで省いたフォルムは忘れかけていた「モノ」それ自体への憧れや童心を思い出させてくれたのです。日増しに自分の部屋にfidataを置きたい。fidataが欲しい。そう思うようになりました。

fidata

(写真)fidataの美しい筐体、フォルム(自宅にて)

そしてfidataを購入しました。「清水の舞台から飛び降りる気持ち」というのは大げさかもしれませんが、ローエンドオーディオユーザーの私にとってはそれに近い気持ちでした。

fidataは二重の外箱に入っている

(写真)fidata 二重の外箱

fidataを開封

(写真)fidata 開封

fidataの設定はとても簡単でした。LANポートにつなげて数十秒で設定は完了されていました。そして曲をfidataに入れて急いで試聴しました。まず聴いたのは、試聴会で比較した「ロッシーニ 歌劇 泥棒かささぎ」です。あの最初のスネアドラムの音、その後のティンパニーやシンバルの余韻、弦楽器と管楽器の一体感、試聴会の記憶を遡っていました。

fidataのボティ

(写真)fidata 一切の無駄を削ぎ落とした重厚感あるボディ

fidataで試聴する前にオーディオNAS「RockDisk for Audio」の音源で聴きました。これはこれで良い音です。「本当にfidataだけで音は変わるのか?」正直、不安にもなりました。そしてfidataで試聴。正直驚きました。想像以上です。交互のスネアドラムの余韻、ティンパニーの音、そしてそれらに弦楽器、管楽器が加わっての重層感。一つひとつの音が鮮明でかつ音としての厚みが今までとは違って聴こえました。

もちろん、個々のオーディオの差、またその他、空間の違いなど音楽環境が違うのですから、試聴会で聴いた音とは違います。それでも私は十分満足でした。fidataで私のローエンドオーディオが数段、格が上がった気分でしたし、何よりもそこから奏でる音が素晴らしく、嬉しかったのです。

さらに、感じ取れたのはハイレゾ音源だけでなく、CD音源も格段と良く聴こえるようになったということです。臨場感が全く違います。演奏者と私の間に邪魔するものがない。ひずみや濁りが感じられない。クラシックからJazz、そしてRock、歌謡曲など全てのジャンルにおいてそのように感じることができました。fidataの奏でる音は、演奏者の意図は当然のこと、スタジオのサウンドエンジニアの息吹が理解できる瞬間でもありました。

ある好きな曲をfidataで聴いた時、知らずに涙がでました。こんなことを書くのは恥ずかしいですが、とても幸せに感じたのです。また、今まで魅力に感じていない曲にも素敵に思える曲があって、そういった発見もfidataのおかげだと感じています。

ハイエンドオーディオシステムをもつ皆さんには叱られるかもしれません。普通は先に他のオーディオシステムを向上させるだろうと。fidataはそもそもハイオーディオユーザーに向けて開発されたオーディオNASです。既にプロ、専門家の方々に大変評価されています。

本来、fidataは私のようなオーディオ初心者には分不相応かもしれません。でも、試聴して欲しくなってしまった。fidataで音楽の素晴らしさ、楽しさに目覚めてしまった。購入までは勇気が入りましたが、本当に買って良かった。これからも自分にとっての良い音を、そして音の楽しみを、fidataと共につくっていきたいと思います。

◎関連リンク
fidata特設サイト
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I-O DATA MAGAZINE 「ハイエンドオーディオNAS『fidata』から奏でた究極の音」

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