(写真)WindowsNAS「HDL2-Z22WATBシリーズ」
(記事公開日:2024年2月14日)
WindowsNASはLinuxNASと比べると、Windows Serverの知識や経験が無いと導入のハードルが高いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、いったん初期設定を行ってしまえば、ファイル共有を簡単に始めることができます。
LinuxNASに比べ、ユーザーの同時アクセスに強いだけでなく、Windowsクライアントとの高い親和性を発揮するので、オフィスや学校などでNASを導入するなら、WindowsNASがおすすめです。
今回、WindowsNASをはじめて導入する方に、「HDL2-Z22WATBシリーズ」の設置からファイル共有までのステップをご紹介します。写真や画面と一緒に見ていただけるので思ったより導入も難しくないことが分かると思います。
(写真)PCと比べてもコンパクトなNAS
「HDL2-Z22WATBシリーズ」は小規模オフィスやグループでの利用に便利なコンパクト筐体を採用しています。サイズは、約119(W)×218(D)×158(H)mm(ゴム足含む、突起部除く)になります。
サーバールームはもちろん、システム管理者のデスクサイド、キャビネットといったオフィス内でも設置場所を選ばず、優れたデータ共有環境を提供します。
初回設定マニュアル、LANケーブル、ACアダプター、ACプラグ変換アダプター、電源ケーブル、リカバリー用USBメモリーが添付されていますので、設定するパソコンをご準備するだけで、すぐにファイル共有を始められます。
(写真)「HDL2-Z22WATBシリーズ」の添付品
(写真)背面の接続
はじめに、NAS本体背面の接続を行います。電源端子はACアダプター・電源コードを使って電源コンセントにつなぎます。このとき、電源コードが不意に抜けることを防ぐために、ケーブルフックを通しておきます。LANポートは「HDL2-Z22WATBシリーズ」の場合2ポートありますので、「LANポート1」にLANケーブルを使ってWi-Fiルーターやハブとつなぎます。
以上で接続準備は完了です。続いて本体正面の[POWER]ボタンを押して電源を入れます。
(写真)電源を入れる
[STATUS]ランプが緑点灯するまでしばらく待ちます。緑点灯したらNASの起動が完了したので、パソコンを使って設定を進めます。
(写真)NASの起動完了
(写真)サーバーマネージャーの画面
リモートデスクトップは、同一ネットワーク上のパソコンからNASを操作する場合のログオン方法です。あらかじめ設定操作するパソコンに「LAN DISK CONNECT」をインストールしておきます。
「LAN DISK CONNECT」のダウンロードはこちら
パソコンでLAN DISK CONNECT を起動すると、同一ネットワーク上にある今回のWindowsNASが表示されます。このアイコンを選択して[設定画面を開く]をクリックします。
(キャプチャー)LAN DISK CONNECTの画面
資格情報の入力画面が表示されるので次の資格情報を入力して[OK]をクリックします。
・ユーザー名: administrator
・パスワード: admin(出荷時パスワード)
(キャプチャー)資格情報の入力画面
次の証明書の確認画面が出ますが、そのまま[はい]をクリックして進みます。
(キャプチャー)証明書の確認画面
(キャプチャー)NarSuSの導入画面
NarSuS(ナーサス) は、無料で利用でき、24時間365日、ご利用のNASを見守る安心サービスです。万一トラブルが発生しても、自動的にメールでトラブルをお知らせします。
NarSuS(ナーサス)の詳細はこちら
[NarSuSにはじめて登録]をクリックすると、設定画面が開くので、[NarSuS登録画面を開く] をクリックして進みます。
(キャプチャー)NarSuSの設定画面
Webブラウザーが開き、利用規約画面が表示されるので、内容を確認し、[同意/新規登録]をクリックして進みます。
(キャプチャー)NarSuSの利用規約画面
あとは画面の指示にしたがって、必要事項を入力し登録してください。LAN ポートが複数あるLAN DISK の場合は、「MAC1」のMAC アドレスを入力してください。登録が完了したら、Webブラウザーを閉じます。
この初期設定は、初回起動時に行う必要最小限の設定になります。下記内容を設定する必要がある場合、あらかじめ設定情報を確認しておきます。
・IPアドレス(スマホやPCなど、ネットワーク上の機器に割り当てられる住所のような番号)
・サブネットマスク(IPアドレスとして割り振られる範囲を指定するもの)
・デフォルトゲートウェイ(インターネットとの接続点にあるルーター)
・DNSサーバー(○○.comや□□.co.jpなどの名称をIPアドレスに変換するためのサーバー)
初めてNASにログオンした際、この画面が表示されますので、[新しいパスワード][新しいパスワードの確認]に、同一の任意のパスワードを入力し、[変更]をクリックします。
(キャプチャー)Administratorのパスワード変更画面
続いて、保証期間の設定画面になるので、[ご購入日]と[保証期間]を選び[変更]をクリックします。入力した保証期間の設定は、実際の保証期間を保証もしくは更新・変更するものではなく、通知のための情報として利用します。
(キャプチャー)保証期間の設定画面
続いて、起動・終了スケジュールの設定画面になるので、希望の設定に変更して[設定]をクリックします。
(キャプチャー)起動・終了スケジュールの設定画面
システムの日時・時刻を正しく設定しておかないとトラブルの元となります。例えば、NASへの接続やファイル保存の際、誤った時間が表示される、予定タスクが誤った時間に実行されるなどが挙げられます。必ず確認しておきましょう。
タスクトレイの時刻をクリックして[日付と時刻の設定]をクリックします。
(キャプチャー)タスクトレイの時刻
日付と時刻の設定画面で[時刻を自動的に設定する]が[オン]になっているか確認します。
(キャプチャー)日付と時刻の設定画面
画面の左下をクリックして表示されるメニューから[コントロールパネル]をクリックします。
(キャプチャー)コントロールパネルを選択
[ネットワークとインターネット]→[ネットワークと共有センター]をクリックします。
(キャプチャー)[ネットワークとインターネット]を選択
(キャプチャー)[ネットワークと共有センター]を選択
[アダプターの設定の変更]をクリックします。
(キャプチャー)[アダプターの設定の変更]を選択
設定するイーサーネットを右クリックして、[プロパティ]をクリックします。
(キャプチャー)[イーサーネット]を選択
[イーサーネット]のプロパティ画面で[インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)]を選び、[プロパティ]をクリックします。
(キャプチャー)[イーサーネット]のプロパティ画面
IPアドレス・DNSサーバーのアドレスを確認します。ご利用環境に合わせて、必要に応じて入力し、[OK]をクリックします。
(キャプチャー)IPアドレスとDNSサーバーのアドレスの確認画面
この「コンピューター名」は、今回利用するNASのネットワーク上の表示名になります。画面の左下を右クリックして表示されたメニューの[システム]をクリックします。
(キャプチャー)[システム]を選択
右側「関連設定」内の[このPCの名前を変更(詳細設定)]をクリックします。
(キャプチャー)[このPCの名前を変更(詳細設定)]を選択
システムのプロパティ画面が表示されるので、[変更]をクリックします。
(キャプチャー)[システムのプロパティ]画面
そのままでも構いませんが、必要に応じて設定を変更します。ここでは「OFFICE01」という名前に変更します。[OK]をクリックします。
(キャプチャー)[コンピューター名/ドメイン名の変更]画面
このあと、画面の指示にしたがってNASを再起動したら、コンピューター名の変更は完了です。
画面の左下を右クリックして表示されたメニューの[設定]をクリックします。
(キャプチャー)[設定]を選択
[更新とセキュリティ]をクリックします。
(キャプチャー)[更新とセキュリティ]を選択
左メニューの[Windows Update]をクリックします。
更新がある場合は、[更新プログラムのチェック]をクリックして、[インストール]をクリックします。
(キャプチャー)[Windows Update]を選択
更新プログラムのダウンロード、インストールが実行されるので、完了までしばらく待ちます。以上で、Windows Updateの実行は完了です。
2ドライブモデルの「HDL2-Z22WATBシリーズ」では、下記のHDD利用の設定が可能です。データ消失リスクの低減を考えると[RAID 1]で2重化した設定をおすすめします。出荷時の設定は[RAID 1]になります。
RAID 1 | すべてのハードディスクに同じデータを同時に書き込むため、万一、一方のハードディスクが故障してもデータは安全に保護されます。 |
---|---|
RAID 0 | すべてのディスクを1つのボリュームとして認識します。データ保護機能はありませんが、大容量と高速性を追求したモードです。 |
マルチディスク | すべてのディスクを別々に認識します。 |
タスクトレイの[ZWS Manager]アイコンをクリックします。
(キャプチャー)[ZWS Manager]を選択
[RAIDステータス]をクリック、[DATA]をクリックします。現在の設定モードと状態が表示されます。画面の場合、出荷時設定の[RAID 1]で正常に動作していることが確認できます。
(キャプチャー)[RAIDステータス]の確認
この画面からRAIDモードを変更することも可能です。その場合、変更したいRAIDモードを選択し[RAIDモード変更]をクリックします。選んだRAIDモードへの変更を開始され、[状態]が再構築中になります。
※ RAID 1へ構築した場合、2TB HDD 搭載モデルで約6時間かかります。
(キャプチャー)[RAIDモード変更]を選択
以上で、初回起動時に行う必要最小限の設定が完了です。
NASの初期設定が完了し、利用できるようになりましたので、続いてフォルダーを共有できるように設定していきます。はじめにアクセスするユーザーを作成します。
画面左下をクリックして表示されるメニューから[サーバーマネージャー]を開き、[ツール]から[コンピューターの管理]をクリックします。
(キャプチャー)[サーバーマネージャー]の起動
(キャプチャー)[コンピューター管理]を選択
[ローカルユーザーとグループ]をダブルクリックして、[ユーザー]をクリックします。右側のスペースを右クリックして表示されるメニューから[新しいユーザー]をクリックします。
(キャプチャー)[新しいユーザー]の作成
[新しいユーザー]画面が表示されるので、[ユーザー名]、[パスワード]を入力して[作成]をクリックします。他の項目も必要に応じて設定します。
(キャプチャー)[新しいユーザー]の作成
以上で、ユーザーの作成は完了です。複数のユーザーを作成する場合は、この操作を繰り返します。
共有したいフォルダーを作成(ここでは「Folder01を作成」)し、フォルダーを右クリックして表示されるメニューから、[アクセスを許可する]→[特定のユーザー]をクリックします。
(キャプチャー)[共有フォルダー]の作成
共有するユーザーを選び、[追加]をクリックします。複数のユーザーを追加する場合は、この操作を繰り返します。
(キャプチャー)共有するユーザーを選択
アクセス許可のレベルを選び、[共有]をクリックします。
(キャプチャー)アクセス許可レベルの選択
[終了]をクリックして共有フォルダーの作成は完了です。
(キャプチャー)共有フォルダーの設定完了
各共有へのユーザーのアクセスレベルを設定します。[サーバーマネージャー]を開き、[ファイルサービスと記憶域サービス]をクリックします。
続いて、[共有]をクリックし、アクセス許可設定をする共有フォルダーを右クリックして表示されるメニューから[プロパティ]をクリックします。
(キャプチャー)共有フォルダーのアクセス許可設定
左メニューの[アクセス許可]をクリックし、[アクセス許可をカスタマイズする]をクリックします。
(キャプチャー)アクセス許可の設定画面
作成した共有フォルダー「Folder01」に対して、各共有ユーザーのアクセス許可設定ができます。設定したら[OK]をクリックします。
(キャプチャー)共有フォルダーのアクセス許可の設定画面
別のパソコンから作成した共有ユーザー「user01」で共有フォルダー「Folder01」にアクセスしてみます。このパソコンにも「LAN DISK CONNECT」をインストールしておきます。
(写真)作成した共有ユーザーでアクセス
「LAN DISK CONNECT」を起動すると同一ネットワーク上にあるOFFICE01の名前で設定したNASが表示されています。
(キャプチャー)同一ネットワーク上にある「OFFICE01」の名前のNASが表示されている
このNASにアクセスする際、ユーザー名とパスワードを求められますので、先ほど設定した共有ユーザー名「user01」とそのパスワードを入力し[OK]をクリックします。
(キャプチャー)NASにアクセス
正常に共有フォルダーにアクセスできることが確認できました。
(キャプチャー)共有フォルダーにアクセス
(写真)WindowsNAS「HDL2-Z22WATBシリーズ」
今回、WindowsNASの初期設定から共有までの導入部分をご紹介しました。マニュアルどおりに進めれば導入もスムーズであることが分かっていただけたと思います。みなさんのオフィスにもWindowsNASを導入してみてはいかがでしょうか。
◎関連リンク
・Windows Server IoT 2022 for Storage Workgroup搭載 2ドライブ法人向けNAS
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