【2025年問題】VHSが再生不能になる前に。ビデオテープをデジタル化しよう

(写真)ビデオテープをデジタル化する

(写真)ビデオテープをデジタル化する

(記事公開日:2025年5月14日)

皆さんは「ビデオテープの2025年問題」をご存じでしょうか?2019年、ユネスコは「マグネティック・テープ・アラート」を発表し、2025年までにVHSなどの磁気テープが再生困難になると警告しています。

結婚式や卒業式、子どもの成長など、家族や友人との思い出はもちろん、趣味で録りためた映像も、大切な宝物です。これらを守るためにも、今こそ早急なデジタル化が求められます。

アイ・オーでは、VHSテープを手軽にデジタル保存できる商品を取りそろえています。大切な映像を未来へ残すために、今からでも遅くはありません。

ビデオテープの「2025年問題」

(写真)VHSテープなど磁気テープ

(写真)VHSテープなど磁気テープ

VHSテープなど磁気テープに記録された映像・音声は、2025年までに再生が著しく困難になると言われています。なぜ2025年が限界とされているのでしょうか?大きく2つの問題があります。

1つは、磁気テープの劣化です。VHSなどの磁気テープは、時間の経過とともに劣化しやすいメディアです。特に湿気や温度変化に弱く、保存状態が悪ければ、20年程度で映像や音声が消失したり、ノイズが入ったりすることもあります。一般的に、磁気メディアの寿命は20~30年程度とされており、2025年頃には多くのテープが再生限界に達すると推測されています。

(イメージ)磁気テープの劣化

(イメージ)磁気テープの劣化

もう1つの大きな問題は、再生機器の入手困難化です。ビデオデッキは平成28年に全ての国内メーカーで生産がすでに終了しており、修理対応も難しくなっています。中古市場に目を向けても、状態の良い機器は年々減少し、入手がますます困難になっているのが現状です。

(イメージ)再生機器の入手困難化

(イメージ)再生機器の入手困難化

アイ・オーのアナログメディアをデジタル化するツールの出荷台数は以下のように推移しました。
2005年:約4,000台
2009年:4万台を突破
2011年:ビデオデッキの製造終了が相次ぎ、7万台でピークに

この急激な需要増加の背景には、1980年代後半~1990年代に磁気テープが最も普及し、その耐用年数の約20年を超えた2010年前後に、デジタル化の必要性が一気に高まったという流れがあります。

現在は出荷台数が落ち着いているものの、今回の「2025年問題」をきっかけに、第二の需要ピークが訪れています。

ビデオテープをDVD化するサービスはあるけれど・・・

(イメージ)ビデオテープをDVD化するサービス

(イメージ)ビデオテープをDVD化するサービス

思い出の映像をデジタル化する手段として、家庭用VHSビデオテープなどをDVDへ変換するサービスがあります。このようなサービスを利用するメリットは、個人で機材を揃えたり、変換作業をする必要がないことです。

一方で、いくつかの課題もあります。まず、コスト面では、1本あたりの料金は一般的に500~2,000円程度とされています。本数が増えると割引が適用される場合もありますが、全体のコストは高額になりがちです。

また、発送や受け渡しの手間もあります。ビデオテープの梱包・発送準備に加えて、変換サービス業者からの受領、作業後の返送処理など、一定の作業負担がかかります。

さらに、仕上がりまでの時間も考慮する必要があります。変換サービス業者の混雑状況や本数によっては、作業完了までに1週間~数週間を要することがあり、即日対応は難しいのが現状です。

加えて、視聴環境の制約も見過ごせません。納品形式がDVDのみに限定されている場合も多く、近年のPCや家電製品ではDVDドライブを搭載していないこともあり、視聴が困難になる可能性があります。

手軽にビデオテープをデジタル化!

デジタルなら色鮮やかなまま

デジタルなら色鮮やかなまま

思い出の詰まったビデオテープを、アイ・オーの商品を使って手軽にデジタル保存できる方法をご紹介します。目的や使用環境に応じて、以下の2つの方法から選べます。

PC要らず!スタンドアロンキャプチャー
「GV-HDREC/AD」でデジタル化!

(写真)HDMI/アナログキャプチャー SDカード同梱モデル「GV-HDREC/AD」

(写真)HDMI/アナログキャプチャー SDカード同梱モデル「GV-HDREC/AD」

1つ目に紹介するのは、PCを使わずに映像をデジタル化できる「GV-HDREC/AD」です。操作もシンプル。機器が苦手な方にもおすすめです。

(写真)「GV-HDREC/AD」の端子

(写真)「GV-HDREC/AD」の端子

ビデオデッキと「GV-HDREC/AD」本体を接続し、SDカードや外付けHDDに直接録画できるタイプです。PCをお持ちでいない家庭でも利用でき、SDカードに保存されたデータは本体や、スマホでも視聴が可能です。
※本商品で録画する際、4:3の映像データは16:9に引き伸ばされます。 4:3で視聴する場合は、テレビの機能でアスペクト比を変更してください。

(接続)「GV-HDREC/AD」の接続

(接続)「GV-HDREC/AD」の接続

録画方法はとてもかんたんです。本商品にビデオカメラやビデオデッキ、テレビを接続すれば、あとはボタンを押すだけ。SDカードへかんたんにダビングできます。テレビ画面に映像を表示しながら直感的な操作ができるので、機器に不慣れな方でも安心してご利用いただけます。

32GBのSDカードを標準添付しているので、まずはお試しで15時間分(120分のVHSテープ約7.5本分)録画できます。もっとたくさんのビデオテープをデジタル化したい場合、128GBのSDカードなら120分のVHSテープ約30本分、ハードディスクへたっぷり保存したい場合は、1TBで約240本分の録画ができます。

SDカードに保存されたデータは、そのまま保管するのはもちろん、PCやNASへ移動して活用することも可能です。

(写真)VHS120分テープ7.5本分を32GBのSDカード1枚に保存できる

(写真)VHS120分テープ7.5本分を32GBのSDカード1枚に保存できる

録画中はほかの操作が制限されがちなPCによるキャプチャー方式とは異なり、本商品は録画専用に特化して設計されているため、気兼ねなく作業が進められます。手元にたまったビデオテープを、手軽かつ大量にデジタル化したい方に、最適な1台です。

PCを使ってアナログキャプチャー
「GV-USB2」でDVD化!

(写真)USB接続ビデオキャプチャー「GV-USB2」

(写真)USB接続ビデオキャプチャー「GV-USB2」

2つ目に紹介するのは、PCと付属のソフトを使って映像をデジタル化、PCに保存したり、DVDに直接書き込みもできる「GV-USB2」です。PC初心者でもかんたん操作でデジタル化できます。

ビデオデッキとPCを「GV-USB2」でつなぎ、付属のソフトを立ち上げれば、あとは画面の案内に従うだけでDVD作成まで完了します。映像の切り取りやチャプター分けといった基本的な編集機能も備わっていて、「ただ録画するだけじゃ物足りない」という人にも十分対応できます。

(接続)「GV-USB2」の接続

(接続)「GV-USB2」の接続

また、スマートフィット機能も便利。長時間の映像でもDVDの容量に合わせて画質を調整し、自動で1枚に収めてくれます。これは地味ですが非常に助かる機能です。

録画はPCのハードディスクへの保存だけでなく、直接DVDへ書き込みも可能。保存した映像は、家族で見るためにTVで再生したり、配布用に複製したりと、活用の幅も広がります。

価格は8,000円前後と手頃で、説明書もわかりやすく、初めてのデジタル化作業でも安心して使える1台です。

実際にやってみました!操作手順をご紹介

(写真)「GV-HDREC/AD」でビデオテープをデジタル化

(写真)「GV-HDREC/AD」でビデオテープをデジタル化

それでは実際にVHSビデオテープをデジタル化しましたので、その手順をご紹介します。先にご説明したPC不要のスタンドアロンキャプチャー「GV-HDREC/AD」の場合と、PCを使ったアナログキャプチャー「GV-USB2」の場合の2通りをご紹介します。

「GV-HDREC/AD」の場合

はじめに「GV-HDREC/AD」を使ってデジタル化します。接続の全体図は、次のようになります。

接続の全体図

接続の全体図

「GV-HDREC/AD」本体の電源端子とACアダプター経由でコンセントに挿します。ビデオデッキからの映像・音声出力をAV入力端子に接続し、HDMI出力端子からモニター(またはテレビ)へ接続します。

(写真)本体とビデオデッキやモニターと接続 (写真)本体とビデオデッキやモニターと接続

(写真)本体とビデオデッキやモニターと接続

接続ができたら、本体の電源を入れ、SDカードスロットに添付のSDカードを挿入します。

(写真)本体のSDカードスロットに添付のSDカードを挿入する

(写真)本体のSDカードスロットに添付のSDカードを挿入する

SDカード以外にも、大容量の外付けハードディスクに録画することもできます。その場合、本体背面のUSB端子にハードディスクを接続します。

(写真)外付けハードディスクをUSB接続して録画することもできる

(写真)外付けハードディスクをUSB接続して録画することもできる

続いて、ビデオ入力、録画の設定を本体の[メニュー]ボタンで行います。

(写真)本体の[メニュー]ボタンで各種設定する

(写真)本体の[メニュー]ボタンで各種設定する

  • ビデオ入力を設定します。本体の[メニュー]ボタンを押し、[システムメニュー]を選びます。

    ビデオ入力を設定します。本体の[メニュー]ボタンを押し、[システムメニュー]を選びます。

  • [ビデオ入力]を選びます。

    [ビデオ入力]を選びます。

  • [コンポジット]を選びます。

    [コンポジット]を選びます。

  • 次にシンクロ録画設定をします。[シンクロ開始]を選びます。

    次にシンクロ録画設定をします。[シンクロ開始]を選びます。

  • [ON]を選びます。

    [ON]を選びます。

  • 次に自動停止設定をします。[自動停止]を選びます。

    次に自動停止設定をします。[自動停止]を選びます。

  • [経過時間]または[シンクロ停止]を選びます。・経過時間…録画を開始してから設定した時間が経過すると、自動で録画を停止します。・シンクロ停止…ビデオ機器から信号がなくなったことを検出し、検出してから 30 秒後に録画を停止します。

    [経過時間]または[シンクロ停止]を選びます。
    ・経過時間…録画を開始してから設定した時間が経過すると、自動で録画を停止します。
    ・シンクロ停止…ビデオ機器から信号がなくなったことを検出し、検出してから 30 秒後に録画を停止します。

設定は以上です。それでは録画を開始します。本体の[開始/停止]ボタンを押すと、入力が待ち受け状態になります。

(写真)本体の[開始/停止]ボタンを押す

(写真)本体の[開始/停止]ボタンを押す

ビデオを再生すると自動で録画が開始されます。

(写真)ビデオを再生すると自動で録画が開始される

(写真)ビデオを再生すると自動で録画が開始される

自動停止を設定している場合は、自動で録画が停止します。自動停止を設定していない場合は、本体の[開始/停止]ボタンを押して手動で停止します。

さらに、ストレージにデータ移行が完了した後も、データを再生する機器として本体を使用することができます。本体にテレビや液晶ディスプレイを接続いただくことで、保存したデータを視聴できます。

「GV-USB2」の場合

(写真)「GV-USB2」でビデオテープをデジタル化

(写真)「GV-USB2」でビデオテープをデジタル化

接続の全体図は、次のようになります。先ほどの「GV-HDREC/AD」とは異なり、「GV-USB2」ではPCが必要となります。無料ダウンロードで提供される専用ソフトを使ってデジタル化します。

接続の全体図

接続の全体図

はじめに、「GV-USB2」をPCで使えるようにするためにドライバ、変換ソフトのインストールを行います。
Webページにアクセスし、サポートソフトをダウンロードします。

(キャプチャー)GV-USB2サポートソフトページ

(キャプチャー)GV-USB2サポートソフトページ

サポートソフトのダウンロードには本商品の背面に記載されているシリアルナンバー(S/N)が必要となります。シリアルナンバーを入力して[ダウンロード]ボタンをクリックします。

(写真)「GV-USB2」本体の背面に記載されているシリアルナンバー

(写真)「GV-USB2」本体の背面に記載されているシリアルナンバー

(キャプチャー)GV-USB2サポートソフトのダウンロード

(キャプチャー)GV-USB2サポートソフトのダウンロード

ダウンロードしたサポートソフトを起動し、[自動インストール]をクリックします。画面の指示にしたがってインストールを行い、再起動すると「GV-USB2」を使えるようになります。

(キャプチャー)サポートソフトをインストールする

(キャプチャー)サポートソフトをインストールする

ビデオ録画ソフト「Light Capture」を使って、ビデオテープの映像をパソコンに録画してみます。「Light Capture」を起動し、つないでいるビデオデッキの電源を入れ再生すると、PCに映像が表示されます。

(写真)「Light Capture」を起動する

(写真)「Light Capture」を起動する

録画を開始するには[録画]ボタンをクリックし、録画を停止するには[停止]ボタンを押します。録画データはPC本体に保存されます。

  • 録画を開始する

    録画を開始する

  • 録画を停止する

    録画を停止する

次は、DVDオーサリングソフト「PowerProducer 5.5 for I-O DATA」を使って、ビデオテープの映像を直接DVDに録画(ダイレクトレコーディング)してみます。難しい設定は必要なく、かんたんにDVD を作ることができます。

DVDドライブにDVDメディアをセットし、「PowerProducer」を起動したら、[Right-to-Disc]をクリックします。

(写真)DVDメディアをセットする

(写真)DVDメディアをセットする

(キャプチャー)「PowerProducer」を起動する

(キャプチャー)「PowerProducer」を起動する

[使用するドライブ]と[最大速度]を選び、[ターゲットディスク形式の選択]は[DVD-Video]を選んで[次へ]をクリックします。

(キャプチャー)使用ドライブなどの選択

(キャプチャー)使用ドライブなどの選択

ディスクの初期化画面が表示されるので[OK]をクリックします。

(キャプチャー)ディスクの初期化

(キャプチャー)ディスクの初期化

[キャプチャーデバイス]の設定アイコンをクリックします。

(キャプチャー)[キャプチャーデバイス]の設定へ進む

(キャプチャー)[キャプチャーデバイス]の設定へ進む

[ビデオデバイス][オーディオデバイス]は、[GV-USB2]を選び、映像ソースは今回、コンポジットビデオ入力(黄・赤・白の端子)で接続しているので[Composite1]を選びます。Sビデオ入力で接続している場合は、[S-Video 1]を選びます。

(キャプチャー)[キャプチャーデバイス]を設定する

(キャプチャー)[キャプチャーデバイス]を設定する

[詳細]タブをクリックし、[画質]を選び、[DVD のタイトル]を入力します。録画を開始するには、ビデオデッキを再生し、[録画]をクリックします。録画を終了して、DVDを作成するには[停止]をクリックします。

  • 録画を開始する

    録画を開始する

  • 録画を停止してDVDを作成する

    録画を停止してDVDを作成する

VHSなどのビデオテープ自体の劣化に加え、再生機器の入手が困難になる今こそ、デジタル化のラストチャンスといえるでしょう。今回ご紹介した2商品は、どちらも自宅で手軽に思い出の映像を残すための強い味方です。家族や友人との大切な記録を、失われる前に未来へ引き継ぎましょう。

◎関連リンク
HDMI/アナログキャプチャー SDカード同梱モデル
「GV-HDREC/AD」
商品ページ

USB接続ビデオキャプチャー
「GV-USB2」
商品ページ)(購入ページ

本記事の内容については、サポートのお問い合わせ対象外となります。予めご了承ください。

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