振動や衝撃から大切なデータを守る、SSD搭載NAS「HDL-TAS」シリーズ

SSD搭載NAS「HDL-TAS」シリーズ

(記事公開日:2019年9月9日)

最近の外付けUSBストレージでは、HDD(ハードディスク)のほか、SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)タイプの商品も増えてきました。通販サイトや家電量販店でも外付けポータブルSSDの商品を見かけることも以前より多くなりました。このようなSSD搭載の外部ストレージ商品が増えてきている流れはNAS(Network Attached Storage)の世界にも広がりを見せています。

オフィス文書データ、写真・動画ファイルの保存や共有に便利に使われるNASですが、今回ご紹介する「HDL-TASシリーズ(120GB/240GBの2モデル)」はSSD搭載のアプライアンス(特定用途向け)モデルで、小規模オフィスでも導入しやすいビジネスNASです。
※HDL-TASシリーズは受注生産となります。

HDL-TASシリーズ240GBモデル「HDL-TAS240」の本体

(写真)HDL-TASシリーズ240GBモデル「HDL-TAS240」の本体

SSDはHDDに比べて振動や衝撃に強く、故障リスクが低くなります。HDDは読み書き中に衝撃を与えると磁気ディスクを傷つけてしまう恐れがあり、故障の原因となります。また、使っているうちに磨耗もあり、繊細で故障しやすいとされています。それに対してSSDは駆動部分が無く、半導体メモリーに記憶するので、故障も少なくHDDよりも寿命が長いと言えます。

HDDとSSDの違い

(イメージ)HDDとSSDの違い

大切なデータを振動や衝撃から守る

NASの常置場所がたびたび変わったり、振動や衝撃を受けやすい環境にNASを設置するような場合、故障リスクを低減するのにSSD搭載のNASが活躍します。コード類に手や足をひっかけてしまって、機器が倒れてしまうなどの経験はありませんか。そのような衝撃に対してもSSDであれば、故障によってビジネスが止まることもありません。

SSDは衝撃に強い

(写真)SSDは衝撃に強い

例えば、医療機関では、生体センサーなどを取得する検査機器とデータファイリングシステムの間に設置することで、データの受け渡しにおけるキャッシュスペース(一時保存)として利用できます。キャスターに検査機器を載せて移動したときの振動や衝撃に対してもしっかりデータを守ってくれます。

検査機器とデータファイリングシステムのキャッシュスペースとして利用

(イメージ)検査機器とデータファイリングシステムのキャッシュスペースとして利用

そのほか、振動が発生しやすい建設現場の事務所での利用や、大容量を必要としない営業所の日報・報告書データやクリニックの医療会計事務データなどの保存に、ぜひおすすめしたいです。

建設現場、医療事務、営業所など

(イメージ)建設現場、医療事務、営業所など

静音性が高く、電力消費が少ない

「HDL-TASシリーズ」では、放熱処理に冷却用ファンを使用せず、筐体表面から放熱できる構造になっており、外部からのホコリや異物の混入による故障リスクも低減されます。冷却ファンや駆動部分が無いので、電力消費も少なく静音性も高くなっています。

ファンレス構造のHDL-TASシリーズ

(写真)ファンレス構造のHDL-TASシリーズ

SSDは半導体メモリーなので消費電力も少なく、「HDL-TASシリーズ」の場合、HDDモデルと比べて約50%、13Wの消費電力となっています。デスクトップPCが100~200W、ノートPCが50W前後、スマホが10W前後ですから、その消費電力はスマホ程度になります。

消費電量が従来のHDDモデルに比べ約50%

(写真)消費電量が従来のHDDモデルに比べ約50%

「履歴差分バックアップ」で備え、大切なデータをランサムウェアから守る

企業のデータを脅かしているランサムウェア。このランサムウェアは、ファイルを暗号化し使えないようにして、解除のために身代金を要求する不正プログラムです。暗号化されたデータを戻すのは容易ではなく、不可能な場合さえあります。

「HDL-TASシリーズ」では、これらの脅威も恐くはありません。「HDL-TASシリーズ」が標準搭載している「履歴差分バックアップ」を使って外付けHDDにバックアップすれば、PCがランサムウェアに感染しても復元することができます。

「HDL-TAS」シリーズのデータをUSB接続の外付けHDDに自動バックアップ

(写真)「HDL-TAS」シリーズのデータをUSB接続の外付けHDDに自動バックアップ

履歴差分バックアップ

(図)履歴差分バックアップ

「履歴差分バックアップ」は、バックアップ容量を最小限に抑え、復元のときには1回のリストア作業により全てのデータを復元させることができます。バックアップしたときのフォルダ構造が日付ごとに残せるので、古いファイルの参照も簡単にできます。バックアップに履歴を残しておくことで、ランサムウェア感染により暗号化されてしまったファイルのひとつ前の世代(暗号化される前のファイル)を取り出して復元することができます。

ランサムウェアに感染しても世代管理されたバックアップにより復元できます

(図)ランサムウェアに感染しても世代管理されたバックアップにより復元できます

どれだけの世代を保存するかによって必要なHDD容量は変わってきます。ランサムウェアの感染に気付くのが1週間ほど遅れた場合を想定すると、毎日バックアップを取るとして7世代程度の履歴差分バックアップが必要となるので、NASの容量の2倍程度の十分なHDD容量を確保しておくと安心です。

設置の自由度が高く難しい設定や操作も不要

NASには、高価で多機能なハイエンドモデルもたくさんありますが、そこまでの機能は必要とせず、衝撃に強いことや静音性、消費電力を重視する商品として「HDL-TASシリーズ」はベストな選択になると思います。導入コストを抑え、専門知識をもった担当者がいなくても手軽に導入・運用でき、軽量・コンパクトなので設置の自由度も高く、小規模な運用をするNASとして最適です。

本体サイズは約43(W)×134(D)×168(H)mm、重さも約630gで、NAS商品の中ではとても軽量・コンパクトな設計です。衝撃や振動にも強いので設置場所を移動することが多い場合や、縦置き・横置きどちらでも使えるので、スペースに合わせた設置がしたい場合にも最適です。

左から、正面(縦置き)、横置きも可能、軽量

(写真)左から、正面(縦置き)、横置きも可能、軽量

標準添付されているのNAS接続アプリ「LAN DISK コネクト」は、LANケーブルを接続してわずか数クリックで「HDL-TAS」シリーズが簡単に使えるようになります。

LAN DISK コネクトのアイコン

(アイコン)LAN DISK コネクト

  • ネットワークにつなぐ

    ①ネットワークにつなぐ

  • 簡単セットアップ

    ②簡単セットアップ

  • 簡単に使える

    ③簡単に使える

(ご参照)「LAN DISK CONNECT」の詳細はこちら

快適に読み書きできる十分な転送速度

衝撃に強い商品と言っても、読み書きに時間がかかるようではストレスになりますね。実際にどれぐらいの転送速度になるか気になりましたのでベンチマークテストをしてみました。

テスト結果は、読み込み速度85.19MB/s(約682Mbps)、書き込み速度71.15MB/s(約569Mbps)となりました。「HDL-TASシリーズ」と無線LANルーターのLANポートがギガビット対応(1Gbps)であることを考えれば十分な転送速度です。数MB程度のオフィス文書などはほぼ瞬間にコピーができます。

ベンチマークソフトによるテスト結果

(キャプチャー)ベンチマークソフトによるテスト結果

測定環境
●使用PC
PC型番 デルXPS 8930
CPU Intel(R)Core(TM) i7-8700 CPU 3.20GHz 3.19GHz
メモリー 16GB
OS Windows 10 HOME 64bit(バージョン1809)
●測定方法
ベンチマークソフト「CrystalDiskMark Ver6.02(×64)を用いて以下の設定にて行った測定値。
・テストデータ:デフォルト(ランダム)
・テストサイズ:1GiB(約1.074GB)
・テスト項目:Seq Q32TI

※測定値はあくまで特定のテスト環境で得られた結果であり、必ずしも全ての動作環境で同様の結果が得られることを保証するものではありません。

SSDの総書き込み容量について

SSDは書き込めるデータ量に上限があり、これを超えると書き込みができなくなります。そのため、本商品の保証期間1年を超えた場合、または保証総書き込み容量に達した場合は保証対象外となります。
※保証総書き込み容量は、HDL-TAS120:50TB/HDL-TAS240:100TB

管理画面に[総書き込み容量]が表示されます

(キャプチャー)管理画面に[総書き込み容量]が表示されます

VPN不要、営業所間でファイルのやりとりができる
無料アプリ「Remote Link Files」

NAS利用をより便利にする機能に「Remote Link 3」があります。無料アプリ「Remote Link Files」を利用すれば、特別なVPN回線を新たに用意しなくても、インターネットを介して簡単に営業所間で共有フォルダのファイルにアクセスできます。

「Remote Link Files」の利用イメージ

(図)「Remote Link Files」の利用イメージ

(ご参照)「Remote Link Files for PC」の詳細はこちら

今回の「HDL-TASシリーズ」は、衝撃・振動に強いSSDを搭載しており、故障の心配も少なく、基本的なNASとして十分な機能を持っています。医療機関や建設現場など衝撃や振動からデータを守るNASが必要な方にとって安心してご利用いただける商品です。受注生産なので、購入をご希望の方は、注文前に納期をお問い合わせください。
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◎関連リンク
SSD搭載NAS「HDL-TASシリーズ」(商品ページ)
SSD搭載NAS「HDL-TASシリーズ」(購入ページ)

本記事の内容については、サポートのお問い合わせ対象外となります。予めご了承ください。

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