換気の目安になる「CO2濃度」を見える化する高精度センサー

（写真）高精度 CO2センサー「UD-CO2S」

（記事公開日：2021年10月18日）

CO2センサーは、新型コロナウイルス感染症のリスク要因の1つである「換気の悪い密閉空間」を改善するために、換気の目安になる「CO2濃度」を見える化してくれます。

昨今は多種多様なCO2センサーが発売されていますが、国立大学法人電気通信大学によると、CO2センサーと謳いながら、CO2濃度を疑似的に表示する測定器が市場に多く出回っている可能性があるとの指摘がありました。

（参考記事）【ニュースリリース 2021年8月10日】安価で粗悪なCO2センサの見分け方～5千円以下の機種、大半が消毒用アルコールに強く反応～国立大学法人電気通信大学

安心して使える高精度CO2センサー

今回ご紹介する高精度 CO2センサー「UD-CO2S」の開発には、国立大学法人電気通信大学の石垣陽特任准教授に携わっていただいております。

（写真）高精度 CO2センサー「UD-CO2S」

「UD-CO2S」は、厚生労働省が「扱いやすい二酸化炭素測定器」として紹介しているNDIR（非分散型赤外線吸収法）方式の中でも高精度に安定した測定ができるとされている、2波長方式のSENSIRION社製センサーを搭載しています。

（参考記事）厚生労働省「冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法」

CO2濃度を正しく測定できているかを簡易的に確認できる方法
～国立電気通信大学　研究チームより～

下記3つのポイントに沿って確認を行うことで、ご利用のCO2センサーが正しく機能しているかを見分けることができます。

① 屋外の新鮮な空気の中で400ppm前後（目安として340～460ppmの範囲）を表示すること。
② センサーに息を吹きかけると測定限界値（UD-CO2Sの場合は1万ppm）になること。
③ 消毒用アルコールを拭きかけた手を近づけてCO2濃度が上昇しないこと（違うガスに反応しない）。

高精度 CO2センサー「UD-CO2S」で実測してみました

「UD-CO2S」を3つのポイントに従って実測していきます。測定用アプリは、あらかじめアイオーのWebサイトからダウンロードしてインストールしておきます。センサー本体をパソコンにつなぐだけで、すぐに利用できます。
アプリ「CO2換気モニター」のダウンロードはこちら

センサー本体のLEDの色、アプリで表示されるCO2濃度の測定値と空気の状態の関係は下表になります。

色	結果	CO2濃度	説明
青	良好	1,000ppm以下	室内の換気状態は良好です。
緑	やや良い	1,000ppm～ 1,500ppm以下	室内の換気状態は良好です。
黄	悪い	1,500ppm～ 2,500ppm以下	ドアや窓を開けて換気をおこなってください。
赤	非常に悪い	2,500ppm～ 3,500ppm以下
紫	極めて悪い	3,500ppm超

（表）センサー本体のLEDの色、アプリで表示されるCO2濃度と空気の状態の関係

（写真）センサー本体のLEDの色が空気の状態で変化する

【A】屋外の測定

最初に、屋外の新鮮な空気のもとで測定しました。測定値は「415ppm」を示し、正常な基準値の範囲内であることが確認できました。数値が正常な範囲に収まっていないセンサーは、換気モニターには使用しないことを推奨します。

（写真）屋外での測定

（表示画面）屋外の測定結果

【B】屋内の測定
強く息を吹きかけてみる

続いて、室内に移動し、壁際の棚に設置して測定しました。息を吹きかける前の屋内の測定値は「534ppm」を示し、良好な値となりました。

（写真）屋内での測定

（表示画面）屋内の測定結果

この状態から、センサーに向かって強く息を吹きかけてみます。「UD-CO2S」の測定限界値「10000ppm」までみるみる上がっていきました。息を吹きかけても反応しないセンサーは、換気モニターには使用しないことを推奨します。

（写真）センサーに強く息を吹きかける

（表示画面）強く息を吹きかけたときの測定結果

【C】消毒用アルコールを拭きかけた手を近づけてみる

最後に、消毒用アルコールを吹きかけた手をセンサーに近づけて測定します。測定値は「545ppm」を染示し、通常状態の「534ppm」からほとんど変わっていません。もし大幅に上昇するセンサーであれば、CO2ではなく他のガスに反応する疑似センサーが使われている可能性が高く、換気モニターには使用しないことを推奨します。