(記事公開日:2022年3月2日)
はじめまして。コザト|koh(コウ)と申します。
何者かについては最後のプロフィール欄を見ていただくとして、今回、ご厚意で発売されてまだ半年の新製品「LCD-GCWF291SXDB」のレビューの機会をいただいたので、使用感について忌憚なく意見を述べていきます。
なお、機能面の深いところ(リフレッシュレートガンマ値等々)については正直よく分からないので無理をせず、おもにテレワークで使用するという観点から、外観を始めとする表面的な使い勝手についてまとめます。
良かったところ | 改善点 |
---|---|
|
|
29インチと聞くとかなり大きくて重そうなイメージだが、本製品は箱から出した瞬間、手に取った瞬間、いい意味で裏切られる。③にも関連するが、高さ調整するための機構が装備されていない分だけ軽く、かつ底辺以外がフレームレスでコンパクトに感じるため、設置時もとても取り扱いやすかった。
唯一、不安だったのはスタンドの装着で、「カチッ」という音がしないことから、本当にしっかりはまったのかが分かりづらかった。
(写真)横幅120cm、奥行き80cmのゲーミングデスクに設置。台座の小ささもあり、圧迫感はない。
大きいは正義!スマートフォンもそうだが、一度画面サイズの大きなものに手を出したが最後、小画面に戻るにはなかなかの覚悟が必要になる。本製品は縦幅こそ1080だが、横幅が2560といわゆる16:9のものより640も広い。
普段、仕事では4~5画面は開いて仕事を行うが、16:9サイズのモニターだとやはりどうしても手狭さを感じてしまうが、プラス640のおかげで窮屈さが軽減される。もし、モニターを2枚あてがわれている会社に勤務している人でも、これ1枚でかなり近しい環境で仕事ができるはずだ。
また、とくにコロナ初年度で在宅勤務にシフトせざるを得なくなった社会人ならなおさあ、在宅勤務にあたってゲーミングデスクを購入する人も多かったはず。しかしながら、会社と同じくらい大きなデスクを手配するのは難しく、ご自宅の環境によっては縦長のものを求められるだろう。
実は我が家もBauhutte社のゲーミングデスクを購入したが、その横幅は120cm。だが、「LCD-GCWF291SXDB」の場合、この机の上においても圧迫感がなく、液晶モニターの薄さとスタンドの小ささから、デスク上がより広く使えるのもメリットだった。
もう一つ、在宅勤務において重要なのは座位との距離だが、70~80cmもあれば全画面を見渡せるため、空間確保が難しい人でもこれならギリギリ横幅の広さの恩恵を得られるだろう。
(写真)横幅2560の恩恵として、こんな使い方もできます(あくまで業務時間外での活用方法です 笑)。
ノートPCより画面が大きい17.3型、軽量1.1kgモバイルモニターで作業効率アップ
以前は、アイ・オー・データ社のLCD-GC242HXB(2019年2月3日発売/実売価格29,700円[税込]前後)を使用していたが、高さ調整機能を持つネック部分がとにかく重かった。さらに、ケーブルを差し替える際、その機能のせいか一度触れると勝手に高さ調整機能が働き、最長位まで伸びるため扱いづらく、ケーブルを差し替えるたびにストレスを感じていた。
「LCD-GCWF291SXDB」は高さ調整機能のない固定型となっているが、その高さは7.3cmと絶妙にいい塩梅。さらに、上下の首振りが可能ため、着座時の目線合わせができるため、高さ機能がないことに関するストレスは一切感じない。
また余談だが、アイ・オー・データ製品でおなじみのスマホスタンドも装備。実は意外と便利だったりするが、あえて苦言を呈するならば、ここにスタンドを設置するなら、モニターからUSB等で給電できるとなお使い勝手は上がるだろうし、カバーが付いているとモノによっては入らないため、カバー付きでも傾きが確保されるような工夫もほしいところだ。
(写真)意外と便利なスマホスタンド。iPadなどのタブレットもサイズ的には設置でき、使い勝手の幅は広い。
ビジネスユースはもちろん、映像編集等にも画面が横長なのは利点の一つ。たとえばAdobe Premier等、映像編集ツールを使用する際、タイムライン用パネルにするのはいい例だ。
しかしながら、一方で色を厳密に扱う作業、印刷物のデータ作成や映像のグレーディングやコンポジット作業などを行うには向いていないため、別のモニターが選択肢になる。ただし、これはあくまでプロユースの話であり、アマチュアのエントリーモデルとしてなら十分に活用が期待できる。
「LCD-GCWF291SXDB」にはDP×1、HDMI×2の入力ポートがあり、それぞれのポートで画面設定が可能だ。自宅ではHDMI1をゲームで、HDMI2を仕事用ノートPCの出力モニターとして使っているが、色味等の設定はもちろん、たとえばゲーム側は画面の比率を1920:1080で設定し、仕事用ノートPCは1080:2560のフルサイズに設定して使用できる。
現在のモニター機器では当たり前の機能かもしれないが、コロナ渦以前はノートPCでの仕事がほとんどだったため、用途に応じて使い分けできる機能には新鮮さを感じている。
4KとフルHDの画面比較!USB Type-C搭載フリースタイルスタンド液晶で比べてみた
これはアイ・オー・データ社のモニター全般にあたることかもしれないが、操作パネル(物理)のボタン位置がガイドのイラストと合っていないことが多く、指で探らないと正しくボタンが押せない。さらに、ボタンを押したときの感触が固く、カーソルの移動速度も遅い。ソフトとハード両面での操作性の向上と、デザインの分かりやすさについてはぜひ改善を要望したい。
(写真)イラストと物理ボタンの位置が感覚的に押しづらいのがシリーズ最大の欠点。いっそ前面に欲しい。
モニターの性能や使い勝手とは関係のない部分で恐縮だが、意外と不便なのが修理時に段ボールが必要なこと。広い収納があれば良いが、29インチというサイズゆえ段ボールもそれなりに大きいため、保存するのが難しい人も多いだろう。せめて保証書と段ボールの型番部分だけ手元に残しておけば修理対応していただけるよう、カスタマーサポートについても改善を求めたい。
ユーザーインターフェースまわりへの不満はあるものの、何より2560:1080という画面の横広さは想像以上に使いやすい。ゲーミングモニターとして作られているので高性能、かつ、高精細なのはもちろんのこと(このあたりは公式サイトをご参照いただきたい)、遅延も極めて少ない。在宅勤務で1画面では物足りなさや窮屈さを感じる人や、普段から2画面を使っていたが自宅だとその環境構築が難しいという人には、価格帯的にもとくにおススメしたい1台だ。
コザト|Koh Twitter:@Kozato_Koh
◎関連リンク
広視野角ADSパネル採用&WFHD解像度対応 29型ゲーミングモニター「GigaCrysta」
「LCD-GCWF291SXDB」
(商品ページ)(購入ページ)
本記事の内容については、サポートのお問い合わせ対象外となります。予めご了承ください。