(写真)モバイル回線も固定回線も使えるM2Mルーター「UD-LT2」
(記事公開日:2022年9月7日)
今回ご紹介する「UD-LT2」は、4G/LTEのモバイル回線と、フレッツ光などの固定回線の両方に対応したM2Mルーターです。M2MはMachine to Machineの略で、主に機器間の通信を行います。M2Mルーターは、デジタルサイネージやネットワークカメラ、機器の遠隔監視や制御用途など、遠隔地や無人拠点での利用に適しています。
また、固定回線が引けない環境のインターネット接続にも最適であり、キャリア各社のSIM(マルチキャリア対応)を使って4G/LTEのモバイル回線により接続ができます。
※動作確認済みSIM一覧はこちら
「UD-LT2」の主な特長は、次のものが挙げられます。
4G/LTEのモバイル回線と、フレッツ光などの固定回線の両方に対応しており(排他利用)、ハイブリッドを活かした回線冗長化が可能です。
NTTドコモ、KDDI、Softbank、楽天モバイル、それに準ずるMVNO各社のSIMに対応しています。
※動作確認済みSIM一覧はこちら
機器や端末への接続方法は、有線接続だけではなく、Wi-Fiでも繋がりますので、離れた場所にあるネットワークカメラなどにもWi-Fiで接続することができます。
I-O DATA Device Management(IDM)に対応していますので、複数台のUD-LT2を一括で状態確認・管理することができ、機器管理にお役立ていただけます。
「UD-ANT2」はUD-LT2用の延長アンテナです。UD-LT2を設置した場所から離れた場所にアンテナを設置することができます。防水・防塵仕様のため屋外に設置することも可能です。「UD-ANT2」の詳細はこちら
(写真)4G/LTEマルチキャリア対応M2Mルーター「UD-LT2」
「UD-LT2」は、サイズが約100(W)×99(D)×23(H)mm、重さが約260gと、とてもコンパクトです。また、添付されている取り付け金具を使えば壁掛けもでき、設置場所にも困りません。
(写真)添付されている壁掛けができる取り付け金具
※壁などに固定するネジは添付していません。別途ご用意ください。
「UD-LT2」は固定回線とバックアップ回線両方に対応しており通信障害時にも対応でき、また自動リカバリ機能(リンクリカバリ)により、遠隔地や無人拠点でも安心してご利用いただけます。主な利用用途をご紹介します。
※BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)は、企業がシステム障害などでも、業務が継続できる方策を用意しておくための計画です。
【リテールテックJAPAN2024】サイネージの丸ごと提案
先日、携帯電話会社の通信障害があり、不便された方も多かったのではないでしょうか。普段は当たり前のように電話をかけたり、インターネットにアクセスできていますが、いざ、「つながらない」となると、こんなにも影響があるものだと、デジタル社会における通信回線の重要性を再認識しました。
携帯電話回線に限らず、インターネット用の光固定回線なども、万が一の障害に備えておく必要があります。そのために、バックアップ回線を用意することで、通信の信頼度が飛躍的に上がります。
「UD-LT2」は、安定したネットワーク構築ができるよう、通信回線や機器に障害が発生した際の代替通信や復旧対策機能を搭載しているので、業務に与える影響を最小限に抑えられます。
通信回線に障害が発生した際に自動で回線を切り替えて、通信を継続させることができます。(有線回線⇔モバイル回線バックアップ)
今さら聞けないバックアップとは?必要性やタイミング、具体的な方法を解説!
本商品に何らかの障害が発生した際にLTEモジュールのリセットや本体の再起動を行い、通信の復旧を試みます。またスケジュール設定することで定期的にリセット・再起動することもできます。
リンクバックアップを設定することにより、メイン回線に障害があった場合、自動的にバックアップ回線へ切り替えることができます。
設定方法の詳細はこちら
それでは、設定方法をご紹介します。初めに、設定画面を開き、必要な設定を行います。その後、リンクバックアップの設定を行います。
「UD-LT2」と設定用パソコンをLANケーブルでつないだら、Webブラウザーで「http://192.168.8.1/」を開きます。
初めて設定画面を開く場合、[ユーザー名]と[パスワード]の両方に「admin」と入力して、[ログイン]をクリックします。
管理者の[ユーザー名]と[パスワード]を設定し、[設定]をクリックします。
リモートメンテナンス等に関する内容を読み、[利用する]または[利用しない]をクリックします。
先ほど設定した管理者の[ユーザー名]と[パスワード]を入力して、[ログイン]をクリックします。
設定画面が開きます。これで初期設定は完了です。
WANポートにつないだONUやモデムの回線を使えるように設定します。設定画面から[ネットワーク設定]→[WAN/LAN]を開き、「動作モード」を[WAN]に設定します。
「接続タイプ」を選び、その他の項目を設定します。
※[固定設定]を選んだ場合は、サブネットマスクと合わせて記入してください。
例:192.168.10.1/24。
[保存]をクリックします。
[ステータス]→[WANステータス]を開き、接続の状態を確認します。
接続タイプごとのステータス判断
● 固定設定 : IPアドレスが設定したとおりになっていれば、正しく設定できています。
● 自動取得 : IPアドレスが表示されていれば、正しく設定できています。
● PPPoE : 「ステータス」が「connected」となっていて、ローカルIPアドレスとリモートIPアドレスが表示されていれば、正しく設定できています。
以上で、WAN回線の設定は完了です。
SIMカードの4G回線を使えるように設定します。SIMカードがセットされていることを確認して、設定画面から[ネットワーク設定]→[4G]を開きます。[追加]ボタンをクリックするとAPN設定の画面が開きます
[設定名]を任意の名前で入力します。
[プリセット]からご利用のSIMカードのサービス名を選びます。
※[プリセット]にご利用のサービス名がない場合は、SIMカード契約時の書類に記載されている「ユーザー名」「パスワード」「APN」を入力してください。
[保存]をクリックし、1分ほど待ちます。
[ステータス]→[4Gステータス]を開き、「4Gステータス」が「接続」となっていることを確認します。
以上で、4G回線の設定は完了です。
設定画面から[ネットワーク設定]→[メイン回線]を開き、[デフォルトルーター]を[WAN]に、[DNS設定]を[自動設定]に設定します。
[保存]をクリックします。
以上で、メイン回線の設定は完了です。
Ping制御をOpenに設定しないと、リンクバックアップが正しく働きません。設定画面から[セキュリティ設定]→[リモートアクセス設定]を開き、[編集]をクリックします。
[Ping]を[Open]に設定します。
[保存]をクリックします。
以上で、Ping制御の設定は完了です。
設定画面から[ネットワーク設定]→[リンクバックアップ]を開き、[追加]をクリックします。
メイン回線の変更トリガーを設定します。
メイン回線からバックアップ回線に切り換える設定(120秒ごとに切り換えチェック)
ルール名:0(メイン回線なので0を入力)
リンクランウェイ:main(メイン回線から切り換えるための設定)
インターフェイス名:WAN
検出IPまたはドメイン:任意のIPアドレスまたはドメイン名を入力(入力したところへリンクテストを実施)
検出間隔:120(120秒間隔でリンクテストを開始)
最大回数:30(成功するまで連続でリンクテストを試行する回数。すべてに失敗で回線を切り換え)
[保存]をクリックします。
[追加]をクリックします。
バックアップ回線の変更トリガーを設定します。
バックアップ回線からメイン回線に切り換える設定(120秒ごとに切り換えチェック)
ルール名:1(バックアップ回線なのでメインの0より後)
リンクランウェイ:backup(バックアップ回線から切り換えるための設定)
インターフェイス名:4G
検出IPまたはドメイン:任意のIPアドレスまたはドメイン名を入力(入力したところへリンクテストを実施)
検出間隔:120(120秒間隔でリンクテストを実施)
最大回数:30(成功するまで連続でリンクテストを試行する回数。すべてに失敗で回線を切り換え)
[保存]をクリックします。
[転送設定]→[NAT]を開き、[追加]をクリックします。
※「MASQ」に4G回線にあたる「modem」は存在しますが、WAN回線が存在しないためにそれを追加する手順です。
[NAT設定]で[MASQ]を選び、[インターフェイス]で[WAN]を選びます。
※ WAN回線の接続タイプが「PPPoE」の場合は、[WAN]の代わりに[vpdnpppoe]を選んでください。
[保存]をクリックします。
「MASQ」の一覧にWAN回線に相当する「eth0」が増えていることを確認します。
※ WAN回線の接続タイプが「PPPoE」の場合は、「eth0」の代わりに「vpdnpppoe」が増えます。
以上で、リンクバックアップの設定は完了です。
障害があったときはバックアップ回線に切り換わります。
(写真)リンクバックアップを設定した状態
テストでは、メイン回線をWAN回線(光固定回線)、バックアップ回線を4G(LTE)回線として設定し、障害を想定してみました。
WAN側のLANケーブルを抜くことにより、回線がつながらない状態を再現し、実際にバックアップ回線となる4G(LTE)回線に切り替わるかを見ました。障害のビフォー・アフターは、接続しているIPアドレスにより確認しました。
今回のリンクバックアップの設定画面をご紹介します。
はじめに、WAN回線(光固定回線)が正常であることを想定して、すべてを接続した状態にしてインターネットアクセスをしてみます。テストでは、ノートパソコンの無線LANはOFFにして、LANケーブルだけで光固定回線に接続しています。
(写真)WAN回線(光固定回線)に接続している状態
この状態でIPアドレスを確認します。普段接続している固定IPアドレスを確認できましたので、間違いなく光固定回線を経由してインターネット接続していることが分かります。
(キャプチャー)光固定回線で接続しているときのIPアドレスを確認
続いて、障害を想定して、「UD-LT2」のWANポートに接続されているLANケーブルを抜きます。この状態では、光固定回線へのルートが切断されてしまうので、通常はインターネット接続ができなくなります。
(写真)WANポートのLANケーブルを抜く
(写真)WAN回線(光固定回線)から切断された状態
この状態で再度IPアドレスを確認します。「UD-LT2」が障害を検知して、自動で4G回線に切り替わりますので、契約したSIMカードで接続されたIPアドレスが表示しているのが分かります。
(キャプチャー)4G回線で接続されているときのIPアドレスを確認
WANポートにLANケーブルを接続し直せば、自動で元の光固定回線での接続に戻ります。
いかがでしたか。「UD-LT2」は、4G/LTEのモバイル回線とフレッツ光などの固定回線の両方がつかえるハイブリッドなM2Mルーターです。いつやってくるか分からない、万が一の回線障害に備え、今から準備する方におすすめです。
◎関連リンク
・マルチキャリア対応 4G/LTE ルーター
「UD-LT2」
(商品ページ)(購入ページ)
本記事の内容については、サポートのお問い合わせ対象外となります。予めご了承ください。