作成日:2021/11/2
突然発生するNASの内蔵HDD故障。
故障は誰もが避けたいものですが、残念ながらどのNASでも起こりうる可能性があります。
故障して欲しくはないけど、日頃の対策は後回しにしてきた・・・と思い当たる方は、ぜひこの機会に確認してみませんか?
既に対策している方も、改めて見直しの参考になれば幸いです。
データのバックアップの重要性は「NASに保存されているデータが失われた場合にどれくらい困るか」という言い方に置き換えることができます。
保存しているデータの種類は、「技術情報」「時間を掛けて作成した資料」「思い出の写真」など様々ですが、主観的に見て失われると困るデータかどうかがバックアップ要否の基準となります。
おそらく、ほとんどの方が失っても良いデータをNASに保存していることは少ないはずです。
そのため、いかにしてデータが失われないようにするかが重要となってきます。
「データを失わないようにする」と聞くと、下記の2つを思い浮かべると思います。
① 故障しないようにする
② 故障しても影響が出ないようにする
このうち①の「故障しないようにする」については、残念ながら現実的ではありません。
誰もが故障して欲しくないと考えますが、故障を回避することはできません。製品の構造や採用する部品次第では故障率を減らすことが可能ですが、ゼロにはなりません。さらに減らすためには高額が必要となります。
また、多くのNASに採用されているHDDは、消耗部品です。使い続けていくうちにいつかは必ず故障するという事実も忘れてはいけない点です。
そうなると、②のように故障は起こるものと考えた上で発生した際にどう対処するかが、現実的な運用となります。その答えが「データのバックアップ」です。
データのバックアップとは、データの保存先のNASとは別のストレージへ同じデータを複製しておくことを言います。別のストレージとは、USBハードディスクや、ネットワーク上の別のNAS、クラウド上のサーバー等を指します。
データが1箇所にしか保存されていない状態はバックアップが無い状態となり、保存先の機器の故障がデータの損失につながる可能性が高い危険な状態です。
「自分は大丈夫だろう」と思っていても、故障する時は故障します。
製品にとって理想的な環境で使用していたとしても、いつかは故障します。
故障だけではなく、誤操作によって思いがけず大事なデータを失ってしまう場合もあります。
弊社ではハードウェア(NAS本体)の保証は行っていますが、保存されたデータは保証していません。そのため、保存したデータはご使用者様の責任において守っていただく必要があります。
不慮の事故などでNASに保存されたデータが消失した際、バックアップがあれば被害を最小限にとどめることができます。NASをご使用の際はぜひバックアップを取っていただき、大切なデータを守りましょう。
【参考ページ】:NASのデータをUSBHDDへバックアップする(LAN DISK H/X/Aシリーズ)
内蔵HDDの故障を知るきっかけはいくつかあります。
<HDD故障を知る主な手段>
HDD故障を知るための手段 | 気がつくタイミング |
---|---|
ランプ状態 | 本体が目に見える場所にある場合、STATUSランプが赤点滅、HDD(カートリッジ)ランプが赤点灯、または、赤点滅していることで異常に気が付きます。正常時はランプが緑点灯になっているため、認識しやすい方法です。 |
液晶パネル表示(液晶パネル搭載モデルのみ) | ランプと同様に、本体が目に見える場所にあれば、液晶パネルから状態を知ることができます。搭載されている機種は限られますが、ランプやブザーより詳しい状態を知ることができます。 |
ブザーが鳴り続けている | 本体が近くに設置されている場合はブザー音でもHDD故障に気が付くことができます。ブザー音が鳴ったらHDDのランプを確認し、故障HDDを特定します。 |
NASへアクセスができない | 製品の使用中、もしくは、使用しようとした際にアクセスできなくなっていることで気が付くケースがあります。HDD故障に限らないため、他の確認方法で原因を特定していきます。 |
メールやNarSuSによる通知 | あらかじめ登録しておいたメールやNarSuSの通知機能・サービスにより、指定したメールアドレスにメールが届くことでHDD故障に気が付く方法です。 設置場所に関わらず状態を知ることが出来るためおすすめの方法です。 |
設定画面や管理ソフトのステータスやログ表示 | 設定画面や管理ソフトからもHDDの状態を確認することができます。 ただし、確認しに行ったタイミングでしか知ることができないため、主にランプやブザー等で異常を知った後に、それらの状態の詳細を確認する方法として使用します。 |
このようにいくつかの手段がありますが、今回は、
・NarSuSからの通知
・本体のランプとブザー
から状態確認する方法をご案内します。
NASに異常を感じたら、データにアクセスが行える場合は、すぐにデータのバックアップを行ってください。
NASの状態を確認している間に状態が悪化する可能性があります。
異常に気付いたタイミングではデータにアクセスできていても、その状態がしばらく続くとは限りません。
後になって「あの時バックアップしておけば・・・」とならないように、すぐにバックアップを行ってください。
毎日バックアップを行っている場合でも、異常に気付いたタイミングで最新のバックアップが無ければ、最新のバックアップを行うか、デスクトップに個別にファイルをコピーするなどして故障に備えてください。
事前にクラウド状態管理サービス「NarSuS」にNASを登録しておくことで、NASに異常が発生した際に通知を受け取る方法です。
本体のSTATUSランプとHDD(カートリッジ)のランプ、ブザー音により、故障HDDを特定することができます。
<LinuxベースOS搭載製品のHDD故障>
※対象製品 LAN DISK H、LAN DISK X、LAN DISK A(2ドライブモデルのみ)
ランプとブザー | 状態 |
---|---|
STATUS(POWER)ランプ | 赤点滅 |
HDD(カートリッジ)ランプ | (故障HDDが)赤点滅 または 消灯 |
ブザー音 | ピッピッ…(鳴り続く) |
<Windows Storage Server搭載製品のHDD故障>
※対象製品LAN DISK Z
ランプとブザー | 状態 |
---|---|
STATUS(POWER)ランプ | 赤点滅 |
HDD(カートリッジ)ランプ | (故障HDDが)赤点灯 |
ブザー音 | ピッピッ、ピッピッ…(鳴り続く) |
HDDの故障が確認できたら、交換用HDDを用意します。
交換用HDDを既に用意してある場合は③に進みます。
一度でも使用したことがある交換用HDDは絶対に使用しないでください。
使用した場合は、交換後のボリューム再構築によって残したいデータの消失する恐れがあります。
交換用HDDの型番は下記のページから確認できます。
製品によって型番が異なるので注意してください。
購入は、普段からお取引のある業者様や、通販サイトよりお買い求めください。
当社直販サイトでも取り扱っております。
最新のバックアップが無い場合は、HDD交換前に改めてバックアップを行います。
最新のバックアップが行った後に、各製品のマニュアルガイドに沿って交換を行います。
再構築が開始されたら、完了するまで待ちます。
取り外した故障HDDは保証期間内の場合は、修理を行っておき、今後別のHDDが故障した際の交換用HDDとして保管しておくことをおすすめします。
再構築の完了前にNASをシャットダウンしてしまうと、次回起動時に最初からやり直しになるため注意してください。
アイ・オー・データ機器 LAN DISK/法人向けNAS サポートセンター
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