(写真)左から、Wi-Fi 6対応ルーター、NAS、MacBook Air
(記事公開日:2021年6月9日)
Macのバックアップ機能である「Time Machine」について、前回は、ポータブルHDDを使う方法をご紹介しました。今回はNAS(ネットワークハードディスク)を使った方法をお話します。
最近では、家庭内でもWi-FiネットワークにNASを接続して、データ共有することも多くなってきました。NASを導入することは、Time Machineによるバックアップ以外にもメリットがあります。
例えば、WindowsとMacが混在する環境や、他のパソコンやスマホとでもデータのやりとりもできるなど、便利に使うことができます。Macを利用する機会が多いデザイン会社では、大切なデザインデータを守るためにも良さそうです。
快適なMac環境にするために、NASは、マルチギガビット(2.5GbE接続)対応の「HDL-AAXシリーズ」、Wi-Fiルーターは、Wi-Fi 6対応で、10GbpsのLANポートを搭載した「WN-DAX3600XR」を使いたいと思います。
構成の全体像は、下図のようになります。NASは、高速な「HDL-AAXシリーズ」をメインにお話します。MacがWi-Fi 6に対応していないとか、1Gbpsのポートしかないお手持ちのWi-Fiルーターを引き続き使いたい方は、初心者向けで導入しやすい「HDL-TAシリーズ」でも良いと思います。
どちらのNASもTime Machine機能に対応していますので、安心してバックアップすることができます。
(全体像)Time MachineでNASにバックアップ
NAS「HDL-AAXシリーズ」は、Wi-Fiルーター「WN-DAX3600XR」の10GbpsのLANポートと有線接続します(カテゴリー5e以上のLANケーブル)。MacBook Airは、「WN-DAX3600XR」とWi-Fi 6接続します。
(写真)左:Wi-Fi 6対応・10Gbps LANポート搭載Wi-Fiルーター「WN-DAX3600XR」
右:マルチギガビット(2.5GbE接続)対応NAS「HDL-AAXシリーズ」
(写真))Wi-Fiルーター「WN-DAX3600XR」の10Gbps LANポート
(写真)NAS「HDL-AAXシリーズ」の2.5Gbps LANポート
(キャプチャー)MacBook AirのWi-Fi仕様
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HDL-AAXシリーズは「AppleShare」パッケージを追加することにより、NASの共有フォルダーへMac からAppleShareネットワーク共有でアクセスできるようになります。
【1】HDL-AAXの管理画面にアクセスし、[システム]をクリックします。
【2】[パッケージ管理]をクリックします。
【3】[追加]をクリックします。
【4】[AppleShare]をチェックし、[追加]をクリックします。
【5】[追加が完了しました。]と表示されるので[一覧]をクリックします。
【6】パッケージ一覧に[AppleShare]が追加されています。[ホーム]に戻り、[共有]をクリックします。
【7】[フォルダー]をクリックします。
【8】[一覧]をクリックします。
【9】共有フォルダー[disk1]の[変更]をクリックします。
【10】[AppleShareネットワーク共有]と[Time Machine機能]をチェックして、[変更]をクリックします。
【11】[disk1の設定を変更しました。]と表示されますので、[一覧]をクリックします。
【12】共有フォルダー[disk1]の基本設定欄に、[AppleShareネットワーク共有]と[Time Machine機能]のアイコンが表示され、有効になっていることが分かります。
HDL-TAシリーズの場合も同様に、管理画面から[AppleShareネットワーク共有]と[Time Machine機能]を有効に設定します。
(キャプチャー)HDL-TAの場合
NASへのアクセスは、アプリ「LAN DISK CONNECT」をインストールすることにより、かんたんにアクセスすることができます。
(Mac画面)LAN DISK CONNECTでNASにかんたんアクセス
Macの[LAN DISK]に「HDL-TAシリーズ」と「HDL-AAXシリーズ」の2台のNASが表示されています。
続いて、Mac側の設定です。Time MachineによるバックアップをNASに保存できるように設定します。
【1】[システム環境設定]から[Time Machine]をクリックします。
【2】Time Machineの設定画面になります。[バックアップディスクを選択]をクリックします。
【3】HDL-AAXシリーズの共有フォルダー[disk1]を選択、[ディスクを使用]をクリックします。
【4】[サーバー(NASのこと)に接続しようといています。]と表示されるので[接続]をクリックします。
【5】HDL-AAXシリーズの[名前(ユーザー名)]と[パスワード]を入力して[接続]をクリックします。
【6】NASの共有フォルダー[disk1]に、すぐに初回のバックアップ作成が始まります。この作業は自動的に進みます。必要に応じて、[バックアップを自動作成][Time Machineをメニューバーに表示]をチェックします。
【7】バックアップ中です。
【8】バックアップが完了しました。
以降のバックアップは、Time MachineによりNASへ保存されます。Time Machineでバックアップしたファイルを復元するには、上部メニューの「時計」アイコンをクリックして、[Time Machineに入る]を選択します。
(キャプチャー)「Time Machineに入る」
Time Machineの画面になるので、右側にある時間軸から復元したい日付と時間を選びます。復元したいファイルを見つけたら、そのファイルを選択して、[復元]ボタンをクリックするだけで簡単に復元できます。
(写真)「Time Machine」の画面
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今回ご紹介したNASが、どれぐらいの転送速度なのかを、ベンチマークソフト(Crystal Disk Mark)を使ってテストしてみました。使用PCなどテスト環境により結果は異なりますので、あくまでも参考としてください。
HDL-TAシリーズ | HDL-AAXシリーズ | |
商品 | ||
容量ラインアップ | 1/2/3/4TB | 1/2/3/4/6/8TB |
読み込み速度 | 最大97MB/s | 最大173.5MB/s |
書き込み速度 | 最大73MB/s | 最大141.1MB/s |
LANインターフェイス | 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T | 2.5GBASE-T/ 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T |
拡張用コネクター | (背面) USB 2.0対応 Aコネクター×1 |
(背面) USB 3.1 Gen 1(USB 3.0)対応 Aコネクター×1 USB 2.0 Aコネクター×1 |
対応OS | Windows/Mac/Android/iOS | |
外形寸法 | 縦置き:約43(W)×134(D)× 168(H)mm (横置きも可能) |
縦置き:約45(W)×139(D)×169(H)mm (横置きも可能) |
質量 | 約1.1kg(HDL-TA1) ~約1.3kg(HDL-TA4) |
約930g(HDL-AAX1) ~約1.3kg(HDL-AAX8) |
(キャプチャー)「HDL-AAXシリーズ」のベンチマークテスト結果
(図)公開されている「HDL-AAXシリーズ」の公称値
(キャプチャー)「HDL-TAシリーズ」のベンチマークテスト結果
(図)公開されている「HDL-TAシリーズ」の公称値
ベンチマーク結果からも分かるように、「HDL-AAXシリーズ」の方が高速転送できます。
今回の測定環境
●使用PC
PC型番 マウスコンピューター LBI856S10H
CPU Intel(R)Core(TM) i7-8565U
メモリー 8GB
OS Windows 10 HOME 64bit
●USBポート
USB 3.2 Gen 2(Type-C)
●測定方法
ベンチマークソフト「CrystalDiskMark Ver7.00」を用いて以下の設定にて行った測定値。
・テストデータ:デフォルト(ランダム)
・テストサイズ:1GiB(約1.074GB)
●接続方法
PCとNASを1対1接続
※HDL-AAXシリーズにおいては、2.5GbE LANアダプター「ETQG-US3」を使用して、PC側のLANポートを2.5GBASE-Tに対応させて測定。
(写真)2.5GbE LANアダプター「ETQG-US3」
※測定値はあくまで特定のテスト環境で得られた結果であり、必ずしも全ての動作環境で同様の結果が得られることを保証するものではありません。
Macユーザーお馴染みの「Time Machine」を、NASを使ってみてはいかがでしょうか。せっかくなら、今後主流となるWi-Fi 6対応ルーター、マルチギガビットNASを使ってみて欲しいと思います。
◎関連リンク
マルチギガビット(2.5GbE)対応 超高速NAS シングルドライブモデル
「HDL-AAXシリーズ」
(商品ページ)(購入ページ)
ネットワーク接続ハードディスク(NAS)
「HDL-TAシリーズ」
(商品ページ)(購入ページ)
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