(写真)モニターやWi-Fiルーターの消費電力を測定
(記事公開日:2022年5月2日)
この数年、コロナ禍によりテレワークが増え、自宅でパソコンや周辺機器の利用時間が増えてきました。それに伴い、電気料金として家計に直結することなので、各ご家庭での節電意識も高まっています。
(写真)高まる節電意識
また、「ブラックアウト」といった言葉もよく耳にします。ブラックアウトは、電力需要が供給を上回り、電力会社の管轄エリア全体で大規模な停電が発生することです。そのような事態になる前に、電力会社や政府から節電の呼びかけがあったりするので、家計以外の面でも節電が注目されています。
ご家庭でよく使用されるパソコン周辺機器として、ノートパソコンをマルチモニター化して作業効率がアップする据え置きモニターやモバイルモニターと、ネット接続に必須のWi-Fiルーターについて消費電力を測定します。
測定には「エコキーパー(EC-05EB)」を使用します。エコキーパーは、接続した電子機器の瞬時電力量(※)をはじめ、使用時間、積算電力量、CO2排出量を簡易的に測定できるものです。使い方はかんたんで、測定したい機器の電源ケーブルとコンセントの間にエコキーパーを挿入するだけです。
(※)エコキーパーで表示される瞬時電力量とは、リアルタイムな消費電力(ワット数)になります。
(写真)「エコキーパー(EC-05EB)」の表示画面
(写真)「エコキーパー(EC-05EB)」の接続端子
今回、瞬時電力量を測定し、電気料金を計算してみました。電気料金は、地域や個別のご契約により様々ですが、料金単価は、全国平均(電力10社平均)26.1円(※)として、1日(24時間)使用した場合と、1年間(365日間)使用した場合の電気料金を算出しました。
(※)2021年10月4日現在、1kWhあたりの割引なしの税込価格。
モニターは一般的に画面が大きくなるほど、消費電力も多くなります。15.6型/21.5型/23.8型でどれぐらいの差があるか確認してみます。アイ・オーのモニターには、設定メニューにより、削減したいW(ワット)数を数値で確認して、「輝度」を自由に設定することができます。
どれくらい消費電力を削減して使いたいかを、自分で数値目標を立てて設定できるので、とても便利な機能です。工場出荷時の輝度設定は80%となっているので、輝度80%のときの消費電力と、輝度40%に抑えたときの消費電力をそれぞれ測定しました。
15.6型モバイルモニター
LCD-CF162XAB-M
21.5型据え置きモニター
LCD-AH221XDB-B
23.8型据え置きモニター
LCD-AH241XDB-B
(写真)比較したモニター3機種
はじめに、15.6型モバイルモニター「LCD-CF162XAB-M」を測定しました。ノートパソコンとはHDMIケーブルで接続し、モバイルモニターの電源ケーブルはエコキーパーを通してコンセントに挿しています。
※LCD-CF162XAB-Mは、Type-Cケーブル1本でパソコンと接続して、給電と表示を同時に行うこともできますが、今回は電源アダプターを使用しています。
(写真)15.6型モバイルモニター「LCD-CF162XAB-M」の測定の様子
(写真)「輝度」80%の場合
輝度を80%にした場合は、消費電力は6Wとなりました。電気料金に換算すると1日3.76円、年間1,372円となります。
(写真)「輝度」40%の場合
削減W数を2Wの目標とするため、輝度を40%に抑えました。実測値は6Wから4Wへと削減されていることが分かります。電気料金に換算すると1日2.51円、年間915円となります。輝度を40%にしたときの画面は多少暗くはなりますが、利用に問題はありません。
(写真)輝度を40%に抑えたときのモニター画面
続いて、21.5型据え置きモニター「LCD-AH221XDB-B」を測定しました。このモデルは、従来モデル※に比べ、消費電力量が約10%ダウンしており、年間消費電力量として、約4.9kWh削減できます。
※LCD-AH221XDB-Aとの比較
(写真)21.5型据え置きモニター「LCD-AH221XDB-B」の測定の様子
(写真)「輝度」80%の場合
輝度を80%にした場合は、消費電力は11Wとなりました。モバイルモニターよりも消費電力が多いことが分かります。電気料金に換算すると1日6.89円、年間2,515円となります。
(写真)「輝度」40%の場合
削減W数を4Wの目標とするため、輝度を40%に抑えました。実測値は11Wから7Wへと削減されていることが分かります。電気料金に換算すると1日4.38円、年間1600円となります。モバイルモニター同様に、輝度を40%にしたときの画面は多少暗くはなりますが、見にくいということはありません。
(写真)輝度を40%に抑えたときのモニター画面
最後に、23.8型据え置きモニター「LCD-AH241XDB-B」を測定しました。このモデルは、従来モデル※に比べ、消費電力量が約8%ダウンしており、年間消費電力量として、約8.3kWh削減できます。
※LCD-AH241XDB-Aとの比較
(写真)23.8型据え置きモニター「LCD-AH241XDB-B」の輝度を80%→40%に抑える
(写真)左:輝度80% 右:輝度40%
輝度を80%にした場合は、消費電力は14Wとなりました。今回のモニターの中では消費電力が一番多いことが分かります。電気料金に換算すると1日8.77円、年間3,201円となります。
削減W数を6Wの目標とするため、輝度を40%に抑えた場合は、8Wとなりました。電気料金に換算すると1日5.01円、年間1829円となります。
(写真)輝度を40%に抑えたときの23.8型のモニター画面
モニターの測定結果と電気料金をまとめると次のようになります。電気料金の計算は、1日24時間使った場合なので、1日8時間使う場合は、この金額の1/3とお考え下さい。
15.6型モバイルモニター LCD-CF162XAB-M |
21.5型据え置きモニター LCD-AH221XDB-B |
23.8型据え置きモニター LCD-AH241XDB-B |
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輝 度 80 % |
W数 | 6W | 11W | 14W |
1日の電気料金 | 3.76円 | 6.89円 | 8.77円 | |
1年の電気料金 | 1372円 | 2515円 | 3201円 | |
輝 度 40 % |
W数 | 4W | 7W | 8W |
1日の電気料金 | 2.51円 | 4.38円 | 5.01円 | |
1年の電気料金 | 915円 | 1600円 | 1829円 |
測定結果から分かることは、画面サイズが大きくなると消費電力も多くなります。また、輝度を抑えれば、その分だけ消費電力も抑えられました。部屋の明るさや設置場所に合わせて輝度を押さえれば、節電でき、目にかかる負担も軽減することができます。
Wi-Fiルーターはモニターと違い、24時間電源を入れっぱなしの状態で使用しますので、消費電力は気になるところです。Wi-Fiルーターの利用においては、通信方式や接続台数などの使用状況によっても消費電力は変わってきます。今回は、スマホ1台、パソコン2台をWi-Fi接続した状態で測定しました。
比較測定したWi-Fiルーターは下記の3機種で、Wi-Fi規格はWi-Fi 6/Wi-Fi 5、最大伝送速度は2402Mbps/1201Mbps/867Mbpsの違いがあります。
2402Mbps Wi-Fi 6対応Wi-Fiルーター
WN-DAX3600QR
1201Mbps Wi-Fi 6対応Wi-Fiルーター
WN-DAX1800GR
867Mbps Wi-Fi 5対応Wi-Fiルーター
WN-DX1200GR
(写真)比較したWi-Fiルーター3機種
モニターと同様に、Wi-Fiルーターの電源ケーブルはエコキーパーを通してコンセントに挿して測定します。次は3機種の測定の様子と測定値になります
(写真)WN-DAX3600QRの測定の様子と測定値
(写真)WN-DAX1800GRの測定の様子と測定値
(写真)WN-DX1200GRの測定の様子と測定値
Wi-Fiルーターの測定結果と電気料金をまとめると次のようになります。電気料金の計算は、モニターと同様に、1日24時間使った場合と1年間の場合で算出しています。
2402Mbps Wi-Fi 6対応Wi-Fiルーター WN-DAX3600QR |
1201Mbps Wi-Fi 6対応Wi-Fiルーター WN-DAX1800GR |
867Mbps Wi-Fi 5対応Wi-Fiルーター WN-DX1200GR |
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仕様表のW数 | 18W | 11W | 9W |
W数実測値 | 6W | 4W | 3W |
1日の電気料金 | 3.76円 | 2.51円 | 1.88円 |
1年の電気料金 | 1372円 | 915円 | 686円 |
測定結果からは、速いWi-Fiルーターほど消費電力が多いことが分かります。また、各商品の仕様表に記載の目安の数値に比べると実測値は低く、消費電力は少なく済んでいます。
今回、実際に測定してみて、モニターのサイズ・輝度の違いや、Wi-Fiルーターの速度の違いにより、消費電力が変わることが分かりました。家の中には、たくさんのパソコン周辺機器、IoT機器、家電などがありますから、少しずつでも消費電力を減らすための節電意識は、とても大切だと思います。
今回測定はしていませんが、パソコンに接続する外付けHDDやSSDの場合の消費電力の違いについてご紹介します。
HDDは、ディスクを回転させるモーターや読み書きするためのヘッドを機械的に駆動するため、消費電力が大きくなるのに対し、SSDはメモリーに読み書きするため、モーターなどの駆動部が無く、HDDに比べて大幅に消費電力が少なくて済みます。
さらにHDDは、3.5インチが内蔵される据え置き型と、2.5インチが内蔵されるポータブル型がありますが、ポータブル型の方が消費電力は少なくなります。
(イメージ)外付けHDD・SSDの消費電力の比較
【関連リンク】
・15.6型モバイルモニター「LCD-CF162XAB-M」
(商品ページ)(購入ページ)
・21.5型据え置きモニター「LCD-AH221XDB-B」
(商品ページ)(購入ページ)
・23.8型据え置きモニター「LCD-AH241XDB-B」
(商品ページ)(購入ページ)
・867Mbps Wi-Fi 5対応Wi-Fiルーター「WN-DX1200GR」
(商品ページ)(購入ページ)
・1201Mbps Wi-Fi 6対応Wi-Fiルーター「WN-DAX1800GR」
(商品ページ)(購入ページ)
2402Mbps Wi-Fi 6対応Wi-Fiルーター「WN-DAX3600QR」
(商品ページ)(購入ページ)
本記事の内容については、サポートのお問い合わせ対象外となります。予めご了承ください。