(写真)省電力モード付きNAS
(記事公開日:2022年7月22日)
先日、東京電力管内にて「電力需給ひっ迫注意報」が発令されたことは記憶に新しいところです。各オフィスや各家庭では、エアコン利用などをはじめとして節電協力を依頼された方も多いと思います。
今年の夏は平年より厳しい暑さと予想され、まだまだ全国的に節電対策が必要となってきます。さらに冬に向けても引き続き節電意識を持っていく必要があります。
I-O DATA MAGAZINEでは、モニター篇として、削減したい消費電力W(ワット)数を確認して「輝度」を設定する方法をご紹介しましたが、今回はNAS(ネットワークハードディスク)の節電対策をご紹介します。
NASは、オフィスや家庭でファイル共有できるストレージとして便利に使えます。NASも毎日使う機器ですから、使用する時間帯を考えることにより、節電につながります。
アイ・オーの省電力モード付きランディスク(Linuxベース OSモデル)
アイ・オーのNAS(ランディスク)には省電力モードが搭載されており、設定を有効にすることで、社員が全員帰宅した後など、一定時間NASにアクセスが無い場合、自動的に省電力モードに移行し、ハードディスクがスタンバイ状態となることで、消費電力を大きく抑えます。
また、機器の起動・終了をスケジュール設定することでさらに電力を節約できます。
型番 | 消費電力 | ||
---|---|---|---|
最大 | 平均 | スタンバイ時 (省電力モード) |
|
HDL4-XA4 HDL4-XA8 HDL4-XA16 HDL4-XA32 |
110W | 55W | 18W |
HDL4-HA4EX HDL4-HA8EX HDL4-HA16EX HDL4-HA32EX |
144W | 93W | 24W |
HDL6-HA6 HDL6-HA12 HDL6-HA24 HDL6-HA36 HDL6-HA48 |
144W | 93W | 24W |
(写真)4ドライブNAS「HDL4-XA4」
HDL-XA4の管理画面から、スケジュール設定や省電力設定を行うことができます。HDL-XAシリーズは、通常状態の消費電力が55W(Typ)、省電力モード時の消費電力が18W(Typ)になります。
(キャプチャー)「HDL4-XA4」の管理画面ホーム
[システム]アイコンをクリックします。
(キャプチャー)[システム]画面
[電源]アイコンをクリックします。
(キャプチャー)[電源]画面
[電源]メニューの[スケジュール設定]と[省電力設定]を行います。まずは、[スケジュール設定]アイコンをクリックします。
(キャプチャー)[スケジュール設定]画面
[スケジュール設定]では、曜日ごとに起動・終了する時刻設定します。設定例は、朝8時に起動、夜8時に終了する設定にしています。
(キャプチャー)[省電力設定]画面
[省電力設定]では、一定時間NASにアクセスが無い場合、自動的に省電力モードに移行し、スタンバイ状態になります。
1人暮らし・集合住宅の一般家庭の1ヶ月の電力消費は186kWh(※1)とされており、1日では6.2kWhとなります。
消費電力(1ヶ月) | 186kWh/月 ※1 |
---|---|
消費電力(1日) | 6.2kWh/日 |
平均単価 | 【1】27円/kWh ※2 |
※1 出典:東京都環境局公式サイト(1人暮らし・集合住宅の場合)
※2 出典:全国家庭電気製品公正取引協議会「新電力料金目安単価」
1ヶ月で33.6%節電できる
夜8時から翌朝8時までの12時間を省電力モードにすることで1ヶ月当たりの電力消費量は、39.6kWhから、26.28kWhと、13.32kWh(約33.6%)の節約が可能です。下記は、試算の表になります。
通常時 | 【2】55W(Typ) |
スタンバイ時 | 【3】18W(Typ) |
スタンバイ時間 (夜8時~朝8時) |
【4】12時間 |
通常運用(1ヶ月) | 【5】39.6kWh | (【2】×24h×30日)/1,000 | |
省電力運用で 節電できる電力 |
1日 | 【6】0.444kWh節電 | ((【2】-【3】)×【4】)/1,000 |
1ヶ月 | 【7】13.32kWh節電 | 【6】×30 | |
省電力運用(1ヶ月) | 26.28kWh | 【5】-【7】 | |
1ヶ月節電率 | 33.6% | 【7】/【5】 | |
節約金額(1ヶ月) | 約360円節約/月 | 【1】×【7】 |
参考までに、節電した場合の節約できる金額も算出してみました。電気料金や契約内容は電力会社によって異なりますが、全国家庭電気製品公正取引協議会が「新電力料金目安単価」として示している価格は、1kWhあたり27円(税込)です。
NAS「HDL-XA4」1台を1ヶ月間省電力モードで運用することで、13.32kWh節電でき、通常運用に比べ33.6%節電できることが分かります。電気料金にすると1ヶ月で約360円、1年で約4,320円の節約になります。
1人暮らし・集合住宅の一般家庭の2日分に相当する電力量を節約することが可能となります。「電力需給ひっ迫注意報」に備えることにより、社会貢献はもちろん、会社の経費削減にもつながります。
(写真)夜間はスタンバイ
(写真)節電できるアイ・オーのNAS
◎関連リンク
・法人・企業向けNAS(Linuxベース OSモデル)
(イメージ)どこでも誰にでも起こりえる災害
台風シーズンも近くなり、突然の停電はどこでも誰にでも起こりえます。台風以外にも地震や豪雨、洪水、落雷など、災害によりいつ停電になるか分かりません。
停電による予期せぬ強制電源断による装置故障やデータ消失に備えて、UPS(Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)の併用をおすすめします。
UPSは、内蔵バッテリーを搭載したコンセント付きの装置です。簡単に言えば、コンセントがついた大容量のモバイルバッテリーのようなものです。
UPSが無い場合、停電時にはNASやPCの電源が切れ、データ損失や機器の破損の原因になります。
一方、UPSがある場合、停電時でもUPSが内蔵しているバッテリーへの動作に切り替わることで、しばらくの間、UPSに接続した機器は停電の影響を受けずに済みます。その間に作業中のファイルを保存し、NASに対して安全なシャットダウンを行うことができます。
もし、停電時にNASの近くに人がおらずNASに対して安全なシャットダウンが行えなくても、「バッテリー残量の低下」や「停電検出後の経過時間」の条件により、UPSがNASへ自動的に安全なシャットダウンを行うように信号を送信します。
また、UPSは、雷サージ保護機能※が搭載されているため、UPSに接続した機器は雷サージから保護することができます。
※UPSに接続した場合でも雷サージによる影響を受ける場合があります。また、LANケーブルや大気中から侵入する雷サージはUPSでは防ぐことはできません。
◎関連リンク
・LAN DISK UPS対応一覧
・(参考記事)落雷が多い季節に備えて準備すること
本記事の内容については、サポートのお問い合わせ対象外となります。予めご了承ください。