【防災の日】NASへの大切なデータ保存!UPS(無停電電源装置)で停電に備える

UPS(OMRON BW55T)とNAS(HDL4-XA4)

(写真)UPS(OMRON BW55T)とNAS(HDL4-XA4)

(記事公開日:2022年8月30日)

9月1日は「防災の日」です。防災の日は、台風、豪雨、落雷、地震、洪水、津波などの災害について、今一度その認識や理解を深め、心構えや備えをするための大切な日です。

企業や家庭において、災害備蓄品をチェックしたり、ハザードマップや避難所を確認したりするなど、いざという時に、自分をはじめ会社の仲間や家族を守るために行動できるようにしたいものです。

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災害に伴い発生することの多いのが停電です。一般家庭ではオール電化の家庭も多くなり、電気の依存度が高く、電気がないと生活ができない状態に陥ります。企業ではインターネットをはじめ、パソコン利用やデータ保存など、ITによる業務処理が当たり前となっています。

お住まいの地域により、停電の機会や規模もさまざまですが、全国平均では、統計データによると2020年度の1軒当たりの年間停電回数0.17回、停電時間は27分です。日本は停電が少ない世界トップ水準の信頼性があると言われていますが、それでも、統計上は6年に1回ぐらいの割合で停電を経験することになります。

表は右にスクロールできます。
1軒当たりの年間停電回数と停電時間
年度 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
停電回数
(回)
0.94 0.22 0.18 0.16 0.16 0.13 0.18 0.14 0.31 0.23 0.17
停電時間
(分)
514 79 37 16 20 21 25 16 225 85 27

(出典)電気事業連合会 電気事業のデータベース(INFOBASE 2021)

2010年度は東日本大震災、2018年度は大阪北部地震、7月豪雨、台風21号、北海道胆振東部地震の影響により、大規模・長時間停電がありました。ニュース報道で周知のとおり、家庭も企業も甚大な被害が出てしまいます。

停電の発生原因(2020年度)

(出典)電気事業連合会 電気事業のデータベース(INFOBASE 2021)

停電の発生原因としては、風雨・水害27%、雷9%、地震・山崩れ・雪崩2%、氷雪7%、火災1%と、災害に伴う停電が46%を占めます。

ゲリラ豪雨や線状降水帯という言葉を最近よく耳にしますが、台風や地震以外でも、大規模な災害につながることが増えてきています。いつ自分に起こるか分からない災害に対して備えることは、とても大切なことです。

中でも企業においては、データをしっかり守ることが重要になってきます。データ消失となれば業務ができなくなってしまうと言っても過言ではありません。そのためのBCP(※)対策も考えなければなりません。
※BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)は、企業がシステム障害などでも、業務が継続できる方策を用意しておくための計画です。

データ保存・共有に便利なNAS

NASでデータ保存

(写真)NASでデータ保存

NASは、オフィスでも家庭でもデータ共有できるストレージとして便利に使えます。このNASも電源があってこそ稼働できる機器ですから、いざ停電になってしまったらストップしてしまいます。停電の場合、いきなり電源が切れてしまうので、データ損傷や消失の可能性も高くなります。

そこで、停電時でも安全に自動シャットダウンして、NASのデータを守るために、UPSと組み合わせて利用するのがおすすめです。

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万が一の停電時もUPSでNASを守る

NASのデータをしっかり守る

(イメージ)NASのデータをしっかり守る

台風シーズンは、豪雨も多くなり、突然の停電はどこでも誰にでも起こりえます。台風以外にも地震や落雷など、災害によりいつ停電になるか分かりません。

UPS(Uninterruptible Power Supply)は無停電電源装置のことで、強制電源断による装置故障やデータ消失に備え、バックアップ電源として機能します。内蔵バッテリーを搭載したコンセント付きの装置で、簡単に言えば、コンセントがついた大容量のモバイルバッテリーです。

UPSが無い場合

UPSが無い場合、商用電源だけでNASやパソコン、外付けHDDなどを稼働していますから、停電の場合は即強制停止されてしまい、機器の損傷、データ消失の確率が高くなります。

UPSがある場合

一方、UPSがある場合、停電により商用電源が断たれてしまっても、無瞬断または短時間(約10ms程度)でUPSのバッテリーから電力が供給され、その間にNASやパソコン、外付けHDDを正常にシャットダウンすることで、機器の損傷、データ消失から守ることができます。

導入しやすい「OMRON BWシリーズ」

UPS(OMRON BW55T)とNAS(HDL4-XA4)

(写真)UPS(OMRON BW55T)とNAS(HDL4-XA4)

「OMRON BWシリーズ」は、商用電源をそのまま利用できる「常時商用給電方式」であり、小型・軽量で比較的安価なので、導入しやすいモデルです。
※「OMRON BWシリーズ」の切り替え時間は約10ms以内(無瞬断ではない)ですから、瞬停対応が必要な機器は不可となります。

(参考)アイ・オーのNASに対応したUPS一覧

UPSの選定 【1】UPSの電力供給能力【2】接続機器の合計消費電力【3】UPSのバックアップ時間

UPSの種類によって電力供給能力に違いありますが、選定にあたっては、停電時において、どんな機器をどれぐらいの時間稼働させたいかがポイントとなります。

【1】UPSの電力供給能力 目安として、【2】接続機器の合計消費電力よりも1.2~1.5倍程度の能力を選びましょう。
【2】接続機器の合計消費電力 接続機器の消費電力を合計します。
【3】UPSのバックアップ時間 【2】の合計消費電力に基づき、下表のバックアップ時間を目安にUPSを選択します。
表は右にスクロールできます。
UPS(OMRON BWシリーズ)バックアップ時間の目安(単位:分)
接続機器の合計消費電力
(W)
20 40 60 80 100 150 200 250 300 340 400 500 600 700
BW40T 105 60 36 28 22 13 8 5.4
BW55T 105 60 36 28 22 13 8 5.4 4.5 3.6
BW100T 220 120 84 64 50 32 20 16.5 13 11 8 5 4.5
BW100T 220 120 84 64 50 32 20 16.5 13 11 8 5 4.5 4.2

(出典)OMRON バックアップ時間の目安

今回使用しているNASは「HDL4-XA4」で、平均消費電力は55Wになります。これの1.5倍ぐらいの余裕を見ると82.5Wとなりますから、表の80W欄を参照すると、BW40T、BW55Tで約28分、BW100T、BW120Tで64分の間、バッテリーで電力供給できます。

NAS以外に、デスクトップパソコン(100W想定)、据え置きの外付けHDD(10W想定)も接続したとすると、合計55W+100W+10W=165Wになります。1.5倍で247.5Wですから、表の250W欄を参照すると、BW40T、BW55Tで約5.4分、BW100T、BW120Tで16.5分となります。

今回の選定では、250W以上の電力供給能力と、停電時に正常にシャットダウンさせるための時間として5分程度は必要になります。「BW40T」は電力供給能力が250Wであまり余裕が無いので、「BW55T(電力供給能力が340W )」にしました。みなさんも、ご利用環境に合わせて、商品を選定してください。

NASを安全に自動シャットダウンさせて
重要なデータを守る

自宅やオフィスにいつも誰かが居るとは限りません。留守時に停電になった場合、シャットダウン操作を自分で行うことができません。

でも、ご安心ください。アイ・オーのNASには、UPSと連携して、停電時に自動でシャットダウンする機能があります。しかも、管理画面でかんたんに設定も行えます。

NASの管理画面から設定する方法をご紹介します。

ホーム画面から[システム]を選択

ホーム画面から[システム]を選択します。

システム画面から[電源]を選択

システム画面から[電源]を選択します。

電源画面から[UPS設定]を選択

電源画面から[UPS設定]を選択します。

UPS設定画面で動作を設定

UPS設定画面で、下記の動作を設定し、[適用]をクリックします。

表は右にスクロールできます。
UPS警告 NASとUPSの接続状態を監視し、
状態をSTATUSランプやブザーでお知らせします。
停電後のシャットダウン 停電後にLAN DISKをシャットダウンする時間を設定します。
ここでは、[1分]に設定しています。
ネットワーク
シャットダウン設定
有効 チェックをつけます。
シャットダウンする
LAN DISK名
NASの名前を入力します。
ここでは、[HDL4-XA4]に設定しています。
管理者パスワード HDL4-XA4に設定されているパスワードを入力します。
[情報・ログ表示]-「システム情報」でUPSの欄を確認

ホーム画面から[情報・ログ表示]-「システム情報」でUPSの欄を確認すると正常に設定されていることが確認できます。

実際に模擬的に停電させてみました

通常の状態

(写真)通常の状態

正常に商用電源が供給されている状態から、UPSに接続されている商用電源を切り、模擬的に停電にしました。

停電を想定して、UPSへの商用電源を切った場合

(写真)停電を想定して、UPSへの商用電源を切った場合

UPSは、バッテリー供給に自動で切り替わり、それに連動してNASのステータスランプが赤点滅になると同時に、「ドレミ」のブザー音が鳴り続け、停電を感知しています。(NASにはUPSから電力供給されているので、即強制終了にはなりません。)

自動シャットダウンで安全に停止したNAS

(写真)自動シャットダウンで安全に停止したNAS

管理画面で設定した1分後に、NASが自動シャットダウンモードへと移行し、数分後、正常に停止されました。

今回、万が一の停電になったことを想定して、UPSを使ったNASの安全なシャットダウンができることを確認できました。みなさんもNASが正常に起動できなくなったり、データ消失にならないようにNAS+UPSのセットでご検討ください。

◎関連リンク
NAS(Linuxベース OSモデル)一覧
NAS(Windows OSモデル)一覧
アイ・オーのNASに対応したUPS一覧

本記事の内容については、サポートのお問い合わせ対象外となります。予めご了承ください。

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