(写真)リネームアプリ「命名くん」
(記事公開日:2024年1月26日)
IT・デジタル技術の活用を進めるDX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)は、様々な業界において加速しており、企業やフリーランスの方が競争優位性を確立するために必要不可欠なものとなっています。
DX推進の第一歩として取り組まれるのがペーパーレス化です。ただし、ペーパーレス化と言っても、単に紙の書類をデータ化すればよいというものではありません。日常業務において効果的な運用ができてこそメリットが生まれます。
今回ご紹介するリネームアプリ「命名くん」を使えば、わずらわしいファイル名の変更やファイルの整理が簡単に行え、ペーパーレス化を円滑に進めることができます。
(写真)ペーパーレス化にはさまざまなメリットがある
ペーパーレス化には様々なメリットがあります。以下に代表的な3つのメリットをご紹介します。
1つ目はコストを削減できることです。紙の購入、プリンターのインクやトナーカートリッジの購入など、ペーパーレスであればこれらのコストが削減できます。また、紙を保存・管理するための作業時間を削減できます。
2つ目は紙書類の保管場所の確保が不要になることです。どんどんと増えていく大量の紙書類を保管するためのファイリングキャビネットの設置が不要になるので、そのスペースを削減できます。
3つ目は業務効率が向上することです。データ化された書類は検索や整理が容易で、必要な情報に素早くアクセスできます。これにより業務プロセスが迅速化され、生産性が向上します。
その他のメリットとしては、データ化することによりオンラインでの共有やアクセス権のコントロール、バックアップや復旧がしやすくなります。また、紙の使用が削減され環境への貢献もできます。
これらのメリットにもかかわらず、ペーパーレス化には課題も存在します。どのような課題があるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
(写真)ペーパーレス化しても様々な課題がある
紙書類をペーパーレス化しただけでは効果的な運用はできません。なぜなら、紙書類が減っただけであって、その分のデータ化された電子ファイルが増えていくことになります。これらのファイルがしっかりと整理できなければ、紙書類が机に散らばっているのと一緒なのです。
それぞれのファイルには名前を付ける必要がありますが、これらがバラバラなルールで名付けされていると、「ファイル名がぐちゃぐちゃで探せない」「ファイルを開かないと内容が分からない」「保存したはずのファイルが見つからない」といった事態になりかねません。
(図)ルールが無いバラバラなファイル名は、探せない、内容が分からない、見つからないなどの課題がある
では、命名ルールを決めれば解決するのでしょうか。もちろんルールは重要です。しかし、人が手作業でファイル名を付けるかぎり間違いがあります。間違わないとしても微妙な表記ゆれが生まれます。また、複数の人が行えば間違う確率も高くなります。
そこで課題を解決してくれるのがリネームアプリ「命名くん」です。
(写真)リネームアプリ「命名くん」の画面
「命名くん」は、ファイル名のリネームを支援してくれるとても便利なアプリです。ファイルの内容にあわせてリネームするため、整理・検索が簡単にできて、業務に必要な情報を探す手間を大幅に削減します。
それでは、「命名くん」の機能を4つご紹介しましょう。
まず1つ目は、自動リネームです。「命名くん」は、ファイルの内容を読み取ってファイル名を自動でリネームします。手作業より断然早く、タイプミスによる間違いもありません。
(図)自動リネーム
2つ目は、フォーマットの共通化です。リネームのフォーマットや各項目のマスタ情報は、グループで共有できるため社内の誰がリネームしても揺らぎが発生しません。リネームを完璧にできる人と、間違いやすい人が混在していても大丈夫です。
(図)フォーマットの共通化
3つ目は、画像対応です。紙文書をスキャンしたデータやスマホで撮影した画像も、OCR機能でテキストを読み取ってリネームできます。
(図)画像対応
最後に4つ目は、ファイル検索ツールです。命名くんに付属する検索ツールを利用すれば、リネームしたファイルの保存先を忘れてしまった場合もすぐに見つけられます。
(図)ファイル検索ツール
4つの機能を聞いただけでも、使う前から賢いアプリだということが分かりますね。
(写真)「命名くん」を使ってリネーム作業
「命名くん」はI-O DATAサポートページからダウンロードできます。下記よりダウンロードしてPCにインストールしてください。対応OSはWindows 10/11になります。
「命名くん」には、無料版と有料版の2種類があり、次の違いがあります。
※1 すでに取得済みのアカウントは有料版ご利用の際ご使用いただけます。
※2 国税庁データベースを参照した企業名・法人番号検索を利用する場合はインターネット接続が必要です。
※3 命名くん有料版または電帳法ソリューション対象商品ご購入の場合に限り無料版の機能がサポート対象となります。
(キャプチャー)リネーム前のファイルを選択する
「命名くん」を使ってのリネーム作業で一番感動したのが、自動リネーム機能です。ファイルの内容を読み取って自動入力してくれる賢い機能です。
まず「命名くん」を起動し、画面左に表示されるリネーム前のファイルを選択すると、画面右側にファイルの内容がプレビューされます。続いて[次へ]をクリックすると、ファイルの内容を自動で読み取って、右上にリネーム後のファイル名候補が表示されます。
(キャプチャー)ファイルの内容を読み取って自動入力できる
例えば、発行元が「株式会社アイ・オーデータ機器」、送付先が「めいめい株式会社」の請求書の場合を考えてみましょう。この請求書は「御請求書_めいめい様(2023年11月30日).pdf」といったファイル名でめいめい株式会社に送られています。
すなわちPDFファイルを受け取っためいめい株式会社側は、このファイル名のままでは、どの取引先からの請求書なのかはファイルを開かないと分かりません。
(キャプチャー)送られてきたPDFのファイル名
この請求書の場合、「書類種別」は「請求書」、「取引先名」は「株式会社アイ・オーデータ機器」、「請求金額」が「32,800円」になります。
(キャプチャー)PDFファイルの内容
「命名くん」は、PDFファイルに記載されている「書類種別」「取引先名」「金額」を読み取って、自動でリネーム後のファイル名候補が入力されます。自動入力は、リネームしたい元ファイルを切り替える毎に瞬時に行われます。
(キャプチャー)自動入力されたリネーム後のファイル名候補
「命名くん」の操作画面はPDFファイルの内容も表示できるので、自動入力された内容に間違いないか確認のうえ、あとはカレンダーから日付を選択し[次へ]をクリックして進みます。リネーム後の保存フォルダを指定し、最後に[変更]をクリックしてリネームを実行します。
(キャプチャー)リネーム後の保存フォルダを指定してリネームを実行する
リネーム内容の確認画面が表示されるので、問題なければ[変更する]クリックすると、リネームが完了します。
(キャプチャー)リネーム内容の確認画面
(キャプチャー)リネーム処理が完了する
(キャプチャー)リネームされたPDFのファイル名
「命名くん」の操作画面は、右上の分割画面をクリックするたびに、[二分割画面][四分割画面]を切り替えることもできます。画面が小さなノートPCでは二分割画面で、大きなモニターの場合は四分割画面を利用すると良いと思います。
(キャプチャー)四分割画面
(キャプチャー)[設定]-[アプリケーション全体]の画面
リネームのフォーマットは「命名くん」の肝となる部分です。ここで設定されたルールに基づいてファイル名がリネームされます。上記の設定では「日付_書類種別_取引先_金額.ファイル拡張子」といった具合にリネームされます。
さらに、一番揺らぎが多くなる取引先の会社名は、あらかじめマスタ情報として登録しておくことにより、誰が操作しても同じ表示名にすることが可能です。
(キャプチャー)[設定]-[取引先]の画面
取引先の情報は手動入力で追加できるほか、[取引先名の検索]を利用して入力することもできます。この方法を使うと、国税庁データベースより正確な取引先情報(表示名称、読みがな、正式会社名、所在地、法人番号)を取得することができます。
検索結果が下に表示されますので、左の[選択]をクリックすると取引先情報に自動入力されます。
(キャプチャー)[設定]-[取引先]の画面
(写真)スマホで領収書を撮影
スキャンしたデータやスマホで撮影した写真も、「命名くん」のOCR機能で読み取ることができます。証憑のなかでも領収書は、請求書や見積書などに比べ、まだまだ紙書類のケースが多いので、データ化しリネームする際にはとても便利に使えます。
初期の「命名くん」のリネーム対応ファイル形式はpdfだけでしたが、現在は、pdf、tif、tiff、jpg、jpeg、png、gif、jpe、jfif、heicと多くなっています。
(図)「命名くん」のリネーム対応ファイル形式
実際にコインパーキングの領収書をスマホで撮影し、「命名くん」でリネームしてみました。
(写真)スマホで撮影したコインパーキングの領収書
スマホで撮影した写真は、アルファベットと数字が組み合わせられたファイル名になるので、そのままのファイル名では内容が全く分かりません。「命名くん」でリネームして保存しておけば、ファイル名を見るだけで、いつ、何にいくら使ったかが分かるようになります。
(キャプチャー)スマホで撮影した領収書をリネーム
命名くんを使って定期的に領収書をデータ化しておけば、領収書で財布がパンパンになったり、領収書自体がグシャグシャになることも無くなりますね。
(キャプチャー)「命名くん」のファイル検索画面
「命名くん」はファイル検索機能が充実しています。大量のファイルの中からでも、検索条件を指定することで、効率良く目的のファイルを探すことができます。
検索結果からは、[詳細][保存先][ファイル名]をワンクリックで確認することができるので、とても便利です。それぞれをクリックしたときの画面は次のようになります。
(キャプチャー)[詳細]をクリックして表示される画面
(キャプチャー)[保存先]をクリックすると、該当ファイルが保存されているフォルダを表示する
(キャプチャー)[ファイル名]をクリックすると、ファイル自体が開く
2023年10月1日からインボイス制度が始まりましたが、この開始にあわせて、「命名くん」がバージョンアップし、請求書等に書かれたインボイス登録番号の有効確認をアプリ上からできるようになりました。
※本機能は有料ライセンスをご購入の方のみご利用いただけます。
インボイス制度において、請求書を受け取る側が仕入税額控除を受けるためには、適格請求書の受領時に登録番号を確認することが重要です。しかし、番号の確認を何枚も行うのは非常に手間がかかります。
そこで、バージョンアップした命名くんがこの手間をパパっと解決します。「命名くん」はオンラインで国税庁が公開している情報と照合し、自動で登録番号の有効性を確認できます。これにより、スムーズな業務プロセスと正確な税額控除が実現します。
実際の画面では、次のように、請求書等に書かれたインボイス登録番号を読み取り、国税庁の情報と照合され有効確認の結果が表示されます。
(キャプチャー)インボイス登録番号の有効確認
結果の帯部分をクリックすると、その詳細内容も確認できます。
(キャプチャー)確認結果の詳細
今回、「命名くん」の便利な機能をご紹介しましたが、いかがでしたか。ペーパーレス化にシフトしきれていなかったり、ペーパーレス化をしていても運用に困っている方は、ぜひ使ってみてください。
◎関連リンク
・「命名くん」商品ページ
・「命名くん」無料ダウンロード
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