(写真)Windows 10 IoTモデルのNAS「HDL2-Z10ATBシリーズ」
(記事公開日:2024年3月26日)
前回のマガジンでは、「はじめてのWindowsNAS!コンパクトで設置場所を選ばない」と題して、Windows Server搭載モデルNASをご紹介しました。今回は、普段使い慣れたWindows 10の操作画面で簡単に共有フォルダ―を作成できるWindows 10 IoT搭載モデルNASをご紹介します。
(写真)Windows 10 IoT Enterprise LTSC搭載
「HDL2-Z10ATBシリーズ」は、Windows 10 IoT Enterprise LTSCを搭載したNASであり、安定動作、高いセキュリティ機能、長期サポートなど、信頼性の高いNASとして利用することができます。
LTSC(Long-Term Servicing Channel)バージョンは、Windows 10の長期サポートが提供され、安定性と信頼性が高いことが特長で、NASとしての利用においても、安定した動作が期待できます。本体は、高い保証レベルでの”安心”を実現した、「5年保証」+「データ復旧サービス(最大150万円相当)」が標準添付されています。
5年保証とデータ復旧サービスの詳細はこちら
セキュリティ面も強化されており、定期的なセキュリティアップデートの提供により、重要なデータを保護するのにも役立ちます。また、OS標準のマルウェア対策ソフト「Microsoft Defender」を無償で利用でき、最新の定義ファイルが適用されるので、システムをマルウェアの脅威から守ることができます。
(イメージ)強力なセキュリティ
NASの共有においては、普段から使い慣れたWindows 10の操作画面により、手軽に共有フォルダーを作成できるので、NAS管理者の手間も軽減されます。
(写真)使い慣れた操作でNASを利用できる
そのほか、Microsoftのディレクトリサービス「Active Directory」環境を運用でき、ユーザー、コンピューター、リソースを一元管理でき、ユーザー管理やアクセス制御を効果的に行えるので、オフィスでの利用に適しています。
Active Directoryの詳細はこちら
さらに、本体価格にOSのライセンス費用が含まれており、利用の際にはCAL(Client Access License)が不要なので、低コストで導入できます。クライアント数を増やす場合も追加費用が掛かりません。
※ Active Directory環境下では、Active Directoryサーバーに接続するためのCALの購入が必要です。
以上のような特長を活かし、小規模オフィスやグループでの利用など、同時接続数20名以下の用途に最適なNAS環境を実現できます。
(写真)コンパクトサイズ
「HDL2-Z10ATBシリーズ」は、Windows Server搭載モデル「HDL2-Z22WATBシリーズ」と同様にコンパクト筐体を採用しています。サイズは、約119(W)×218(D)×158(H)mm(ゴム足含む、突起部除く)で、設置場所を選びません。
初回設定マニュアル、LANケーブル、ACアダプター、ACプラグ変換アダプター、電源ケーブルが添付されており、設定するパソコンをネットワーク接続して初期設定を進めます。
(写真)「HDL2-Z10ATBシリーズ」の添付品
(写真)背面の接続
それでは、「HDL2-Z10ATBシリーズ」の設置と初回設定を進めます。はじめに、NAS本体背面の接続を行います。電源端子はACアダプター・電源コードを使って電源コンセントにつなぎます。このとき、電源コードが不意に抜けることを防ぐために、ケーブルフックを通しておきます。LANポートは「HDL2-Z10ATBシリーズ」の場合2ポートありますので、「LANポート1」にLANケーブルを使ってWi-Fiルーターやハブとつなぎます。
以上で接続準備は完了です。続いて本体正面の[POWER]ボタンを押して電源を入れます。
(写真)電源を入れる
[STATUS]ランプが緑点灯するまでしばらく待ちます。緑点灯したらNASの起動が完了したので、パソコンを使って設定を進めます。
(写真)NASの起動完了
(キャプチャー)LAN DISK CONNECTの画面
リモートデスクトップは、同一ネットワーク上のパソコンからNASを操作する場合のログオン方法です。あらかじめ設定操作するパソコンに「LAN DISK CONNECT」をインストールしておきます。
「LAN DISK CONNECT」のダウンロードはこちら
パソコンでLAN DISK CONNECT を起動すると、同一ネットワーク上にある今回のWindows NASが表示されます。このアイコンを選択して[設定画面を開く]をクリックします。
資格情報の入力画面が表示されるので次の資格情報を入力して[OK]をクリックします。
・ユーザー名: administrator
・パスワード: admin(出荷時パスワード)
(キャプチャー)資格情報の入力画面
次の証明書の確認画面が出ますが、そのまま[はい]をクリックして進みます。
(キャプチャー)証明書の確認画面
(キャプチャー)NarSuSの導入画面
NarSuS(ナーサス) は、無料で利用でき、24時間365日、ご利用のNASを見守る安心サービスです。万一トラブルが発生しても、自動的にメールでトラブルをお知らせします。
NarSuS(ナーサス)の詳細はこちら
[NarSuSにはじめて登録]をクリックすると、設定画面が開くので、[NarSuS登録画面を開く] をクリックして進みます。
(キャプチャー)NarSuSの設定画面
Webブラウザーが開き、利用規約画面が表示されるので、内容を確認し、[同意/新規登録]をクリックして進みます。
(キャプチャー)NarSuSの利用規約画面
あとは画面の指示にしたがって、必要事項を入力し登録してください。LAN ポートが複数あるLAN DISK の場合は、「MAC1」のMAC アドレスを入力してください。登録が完了したら、Web ブラウザーを閉じます。
この初期設定は、初回起動時に行う必要最小限の設定になります。下記内容を設定する必要がある場合、あらかじめ設定情報を確認しておきます。
・IPアドレス
・サブネットマスク
・デフォルトゲートウェイ
・DNS サーバー
初めてNASにログオンした際、この画面が表示されますので、[新しいパスワード][新しいパスワードの確認]に、同一の任意のパスワードを入力し、[変更]をクリックします。
(キャプチャー)Administratorのパスワード変更画面
続いて、保証期間の設定画面になるので、[ご購入日]と[保証期間]を選び[変更]をクリックします。入力した保証期間の設定は、実際の保証期間を保証もしくは更新・変更するものではなく、通知のための情報として利用します。
(キャプチャー)保証期間の設定画面
続いて、起動・終了スケジュールの設定画面になるので、希望の設定に変更して[設定]をクリックします。
(キャプチャー)起動・終了スケジュールの設定画面
システムの日時・時刻を正しく設定しておかないとトラブルの元となります。例えば、NASへの接続やファイル保存の際、誤った時間が表示される、予定タスクが誤った時間に実行されるなどが挙げられます。必ず確認しておきましょう。
タスクトレイの時刻をクリックして[日付と時刻の設定]をクリックします。
(キャプチャー)タスクトレイの時刻
日付と時刻の設定画面で[時刻を自動的に設定する]が[オン]になっているか確認します。
(キャプチャー)日付と時刻の設定画面
画面の左下をクリックして表示されるメニューから[コントロールパネル]をクリックします。
(キャプチャー)コントロールパネルを選択
[ネットワークとインターネット]→[ネットワークと共有センター]をクリックします。
(キャプチャー)[ネットワークとインターネット]を選択
(キャプチャー)[ネットワークと共有センター]を選択
[アダプターの設定の変更]をクリックします。
(キャプチャー)[アダプターの設定の変更]を選択
設定するイーサネットを右クリックして、[プロパティ]をクリックします。
(キャプチャー)[イーサネット]を選択
[イーサネット]のプロパティ画面で[インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)]を選び、[プロパティ]をクリックします。
(キャプチャー)[イーサネット]のプロパティ画面
IPアドレス・DNSサーバーのアドレスを確認します。ご利用環境に合わせて、必要に応じて入力し、[OK]をクリックします。
(キャプチャー)IPアドレスとDNSサーバーのアドレスの確認画面
この「コンピューター名」は、今回利用するNASのネットワーク上の表示名になります。画面の左下を右クリックして表示されたメニューの[システム]をクリックします。
(キャプチャー)[システム]を選択
右側「関連設定」内の[このPCの名前を変更(詳細設定)]をクリックします。
(キャプチャー)[このPCの名前を変更(詳細設定)]を選択
システムのプロパティ画面が表示されるので、[変更]をクリックします。
(キャプチャー)[システムのプロパティ]画面
そのままでも構いませんが、必要に応じて設定を変更します。ここでは「ROOM1」という名前に変更します。[OK]をクリックします。
(キャプチャー)[コンピューター名/ドメイン名の変更]画面
このあと、画面の指示にしたがってNASを再起動したら、コンピューター名の変更は完了です。
画面の左下を右クリックして表示されたメニューの[設定]をクリックします。
(キャプチャー)[設定]を選択
[更新とセキュリティ]をクリックします。
(キャプチャー)[更新とセキュリティ]を選択
左メニューの[Windows Update]をクリックします。
更新がある場合は、[更新プログラムのチェック]をクリックして、[インストール]をクリックします。
(キャプチャー)[今すぐインストール]を選択
更新プログラムのダウンロード、インストールが実行されるので、完了までしばらく待ちます。以上で、Windows Updateの実行は完了です。
2ドライブモデルの「HDL2-Z10ATBシリーズ」では、下記のHDD利用の設定が可能です。データ消失リスクの低減を考えると[RAID 1]で2重化した設定をおすすめします。出荷時の設定は[RAID 1]になります。
RAID 1 | すべてのハードディスクに同じデータを同時に書き込むため、万一、一方のハードディスクが故障してもデータは安全に保護されます。 |
---|---|
RAID 0 | すべてのディスクを1つのボリュームとして認識します。データ保護機能はありませんが、大容量と高速性を追求したモードです。 |
マルチディスク | すべてのディスクを別々に認識します。 |
タスクトレイの[ZWS Manager]アイコンをクリックします。
(キャプチャー)[ZWS Manager]を選択
[RAIDステータス]をクリック、[DATA]をクリックします。現在の設定モードと状態が表示されます。画面の場合、出荷時設定の[RAID 1]で正常に動作していることが確認できます。
(キャプチャー)[RAIDステータス]の確認
この画面からRAIDモードを変更することも可能です。その場合、変更したいRAIDモードを選択し[RAIDモード変更]をクリックします。選んだRAIDモードへの変更を開始され、[状態]が再構築中になります。
※ RAID 1へ構築した場合、2TB HDD 搭載モデルで約6時間かかります。
(キャプチャー)[RAIDモード変更]を選択
以上で、初回起動時に行う必要最小限の設定が完了です。
NASの初期設定が完了し、利用できるようになりましたので、続いてフォルダーを共有できるように設定していきます。はじめにアクセスするユーザーを作成します。
画面左下をクリックして表示されるメニューから[コンピューターの管理]をクリックします。
(キャプチャー)[コンピューター管理]を選択
[ローカルユーザーとグループ]をダブルクリックして、[ユーザー]をクリックします。右側のスペースを右クリックして表示されるメニューから[新しいユーザー]をクリックします。
(キャプチャー)[新しいユーザー]の作成
[新しいユーザー]画面が表示されるので、[ユーザー名]、[パスワード]を入力して[作成]をクリックします。他の項目も必要に応じて設定します。
(キャプチャー)[新しいユーザー]の作成
以上で、ユーザーの作成は完了です。複数のユーザーを作成する場合は、この操作を繰り返します。
共有したいフォルダーを作成(ここでは「folder01を作成」)し、フォルダーを右クリックして表示されるメニューから、[アクセスを許可する]→[特定のユーザー]をクリックします。
(キャプチャー)[共有フォルダー]の作成
共有するユーザーを選び、[追加]をクリックします。複数のユーザーを追加する場合は、この操作を繰り返します。
(キャプチャー)共有するユーザーを選択
アクセス許可のレベルを選び、[共有]をクリックします。
(キャプチャー)アクセス許可レベルの選択
[終了]をクリックして共有フォルダーの作成は完了です。
(キャプチャー)共有フォルダーの設定完了
画面左下をクリックして表示されるメニューから[コンピューターの管理]をクリックします。
(キャプチャー)[コンピューター管理]を選択
続いて、[共有]をクリックし、アクセス許可設定をする共有フォルダーを右クリックして表示されるメニューから[プロパティ]をクリックします。
(キャプチャー)共有したいフォルダーの[プロパティ]を選択
フォルダーのプロパティ画面のセキュリティタブにおいて[ユーザー名]を選択し、[詳細設定]をクリックします。
(キャプチャー)フォルダーのプロパティ画面
作成した共有フォルダー「folder01」に対して、各共有ユーザーのアクセス許可設定ができます。設定したら[OK]をクリックします。
(キャプチャー)共有フォルダーのアクセス許可の設定画面
以上で共有設定が完了しました。別のパソコンから作成した共有ユーザー「user01」で共有フォルダー「folder01」にアクセスしてみます。
(写真)作成した共有ユーザーでアクセス
このNASにアクセスする際、ユーザー名とパスワードを求められますので、先ほど設定した共有ユーザー名「user01」とそのパスワードを入力し[OK]をクリックします。
(キャプチャー)作成した共有ユーザーでログイン
正常に共有フォルダーにアクセスできることが確認できました。
(キャプチャー)共有フォルダーにアクセス
(写真)Windows 10 IoT Enterprise LTSC 2021搭載NAS「HDL2-Z10ATBシリーズ」
「HDL2-Z10ATBシリーズ」は、Windowsならではの強力なOS機能と使い慣れたインターフェイスにより、安心できるNASの運用環境を実現します。
◎関連リンク
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