メモリーとSSDでパソコンをアップグレード

左:メモリー 右:外付けSSD

(写真)左:メモリー 右:外付けSSD

(記事公開日:2024年4月2日)

パソコンを長く使っていると、「パソコンの動作がなんだか重たい」「アプリがスムーズに動作しなくなった」などと感じたことはありませんか?

そのようなときは、メモリーやストレージのアップグレードがおすすめです。新しくパソコンを購入するよりも安価で、手軽にパフォーマンスを改善することができます。

メモリーやストレージの役割は何か?

メモリーとストレージ

(イメージ)メモリーとストレージ

パソコンをデスクに例えるなら、イメージのようにCPUは「仕事をする人の頭脳」、メモリーは「デスクの広さ」、ストレージは「デスクの引出し」に例えられます。メモリーはパソコンで処理するデータを一時的に保存しておく場所、ストレージはデータを長期的に保存しておく場所になるわけです。

メモリーをアップグレードするとデスクが広くなり複数の資料を一度に広げられるため、処理速度がアップし作業効率が上がります。また、ストレージをアップグレードすると引出しが大きくなり、データの保存容量を増やすことができます。

使っているパソコンで改善したいことは何か?

パソコンで改善したいこと パソコンで改善したいこと

(イメージ)パソコンで改善したいこと

長い間、同じパソコンを使用していると、性能が低下して一般的に動作が遅くなっていきます。これには理由があります。

1つはアプリの影響によるものです。パソコンにインストールされているアプリが増えると、システムリソースを消費し、パフォーマンスに影響を与えます。

また、OSやアプリの頻繁なUPDATEによって、データの保存箇所が様々な場所に点在する「データの断片化」が起こるため、ランダムアクセスになることからパソコンの動作が重く(遅く)なっていきます。

もう1つは、HDDなどのストレージ容量の不足によるものです。不要なファイルやプログラムが溜まっていくと、ストレージ容量が圧迫され、パソコンの動作が遅くなっていきます。

実はWindowsはCドライブの一部の領域をメモリー外の作業領域として使用するため、一定の空き領域が無いと重くなったり正しく動作しなかったりする要因となります。ストレージ自体も長期間の使用によるハードウェア劣化で性能を低下させてしまいます。

ある程度の時間が経過したパソコンは、新しいハードウェアの導入や、新しいパソコンの購入を検討する必要があるわけですが、メモリーやストレージのアップグレードなら、安価で、手軽にパフォーマンスを改善することができます。

メモリーをアップグレードする

メモリー

(写真)メモリー

メモリーは、主にパソコンの処理速度を高速にする役割を担っています。

「メモリーが少ない=デスクが狭い」とマルチタスクの際に仕事をスムーズに行うことはできません。「メモリーが多い=デスクが広い」とマルチタスクの際にも複数の資料を広げて、仕事を効率的に行うことができます。

メモリーの各部

(写真)メモリーの各部

増設用メモリーは写真のようになっています。各部をご紹介します。

①基板
半導体となるDRAM(Dynamic Random Access Memory)チップや様々な部品が実装される基板です。JEDEC(Joint Electron Device Engineering Council:半導体部品の分野で規格の標準化を行っている業界団体)と言われる規格を準拠した設計になっています。

②DRAMチップ
基板の上に装着されているDRAMのチップで、パソコン用メモリーには複数搭載されています。内部のコンデンサに電荷を蓄えることでデータを記憶し、電源の供給が断たれると情報も失われます。

③ピン数
金属端子部分のピンの数を示しています。ピン数はメモリーの種類と規格によって数が決まっていて、装着するパソコンのメモリースロットのピン数と一致している必要があります。

④切り欠き
メモリーの誤装着を防止する切り込みで、サポートする電源電圧やタイプによってそれぞれ位置が異なります。パソコン側のメモリースロットにもこれに対応する溝があり、異なった仕様のメモリーが誤って装着されないようになっています。

DDR4-3200対応の高速メモリー(上)デスクトップ用(下)ノートパソコン用

(写真)DDR4-3200対応の高速メモリー
(上)デスクトップ用 (下)ノートパソコン用

今回ご紹介する増設メモリーは、DDR4-3200対応の高速DRAMメモリーです。DDR4の中でも転送速度が25.6GB/s(※理論値)と高速なデータ転送が可能です。

下位互換であるDDR4-2666、DDR4-2400、DDR4-2133にも対応しているため、幅広いパソコンで使用できます。また、無期限保証付きなので、万が一の際も安心です。

お使いのパソコンに対応するメモリーを探す

メモリーでよく使われる規格や用語についてもご紹介します。

DDR(Double-Data-Rate:ディーディーアール)
最大動作周波数の違いによって分けられ、「DDR」に続く数字が大きいほど後継規格になります。

表は右にスクロールします。
DDR DDR2 DDR3 DDR4 DDR5
データレート
(MT/s)
200~550 400~1066 800~2133 1600~3200 4400~6400
転送速度
(GB/s)
1.6~4.4 3.2~8.5 6.4~17 12.8~25.6 35.2~51.2
電圧 2.5V 1.8V 1.5V 1.2V 1.1V

DIMM(Dual Inline Memory Module:ディム)
DRAMを搭載したメモリー基板(メモリーモジュール)の規格です。主にデスクトップに使用されます。

S.O.DIMM(Small Outline Dual In-line Memory Module:エスオーディム/ソーディム)
DIMMよりもサイズが小さい基板の規格です。主にノートブック、スリムデスクトップに使用されます。

CL(CAS Latency:シーエル/キャスレイテンシー)
データを読み出すまでにかかる遅延時間のこと。この値が小さいほど高速になります。

ノートパソコンにメモリーを装着する

(写真)ノートパソコンにメモリーを装着する

「パソコンのカバーを開けるなんて無理!」と敬遠されがちなメモリー増設ですが、簡単に出来るモデルも多数あります。パソコンのタイプごとにメモリー増設の手順を動画でご紹介しますので、チャレンジしてみてください。

ノートパソコンの裏をドライバーで開く

(写真)ノートパソコンの裏をドライバーで開く

(動画)ノートパソコン(S.O.DIMM)の場合

(動画)デスクトップ(DIMM)の場合

(ご注意)取り付けを行う際は静電気の放電を行ってから作業を開始してください。

ストレージをアップグレードする

(左)ポータブルSSD(右) スティックSSD

(写真)(左)ポータブルSSD (右)スティックSSD

外付けSSDは、データの保存容量を手軽に増やせるストレージデバイスであり、通常、HDDよりも高速で、軽量・コンパクトです。外付けSSDには「スティックタイプ」と「ポータブルタイプ」があります。

写真は、ポータブルSSD「SSPA-USCシリーズ」とスティックSSD「SSPS-USシリーズ」です。どちらもパソコンにUSB接続するだけて簡単に使い始めることができます。ご利用環境に合わせて、タイプや容量(500GB/1TB/2TB)を選ぶことができ、Windows、Mac、Chromebookなど幅広いPCに対応しています。

特にSSPA-USCシリーズは、汎用性が高いexFATでフォーマットされているため、Macにもそのまま接続して直ぐ使うことが出来ますし、MacとWindowsとのデータ移動にも便利です。

ポータブルSSDは、一般的にポータブルHDDと同じような形状をしていますが、HDDと比べ軽量・コンパクトです。高速な読み書きと大容量の保存が可能です。
(参考記事)シネマカメラ(BMPCC4K)に直接つなげられる高速SSD!長時間録画に最適

パソコンにポータブルタイプSSDを接続

(写真)パソコンにポータブルタイプSSDを接続

スティックタイプのSSDは、一般的にUSBメモリーと同じような形状をしています。ポータブルSSDよりもさらに小型、軽量です。
(参考記事)スティックSSDとUSBメモリーの違いとは?

パソコンにスティックSSDを接続

(写真)パソコンにスティックSSDを接続

どちらのタイプのSSDを選択するかは、ご利用環境によって異なります。どちらも持ち運びにも便利で、高速な読み書きや大容量の保存ができます。

気になる転送速度をそれぞれベンチマークテストしました。

ポータブルSSD「SSPA-USCシリーズ」のベンチマークテスト結果

(キャプチャー)ポータブルSSD「SSPA-USCシリーズ」のベンチマークテスト結果

ポータブルSSD「SSPA-USCシリーズ」は、読み込み、書き込みともに約1000MB/sの速度が出ました。高速なので、ファイルを保存したり開いたりするのに全くストレスを感じません。

スティックSSD「SSPS-USシリーズ」のベンチマークテスト結果

(キャプチャー)スティックSSD「SSPS-USシリーズ」のベンチマークテスト結果

スティックSSD「SSPS-USシリーズ」は、読み込み、書き込みともに約500MB/s前後の速度が出ました。「SSPA-USCシリーズ」には劣りますが、500MB/sあれば充分快適にファイル保存などができます。

測定環境
●使用PC
PC型番 マウスコンピューター LBI856S10H
CPU Intel(R)Core(TM) i7-8565U
メモリー 8GB
OS Windows 10 HOME 64bit
●USBポート
USB 10Gbps(USB 3.2 Gen 2)に接続
※上記のポートはUSB Type-C®コネクターのため、「SSPS-USシリーズ」の測定は、USB Standard-A⇔USB Type-C変換アダプター(別売)で接続
●測定方法
ベンチマークソフト「CrystalDiskMark Ver8.0.4」を用いて以下の設定にて行った測定値。
・テストデータ:デフォルト(ランダム)
・テストサイズ:1GiB(約1.074GB)
・テスト項目:SEQ1M Q8T1

※測定値はあくまで特定のテスト環境で得られた結果であり、必ずしも全ての動作環境で同様の結果が得られることを保証するものではありません。

スペック一覧

増設メモリー
表は右にスクロールします。
デスクトップPC用メモリー
DZ3200-Cシリーズ
ノートPC用メモリー
SDZ3200-Cシリーズ
デスクトップPC用メモリー DZ3200-Cシリーズ ノートPC用メモリー SDZ3200-Cシリーズ
容量 4/8GB
メモリータイプ DDR4 SDRAM
ピン数 288pin DIMM 260pin、S.O.DIMM
メモリー速度 3200MHz(CL=22)
2666MHz(CL=19)
2400MHz(CL=17)
2133MHz(CL=15)
電源電圧定格 VDD=1.2V、VPP=2.5V
外形寸法
(W×D×H)
133.35×4.1×31.25mm 69.6×3.7×30.0mm
質量 約16g 4GB:約7.8g
8GB:約8.2g
外付けSSD
表は右にスクロールします。
スティックSSD
SSPS-USシリーズ
ポータブルSSD
SSPA-USCシリーズ
スティックSSD SSPS-USシリーズ ポータブルSSD SSPA-USCシリーズ
容量 500GB/1TB/2TB
対応OS Chrome OS/Windows 10、11/
macOS 11、12、13、14
Chrome OS/
Windows 8.1、10、11/
macOS 10.14、11、12、13、14/
iOS 17/iPad OS 13~17
コネクター形状 USB Standard-A USB-C®
インターフェイス USB 10Gbps(USB 3.2 Gen2)
フォーマット NTFS exFAT
外形寸法
(W×D×H)
約23.5×68.8×11.3mm
(コネクター収納時、突起部含む)
約46×72×11mm
(突起物含まず)
質量 約13g 約22g
メモリーとSSDでパソコンをアップグレード

(写真)メモリーとSSDでパソコンをアップグレード

新しいパソコンを購入しなくても、メモリーと外付けSSDでパソコンの「重たい」「遅い」を解決できます。パソコン動作を快適にするのにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

◎関連リンク
・デスクトップPC用メモリー「DZ3200-Cシリーズ」
商品ページ)(購入ページ

・ノートパソコン用メモリー「SDZ3200-Cシリーズ」
商品ページ)(購入ページ

・スティックSSD「SSPS-USシリーズ」
商品ページ)(購入ページ

・ポータブルSSD「SSPA-USCシリーズ」
商品ページ)(購入ページ

本記事の内容については、サポートのお問い合わせ対象外となります。予めご了承ください。

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