(写真)左:シングルドライブモデル(HDL-AAXシリーズ) 右:デュアルドライブモデル(HDL2-AAXシリーズ)
(記事公開日:2020年4月6日)
現在、家庭やオフィスのネットワーク環境はギガビットの時代です。その主流も1Gbpsから10Gbpsへ移っていき、無線環境においてもWi-Fiが11ac(Wi-Fi 5)から11ax(Wi-Fi 6)へ、また携帯電話の世界では今年から5Gサービスがスタートするなど注目が集まっています。
(イメージ)1Gbpsから10Gbpsへ
一方、有線LANは1Gbps(1000BASE-T)がまだまだ主流で、そのネットワークにLANケーブルで接続されるNAS(ネットワーク接続型ハードディスク)も、転送速度はそれ以上には上げられません。
そこで登場したのが「マルチギガビットイーサネット技術」です。マルチギガビットイーサネットは現在の有線LAN環境を最低限の変更で、1Gbpsを超える速度を実現することができます。
今回ご紹介するNAS「シングルドライブモデルHDL-AAXシリーズ」「デュアルドライブモデルHDL2-AAXシリーズ」は、個人向けNASとして国内メーカーで初めて(※)「マルチギガビット(2.5GbE)」に対応した商品です。(※)2020年1月22日現在、当社調べ。
(写真)マルチギガビット(2.5GbE)対応のNAS
マルチギガビットイーサネット技術は、既設の1Gbps(カテゴリー5e/6)LANケーブルをそのまま使って、1Gbpsから2.5G/5Gbpsへ速度を上げられる優れた技術です。この規格は「NBASE-T」とも呼ばれ、1Gbps(1000BASE-T)と10Gbps(10GBASE-T)の中間にあたる規格と言えます。
「1Gbpsでは少し物足りないと感じていても、10Gbpsはまだ手軽に購入できる商品価格でもない」といった方にとって、「HDL-AAXシリーズ」「HDL2-AAXシリーズ」は、より高速なNAS利用環境を構築できるピッタリの商品です。家庭ではLAN端子を装備した情報コンセントにつないでいるLANケーブル、オフィスであれば床下や天井に張り巡らされたLANケーブルを張り替える必要がなく、手間もコストもかからないメリットがあります。
早速、NAS「シングルドライブモデルHDL-AAXシリーズ」「デュアルドライブモデルHDL2-AAXシリーズ」の転送速度を計測してみました。まず、シングルドライブモデル「HDL-AAXシリーズ」を測定しました。読み込み速度が171.9MB/s、書き込み速度が137.8MB/s、公開されている公称値とほぼ変わらない速度が出ました。
(キャプチャー)シングルドライブモデル「HDL-AAXシリーズ」の速度測定結果
(図)公開されているシングルドライブモデル「HDL-AAXシリーズ」の公称値 読み込みで173.5MB/S
次に、デュアルドライブモデルを測定してみました。読み込み速度が205.9MB/s、書き込み速度が138.5MB/sと、こちらも公開されている公称値に近い速度が出ました。
(キャプチャー)デュアルドライブモデル「HDL2-AAXシリーズ」の速度測定結果
(図)公開されているデュアルドライブモデル「HDL2-AAXシリーズ」の公称値 読み込みで226.6MB/S
測定環境
●使用PC
PC型番 デルXPS 8930
CPU Intel(R)Core(TM) i7-8700 CPU 3.20GHz 3.19GHz
メモリー 16GB
OS Windows 10 HOME 64bit(バージョン1809)
●測定方法
ベンチマークソフト「CrystalDiskMark Ver6.02(×64)を用いて以下の設定にて行った測定値。
・テストデータ:デフォルト(ランダム)
・テストサイズ:1GiB(約1.074GB)
・テスト項目:Seq Q32TI
●接続方法
PCとNASを1対1接続(HDL2-AAXシリーズはRAID 0設定)
※測定値はあくまで特定のテスト環境で得られた結果であり、必ずしも全ての動作環境で同様の結果が得られることを保証するものではありません。
従来モデルと比べて、読み込み速度がHDL-AAXシリーズで約1.5倍に、HDL2-AAXシリーズで約2倍となり、今までにはない高速環境が個人でも実現できるようになります。
マルチギガビットイーサネット技術で1Gbps以上を実現するためには、LANケーブルは既存のカテゴリー5e/6をそのまま使えますが、PC、スイッチングハブ、NASの各LANポートがマルチギガビットに対応している必要があります。
(図)マルチギガビット対応高速NASの利用イメージ
必要なことを整理すると
① NASのLANポートがマルチギガビット対応の商品にする。
② PCのLANポートをマルチギガビット対応に変換する。
③ 中継するスイッチングハブをマルチギガビット対応の商品にする。
※LANケーブルは既存の1Gbps(カテゴリー5e/6)LANケーブルを使う。
となります。
① NASについて
HDL-AAXシリーズとHDL2-AAXシリーズは、どちらもマルチギガビット2.5GbEに対応しています。
(写真)シングルドライブモデル(HDL-AAXシリーズ) 背面の2.5GbELANポート
(写真)デュアルドライブモデル(HDL2-AAXシリーズ) 背面の2.5GbELANポート
② PCのLANポートについて
マルチギガビットのLANポートを搭載しているPCはまだ少ないと思います。そこで、USB接続で1Gbpsを2.5Gbpsにかんたんに変換できるマルチギガビット有線LANアダプター(別売)を使います。
(写真)マルチギガビット有線LANアダプター
③ 中継するスイッチングハブについて
1Gbps対応のものが主流なので、マルチギガビット対応のものにします。10Gbps対応のスイッチングハブは法人向けの高価な商品が多いですが、マルチギガビット対応のスイッチングハブは、割りあいと手の届く価格で購入できるようになってきました。
①~③を揃えるだけで、家庭でのプライベート利用からテレワーク環境のビジネス利用まで、幅広く高速NASを実現できます。
HDL-AAXシリーズとHDL2-AAXシリーズは、基本的なNASとしての機能も従来モデル同様、とても使いやすい設計となっています。NASの基本機能となる写真や動画など、大容量のデータをシームレスに共有したり、バックアップすることはもちろんのこと、必要な機能を追加できる「パッケージ機能」を搭載し、自分好みにカスタマイズすることで、幅広い用途でご利用いただけます。古いNASからの買い替え時に困りがちな、データの移行がカンタンにできる「データコピー機能」も搭載しています。これらの機能については、下記のI-O DATA MAGAZINEの記事をご参照ください。
(参考)I-O DATA MAGAZINEの記事
また、本シリーズの基本スペックを下表にまとめてみましたので、ご参考にしてください。
シングルドライブモデル HDL-AAXシリーズ |
デュアルドライブモデル HDL2-AAXシリーズ |
|
商品 | ![]() |
![]() |
容量ラインアップ | 1/2/3/4/6/8TB | 2/4/6/8/12/16TB |
読み込み速度 | 最大173.5MB/s | 最大226.6MB/s |
書き込み速度 | 最大141.1MB/s | 最大143.5MB/s |
LANインターフェイス | 2.5GBASE-T/1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T | |
拡張用コネクター | (背面) USB 3.1 Gen 1(USB 3.0)対応 Aコネクター×1 USB 2.0 Aコネクター×1 |
(前面) USB 2.0 Aコネクター×1 (背面) USB 3.1 Gen 1(USB 3.0)対応 Aコネクター×1 USB 2.0 Aコネクター×1 |
対応OS | Windows/Mac/Android/iOS | |
外形寸法 | 縦置き:約45(W)×139(D)×169(H)mm (横置きも可能) |
縦置き:約83(W)×144(D)×185(H)mm |
質量 | 約930g(HDL-AAX1) ~約1.3kg(HDL-AAX8) |
約1.8kg(HDL2-AAX2) ~約2.4kg(HDL2-AAX16) |
主な機能 | 外出からのアクセス/メディアサーバー/クラウドストレージ連携/履歴差分バックアップ/ 他のNASからの簡単移行/ウイルススキャン※/DTCP-IP対応※ |
(※)有償でのご提供になります
テレワークが推奨とされる現在、自宅でも効率よく仕事ができる環境を整えていくことが大切です。ネットワーク環境やNASもそのひとつです。個人の方はもちろんのことSOHOや法人の方も、ぜひ、マルチギガビット対応NASを検討してください。
◎関連リンク
マルチギガビット(2.5GbE)対応 超高速NAS
・シングルドライブモデル(HDL-AAXシリーズ)(商品ページ)(購入ページ)
・デュアルドライブモデル(HDL2-AAXシリーズ)(商品ページ)(購入ページ)
本記事の内容については、サポートのお問い合わせ対象外となります。予めご了承ください。