RAIDってバックアップじゃないの?バックアップ徹底解剖

バックアップとは

NASに保存しているデータの中には、「機密情報・作成資料」「画像や動画」など、消失してしまうと困るデータを保存している方がほとんどではないでしょうか。
データを消失しないためには、バックアップが重要です。
では、NASの冗長化方式を「拡張ボリューム」や「RAID5/6」に設定していたら安心なのでしょうか?
答えは「No」です。
データのバックアップとは、データの保存先と別のストレージへ同じデータを複製(コピー)しておくことを言います。
別のストレージとは、USBハードディスクや、ネットワーク上の別のNAS、クラウド上のサーバー等を指します。

バックアップの例

※バックアップ用途として適したサービスは「クラウドストレージサービス対応表」の「災害対策(BCP対策)用途」をご参考ください。

NASの大切なデータを守るためにバックアップを取りましょう。

ランサムウェア対策

近年、様々な経路でマルウェアに感染し大切なデータが被害に遭う可能性があります。
感染経路が多岐に渡るため、PCやNASにウイルス対策ソフトを導入していても完全に防ぐことはできません。
そのため、NASのデータをパソコンから読み書きできないドライブにバックアップしていただくことで、ランサムウェアの被害を最小限に抑えられます。

拡張ボリュームとRAID

拡張ボリュームの場合

当社が推奨するオリジナルモードです。出荷時設定に採用しています。
ファイル単位で保存するため速度がRAIDよりも優れ、運用中に容量の増設も可能となります。
拡張ボリュームの詳細は下記からもご確認いただけます。

https://www.iodata.jp/ssp/nas/exvolume/

拡張ボリュームではハードディスク2台を1組のペアとして、あえてペア内で稼働時間に差をつけて読み書きするため、ペアが同時に故障する可能性は極めて低くなります。
ただ、万が一ペアのハードディスク2台が故障した場合や、NAS本体の故障時にはデータを読み出せなくなる場合があります。

RAID6の場合

ハードディスク2台分のパリティ(誤り訂正)が保存されているため、ハードディスクが2台同時に故障してもその時点でデータ消失することはありませんが、リビルド中などに3台目が故障するとRAID崩壊となり全てのデータが消失します。

RAID5の場合

ハードディスク1台分のパリティ(誤り訂正)が保存されているため、1台の故障でデータが消失することはありませんが、リビルド中などに別のハードディスクが故障するとRAID崩壊となり全てのデータが消失します。

おもなバックアップの種類

NASからUSBハードディスクへバックアップする

メリット
デメリット
  • すぐに共有を再開できない

NASからNASへバックアップする

メリット
  • ドライブ数の多い大容量NAS同士のバックアップが可能
デメリット
  • 故障した場合すぐに切り換えはできず、設定変更が必要

NASを2台用意してレプリケーション/クローンで同期する

メリット
  • 故障した場合すぐに切り換えができる
デメリット
  • リアルタイムの「同期」のため、データを削除するともう1台のデータも削除されてしまう

※NAS間のバックアップやレプリケーションは、ネットワーク共有のためランサムウェア対策にはなりません。

おすすめバックアップ方法

上記のとおり、即時復旧や世代管理を1つの方法で補うことはできませんが、2つ以上の方法を組み合わせることで、デメリットを解消することができます。

具体的にはNASを2台用意し、クローンやレプリケーションで同期をしながら、定期的にUSBハードディスクへ履歴差分バックアップを取ります。
マスター機の故障時には、スレーブ機に切り替えてすぐにファイル共有の再開ができ、誤って消したデータや、万が一のウイルス感染時にはUSBハードディスクに保存したバックアップデータから復元できます。

また、USBハードディスクへのバックアップを「読み取り専用」にすることで、ランサムウェアなどのウイルス感染からデータを守ることができます。

お客様のバックアップ事情

NASのバックアップ機能は、いちど設定するだけで定期的に自動バックアップをしますので手間はかかりません。
設定後も正常にバックアップが動作し、完了しているかをシステムログやNarSuS等でチェックを行います。
まだバックアップをされていない場合、万が一の故障やデータ消失に備え、今すぐ外付けハードディスクをご用意ください。

外付けハードディスク取り付けの割合

同じLinux NASの2ドライブモデルで、シリーズ別に外付けディスクを設置している割合です。

※USBポートに外付けディスクを取り付けている割合(NarSuS調べ)

バックアップ用ハードディスクの選定方法

バックアップ先として必要な容量は、初回のデータ容量+(追加ファイル容量×履歴数)です。

初回保存データ 1TB
翌日までに追加される想定の容量5GB
履歴数7回※毎日 2TB
1TB+(5GB×7回)=合計1035GBとなります。

フルバックアップの場合は7TB以上必要なのでは?と思われるかもしれませんが、履歴差分バックアップの場合は大容量のハードディスクを用意する必要はありません。

2TBのUSBハードディスクを選定した場合、(2TB(2000GB)-1TB(1000GB))÷5GB=200日
おおよそ200日分のデータを保存することができます。

3TBのUSBハードディスクを選定した場合、(3TB(3000GB)-1TB(1000GB))÷5GB=400日
おおよそ400日分のデータを保存することができます。

そのため、NASの実効容量が1TBならバックアップは2TB、3TBならバックアップは4TB、4TBならバックアップは6TBなど、バックアップ先はワンサイズ上の容量をお選びください。
バックアップ・増設用ハードディスク一覧では、対応確認済みの当社製USBハードディスクが掲載されていますが、「種類がたくさんあってどれを選べばよいかわからない。」という声をよくいただいています。

そこで、実際にお客様で利用されている外付けハードディスクを、ランキング形式でご紹介します。

おすすめの増設・バックアップ用ハードディスク

利用率No.1!!

HDJA-UTRWシリーズ  直販サイト購入ページへ

  • 特徴:高信頼ハードディスク『WD RED』搭載
    安心のハードウェア3年保証
  • 電源内蔵(コンセントまわりがすっきり)※電源内蔵・ACアダプタの比較図
  • NASと同じ高耐久のハードディスクが搭載されたモデルです。
  • バックアップ先であっても、より安心のハードディスクを・・・と、NarSuS登録のお客様の半数以上にこのモデルを利用いただいています。

※ご購入後すぐにご利用いただけるよう、「LAN DISK H、 X、 A」の専用フォーマット済みのHDJA-UTW/LDシリーズもございます。

リーズナブルなスタンダードモデル

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  • 特徴:場所をとらないコンパクトな設計、ファンレスのため静音
  • 予算の関係でお悩みの場合、ひとまずの1台としてHDD-UTをおすすめします。
  • 1TBから8TBまでの6機種をご用意。
  • お求めやすい価格のため色違いで2台用意いただき、日替わりで交互にバックアップ先を変えるお客様もいらっしゃいます。

大容量&2ドライブモデル

HDW-UTシリーズ  直販サイト購入ページへ

  • 特徴:RAID(ミラーリングorストライピング)対応
    NASと同じ高信頼ハードディスク搭載 、ハードディスクの交換もできる
  • より安心を求めてバックアップ先のハードディスクも2台構成にするなど、大容量が必要な場合に最適なモデルです。

バックアップの手順についてはこちら

大事なことなので最後にもう一度・・・。

NASのRAIDや拡張ボリュームだけではバックアップとはいえません。
『別のストレージ』へ二重・三重に保存し、万が一に備えお客様の大切なデータを守ってください。

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