(記事公開日:2024年8月8日)
「大切な写真や書類が一瞬にして消えてしまった……」。そのような悲劇を防ぐためにも、パソコンのバックアップは欠かせません。しかし、バックアップの仕方がよく分からなかったり、億劫に感じたりしている方もいるのではないでしょうか。
実は、Windowsには簡単にバックアップができる機能が標準で備わっています。初心者の方でも、少しの手順を踏めば、問題なくバックアップを取ることができるでしょう。
本記事では、Windows 10/11の標準バックアップ機能の使い方を分かりやすく解説します。バックアップ先としておすすめのNASも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
パソコンの故障やウイルス感染、誤操作によるデータ消失など、予期せぬトラブルはいつ起こるか分かりません。まずは、バックアップの重要性や目的を理解しましょう。特に、サポート終了が迫るWindows 10ユーザーの方は、何らかの対策・準備が必要です。
バックアップは、大切なデータを守るために欠かせません。パソコンの故障やウイルス感染、誤操作によるデータ消失など、予期せぬトラブルはいつ起こるか分からないためです。バックアップさえ取っていれば、失ったデータを復元できます。仕事で使うファイルや思い出の写真など、失うと困るデータは定期的にバックアップしましょう。
なお、バックアップには、システム全体を丸ごとバックアップする方法と、特定のファイルやフォルダーを選んでバックアップする方法があります。
今さら聞けないバックアップとは?必要性やタイミング、具体的な方法を解説!
Windows 10は、2025年10月14日にサポートが終了する予定です。サポート終了後は脆弱性が放置されるリスクがあり、そのまま対策なしに使い続けるのはおすすめしません。たとえば、サポートが切れたOSを狙ったマルウェアに感染し、大切なデータが盗まれたり、壊されたりする可能性があります。
Windows 10を使い続ける場合は、定期的なバックアップが重要になってきます。サポート終了後にトラブルが発生しても、バックアップからデータを復元できれば、被害を最小限に抑えられるでしょう。アップグレードを検討している方も、その前にバックアップを取っておくと安心です。
システムバックアップは、OSやアプリケーション、設定情報など、パソコン全体の状態を丸ごと保存する方法です。一方、ファイルバックアップは、ドキュメントや写真、動画など、必要なファイルだけを選択して保存します。
トラブル時、システムバックアップならパソコン全体を、ファイルバックアップなら選択したファイルを復元できるため、可能であれば両方のバックアップを取っておくことをおすすめします。
パソコンのバックアップ先には、外付けHDD、NAS(ネットワークに接続するハードディスク)、スティックSSD、クラウドストレージなどの選択肢があります。
バックアップ先は、データ量や用途、予算に合わせて選ぶのがポイントです。
ビジネスNAS入門
Windows 10および11には、データを保護しシステムの健全性を維持するためバックアップ機能が標準で搭載されています。この機能を利用することで、予期せぬトラブルやハードウェア障害から大切なデータを守り、迅速な復元が可能となります。
2023年に導入された「Windowsバックアップ」機能は、データ保護をより簡単にする新しいツールです。主な特徴は以下のとおりです。
この機能により、バックアップがより簡単かつ効率的になり、重要なデータを保護できるようになりました。
Windowsの「バックアップの設定」を使用し、外付けHDDやNASなどにバックアップする方法です。重要なファイルやシステムの状態を定期的にバックアップでき、頻度やバックアップ対象のカスタマイズも可能です。
システムイメージの作成とは、コンピューターの全内容を含む完全なバックアップを作成する方法です。オペレーティングシステム、アプリケーション、設定、ユーザーデータなどをイメージファイル化し、外付けHDDやNASなどにコピーします。手動での作業になりますが、システムクラッシュやハードウェア障害が発生した場合でも、完全な状態でコンピューターを復元可能です。
まずは、「Windowsバックアップ」の設定手順を解説します。OneDriveのアカウントがない方は、この機会に作成を検討しするとよいでしょう。
1.OneDriveにサインイン
2.サインインした状態で「スタート」ボタン右の検索窓に「バックアップ」と入力
3.「設定のバックアップと同期」を開く
1.「OneDrive フォルダーを同期しています」という状態になっているか確認
2.問題なければ同項目の「同期の設定を管理する」をクリック
1.「このPCのフォルダーをバックアップする」という内容を確認
2.ドキュメントや写真などバックアップしたい項目のスイッチをオンにする
3.「バックアップの開始」をクリック
1.「OneDrive デスクトップフォルダーをこのPCで使用可能にしますか?」のメッセージを確認
2.問題なければ「使用可能にする」をクリック
これで操作は完了です。
今度はWindows 10での作業手順です。特に複雑な作業は必要ないため、紹介する手順どおりに進めてみてください。
1.OneDriveにサインイン
2.「スタート」メニューから「Windows バックアップ」を選んで起動
1.「PCをバックアップしましょう」のメッセージを確認
2.「フォルダー」をクリックし、ドキュメントや写真などバックアップしたい項目のスイッチをオンにする
これで操作は完了です。
次は「バックアップの設定」の設定手順です。まずはWindows 11から解説します。
1.バックアップ先のメディア(外付けHDDやNASなど)とパソコン本体を接続
2.「スタート」ボタン右の検索窓に「ファイル履歴」と入力
3.コントロールパネルの「ファイル履歴」を選ぶ
1.「ドライブの選択」をクリックして「OK」をクリック
2.バックアップ先のメディアを選び、「OK」をクリック
1.「詳細設定」をクリック
2.「ファイルのコピーを保存する頻度」から任意の頻度を選ぶ
3.「保存されたバージョンを保持する期間」から任意の期間を選ぶ
4.「変更の保存」をクリック
5.コントロールパネルの「ファイル履歴」に戻り「オンにする」をクリック
これで操作は完了です。
Windows 10環境で「バックアップの設定」を行うときは、次の手順で操作します。
1.バックアップ先のメディア(外付けHDDやNASなど)とパソコン本体を接続
2.「スタート」メニューから「更新」と入力
3.「更新プログラムの確認」が表示されたらクリック
1.左カラムにある「バックアップ」を選ぶ
2.「ドライブの追加」下の「その他のオプション」をクリック
3.バックアップオプションへ移動
1.「関連設定」下の「詳細設定の表示」をクリック
2. 「ドライブの選択」をクリックしてバックアップ先のメディアを選ぶ
1.ファイル履歴内の左カラム「詳細設定」をクリック
2.ファイルのコピーを保存する頻度などを決める
これで操作は完了です。
「システムイメージの作成」は少し高度に思えるかもしれませんが、作業手順としては決して難しくありません。Windows 11/10で共通する手順が多いため、2つをまとめて紹介します。
1.バックアップ先のメディア(外付けHDDやNASなど)とパソコン本体を接続
2.「スタート」メニューから「設定」をクリック
Windows 11の場合、「システムとセキュリティ」欄の「バックアップと復元(Windows 7)」をクリックします。
Windows 10の場合、スタートボタン横の検索ボックスに「コントロールパネル」と入力します。「コントロールパネル」が表示されたら次に進みます。
コントロールパネル内にある「システムイメージの作成」をクリックします。
1.「バックアップ」をどこに保存しますか?のメッセージを確認
2.「ハードディスク上」を選び、バックアップ先のメディアを選択、「次へ」をクリック
1.バックアップ内容に問題がなければ「バックアップの開始」をクリック
2.バックアップの開始を確認
1.バックアップ完了
2.「システム修復ディスクを作成しますか?」と表示されたら「はい」をクリック
3.「バックアップは正常に完了しました」と表示されれば完了
手順「2」を「はい」とすることで、万が一の重大なエラーからWindowsを回復させたり、システムイメージからコンピューターイメージを再適用できます。
万が一のことが起こったら、バックアップしたデータを復元しましょう。
「Windowsバックアップ」機能を使用してバックアップしたデータの一部を復元する場合、次の手順で行います。
1.OneDriveを開く(画面右下のタスクバーにあるOneDriveのアイコンをクリック)
2.OneDrive内のメニューから「オンラインで表示」を選択
3.「OneDrive個人用ストレージ」から「サインイン」をクリック
4.Microsoftアカウントでサインイン
5.バックアップしたデータの中から復元したいファイルやフォルダーを選択
6.「ダウンロード」する
全データを復元するシーンは、パソコンを新たに購入したときか、パソコンをリセットしたときだと想定されます。したがって、ここでは初回起動時の手順を紹介します。
1.新しいPCの初期設定を開始する
2.バックアップを作成した際に使用したMicrosoftアカウントでサインイン
3.システムがバックアップから復元可能なデータの一覧を表示する
4.復元可能なデータに問題がなければ「次へ」をクリック
これでバックアップされたフォルダー、アプリ、設定、資格情報が自動的に復元されます。
復元に使用する(バックアップ先として利用した)外部メディアをパソコンに接続し、必要なデータをコピーすれば可能です。
1.バックアップ先として利用した外部メディアをパソコンに接続する
2.スタートメニューを開いて「設定」をクリック
3.「回復」を選び、「PCの起動をカスタマイズする」右の「今すぐ再起動」をクリック
4.再起動後、「オプションの選択」「トラブルシューティング」をクリック
5.「詳細オプション」から 「イメージでシステムを回復」をクリック
6.「システムイメージバックアップの選択」画面が出たら、復元に使うシステムイメージを選び「次へ」をクリック
7.復元内容に問題がなければ「完了」をクリック
8.確認画面で「はい」をクリック
9.「今すぐ再起動する」を選び、コンピューターを再起動させる
10.再起動後、通常の画面が立ち上がれば復元成功
1.バックアップ先として利用した外部メディアをパソコンに接続する
2.検索ボックスに「更新」と入力し「更新プログラムの確認」をクリック
3.「回復」を選び、「PCの起動をカスタマイズする」内の「今すぐ再起動」をクリック
4.再起動後、「オプションの選択」「トラブルシューティング」をクリック
5.「詳細オプション」から 「イメージでシステムを回復」をクリック
6.「イメージでシステムを回復」画面でパスワードを入力、「続行」をクリック
7.「システムイメージバックアップの選択」画面が出たら、復元に使うシステムイメージを選び「次へ」をクリック
8.復元内容に問題がなければ「完了」をクリック
9.「今すぐ再起動する」を選び、コンピューターを再起動させる
10.再起動後、通常の画面が立ち上がれば復元成功
Windowsのバックアップには、バックアップソフトやクラウドストレージを利用する方法があります。それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。
専用のバックアップソフトを使用すれば、柔軟かつ高度なバックアップ設定が可能です。特定のファイルやフォルダーのみをバックアップできるほか、バックアップのスケジュールを細かく設定できることも一般的です。
ただし、ソフトの導入コストがかかる上、設定が難しい場合もあります。バックアップ先の選択肢が限られていたり、復元手順が分かりにくかったりするため、相性の問題も考慮し、慎重に導入する必要があります。
クラウドストレージを利用してバックアップするのもよい方法です。インターネット環境があれば、どこからでもデータにアクセスできるというメリットがあります。また、ハードウェアの故障リスクがなく、大容量のデータを保存できる点も魅力です。
一方で、インターネット回線の速度に依存するため、大容量データのバックアップや復元に時間がかかることがあります。さらに、クラウドサービスの料金体系次第では、長期的にコストが増加する可能性も考えられます。セキュリティ面では、データが外部に保存されるため、事業者の選定に慎重さが求められます。
Windows バックアップを効果的に運用するには、適切な頻度と世代管理が欠かせません。また、バックアップにかかる時間の目安を把握し、失敗した際のトラブルシューティングにも備えておく必要があります。
バックアップの頻度は、データの重要性や更新頻度に応じて決めましょう。一般的には、毎日のバックアップが理想的ですが、最低でも週に1回は行うことをおすすめします。
世代管理については、3世代以上を保持するのが望ましいでしょう。最新のバックアップに加えて、1つ前、2つ前のバックアップも保存しておくことです。こうすることで、万が一最新のバックアップが使えなくなった場合でも、過去のバックアップからデータを復元できる可能性が高くなります。
ただし、バックアップの保存期間が長くなるほど、ストレージの容量を圧迫してしまうので、適切なバランスを見つけることが大切です。
バックアップにかかる時間は、データ量やバックアップ先のメディアの種類、パソコンの仕様などによって大きく異なります。スピーディーに行いたい場合は、高速通信が可能な外部メディアを用意することをおすすめします。初回のバックアップは特に時間がかかりますが、2回目以降は差分バックアップになるため、比較的短時間で完了するのが一般的です。
バックアップ中はパソコンの負荷が高くなるため、他の作業は控えめにしましょう。また、バックアップ中に中断するとデータが破損するおそれがあります。電源の管理にも注意しましょう。
バックアップに失敗した場合は、原因をできるかぎり探りましょう。
意外に多いのが、外部ドライブやメディアに問題があるケースです。単純なセットアップミスも考えられるため、操作が簡単で使いやすいものを選ぶとよいでしょう。
初めてWindowsのバックアップにチャレンジするなら、セットアップから利用まで簡単に使えるNAS「HDL-TAシリーズ」をおすすめします。ネットワーク経由でアクセスするNASに難しさを感じるかもしれませんが、パソコン専用アプリ「LAN DISK CONNECT」を使えば、QRコードを読み込んで設定が可能です。
NASをバックアップ先に選ぶことで、複数の機器からアクセスしたり、社内や家族間でファイルを共有したりできるため、効率的な運用も実現できます。スケジュール機能も簡単に設定でき、指定した曜日や時間、さらに「履歴差分バックアップ」により世代管理も容易です。
初めての方でも迷わず使える!カンタン接続のランディスク「HDL-TAシリーズ」
Windows 11および10のバックアップ・復元手順は、Windowsの標準機能を使って簡単に行えます。OneDriveと連携してクラウド上にバックアップを取る方法もありますが、データ量によっては容量不足になることもあるでしょう。
外部メディアへ安全かつ手軽にバックアップを取るなら、アイ・オー・データのNAS「HDL-TAシリーズ」をおすすめします。初めての方でも簡単に操作でき、容易にバックアップ・復元が可能です。筺体全体に効率よく熱を伝達する「ファンレス設計」により、故障リスクが低いのも強みです。
I-O Knowledgeコラム 編集部では、液晶ディスプレイとHDD&NASのストレージデバイスを中心に、IT業界に関わる基礎知識と最新トレンド情報を選りすぐりでお届けします。
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