イーサネットとは何か?ケーブルの種類や通信速度による違いを解説

(記事公開日:2024年2月29日)

イーサネットとは何か?ケーブルの種類や通信速度による違いを解説

#イーサネット ノートパソコンと複数のケーブル

パソコンなどのデバイスをインターネットに接続するには、ケーブルを使用して正しくデータを送受信する必要があります。その規格のひとつが「イーサネット」です。

スマホやタブレットなど、ワイヤレス接続が可能なデバイスが増えた結果、「イーサネット」といわれてもピンとこない方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、イーサネットとは何か、ケーブルの種類や通信速度による違いなどを解説します。

イーサネットとは?役割と用途

「Computer Network」と表示されたノートパソコン

安定した通信が可能な有線接続は、世界中の企業や家庭で一般的に利用されています。中でも、標準的規格として広く普及している通信規格が「イーサネット」です。

デバイスをネットワークへ接続する際の快適な通信環境を整えるため、役割と用途を把握しておきましょう。

イーサネットとは有線接続の通信規格

イーサネットとは、パソコンのような機器をネットワークに有線接続する際に用いられる代表的な通信規格です。

1970年代前半にXerox社で開発され、現在はネットワーク通信の標準規格として広く普及しています。ケーブルや差込口の形を統一したことで、メーカーの違う機器同士でも簡単に接続できるようになりました。

イーサネットはパソコン以外にも活用されている

イーサネットはパソコンの接続だけでなく、家電や自動車にも採用されています。また、膨大な量のデータを送受信するデータセンターや通信事業者の業務にも欠かせません。

生活をより豊かにする次世代システムの構築には大量のデータ通信が必要なため、幅広い分野でイーサネットの技術が求められています。

イーサネットで使用するケーブルの種類

3本のケーブルを握る右手

イーサネットで使用するケーブルには、「LANケーブル」以外に「光ファイバー」「同軸ケーブル」があります。

それぞれ特徴と用途が異なるため、うまく使い分けるには3つのケーブルについて理解を深めることが重要です。3種類のケーブルにはどのような役割があるか、詳しく見てみましょう。

本体との接続に用いる「LANケーブル」

LANケーブルは、インターネット接続に使うスター型のイーサネットで、社内や家庭内のネットワーク構築に用います。多くの場面で利用されることから、イーサネットとLANケーブルを同義と認識するケースも少なくありません。

他のケーブルと比べて低価格で、素材や長さの違いによる種類が豊富なため、使用環境に適した商品を選びましょう。劣化によりパフォーマンスが低下するため、扱い方や状態に注意が必要です。

高速でデータを送受信できる「光ファイバー」

光ファイバーとは、インターネット回線で使うスター型イーサネットです。ガラスやプラスチックで作られた細い光の伝送路で、この線を束ねたものを光ファイバーケーブルといいます。

光回線は、光ファイバーケーブルを使用したインターネット通信を指し、大容量データの高速通信が可能です。ケーブルの長さによる信号の劣化がなく、通信品質を下げるノイズの影響も受けにくいため、長距離でも安定した通信が行えます。

テレビの信号を流す「同軸ケーブル」

同軸ケーブルとは、イーサネット開発当初に使用されていたバス型のイーサネットです。主に映像や音声の伝達に用いられ、一般的にはアンテナと受信機をつなぐケーブルとして古くから普及しています。

しかし、家庭内ではLANケーブルを使用した接続が主流であるため、日常で目にする機会は多くありません。

銅線を中心に何層も管を重ねた構造で、電磁波の漏れや外部からの影響から守っています。また、ケーブル自体に柔軟性があり、折り曲げた状態でも特性の維持が可能です。

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イーサネットは通信速度によって規格が異なる

赤色と緑色に光る光ファイバー

イーサネットの規格は、通信速度による分類が可能です。「イーサネット」「ファスト・イーサネット」「ギガビット・イーサネット」の3種類で、送受信の速度やデータ量が変わります。利用環境に適した規格を選ぶために、どのような違いがあるか把握しましょう。

イーサネット(10Mbps)

1秒間に送れるデータ量は「bps」で表され、この数値が最大10Mbpsの規格がイーサネットです。10Mbpsは、1秒間に10メガビット相当のデータを送信できることを意味します。

当初は「10BASE5」という同軸ケーブルが用いられ、その後、軽量同軸ケーブル「10BASE2」が登場しました。

ネットワークの接続では、基本的にLANケーブルやツイストペアケーブルを使用します。10Mbpsのイーサネットに対応するツイストペアケーブルは「10BASE-T」です。

ファスト・イーサネット(100Mbps)

ファスト・イーサネットは、データ量が100Mbpsの規格を指します。従来のイーサネットを高速化するために追加され、通信速度はイーサネット(10Mbps)の10倍です。標準化された後は高速化だけでなく、大容量メディアファイルの送受信も快適になりました。

イーサネットのツイストペアケーブル「10BASE-T」と互換性があり、ケーブルを替えるだけで簡単にアップグレードが可能です。光ファイバーケーブル「100BASE-FX」やツイストペアケーブル「100BASE-TX」が広く普及しています。

ギガビット・イーサネット(1,000Mbps)

通信データ量1,000Mbpsの規格が、ギガビット・イーサネットです。現在最も幅広く利用されている規格で、ギガビット単位で通信できる仕様から「1Gbps」とも表記されます。

インターネットの普及や需要増加に伴い、広帯域のネットワークが必要になり、1998年に公式規格になりました。

その後も時代に合わせて進化を続け、2002年に10Gbpsだった速度は、2017年には400Gbpsと高速化が進んでいます。今後の進化が期待される規格です。

イーサネットをネットワーク接続で活用する利点

機器に接続された複数のカラフルなケーブル

Wi-Fiのような無線でネットワークへ接続する場合、デバイスをケーブルでつなぐ必要はありません。配線によるスペースの圧迫がなく、電波の届く範囲であれば接続が可能です。

適応範囲が広い無線接続のほうが優れていると感じるかもしれませんが、弱点もあるため、環境によって使い分けるとよいでしょう。ここでは、イーサネットのような有線接続の利点を紹介します。

通信が安定している

イーサネットはケーブルを用いる有線接続で、安定した通信が可能です。無線通信の場合、外部の電波や障害物の影響を受けやすく、接続が不安定になるおそれがあります。電波の届く距離や周辺環境に気を配らなくてはなりません。

使用環境に左右されない有線接続は、高速通信や大容量データファイルのやりとりに向いています。

セキュリティリスクが低い

イーサネットの接続は、セキュリティ面でも優れています。電波の範囲内で通信する無線通信は、外部の人間に悪用されるリスクがゼロとは言い切れません。

有線接続を利用する際は物理的にケーブルをつなぐ必要があり、不正アクセスが困難です。情報漏えいや不正利用が心配な方は、イーサネットのような有線接続をおすすめします。

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イーサネットがうまくつながらない場合の対処法

赤いノートパソコンの前で首を傾げる女性

イーサネットをはじめとした有線接続は、安定感のある通信が魅力です。しかし、うまく機能せず想定していたパフォーマンスを発揮できない場合もあります。

接続が不安定で速度が遅いのは、何らかの原因により動作不良を起こしているケースがほとんどです。万が一に備えて、つながらない場合の対処法を把握しておきましょう。

機器を再起動する

イーサネットの接続が不安定な場合、機器の再起動を試みましょう。関連するデバイスの電源をネットワークから遠い順番で落とし、ケーブルが正しい箇所に接続されていることを確認します。

問題がなければ、5分ほど時間を空けてからネットワークから近い順に起動し、状態をチェックしましょう。再起動によりソフトウェアが更新され、状態が改善するケースがあります。

接続設定を見直す

特定の端末がつながらない場合、イーサネットの接続設定を見直しましょう。Windows 10 / Windows 11で接続設定を確認する方法は以下のとおりです。

1.コントロールパネルを表示する
2.「ネットワークの状態とタスクの表示」を選択する
3.「アダプターの設定の変更」を選択する
4.イーサネットのプロパティを開く
5.ネットワークタブで接続先を選択する
6.接続先のプロパティでIPアドレスの自動取得を選択する
7.「OK」を選択して設定を保存する

イーサネットが無効になっている場合もあるため、有効にするだけで改善することがあります。

ケーブルや機器を交換する

不具合の原因がケーブルや機器本体にある場合、用途に適した新しい商品に交換しましょう。インターネットに接続するためのモデムやルーター、ケーブルは永久的には使用できず、古くなると通信が不安定になったり通信速度が遅くなったりします。

機器やケーブルは種類が多いため、ネットを利用する人数や環境に合わせて購入する商品を判断しましょう。

高速なイーサネット環境ならアイ・オー・データのNASがおすすめ

木目のある台に乗ったNAS

アクセス人数や取り扱いデータの増加により、通信速度が遅くなるケースは少なくありません。どれだけ高速化に対応したイーサネットを取り入れても、改善できる範囲には限界があります。

もし遅くなる原因がデータ転送元となる機器のネットワーク仕様なら、10GbEの高速通信に対応したNASがおすすめです。ここからは、アイ・オー・データで販売中のNASについて解説します。

10GbEに対応した高機能NASを提供

イーサネットがどれだけ高速通信に対応していても、周辺機器のスペックが足りなければ意味がありません。10GbE環境の構築には、ルーターやケーブルも対応商品にする必要があります。

アイ・オー・データのNAS『LAN DISK』は、10GbEの高速ネットワークに対応した商品です。高剛性フレームが振動を抑制し、縦装着のカートリッジで熱だまりを作りません。あらゆる面からデータ消失のリスクを抑える構造です。

長期保証とデータ復旧サービスが付いている

アイ・オー・データが提供するNAS『LAN DISK』には、5年間の長期保証とデータ復旧サービスが付帯します。遠隔でNASの状態を確認できる「NarSuS(ナーサス)」や有償のセーフティサービスといったサポートも豊富です。

管理者の負担を軽減するだけでなく、万が一の備えも万全にできます。長期間の重要なデータの保存に、アイ・オー・データのNASをぜひご検討ください。

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まとめ

機器に接続された複数のカラフルなケーブル

イーサネットとは、インターネットの接続などに用いる通信規格のひとつです。パソコン以外にも、家電や自動車といったあらゆる分野で活用されています。ケーブルの構造や通信速度によって規格が異なるため、目的や環境に応じた使い分けが必要です。

快適な通信の実現には、周辺環境を整えることも重要です。アイ・オー・データでは、高速通信10GbEに対応したNAS 『LAN DISK』を提供しています。保証やサポートも充実しており、データの長期保存におすすめです。

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