OneDriveファイル共有の手順と注意点!安全性を高めるポイント

(記事公開日:2024年10月4日)

OneDriveファイル共有の手順と注意点!安全性を高めるポイント

#クラウド クラウドとさまざまなデータのイメージ

クラウドストレージサービスの利用が広がる中、ファイル共有の利便性とセキュリティのバランスが課題となっています。機密情報の漏えいや不正アクセスのリスクを抑えつつ、効率的なチームワークを実現するにはどうすればよいでしょうか。

本記事では、ビジネスシーンでの活用が進むMicrosoft OneDriveを取り上げ、安全で効果的なファイル共有の方法とセキュリティ対策のポイントを詳しく解説します。OneDriveの基本から応用までを網羅し、トラブル解決のヒントもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

OneDriveの概要と特徴

クラウドにデータのバックアップを取るイメージ

ここでは、OneDriveの基本的な機能と利用シーンについて解説します。無料プランと有料プランの容量の違いや、ビジネス向けのOneDrive for Businessの特徴も比較します。

さらに、同じくMicrosoft製品のSharePointとの違いと使い分け方についても触れます。OneDriveを活用してファイル管理や共同作業の効率化を図るヒントにしてください。

OneDriveとは何か

OneDriveは、Microsoftが提供するクラウドストレージサービスで、インターネットに接続できる環境であればどこからでもファイルやフォルダーにアクセスできるのが大きな特徴です。

パソコンやスマートフォンなどの端末間でファイルを同期でき、外出先でも最新のファイルを閲覧・編集できます。また、他のユーザーとファイルを共有することも可能で、チームでの共同作業やファイル受け渡しにも活用されています。

ビジネスシーンでの利用に適したプランもあり、用途に応じて選択できます。

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OneDriveの料金プランと容量

OneDriveの料金プランは、個人向けと法人向けに分かれています。個人向けの無料プランでは5GBの容量が提供され、有料プランのMicrosoft 365 Personalでは1TBの容量が利用できます。

一方、法人向けプランのOneDrive for Businessでは、プランによって1ユーザーあたり1TBから無制限の容量が提供されます。また、法人向けプランではセキュリティ機能や管理機能が強化されている点が特徴です。

個人利用であれば無料プランでも十分かもしれませんが、ビジネスでの利用では容量や機能面から有料プランを検討する必要があるでしょう。

OneDriveとSharePointの違い

OneDriveとSharePointはどちらもMicrosoftのファイル共有サービスですが、用途に応じた使い分けが重要です。

OneDriveはクラウド上のストレージにファイルを保存し、他のユーザーと共有できるサービスです。一方、SharePointはポータルサイト(チームサイト)の構築やドキュメント管理など、高度な機能を備えています。

個人的なファイル保存や共有にはOneDriveが最適ですが、組織でのファイル管理や情報共有には、SharePointの利用がおすすめです。プロジェクトチームでの共同作業には、SharePointのポータルサイトを活用するのもよいでしょう。

OneDriveでのファイル共有方法

ノートパソコンを操作する手元と浮かび上がるファイルのイメージ

OneDriveを活用すれば、ファイルやフォルダーを手軽に共有できます。ここでは、OneDriveでの共有手順を具体的に解説します。

特に社外の人と共有する際は、セキュリティに十分注意が必要です。適切な設定を行うことで、情報漏えいのリスクを最小限に抑えつつ、スムーズな共同作業を実現できるでしょう。

ファイルやフォルダーの共有手順

OneDriveでファイルやフォルダーを共有する際は、共有したいファイルやフォルダーを選択し、「共有」をクリックします。すると、リンクの送信やメールでの共有など、いくつかの共有オプションが表示されます。

たとえば、リンクを使って共有する場合、編集を許可するか、表示のみにするかを選択できます。メールで共有する場合は、宛先や付与するアクセス権限、メッセージを設定して送信します。

フォルダーを共有する際も同様に、アクセス権限と宛先を指定します。後からアクセス権限を変更したい場合は、共有フォルダーを右クリックして「アクセスの管理」から設定できます。

共有したファイルのアクセス権限設定

共有したファイルのアクセス権限は、きめ細かく設定できます。リンクで共有する場合、「リンクのコピー」から生成されるリンクは、デフォルトで編集を許可する設定になっています。

これを変更するには「設定」から、アクセス可能なユーザーの範囲(全員、組織内、既存のアクセス権を持つユーザー、特定のユーザー)を選択します。

さらに「その他の設定」では、編集の可否、ダウンロードの禁止、有効期限、パスワード、レビューモードの設定ができます。たとえば、社外の取引先とファイルを共有する際、編集は禁止し、ダウンロードもできないように設定すれば、情報漏えいのリスクを最小限に抑えられます。

一方、招待メールで共有する場合も、同様にアクセス権限の設定が可能です。メールアドレスを入力し、付与する権限を選択して送信します。

社外ユーザーとの安全なファイル共有

社外ユーザーとファイルを安全に共有するには、まず共有リンクの設定で「特定のユーザー」を選択しましょう。

受信者がMicrosoftアカウントを持っていない場合は、ワンタイムパスコードによる本人確認が行われます。アカウントを持っている場合は、サインインを求められ、名前・メールアドレス・写真で本人確認されます。

これにより、招待したユーザーだけがアクセスできるようになり、セキュリティが保たれます。さらに、編集権限の削除や「ダウンロードのブロック」をオンにすることで、より強固なセキュリティを確保できます。

共同作業が終わったら、いつでも共有を停止できるので安心です。

OneDriveの活用とトラブルシューティング

キーボード上の赤い「トラブルシューティング」キー

OneDriveを活用する上で知っておきたい便利な機能とトラブル解決方法を紹介します。Googleドライブ、Dropbox、iCloudなど他のクラウドストレージサービスとOneDriveの特徴の比較も紹介しますので、最適なサービス選びの参考にしてください。

モバイルアプリでの外出先からのアクセスと共有

OneDriveのモバイルアプリを使えば、外出先からでもファイルにアクセスし、共有できます。Word、Excel、PowerPointなどのファイルを開いての編集や、共有、削除、移動、名前変更などの操作が可能です。

オフラインでの表示や編集もできるので、インターネットに接続していないときでも作業を進められます。

さらに、新しいファイルやフォルダーの作成、写真やビデオの撮影、アップロードもアプリから直接行えます。スキャン機能を使えば、書類やホワイトボード、名刺などをPDF化し、注釈を付けて共有することもできます。

OneDriveの同期設定とトラブル解決

OneDriveの同期機能は、WindowsとMacの両方で設定できます。Windowsの場合は、タスクトレイのOneDriveアイコンから設定画面を開き、「アカウント」タブの「フォルダーの選択」から同期対象のフォルダーを指定します。

Macでは、Finderのメニューバーにある「OneDrive」から環境設定を開き、「アカウント」タブの「フォルダーを選択」から同期フォルダーを設定します。

万が一同期がうまくいかないときは、OneDriveを再起動するか、ネットワーク接続を確認してみましょう。それでも解決しない場合は、OneDriveのサポートに問い合わせするのが確実です。

他のクラウドストレージサービスとの比較

OneDriveと他のクラウドストレージサービスには、それぞれ特徴があります。たとえば、GoogleドライブはGoogleのサービスとの連携に優れています。

また、Dropboxはファイルの同期やバージョン管理に定評があり、ユーザーフレンドリーな操作性が魅力です。ただし、無料プランの容量は2GBと少なめです。

他にも、iCloudはAppleユーザーに最適化されていますが、他のデバイスとの連携は制限されます。Amazon Photosは、Prime会員なら画像を無制限で保存できるなどの特典が魅力的です。

サービス名 特徴 おすすめユーザー
OneDrive Windowsとの連携に優れる Windowsユーザー
Googleドライブ Googleサービスとの連携 Googleユーザー
Dropbox 同期・バージョン管理に優れる、使いやすい 容量より機能重視のユーザー
iCloud Appleデバイスとの連携に最適化 Appleユーザー
Amazon Photos Prime会員向けの特典あり Amazonユーザー
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OneDrive利用時のセキュリティ対策

パソコンを操作する女性とセキュリティ対策のイメージ

OneDriveを安全に使うには、ファイル共有時のセキュリティリスクを理解し、適切な対策を講じることが大切です。IDやパスワードの流出、不用意な共有設定などに注意しつつ、二要素認証の設定や利用ガイドラインの策定で、セキュリティレベルを高めていきましょう。

ここからは、OneDriveのセキュリティ対策について、具体的なポイントを3つ紹介します。

ファイル共有時のセキュリティリスクと対策

OneDriveでファイルを共有する際は、セキュリティリスクに十分注意しましょう。IDやパスワードが流出すると、第三者による不正アクセスが発生するおそれがあります。従業員の不用意なファイル共有やアクセス状態のままの離席なども、情報漏えいリスクにつながります。

これらのリスクに対処するには、管理者によるセキュリティ運用ルールの策定や、OneDrive for Businessの利用制限、外部ユーザーへの共有設定などが有効です。

ユーザー個人でも、推測されにくいパスワードの設定や共有ファイルへの操作制限などで、セキュリティレベルを高められます。OneDriveを安全に使うには、リスクを理解し、適切な対策を講じることが大切です。

二要素認証の設定方法

OneDriveの二要素認証は、アカウントのセキュリティを大幅に高めてくれる機能です。まずはMicrosoftアカウントの「高度なセキュリティオプション」にサインインし、「追加のセキュリティと二段階認証」で「有効にする」を選択します。あとは画面の指示にしたがって進めていけば設定完了です。

ただし、二要素認証を有効にすると、サインインの度にパスワードに加えてもう1つの認証情報の入力が必要になります。認証情報を紛失したり、連絡方法が使えなくなったりすると、アカウントにアクセスできなくなるリスクもあるので注意が必要です。

万が一に備えて、3種類以上のセキュリティ情報を登録しておくのがおすすめです。手間は増えますが、不正アクセスを防ぐためには有効な手段なので、ぜひ設定しておきましょう。

社内でのOneDrive利用ガイドライン作成のポイント

OneDriveを企業で安全に活用するには、利用ガイドラインの策定が欠かせません。まず、OneDriveに保存してよいデータの種類や、アクセス権限の設定ルールを明確にすることが重要です。特に機密情報や個人情報などの重要データの扱いには注意が必要でしょう。

利用者の教育も重要なポイントの一つです。ガイドラインの内容を社内に周知徹底し、機密情報の取り扱いやフィッシング詐欺への注意喚起など、セキュリティ意識の向上を図ることが求められます。ガイドラインの策定と利用者教育の両輪で、安全なOneDrive活用を実現していきましょう。

クラウドだけで大丈夫?OneDriveとNASの
ハイブリッド運用で社内ネットワークをより安全に!

アイ・オー・データのLAN DISK

OneDriveなどのクラウドストレージサービスには、いくつかのデメリットがあります。デメリットをカバーし、安全・快適に社内ネットワークを構築するには、NASとのハイブリッド運用がおすすめです。

クラウドストレージサービスのデメリット

クラウドストレージサービスでは、ファイルの保存先が1か所になります。すべてのファイルをクラウドに集約した場合、ランサムウェア攻撃への対策や、トラフィックの混雑といった点がネックです。

また、内勤スタッフの分もアカウントを用意しなくてはならないことも、コスト面でデメリットでしょう。

おすすめはNASとのハイブリッド運用

NASとのハイブリッド運用で社内ネットワークを構築すると、クラウドストレージサービスのデメリットを解消できます。

NASに任意のタイミングでバックアップを取ることで、ランサムウェア攻撃への対策が可能です。クラウドとの通信をNASに集約すれば、ネットワークの混雑も避けられます。内勤スタッフのクラウド用アカウントも必要ありません。

アイ・オー・データの法人向けNASはOneDriveとの連携に対応しており、クラウドストレージサービスとの連携をスムーズに実現します。

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まとめ

話し合うビジネスマンとクラウドイメージ

クラウドストレージサービスの定番であるOneDriveは、容量プランの選択肢が豊富で同期機能に優れています。ファイルやフォルダーの共有も簡単で、アクセス権限の設定により社外ユーザーとも安全に共有できます。SharePointとの使い分けや、モバイルアプリを活用した外出先からのアクセスも便利です。

料金プランに応じた容量制限や、同期トラブルへの対処法、セキュリティ対策のポイントを押さえることで、ビジネスシーンでより効果的に活用できるでしょう。

ランサムウェア対策やコスト面では、NASとクラウドストレージサービスのハイブリッド運用がおすすめです。アイ・オー・データのNASはOneDriveとの連携に対応し、安全で快適なネットワーク構築を後押しします。ぜひご検討ください。

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