(記事公開日:2024年8月8日)
予期しない不具合が発生した際など、使っているパソコンを初期化しなければならないときがあります。しかし、いざ初期化しようとしても、どのように作業すればよいか分からず困っている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、パソコンを初期化する手順と忘れずにやっておきたい事前準備を紹介します。データの消失や作業ミスによるトラブルを防ぐためにも、あらかじめチェックしましょう。初期化する手順や必要な準備を正しく把握すれば、迷わずスムーズに作業を進められます。
使用中のパソコンを初期化しなければならない代表的なシーンとして、以下が挙げられます。
パソコンを初期化すると購入直後の状態に戻るため、ソフトウェアに起因する不具合の解消に役立ちます。また、インストールしたソフトウェアを含むシステムドライブのデータを削除でき、情報漏えいのリスクを低減できるのもメリットです。
使用中のパソコンを初期化する際は、事前にいくつか準備することがあります。ここでは、初期化前の準備として忘れずにやっておきたい3つのことを見ていきましょう。必要な準備をせずに初期化すると後悔する結果につながるため、前もって確認することをおすすめします。
パソコンを初期化すると、OSをインストールしているドライブに保存したデータがすべて削除されます。必要なデータは忘れずにバックアップしておきましょう。
外付けストレージに必要なデータをバックアップし、初期化作業をスタートする前にストレージを取り外すことをおすすめします。
初期化中に表示されるオプションで「個人用ファイルを保持する」を選択すると、一部のデータを残したまま初期化が可能です。ただし、どのデータが残るか分かりにくいため、念のために必要なデータをまとめてバックアップしておいたほうがよいでしょう。
初期化作業を始める前に、OSのバージョンを最新にしておきましょう。そのまま初期化すると、作業後のOSアップデートに多くの時間がかかる場合があるためです。
なお、初期化途中で「クラウドからダウンロード」を選択すれば、自動で最新バージョンのOSがインストールされます。ただし、不具合が発生した場合や何らかの理由でインターネットに接続できない場合、「ローカル再インストール」の選択が必要です。
ローカル再インストールを選択すると、初期化プロセス中に最新バージョンへのアップデートは行われません。
また、不具合の解消を目的として初期化を検討している場合、アップデートによって修正パッチが適用されて初期化しなくても解消できるケースがあります。
パソコンに多くの周辺機器を接続している場合、ドライバーの干渉などで予期しない不具合が発生するケースがあります。そのため、以下のような初期化作業に必要ない周辺機器は取り外しましょう。
作業中に接続する周辺機器は、マウスやキーボード、ディスプレイといったパソコンの操作に必要なもののみにします。
パソコンを初期化する作業方法にはいくつかのパターンがあります。ここでは、Windowsを搭載したパソコンを初期化する3つの方法を見ていきましょう。
不具合の有無といった状況によって適した方法が異なるため、パソコンの状態に応じて選ぶ必要があります。なお、以下の手順はWindows 11のケースです。
Windowsが正常に動作している場合、設定アプリから初期化するとスムーズです。具体的な手順を以下にまとめました。
1.Windows + Iを入力して「設定」アプリを起動する
2.左ペインから「システム」を選択する
3.右ペインから「回復」を選択する
4.回復オプション内の「PCをリセットする」を選択する
5.ウィザードにしたがって必要事項を選択する
6.確認画面が表示されたら内容をチェックして「リセット」をクリックする
上記の手順が完了すると、自動的に初期化プロセスがスタートします。完了まである程度の時間がかかるため、電源を切らずに待ちましょう。
プロセス中にエラーが発生するなど、設定アプリから初期化できない場合、Windowsの回復環境からの初期化を試みましょう。手順は以下のとおりです。
1. Shiftを入力しながら電源メニュー内の「再起動」をクリックする
2.再起動後にオプションの選択が表示されたら、「トラブルシューティング」をクリックする
3.「このPCを初期状態に戻す」をクリックする
4.ウィザードにしたがって必要事項を選択する
5.確認画面が表示されたら内容をチェックして「リセット」をクリックする
Windowsの動作に異常がある場合でも、回復環境から正常に初期化できる可能性があります。回復環境は、Shiftを入力しながら再起動という比較的簡単な手順で起動できるため、試してみましょう。
Windowsが正常に起動せず回復環境からも初期化できない場合、Windowsを再インストールするのがおすすめです。再インストールは以下の手順で実行できます。
1.Windows 11のダウンロードページにアクセスする
2.「Windows 11のインストール メディアを作成する」内の「今すぐダウンロード」をクリックする
3.ダウンロードしたファイルを開く
4.ウィザードにしたがってUSBメモリーにインストールメディアを作成する
5.パソコンの電源を切る
6.パソコンの電源を入れてブートメニューを開く
7.ブートメニューからインストールメディアを作成したUSBメモリーを指定して起動する
8.インストールウィザードにしたがってWindowsを再インストールする
手順4でインストールメディアを作成するときは、8GB以上のUSBメモリーが必要です。あらかじめ準備しておきましょう。再インストールが完了したら通常どおりパソコンを起動し、初期設定を終えれば使えるようになります。
macOSを搭載したパソコンを初期化する手順も詳しく見ていきましょう。ここでは、初期化で使える代表的な2つの方法を紹介します。
まずはmacOSからの初期化を試し、不具合やトラブルでエラーが発生する場合は再インストールするのがおすすめです。それぞれの具体的な手順を解説します。
OSが正常に起動する場合、「すべてのコンテンツと設定を消去」メニューから初期化を試しましょう。手順は以下のとおりです。
1.Appleメニュー内の「システム設定」を選択する
2.「一般」をクリックする
3.右ペインの「転送またはリセット」をクリックする
4.「すべてのコンテンツと設定を消去」をクリックする
5.消去アシスタントの指示にしたがって初期化する
操作が完了すると、確認画面に削除されるデータの種類や注意事項が表示されます。問題がなければ、初期化を実行しましょう。
macOSの場合も、初期化プロセスの完了までにはある程度の時間が必要です。電源を切らずにそのまま待ち、初期化が完了したら正常に動作するか確認します。
不具合で「すべてのコンテンツと設定を消去」メニューから初期化できない場合、macOSの再インストールを試みましょう。以下の手順で再インストールできます。
1.Appleメニュー内の「システム設定」を選択する
2.「一般」をクリックする
3.右ペインの「転送またはリセット」をクリックする
4.「すべてのコンテンツと設定を消去」をクリックする
5.消去アシスタントの指示どおりに操作してmacOSを消去する
6.パソコンを再起動する
7.Appleメニューから「システム終了」を選択する
8.電源ボタンを押し続ける(起動オプションを読み込み中と表示されたら離す)
9.「オプション」を選択する
10.「続ける」を選択する
11.「macOSを再インストール」を選択する
12.ウィザードにしたがって再インストールを完了させる
macOSの再インストール後は、初期設定を済ませれば今までどおり使えるようになります。
不具合の解消やパソコン処分時の情報保護に役立つ初期化ですが、実行する際はいくつか注意したいことがあります。ここでは、見逃しやすい3つの注意点を見ていきましょう。
これからパソコンの初期化を考えている方は、事前にチェックした上で、実行しても問題ないか判断することをおすすめします。
使用中のパソコンを初期化し、再設定して使える状態にするにはある程度の時間を要します。早ければ数十分で終わりますが、途中で不具合やエラーが発生すると数時間以上かかるケースもあるため注意が必要です。
どの程度の時間がかかるか正確に見積もるのは難しいため、時間に余裕があるときに実行しましょう。しばらくパソコンを使用しなくてもよいタイミングで初期化すれば、慌てずに作業できます。
パソコンの初期化が完了すると、基本的にインストールしていたソフトウェアは削除されます。そのため、普段使うソフトウェアを再度インストールする作業が必要です。
多くのソフトウェアを使用していた場合、ダウンロード・インストールに時間がかかるため注意しましょう。また、すでに販売終了したソフトウェアなど、削除すると再度インストールできないソフトウェアもあります。
なお、初期化後にバックアップデータからソフトウェアをリストアできる場合、再度ダウンロード・インストールする必要はありません。必要なソフトウェアは、事前にバックアップしておくと作業がスムーズです。
不具合の原因がハードウェアの故障や不良品など、ソフトウェア以外にある場合、初期化してもトラブルは解消しません。初期化すればすべての不具合が解消するわけではないことを覚えておきましょう。
ハードウェアに原因があるときは、パーツの交換やパソコン本体の修理が必要になる場合があります。交換用のパーツが入手できないなど、状況によっては買い換えなければなりません。
初期化に伴ってシステムドライブ内のデータは失われるため、大切なデータを保護するためにバックアップは大切です。ここでは、データのバックアップに使える2つの方法を紹介します。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、正しく理解した上で自分に合ったバックアップ方法を選びましょう。
データをバックアップする方法のひとつが、クラウドストレージへのアップロードです。オンラインでサーバー上にデータを保存する手法で、インターネット環境があればどこからでもアップロードできます。
保存したデータは別のデバイスからアクセスしてもダウンロードできるため、汎用性が高い方法です。ただし、アップロードするデータの容量が大きくなると、その分高コストになるのがデメリットといえます。
バックアップデータをローカルで保存するなら、外付けストレージがおすすめです。ポータブルSSDやスティックSSDといったさまざまなストレージがあるため、データサイズや転送速度を考慮して適切なストレージを選ぶとよいでしょう。
外付けストレージはいったん購入すれば継続的に利用でき、クラウドストレージのように月額料金は発生しません。一方、紛失や盗難、破損によってデータが失われるリスクがクラウドより高いのがデメリットです。
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1TBのSSDはどこまで使える?用途に合った商品の選び方を紹介
初期化前のデータバックアップ手段として、外付けストレージへの保存を検討している方に向けて、アイ・オー・データでは高速転送に対応したスティックSSDを販売しています。
パソコンに接続するだけで使用でき、コンパクトで保存しやすいのが魅力です。できるだけ簡単にデータを保存したい方は、ぜひご検討ください。
アイ・オー・データで販売しているSSPE-USCシリーズは、USB-AポートとUSB-Cポートの両方を搭載しています。そのため、USB-Cポートのみを搭載したパソコンにもそのまま接続できるのがメリットです。
MacBookやMac miniをはじめ、USB-Aポートを搭載していないパソコンを使用している方にとって便利に使えるスティックSSDといえます。複数のパソコンにそのまま接続できるため、バックアップデータを移動する際も便利です。
ファイルシステムにはexFATを使用しており、パソコン向けで主要なOSであるWindows・macOS・Linuxのいずれでも使えます。さまざまなOSのパソコンを併用している方にとっても魅力です。
SSPE-USCシリーズの容量ラインアップは、2024年6月時点で500GB・1TB・2TBの3種類です。小容量から大容量まで幅広く取りそろえているため、バックアップデータの量に適した商品を選べます。
多くのソフトウェアをインストールしていてシステムドライブのサイズが大きい場合でも、2TBの商品を選べば足りるケースがほとんどです。
まずはシステムドライブのデータサイズがどの程度か確認し、余裕を持った容量の商品を購入することをおすすめします。
転送速度はリード最大530MB/s、ライト最大450MB/sで、ポータブルHDDと比較して高速でデータを読み書きできるのが特徴です。バックアップデータのサイズが大きい場合、高速で読み書きできれば短時間でバックアップ・リストアできます。
特にパソコンのバックアップデータはサイズが大きくなりやすいため、高速転送に対応しているかどうかはストレージ選びにおいて重要な要素です。
初期化に付随する作業時間の短縮にもつながるため、速度を重視する方はぜひスティックSSDをご検討ください。
USB-A&USB-C®コネクター搭載!幅広いデバイスに対応するスティックSSD「SSPE-USCシリーズ」
使用中のパソコンに不具合が発生したときや処分するときなど、初期化が必要な理由はさまざまです。パソコンを初期化する方法はいくつかあり、パソコンの状況やOSによって適した方法が異なります。
どの方法を選ぶ場合でも、保存したデータを安全に保護するためにバックアップが必要です。アイ・オー・データでは、データのバックアップに使えるスティックSSDを販売しています。高速通信に対応した大容量の商品もあるため、ぜひご検討ください。
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