Windows 11への移行は早めにやったほうがよい?手順・注意点を解説

(記事公開日:2024年9月2日)

Windows 11への移行は早めにやったほうがよい?手順・注意点を解説

#バックアップ #Windows ノートPCを片手で持ちながらアップデート作業をする様子

2025年にWindows 10のサポートが終了することに伴い、Windows 11への移行を考えている方もいるのではないでしょうか。しかし、早めに移行したほうがよいのか、様子を見たほうがよいのか迷うかもしれません。

この記事では、Windows 11に移行する方法と移行作業時の注意点を詳しく紹介します。予期しないトラブルを防ぎ、スムーズに移行するためにも事前にチェックしましょう。

Windows 11への移行は必要?

2台のノートPCと光学ディスク・スティックSSD

2024年7月時点において、MicrosoftがサポートしているOSはWindows 10とWindows 11の2種類です。そのうち、Windows 10のサポートは2025年10月14日に終了します。また、過去にリリースされたWindows 8.1以前のOSのサポートはすでに終了しました。

サポート期間が終了するとセキュリティアップデートや不具合の修正、機能面のアップデートは実装されません。必要なアップデートが提供されなければ、安全性や利便性が低下します。

今後も安全にWindowsを使い続けるには、サポート終了までにWindows 11にアップデートすることが必要です。

Windows 11への移行時に覚えておきたいこと

ディスプレイに表示されたチェックリスト

Windows 10以前のOSを使用している場合、Windows 11に移行する際に覚えておきたいことがいくつかあります。ここでは、忘れずにチェックしたい2つのポイントを見てみましょう。スムーズに移行作業を進めるためにも、この機会に確認することをおすすめします。

Windows 10ユーザーは無料でアップデートできる

現在使用中のPCにインストールしているOSがWindows 10の場合、無料でWindows 11にアップグレードできます。また、Windows 8.1以前のOSを使用している場合でもWindows 11へのアップグレードが可能です。

Microsoftでは、Windows 8.1以前のOSをWindows 11にするには、いったんWindows 10にアップグレードする必要があるとアナウンスしています。

しかし、実際にはダウンロードしたISOファイルを使用してWindows 8.1以前のOSから直接アップグレードできることも少なくありません。アップグレードの手間を軽減できるため、該当する場合は一度試してみるとよいでしょう。

Windows 11を動かすにはシステム要件を満たす必要がある

Windows 11にアップグレードするには、一定の要件を満たす必要があります。Microsoftが発表しているアップグレード要件は以下のとおりです。

項目 要件
CPU クロック1GHz以上かつ2コア以上の64ビット互換CPU
メモリー(RAM) 4GB以上
ストレージ 64GB以上
セキュリティ セキュアブート対応
TPMバージョン 2.0
グラフィック DirectX 12以降
ディスプレイ 720p以上

上記の条件を満たしていないと、アップグレード作業中にエラーが発生して進みません。特に注意したいのがCPUの要件です。

2024年時点で主流のIntel製およびAMD製CPUを例に挙げると、第8世代以降のCoreシリーズ、第3世代以降のRyzenシリーズ(Zen 2アーキテクチャ以降)を搭載していれば、Windows 11にアップグレードできます。

移行作業にはある程度の時間がかかる

Windows 11へのアップグレードを開始すると、完了までにはある程度の時間がかかります。具体的な作業時間はPCの状態によって異なり、15分程度で完了することもあれば、数時間かかることもあるため注意が必要です。

作業中はPCを使用できないため、時間に余裕があるときにアップグレードしましょう。仕事前のようなPCを使う予定があるタイミングでアップグレードすると、予想以上に時間がかかった場合に困ります。

Windows 11へ移行する基本の手順

「STEP1.」「STEP2.」と順番に5まで書かれた用紙とマーカー

使用中のPCをWindows 11にアップグレードする場合、どのように作業を進めればよいのでしょうか。ここでは、アップグレードの具体的な手順を紹介します。

初めてのアップグレードでやり方が分からず悩んでいるなら、ひとつずつ順番に作業を進めましょう。なお、アップグレードにはインターネットにアクセスできる環境が必要です。

手順1:Windows 11のインストールアシスタントをダウンロードする

アップグレードに必要なファイルは、Microsoftの公式Webサイトからダウンロードできます。まずは専用ページにアクセスし、「Windows 11 インストールアシスタント」をダウンロードしましょう。

ページ内の「今すぐダウンロード」をクリックすると、自動でダウンロードを開始します。容量は4MB程度でそこまで大きなファイルではないため、短時間でダウンロード可能です。

(参考: 『Windows 11をダウンロードする|Microsoft』

手順2:ダウンロードしたファイルを実行する

ファイルのダウンロードが完了すると、フォルダー内に「Windows11InstallationAssistant.exe」というファイルが生成されます。そのファイルをダブルクリックしてインストールウィザードが開いたら、次の手順に進みましょう。

なお、最小システム要件を満たしていないPCでファイルを実行すると、「このPCは、Windows 11をインストールするための最小システム要件を満たしていません」というエラーメッセージが表示されます。

手順3:ウィザードにしたがってWindows 11をインストールする

インストールウィザードが起動したら利用規約を確認し、問題がなければ「同意してインストール」をクリックしましょう。

その後、アップグレードに必要なファイルのダウンロードがスタートするため、完了するまで待ちます。ダウンロードが終わったら、PCを再起動すればアップグレードは完了です。

ユーザーはインストールウィザードの指示にしたがって操作すればよいため、落ち着いて作業すれば迷うことはありません。

システム要件を満たさないPCを
Windows 11に移行する3つの方法

ソフトウェアアップデートを実行中のPC

PCがシステムの最小要件を満たしていない場合、通常の方法ではWindows 11にアップグレードできませんが、以下で紹介する方法を用いれば可能です。

ただし、システム要件を満たさないPCにWindows 11をインストールすると、互換性の問題が発生するリスクがあります。トラブルリスクがあることを理解した上で、自己責任で作業しましょう。

方法1:レジストリキーを手動で追記する

システム要件を満たさないPCをWindows 11にアップグレードするひとつ目の方法は、レジストリキーを編集する方法です。まずはMicrosoftの公式WebサイトからWindows 11のディスクイメージをダウンロードします。その後、以下の作業を実行しましょう。

1.Windows + Rを入力して「ファイル名を指定して実行」を開く
2.「regedit」と入力して実行し、レジストリエディターを開く
3.「HKEY_LOCAL_MACHINE」「SYSTEM」「Setup」の順にツリーを展開する
4.右ペインの空白部分を右クリックして「新規」から「DWORD(32ビット)値」を選択する
5.新規作成された項目をダブルクリックして編集ウィンドウを開く
6.値の名前に「AllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPU」を入力する
7.値のデータに「1」を入力する
8.表記で「16進数」を選択してOKをクリックする

上記の作業が完了したら、ダウンロードしたISOファイルをダブルクリックして開き、内部にある「setup.exe」を実行します。その後、インストールウィザードにしたがって作業を進めれば、アップグレードは完了です。

方法2:インストールメディア内の「appraiserres.dll」を編集する

2つ目のアップグレード方法は、ISOファイル内の「appraiserres.dll」を編集する方法です。Microsoftの公式WebサイトからISOファイルをダウンロードしたら、以下の手順で作業を進めましょう。

1.ダウンロードしたISOファイルを開く
2.いったん「setup.exe」を起動して、システム要件のエラーメッセージを表示させる
3.再度ISOファイルを開く
4.内部にある「sources」フォルダーを開く
5.「appraiserres.dll」ファイルを右クリックする
6.「プログラムから開く」をクリックする
7.「メモ帳」を選択してファイルを開く
8.Ctrl + Aですべて選択して削除する
9.削除した状態で上書き保存してファイルを閉じる
10.「setup.exe」をダブルクリックしてインストールウィザードを開く
11.インストールウィザードにしたがってアップグレードする

手順2でいったん「setup.exe」を起動しないと、「appraiserres.dll」が生成されません。中身をチェックした際に該当するファイルがない場合、一度インストールウィザードを実行してエラーメッセージを見てから作業を進めましょう。

方法3:ブータブルUSBメモリーを使用する

ダウンロードしたISOファイルから、ブータブルUSBメモリーを作成して使用するアップグレードも可能です。以下でブータブルUSBメモリーの作成とアップグレードの手順を紹介します。

1.ブータブルUSBメモリー作成ソフトのRufusをインストールする
2.USBメモリーをPCに接続した状態でRufusを起動する
3.デバイスに接続したUSBメモリーを指定する
4.「選択」をクリックしてダウンロードしたISOファイルを指定する
5.イメージオプションで「Extended Windows 11 Installation」を選択する
6.パーティション構成に「GPT」を指定して「スタート」をクリックする
7.ブータブルメディア内のISOファイルを開く
8.「setup.exe」をダブルクリックしてインストールウィザードを起動する
9.インストールウィザードにしたがってアップグレードを進める

上記の手順でアップグレードするとTPMのチェックが行われないため、TPM 2.0に対応していないPCにもWindows 11をインストールできます。

Windows 11の要件を満たさないPCは買い替えたほうがよい?

PCがWindows 11の最小システム要件を満たしていない場合、買い替えを検討したほうがよい場合があります。Windows 11にアップグレードできないPCは古いものが多く、性能面に問題がある可能性が高いためです。

普段使っていて動作が重かったり処理速度が遅かったりするなど不満を感じているなら、最新のPCへの買い替えを検討することをおすすめします。Windows 11にアップグレードして使い続けるより快適に使えて、作業効率も上がるでしょう。

Windows 11に移行する際のチェックポイント

セッティング中のPCと作業員

Windows 11にアップグレードする際は、システムの最小要件以外にもチェックしたいポイントがいくつかあります。ここでは、忘れずに確認したい要素として「互換性」と「基本機能」の2つを見てみましょう。

システム要件だけに注目していると、アップデートしてから後悔するおそれがあります。アップグレードしても問題ないか正しく判断するために、確認することが大切です。

ソフトウェアの互換性を確認する

普段使用しているソフトウェアがWindows 11に対応しているか確認しましょう。開発元がWindows 11に対応していると発表していれば、アップグレードしても問題ありません。

対応していると明記していない場合、アップグレード後に何らかの不具合が発生したり起動できなくなったりするケースがあります。

メインで使用しているPCをアップグレードする前に、テスト用のPCを用意してWindows 11でソフトウェアがきちんと動作するか確認するのがおすすめです。

一部の機能が変更・廃止されている

Windows 11では、Windows 10で使えた機能の一部が変更・廃止されています。変更・廃止された機能の例は以下のとおりです。

廃止 変更・統合
  • Internet Exprorer
  • 数式入力パネル
  • スタートメニューへのフォルダー作成
  • ウォレット
  • マルチアプリキオスクモード
  • Snip and Sketch

PCを使用する上で、致命的といえるような大きな変更はありません。しかし、利便性には影響を及ぼすため、自分の使用環境において影響を受けるものがないかチェックすることをおすすめします。

なお、社内システムと連携している場合、事前にWindows 11と互換性があるか、あわせて確認しましょう。

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アイ・オー・データではバックアップに最適なストレージを販売

アイ・オー・データのHDPD-SUTCシリーズ

予期しないトラブルによるデータ消失を防ぐには、事前のバックアップが必要です。アイ・オー・データでは、データのバックアップに使えるさまざまな外付けストレージを販売しています。

ここでは、特に使いやすい外付けストレージとして、スティックSSDと外付けHDDを紹介します。データバックアップ用のストレージを探している方は、ぜひアイ・オー・データの商品をご検討ください。

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大容量データを速やかにバックアップしたいなら、高速転送に対応したスティックSSD「SSPE-USCシリーズ」がおすすめです。最大転送速度はリード530MB/s、ライト450MB/sで、バックアップにかかる時間を削減できます。

PCのUSBポートに接続するだけで利用でき、外部電源を接続する必要はありません。手軽に使いたい方にも向いている外付けストレージといえるでしょう。

保存したデータを安全に保護するため、「MIL-STD-810H」規格に準拠した耐衝撃性を備えているのも魅力です。落下や衝突といった衝撃に強く、バックアップしたデータを持ち運ぶ機会が多い方にも適しています。

SSPE-USCシリーズ

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機密情報をはじめとした重要なデータを含む場合におすすめなのが、セキュリティ性能に優れた外付けHDD「HDPD-SUTCシリーズ」です。AES256bitによる自動暗号化に対応し、紛失・盗難・不正アクセス時の情報漏えいリスクを大幅に低減できます。

パスワードロックにも対応しており、保存した情報にアクセスするには事前に設定したパスワードの入力が必要です。権限がないユーザーが知らないうちに情報にアクセスするリスクを減らせるのも大きなメリットといえるでしょう。

また、耐衝撃性にも優れていて、落下の衝撃による破損やデータ消失のリスクを減らせます。データの安全性を重視する方におすすめの機能を搭載しているのが魅力です。

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まとめ

机上に置いたアップデート中のノートPC

2025年10月にWindows 10のサポートが終了するため、その後も今のPCを使い続けるならWindows 11にアップグレードするのがおすすめです。Windows 11にアップグレードする方法はいくつかあるため、自分の状況に適した方法を選びましょう。

アップグレード前には、トラブルによるデータ消失を防ぐためにバックアップを取ることが大切です。アイ・オー・データでは、データバックアップに活用できるスティックSSDや外付けHDDをラインアップしています。

バックアップ用の外付けストレージを探している方は、必要な機能や容量を備えたアイ・オー・データ製の商品をぜひご検討ください。

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